天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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マキナ「前回のあらすじ、妖精の尻尾の魔導士にして天才科学者であるボクことマキナは……ファントムの兵器の前に成す術なく、真正面から攻撃を受けたかな。なかなかどうして……事は上手く行かないなぁ〜」

ディンガ「仕方がないさ、人生には色々とあるからね。おや?今日はスコルが主人公みたいだね」

マキナ「え〜……バカ猿なんかには無理かな」

スコル「んだとゴラァ!!もやしゴーグルっ!!」


第三十四話 傭兵くん、床をぶち抜く

「ルーシィ………行かなくていいよー……ボクたちは…仲間(家族)を絶対に見捨てたりしない……だから、キミを死んでも渡さないっ!!」

 

「マキナの言うとおりだ……仲間を売るくらいなら、死んだ方がマシだぁっ!!」

 

「オレたちの答えは変わらねぇ!!お前等だけは………!!」

 

自分は一人だと思っていた、幸せになる資格なんかは無いと決め付けていた。しかし、其れは思い違いだった。自分を仲間と、家族と呼んでくれる人たちに出会えた

 

「「心火を燃やしてぶっ潰す!!」」

 

心の炉に怒りの炎を灯したマフラーの青年と白衣の少年、彼等はルーシィの前に立ち、怒りを言葉に変え、竜の如き勇ましい声色で吠えた

 

『ほう……ならば、更に特大のジュピターをくらわせてやるっ!!!装填までの15分恐怖の中であがけっ!!!!』

 

反論するかの様にジョゼがまたしても、ジュピターを放つと宣言する。その余りにも恐ろしい事態に誰もが言葉を失う

 

「あんなドデケェの喰らったら、次は怪我だけじゃスマねぇぞっ!?どうすんだっ!!もやしゴーグル!〝十五分(・・・)〟しかねぇぞっ!!!」

 

「ギャーギャーとうるさいかな……迷彩ゴリラ。ボクを誰だと思ってる………〝十五分(・・・)〟しかないんじゃない、〝十五分(・・・)〟もあるんだ。なら、やることは一つだ」

 

焦りから騒ぎ出すスコルを咎め、頭のゴーグルに触れたマキナは意味深に呟いた

 

「どゆことー?マキナー」

 

「簡単な話だよ、その間にジュピターを破壊する。先ずは構造を把握する必要があるかな……物質魔法(アポートマジック)!発明No.0017!遠眼鏡(ロンググラス)!」

 

「流石は博士だ、危機的な状況にも冷静な態度…見習いたいね」

 

冷静な判断で動き出す白衣の少年に、誰もが危機的な状況ではあるが、視線を向け、彼が放つであろう次の言葉を待った

 

「ジュピターの構造並びに仕組みは理解したかな………なるほどねー、こういう仕組みかぁ〜」

 

軽く息を吐いた後、マキナは発明品を白衣の中に仕舞い、例によって、けらけらと笑い、最終的には頭のゴーグルに触れる

 

「今から、名前を呼ぶメンバーはボクと一緒に乗り込むよー、ナツ!グレイ!スコル!マナツ!エルフマン!」

 

「「おうっ!!」」

 

「ウォーレンは念話で中継役を頼むねー」

 

「分かった!」

 

名を呼ばれたメンバーは返事を返すと、マキナに追随し、ファントムの本拠地に向かう。其々が戦うべき相手を理解しているのか、ウォーレンの〝念話〟で伝えられたポイントに迷う事なく、向かっていく

 

「…………一番乗りだ!んで?このバカみてぇにデケェのがジュピターの制御盤か?はんっ……肩慣らしにもならねぇぜ!!一撃で沈めてやらぁっ!!牙狼天眼!!」

 

「させないよ」

 

「あ?」

 

真っ先に到着したスコルが、制御盤に拳を叩き込もうとした瞬間、聞きなれない声が耳に届いた。獣並みの聴覚を持つスコルは瞬時に聴き取り、乱暴気味に声を挙げる

 

「残念だが……キミが制御盤に触れることは万が一もあり得ない。私は火のエレメントを操りし、兎兎丸。全ての炎は私によって制御される」

 

「はんっ!火が怖くて魔導士をやってられっかよ……俺が叩き潰してやんよっ!!」

 

