ディンガ「博士、なんやかんやとはなんだい?意味が分からないよ」
マキナ「なんやかんやはなんやかんやかな」
第三十話 天才くん、静かに怒る
「よ〜やく……終わったかな……ナツたちのS級クエストに自業自得とはいえ、巻き込まれて、滞ってたハルジオンの復興支援が……二度とごめん被るかな…」
「何故、説明口調なんです?博士」
何故かは不明だが、説明口調のマキナが自分が疲れ果てている理由を漏らすと、彼を乗せていたデウスが問いを投げかける
「そんなの前回の話がアニメオリジナルで原作には存在してねぇからだろ」
「何の話だっ!?」
その問いに答えたのはエクスであるが、彼が口にした言葉の意味を理解出来ないデウスは本日も見事な突っ込みを放つ
「まぁ、そこは報酬にかなりのお金もらえたんだから良しとしようよっ!それにマキナの手際は何時見ても花丸満開だねっ!」
「マナの言う通りね。マキに任せれば、にゃんでも万事解決だから安心だわ」
「それなっ!」
和気藹々と盛り上がる
「ふむ…妙だね。僕の記憶が正しければ、マナツとリアンは何もしていなかったハズ……にも関わらず、彼女たちが誇らし気にしているのは何故だい?」
「ディンガ、其れは言うだけ虚しくなるだけだよー」
物事をはっきりとしないと気が済まない性分のディンガが投げかけた問いに、呆れたようにマキナが突っ込みを放つ
「…………あり?なーんか、視線を感じる…」
ギルドまで僅かに迫った瞬間、マナツは本能的に自分たちに向けられる妙な視線を感じ取った
「にゃるほど。可愛さは罪って言うけど、遂にマグノリア全体があたしのファンになったに違いないわ」
「そうなのっ!?さすがはリアン!アタシの可愛い相棒ちゃん!」
「もっと褒めても良いのよ」
「どうやら…違うみたいだ。視線は僕たちに向いているんじゃない……
的外れな解答を導き出したリアン、其れを信じたマナツを咎めたディンガは眼前に姿を見せた我が家と呼ぶべきギルドに視線を向けた。それにつられる様にマキナたちが視線を追った先には、目を疑う光景が広がっていた
「ぎ………ギルドが!!」
「ウソ……信じられない………」
「許してはおけないね」
「胸クソ悪ぃぜ……」
変わり果てた
「……………大変だ!ギルドが!!斬新な飾り付けをされてる!!」
「「そうじゃねぇだろ!!!」」
唯一人、見当違いの解答を導き出したマナツに御約束の全員突っ込みが放たれる。無残な姿に成り果てたギルドを前にマキナだけは静かに佇み、頭のゴーグルに触れる
「ミラ………誰がやったのー?」
何時ものように呑気に、けらけらと笑う彼は背後に感じた気配の主であるミラに問いを投げかける
「ファントム………悔しいけど、やられちゃったの……」
「ふぅ〜ん」
自分で聞いたにも関わらず、即座に興味を無くし、マナツたちの背を押しながら、ギルドの地下倉庫に足を運ぶ
「マキナ!ごくろーさん!真っ直ぐと帰って来られるなんて、流石は私の弟だね!」
「ネエちゃんは今日もお酒の匂いだねー。この匂いを嗅ぐと落ち着くかな」
地下に足を踏み入れた瞬間、今日も今日とて酒盛りに興じていたカナはマキナを見た瞬間に熱い抱擁を交わす
「あっはっはっはっ!流石は私のマキナ!酒の匂いが落ち着くなんて、将来が楽しみだ!」
「呑気に談笑をしてる場合ですかっ!?ギルドが破壊されてんですよっ!博士!」
姉と和やかに話すマキナに、我に返ったデウスは異議を唱える
「別に破壊されただけだし、騒ぐことでもないかな。ボクが徹夜をすれば良いだけの話だよ」
「そういう問題じゃないよ!マキナ!怒らないと!」
「そうよ、温厚にも限度があるわ。今がどういう状況なのかを理解してるの?マキ」
軽い欠伸をしながら、興味なさそうに口を開くマキナをマナツが咎め、リアンも理解出来ないと言わんばかりに彼を睨む
「理解してるよー、この場に集まってるメンバーは特例以外のメンバーで、串刺しにされてるのは地上のギルドだけ……つまりだ、犯行は夜中に行われた。そして、其処から導き出された解答は怪我人が出なかったってところかな」
「流石じゃのう……あの惨状を見ただけで、全てを理解するとはな」
「じっちゃん」
「何を普通にお酒飲んでるのっ!?おじじはっ!?」
僅かに見ただけで、全てを理解したマキナを褒めたのはカウンターに腰掛け、何食わぬ顔で酒を飲むマカロフの姿。未だに怒りが冷めないマナツは食って掛かるが、マキナは平然としていた
「私もマナツと同意見です!!今がどんな事態かを分かってるんですかっ!!!」
「そうだ!ギルドが壊されたんだぞっ!!!」
「許さないっ!アタシのプリンが粉々になってるっ!!!」
