天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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マキナ「前回のあらすじ、妖精の尻尾の魔導士にして天才科学者であるボクことマキナは……な、なんとネエちゃんと入れ替わってしまったかな!?マナツたちも誰かと入れ替わり、ギルドは混乱状態に!どうなるのかな!?これは!」

ディンガ「不穏な空気だ…然し、口から火が出るのは気味が悪いね」

マキナ「見た目がナツなだけに冷静な態度が怖いよ?ディンガ」

ディンガ「博士は女性になっても辛辣だね」


第二十九話 天才くん、文学少女と手を組む

「…………ま、まさか……ボクたち、入れ替わってるかなっ!?」

 

「「「な………なんですとぉぉぉ!!?」」」

 

入れ替わっていたマキナたち。カナ?の発言に全員が驚愕し、叫び声を挙げる

 

「カナの言っている事は事実だ!」

 

「ボクはマキナだよー」

 

「私はこっちだよ、ハッピー」

 

「ええぃ!紛らわしい!というか!私はエルザだ!!」

 

「なにぃーーーっ!?じゃあ、ハッピーは何処だ!」

 

「おいらはここだよー?というかディンガって、そんな口調だった?」

 

「僕はこっちだよ?エルザ」

 

何が如何なっているのかも理解不能かつ摩訶不思議な現象。互いに名を呼び合えば、別の誰かが反応を示す

 

不思議(ワンダー)にも程があるよっ!!何がどうなってるんだいっ!マキナ!」

 

「落ち着くかな。きっと、さっきの古代文字が原因に違いないよ」

 

「そうらしいな……ナツとディンガ、カナとマキナ、マナツとグレイ、エルフマンとリアン、スコルとロキ……そしてあろうことか、私とハッピーが入れ替わったのだ!!」

 

「なんであろうことかなんだよぉ〜!」

 

「だとしたら、ルーシィはどうしたのー?見当たらないけど…」

 

入れ替わってしまった事実、最悪の状況をハッピー基エルザが告げるの聞き、グレイ基マナツが辺りを見回し、ルーシィの行方を探す

 

「あたしはこっちよ。体がなんか軽くなってみたい」

 

「ルーちゃんのお胸……おっきいね」

 

「レビィと入れ替わったのかー」

 

何の因果なのだろう、ルーシィは親友のレビィと入れ替わっていた。何よりも普段とは違う身の軽さを感じるルーシィに対し、レビィは胸元にある二つの果実を持ち上げる

 

「古代ウンペラー語の言語魔法……〝チェンジリング〟が発動したんじゃ」

 

正に救世主、絶望的な状況に響いた声に誰もが正面玄関に視線を向ける

 

「「じっちゃん!」」

 

「おじじ!」

 

「あの依頼書が原因じゃ、ある呪文を読み上げると、その周囲に居た人々の人格が入れ替わってしまう。此れが〝チェンジリング〟じゃ」

 

「聞いたことあるかな……発動してから三十分以内に呪文を解除しないと…未来永劫元に戻る事はないとかなんとか」

 

マカロフが口にした〝チェンジリング〟の名を聞いた瞬間に、カナ基マキナが口にしたデメリットに全員が両眼を見開く

 

「お前……ナツなんだよぁ?なんてことしやがった!!」

 

「知るかっ!!依頼書ちょっと読んでみただろっ!!つか、視界が低いんだよっ!!」

 

「止めないかっ!マナツ…いや今はグレイか……マキナの話が本当なら、この呪文で入れ替わるのは人格だけではない…そうだな?」

 

言い争そうマナツ基グレイ、ディンガ基ナツを咎めたエルザはマキナに問いを投げかける

 

「その通りかな。魔法も入れ替わるハズかな……現にボクは物質移動(アポーツ)を使えない」

 

「確かに……私も占いにいまいちキレがないね…」

 

「にゃぜかは分からないけど……紅茶の味が分からないわ……それに可愛くないっ!!あたしがどうしてこんなに汗臭いのよっ!!」

 