兎兎丸と名乗った魔導士に悪態を吐き、スコルは体内の魔力を活性化させ、大地を蹴った。その速度は正に獣、並大抵の魔導士では目で追うことすら不可能である

 

橙の炎(オレンジファイア)!!」

 

「ぐおっ!?んだコレっ!!くせっ!?」

 

その足を止めたのは、橙色の炎。異臭の香る炎にスコルは床をのたうち回り、鼻を抑えた。彼には聴覚と同じくらいに発達した感覚が存在していた、其れが嗅覚である

 

「はっはっはっ、どうだ?クソの匂いを嗅いだ感想は」

 

「変なのを嗅がせんなっ!!鼻がもげたら、どうしやがるっ!?」

 

「お次はコレだ……青の炎(ブルーファイア)!!」」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!今度は冷てェ!!どーなってんだっ!マジでっ!!!」

 

異臭を放つ橙色の炎の次に放たれたのは、冷気にも似た凍える力を持つ青い炎。その寒さは薄着のスコルには耐え難く、がくがくと体を震わせ、白い息を吐く

 

青の炎(ブルーファイア)は凍てつく炎……私の操る炎は色を持ち、その色に応じた力を合わせ持つ!そして……君が素手であるのに対し、私は刀使いでもあるのだっ!!」

 

あらゆる性質を持つ炎、何処から来るのかも見当が付かない鋭い剣閃。肉弾戦が主体のスコルに勝ち筋は愚か、兆しさえも見えない

 

「刀使いだぁ?はんっ!炎と剣(・・・)がどうしたってんだぁ?そんなモン痛くも痒くもねぇぜ!それにだ…俺はテメェよりも熱くて……煮えたぎる()を知ってんぜ?あとな、口に出すのも胸クソ悪ぃがよ………もやしゴーグル(あんにゃろう)の理解できねぇ飛ぶ斬撃(・・・・)に比べりゃあ………テメェなんざ、格下でしかねぇよ」

 

無数の傷跡に火傷を負いながらも、立ち上がるのを止めようとしないスコル。彼は知っていた、熱く煮えたぎる程に強い炎を、万物を斬り裂く程に鋭い斬撃を、何度も何度も拳を交えた彼にだからこそ、彼だから理解出来た。二頭の竜(ナツとマキナ)に比べれば、目の前の魔導士は視界に入っているのが笑ってしまう程に残念なレベルだった

 

「か、格下だと……私を舐めるなっ!!喰らえっ!!」

 

格下呼ばわりされた兎兎丸は振り上げた刀に炎を纏わせ、スコル目掛け、振り下ろす。だが既に彼の姿は無かった……否、消えていた

 

「遅ェんだよ………テメェはっ!!」

 

左右に視界を巡らせるが、その姿を確認は出来ない。其れもその筈、声の主が、スコルが居たのは遥か上空、其処に彼はいた

 

「何時の間に……っ!?くそっ!ならば!我が最強のっ!!七色の炎(レインボーファイア)の餌食となれっ!!」

 

「だからよぉ……言ってんだろうがっ!!遅ェんだよ!!テメェはっ!!」

 

両手を前に突き出した兎兎丸の眼前に迫ったスコルが獣の如き怒号を張り上げ、両掌に力を込める

 

「な………な……なんだぁっ!?」

 

「地面に埋まってやがれっ!!!牙狼爆来波!!!」

 

両掌を使った勢いよく放たれた掌底は兎兎丸の頭上に叩き込まれ、大地を揺らす程の衝撃波を生み出し、床をぶち抜く。同時に衝撃がフロア全体に広がり、制御盤のラクリマまでもが爆発。その衝撃でジュピターの砲身も爆発、完全に破壊された

 

「はんっ……やっぱり、魔法はファンキーなのが一番だぜ」

 

爆風を背に髪を掻き上げる少年の名はスコル・ダスター。獣、野獣等と数ある呼び名を持つ彼であるが、その通り名は傭兵(コンバット)。後の天才魔科学者がライバルと呼んだ最強の仲間である

 




ファントムに乗り込んだマキナはマナツと共に、内部を直走る。其処に姿を現したセイランとアマノ、強敵を前に幼き二頭の竜が咆哮を挙げる!!

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