エルザ、ナツ、マナツ、ギルド内でも血気盛んな三人が異議を唱えるがマカロフは「気にするな」の一言だけで、気にも止めようとしない
「マナツだけは怒るポイントがズレてるかな。それはそうと、この
「確かに……僅かにではあるけれど、微量の人体から検出される鉄分を含んでいるね。実に興味深い素材だ」
「じゃあ、持って帰ろう」
「ギルド云々よりも研究が第一なのね……アンタたちは……」
「博士………」
ギルドを貫通した鉄柱に興味を持ったマキナは、同じ考えのディンガの気持ちを汲み取り、微量の鉄を削り取る。その姿にルーシィは呆れ、デウスは開発者である彼の心中を理解出来なかった
「デウス。お前は何を見てやがる……博士の口元を見てみろ」
「口元………血?何故、あんなところに血が?」
エクスに促され、マキナの口元に視線を向けると僅かに赤い何かが滲んでいるのが映った。其れが血であると理解するのに時間は掛からず、デウスは疑問に思う
「知ってんだろ?博士が誰よりも争い事を嫌ってんのをよ……ああやって、押し殺してはいるが、本心では、煮えたぎりそうなくらいにブチギレてやがんだよ」
「博士………やはり、アナタは優しい方ですね…」
「当たり前だろうが、此処は博士の大事な居場所なんだからよ」
「そうだな」
染み染みと呟くデウスにエクスも当然だと言わんばかりに呟く。その姿に気付いたマキナは振り返り、二体の頭に手を置く
「デウスにエクスー。研究したいから今日は帰るよー」
「はい!博士!」
「ああ」
「な〜〜〜んか、大変な事になっちゃったなぁ」
「プーン」
愛犬?のプルーと共に帰路に着くルーシィ。運河沿いを歩きながら、我が家に向かう彼女はプルーを相手に世間話をしていた、其れを理解しているかは不明だがプルーは鳴き声で相槌を打つ
「ファントムと
漸く、自宅の前に辿り着いたルーシィは鍵を取り出し、玄関の扉を開いた。その先に待つのは
「おかえり」
「おかー」
「いい部屋だな」
「すげぇ部屋だ、電気が点くなんてよ」
「先にやってるわよ〜」
「プリンはもらった!」
「紅茶をもらえるかしら」
「女性の部屋に入るのは初めてだ。興味深い」
「冷蔵庫の中身を整理しておいてあげたよー」
「よォ」
言わずもがな、当然と言わんばかりに呪歌騒動に参加した最強チーム全員が集結していた。まさかの事態にルーシィは口を大きく開け、放心状態に陥る
「サイコーー!!!って!多いっての!!!」
「「ぐもっ!?」」
我に返った瞬間、一番最初に目に入ったナツとマキナの顔面に鞄を叩き付ける
「ファントムの件だが、奴等がこの街まで来たと言うことは我々の住所も調べられてるかも知れないんだ」
「え?」
「私とマキナは隠れるアテが無いこともないんだけど、出来るだけ頼りたくないのよ。あのオヤジには」
「後でなにを要求されるかが分からないかな」
「一人よりも二人、二人よりも三人!集まっといた方がなんかありゃあ、対策しやすいだろ?」
「癪だが、スコルの意見に賛成だ。狙われた時に一人だと何があるか分からねぇからな」
「な、なるほど……でも、あたしの部屋に集まったのは何ゆえですかね?」
説得力のある面々に流され、頷きはしたが自分の部屋に不法侵入されたルーシィは表情を引き攣らせている
「兎に角、今日はお泊まり会よ」
「お泊まりだー!枕投げしよー!あり?枕が足りないっ!?」
「大丈夫かな。こんな事もあろうと、さっきの変な鉄を素材に発明No.00178枕投げマシーンを強化しといたよー」
「おお!流石だな!マキナ!」
「流石はマキナだね!今日もナイス
「当然かな!だってボクは
「枕投げがどんなルールかは知らねぇがテメェにだけは負けねぇからなっ!マキナ!」
「単純な話さ、枕を投げるんだよ」
「お前たち!静かにしないかっ!夜も遅いというのにっ!!」
枕投げをしようと盛り上がるマキナたち、家主のルーシィの承諾も無しに話を進める彼等を叱り付ける赤い髪の女性、何を隠そうエルザだ。しかし、誰一人として、彼女の怒りを受け取る者はいなかった。それは何故か?理由は簡単である
「「一番やる気満々なアンタにだけは言われたくねぇよっ!!!」」
「………な、なんだと…!!」
そう、寝巻き姿で二つの枕を両脇に抱えた彼女にだけは誰も言われたくなかった
「あたしの部屋――――!!!」
ギルド破壊に静かに怒りを燃やしていたマキナ、笑顔の裏に隠された真意を仲間たちにも隠していた彼であったが……遂に彼のリミッターを破壊してしまう事件が起きる!!
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