「それが漢だっ!」

 

「何故だ……すごく暴れたい!なんだこれは!!力が漲るぅぅぅぅ!!」

 

「モヤモヤすんぞっ!?なんだってんだ!?この目にあるよくわかんねぇメガネはなんだっ!?」

 

「其れはサングラスだよ?ロキ…ああ、キミはスコルだったね。失礼」

 

「おじじなら解けるよねっ!?解けるって言ってぇぇぇ!?」

 

「うーむ…なんせ古代魔法じゃからのう。そんな昔の事は……ワシは…」

 

収拾の付かない混沌を極めた状況にマナツが泣きつくとマカロフは髭を触り、思考を巡らせる

 

知らん!!

 

「ボクも知らないかな」

 

「そんなーーーっ!!」

 

マカロフだけではなく、マキナまでもが匙を投げた。マナツは絶望に打ちひしがれ、肩を落とす

 

「なんてこった!!ええいこうなったら!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!脱ぐなぁぁぁぁぁ!!マキナ!見ないでェェェェ!!」

 

「私はカナだよ」

 

「グレイ…マナツの体で変なことをしないでもらえるかな」

 

脱ぎ癖がそのままのグレイがマナツの体で服を脱ごうとするが、本人からの飛び蹴りとマキナからの圧力に無力化される

 

(((マナツじゃなかったら………よかったのになぁ……)))

 

「………なんか今さっき、失礼なことを考えた?ねぇ?おいコラ」

 

男性陣たちの邪な思考を読み取ったマナツは怒気を放ち、睨み付ける

 

「ネエちゃん、これをトーちゃん(・・・・・)にはどうやって、説明しようかな?絶対に暴れることは目に見えてるよー」

 

「そうだね、あのオッサンはバカだからね。何をするかが分からない」

 

「博士とカナは身内だから構わないだろう?僕はナツだよ?体内が異常に熱くてね、煮えたぎりそうだ」

 

「頭のこのマスク邪魔だな、捨てていいか?」

 

「駄目だよ、其れは博士にもらった大事なモノなんだ」

 

「魔法も変わるのかーー……そうだ!やってみよーーっと!」

 

「うわー!!や…止めろ!」

 

「換装!換装!おいらも換装!うわーい!!」

 

ハッピーが突如、換装を始めた。然し、魔法が半端であるが故に上手い具合に発動しなかったのか、ツインテールにスク水、極め付けには釣り竿を携えた謎の姿をしたハッピーが其処にはいた

 

「「「おぉー!これはこれで……」」」

 

「やめんかーーーっ!!!」

 

怒りが頂点に達したエルザが殴り掛かるも、高低差故の不慮の事故と言わざるを得ない肘打ちの餌食となり、地面に沈む

 

「なんということだ…S級魔導士としてのプライドがぁ」

 

「プライド以前に品がないね、なんだい?その水着は」

 

「ネエちゃんも水着みたいな服を着てるかな」

 

「今は博士が着ているけどね」

 

「ややこしいぜ……ナツが真面な雰囲気だと」

 

「博士が酒樽を手にしているのも見栄えが良くありませんね」

 

プライドを折られたエルザに追い討ちをかけるカナとマキナ、ディンガの三人にデウスとエクスはやり切れない気持ちを感じていた

 

「どうするか……ルーシィ!じゃなかった…レビィ、参考になりそうな文献はあったりする?文字を調べる必要があるかな」

 

「任せて!私、古代文字にちょっと詳しいから、先ずはその依頼書の文字を調べてみよう!マキナも手伝って!」

 

「あいあい」

 

「おお!天才(ジーニアス)と秀才のタッグだ!期待出来そうじゃねえか!」

 

「頑張って!レビィちゃん!」

 

「マキナ!がんばれ!」

 

科学と文学、二人の分野の才を持つ者たちが手を取り合い、騒ぎ収束の為に乗り出す

 

「俺たちは応援するぜっ!がんばれよっ!レビィ!」

 

「任せたぜっ!レビィ!」

 

「アンタ等は居る意味があんのかい?」

 

「其れは言わぬが花だよ」

 

「博士!頑張ってください!博士に不可能はありません!」

 

「見た目はカナとルーシィだけどな」

 

レビィを応援するジェット&ドロイ、マキナを応援するデウス。其れを傍観するカナ、ディンガ、更に背後で見た目にエクスが突っ込みを放つ

 

「漢だ!俺も参加するぞっ!」

 

「にゃにを勝手に人の体で汗臭いことをしようとしてるのよっ!?」

 

「やだやだ!一生、裸でパンツの氷ヤローなんてやだよぉー!ぎゃぁぁぁ!!口から氷がぁぁぁぁ!?」

 

「マナツ!てめぇ!俺になんか恨みがあんのかっ!?うわっ!?なんだ、口から花弁がっ!!」

 

「側から見てっと気持ち悪いな」

 

「品がないよね。おいらなら、次は完璧に出来るよ!」

 

「やめんかっ!!」

 

最悪の状況に混乱し、暴れ回るマナツとグレイ。其れを見ていたナツは気持ち悪いと漏らし、ハッピーは換装しようとするがエルザに止められ、二度目の肘鉄を見舞う

 

「ダメだ……なんも分からないかな」

 

「お手上げ…ごめん」

 

「「「な、なにぃーーーーーっ!?」」」

 

二人の頭脳派を持ってしても解明不可能の古代文字、入れ替わった全員が声にならない叫びを挙げる

 

「そうか…私はこれから先…妙な羽の生えた猫として生きていくのか…」

 

「俺もワケわかんねぇガスマスクを付けた腹黒猫なんだな」

 

「あたしがにゃにをしたの……汗臭いのはイヤァァァァ!!!」

 

何かを悟ったエルザ、全てを諦めたナツ、汗臭い体を嫌がるリアン。絶望感に彼等は打ちひしがれる

 

「おいらは妙じゃないよぉ」

 

「ガスマスクだけでも返してもらえるかい?其れがないと落ち着かなくてね」

 

「漢だ!」

 

「やだやだ!!寒いのキライ!!」

 

「口から花が止まらねぇ!!どうするんだっ!」

 

「マキナは頑張ったよ、ネエちゃんは何も言わないさ」

 

「ネエちゃん………もう少しだけ頑張ってみるかな!レビィ!」

 

「そうだね!親友のルーちゃんの為に!」

 

「レビィちゃん!マキナ!」

 

再び、立ち上がる二人の頭脳派。今度こそはと古代文字に向き合う姿勢は正に天才と秀才、科学と文学の化学反応(ケミストリー)である

 

「どうしよう!このまんまだったら!」

 

「あたしはもう二度と可愛さをアピールすることが出来ないんだわ………」

 

「マカオ!時間は!」

 

「正確には分からねぇが三分くらいだ!」

 

「魚なのか……これから、朝も、昼も、夜も…魚なのか!!猫じゃらしを見ると嬉しくなってしまったりするのか……」

 

「火が食えねぇ!?地獄だ……」

 

「火を食した経験はないけれど、興味がないと言うと嘘になるね」

 

「まだかっ!マキナ!」

 

「レビィちゃん!」

 

「もうちょい………もう少しで……」

 

「なんとなく分かりそうな気はしてきてるんだけど…」

 

何かを掴めそうなマキナとレビィ、その背後の応援はジェットとドロイだけではなく、リアンの姿をしたエルフマンまでも参加していた

 

「そうじゃ、思い出したんじゃがな。この魔法を解くときは、たしか一組ずつしか解けないんじゃ。いっぺんに全員を戻すのは無理だったはずじゃ」

 

「なんだって!!マキナ!ささっと解読するんだよっ!先を越されちまう!」

 

「あいあい」

 

「博士には申し訳ないがこればかりは譲れないね。最初は僕とナツさ」

 

「そうだ!ディンガの言う通りだ!」

 

「にゃにを言ってんのよっ!あたしとエルフマンよっ!」

 

「そうだ!漢だ!」

 

「そうはトンマがおろさ---あり?問屋だっけ?」

 

「待て!私がずっとこのままだと、妖精の尻尾はどーなる!?最初は私とハッピーだっ!!」

 

「おいらはどっちでもいいよぉ」

 

追い詰められると人間の本性が垣間見えると言われるが、今が正にその状況であろう。入れ替わったメンバーが言い争いを始める

 

「分かった!これだよ!マキナ!」

 

「なるほど、まさかの灯台下暗しかな。単純だったんだー……時間を考慮してられないかな!やるよー!」

 

「オッケー!」

 

迫るタイムリミットを前に真相解明に辿り着いたレビィとマキナは説明も無しに早期解決に乗り出す

 

「「アルボロヤ テツラ ルビコウ!!アルボロヤ テツラ ルビコウ!!アルボロヤ テツラ ルビコウ!!アルボロヤ テツラ ルビコウ!!」」

 

二人が呪文を唱えた瞬間、二度目の眩い光がギルドを包み込んだ

 

「あ!元に戻ってる!ありがとう!レビィちゃん!」

 

「ルーちゃんの為だからね!」

 

「流石はマキナだね!今日もナイス不思議(ワンダー)だよ!正に天才だね、博識だね、鬼才だね!」

 

「当然かな!だってボクは天才(ジーニアス)!つまりは天才だからね!」

 

元に戻り、喜び合うルーシィとレビィ。自分を褒め称える(カナ)に対し、マキナはけらけらと笑う

 

「解けてねぇ……!!」

 

「おや、まだお腹が煮えたぎっているね」

 

「やだよぉぉぉ!!口から氷なんか出したくないよぉぉ!!」

 

「何故だァァァァ!!私は猫のままなのかっ!?」

 

「止まらねぇ!!口が花畑みてぇだ!!」

 

「漢だ!」

 

「アンタはそればっかりじゃないのっ!!イヤよっ!可愛くないあたしなんかっ!!」

 

「視界が暗ェ!!」

 

「暴れたい……ウォォォォ!!」

 

「おいらはどっちでも良いよぉ〜」

 

マキナとカナ、ルーシィとレビィは解呪に成功した。然し、四人以外は元に戻らずにそのままだった

 

「まぁまぁ、他にも何か方法があるじゃろうて」

 

「「「………は?」」」

 

「なんだか…私背が縮んでない?」

 

「「「…………は?パート2」」」

 

騒ぐナツたちを咎めたのは、老人口調のミラ。その付近では乙女口調のマカロフがあたふたしていた

 

「なんと!ナイスバディじゃ!どうじゃ?ほれほれ」

 

「きゃぁぁぁ!やめてェェェェ!それだけは〜〜〜っ!!」

 

まさかの事態、更なる混沌にマキナは嫌な予感を察知し、ギルド全体を見渡した。すると、元に戻ったメンバー以外は入れ替わっており、猫の手を借りてもお手上げな事態に成り果てていた

 

「マキナ!!どうにかしろっ!魔科学でっ!!」

 

「いやぁ〜さ、さすがにこれはダメかな……科学に入れ替わるとかないから……えっと……天才にも不可能はあるってことで……勘弁かな……なぁ〜んて?」

 

「「「ふざけんなぁぁぁ!!このバカ科学者ァァァァ!!!」」」

 

けらけらと笑いながらも、悪気を感じているマキナにギルド全体からの突っ込みが飛んだのは火を見るよりも明らかなのは言わずもがなだ

 

「戻りますかね?これ」

 

「次の話では何事もなかったかのようにってのが御約束だろうが」

 

発明品であるが故に入れ替わり現象に巻き込まれなかったデウスとエクスは騒ぎ出す仲間たちを前に傍観していたのであった




復興支援の依頼を終えたマキナはマナツたちとギルドに帰還するが……彼等の前に姿を見せたのは変わり果てたギルドの姿だった!何がどうしたんだっ!?

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