マキナ「バカ猿がうるせぇかな」
スコル「あんだとゴラァ!やんのかっ!もやし!」
マキナ「上等かな!バカ猿!」
マナツ「始まるよー」
「うぷっ………揺れてる………乗り物……嫌い…二度と…乗らない……」
「マキ!容態は!?」
「乗り物酔いです」
ファントムのギルド内を移動していたマキナは、動き出した建物を乗り物と判断した事で乗り物酔いに苦しむマナツを診察していた
「ふむ……こればかりは、どうにもならないと理解していても……対策を練らなくてはいけないね。いずれ、博士にも訪れうることかもしれないからね」
「縁起でもないことを言わないでもらいたいかな…」
頭のガスマスクに触れ、来るべき未来を暗示する様に呟くディンガに対し、マキナは苦笑を浮かべる
「そういえば、マキ。デウスとエクスはどうしたのよ……見当たらないけど」
「ん?ああ、ばっちゃんのトコに行かせたまんまだったのを忘れてたよー」
マナツを介護しながら、周辺を警戒していたリアンが見慣れた二体の機械狼の姿がないと告げると、マキナは手を軽く叩き、忘却の彼方に忘れ去っていた残りの相棒たちの所在を口にする
「心配はないさ、リアン。いざとなれば、博士には
「そうね、忘れてたわ」
「ボクの本質は魔法じゃないけどねー………ん?どうしたのー?マナツ」
けらけらと笑っていたマキナは物音を感じ、隣で屍に成り掛けていた幼馴染の名を呼ぶ
「…………止まった!!なんかはわかんないけど!動けるっ!」
「そういえば……動きが鈍くなっているね」
「あら、ホント。ナツたちが何かをしたのかしら」
「エレメント4を倒したんだと思うよー、この要塞を動かすのは四大元素、つまりは火と水、風と土の四つの性質を無効化する必要があるんだよ。実はこの振り分けにも意味があって、ネエちゃんに占いをしてもらって、其々が目的の場所に着くようにボクは誘導してたんだよねー。スコルが火、グレイが水、エルフマンが土、ナツが風のエレメント4と遭遇するようにね」
「マキ………にゃんて、恐ろしい子!!」
「なかなかどうして…博士は予想を上回るね。流石だ」
「すごーい!さっすがはマキナだね!今日もナイス
「当然かな!だってボクは
限られた時間内に予想を遙かに超える作戦を立案からの実行をしていたマキナ。その姿にリアンは戦慄し、ディンガは満足そうに頷き、マナツは彼を褒め称える
「つまりだ、博士の作戦通りだとすれば……既にエレメント4は倒されたということかい?」
「そうなるわね。実際のところはどうなの?マキ」
「その解釈で間違いないよー。エルフマンが本気を出せば、誰にも負けないし、グレイも脱ぎ癖以外は信用できるかな」
「二人とも強いもんねー!あれ?スコルはー?」
「ああ、そんなバカ猿もいたねー……まぁ、大丈夫だよー。バカで、うるさいけど、
最初こそは貶していたが、長い付き合いであるが故に互いに表面上は嫌っていても理解し合っている。其れがマキナとスコルの関係性、水と油の様に互いに混ざり合うことがないからこそ、歪み合う。其れが彼等の関係なのだ
「あっひゃっひゃっ!!よーやく見つけたぁ!!ゴーグルヤロー!」
「耳元で品のない笑い声を出してんじゃないわよっ!!こんのアホセイランっ!!」
「ぐもっ!?」
刹那、騒がしい笑い声と甲高い声が響き渡った。まるで夫婦漫才を繰り広げる様に見覚えのある中華服の少年、羽帽子に銀髪ショートが特徴的な少女、セイランとアマノが姿を見せた。一気に緊張感を増す空気にマキナは頭のゴーグルに触れる
「……………」
「ん?どうしたのー?マナツ」
「どーやら、俺のスゴさに恐れをなしたらしいな……思い知ったか!」
「なんとか言いなさいよっ!!アンタっ!」
張り詰める緊張感の中で、愛らしい双眸を瞬きさせるマナツ。其れに気付いたマキナが能天気に問い、的外れな解答に辿り着いたセイランの隣でアマノが吠えた
「えっと………誰だっけ?」
「「………は?」」
唐突に放たれた無慈悲な一言、衝撃的な発言にセイランとアマノは素っ頓狂な声を挙げ、マキナとディンガは苦笑し、リアンに至ってはため息を吐いていた
「いやぁ〜、物覚えがどーにも悪いんだよね〜。えっと、前に会ったことある?」
「前も何も数時間前まで戦ってたでしょうがっ!!」
「そうだっ!俺も其処のゴーグルヤローとあんなことやこんなことをした仲だ!!」
「何を言ってるかは分かんないけど、その表現が間違ってることだけは分かったかな。あと、ボクはお前がキライかな」
数時間前の出来事が記憶から消し飛んでいるマナツにアマノが突っ込みを放つ。その隣で紛らわしい言い回しをするセイランにマキナは堂々と嫌いであると発言する
「仕方がない……改めて、名乗らせてもらうわ。アタイはアマノ、植物を操る魔導士だ。喰らいなっ!
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!バシバシされるーーーっ!!痛いよーっ!」
「マナ----ぐっ!?」
名乗りを挙げると同時にギルド内部に生えていた蔓を鞭に造り替えたアマノが、マナツに狙いを定める。其れに気付いたマキナが駆け寄ろうと瞬間、見えない衝撃波が彼の体を襲った
「お前の相手は俺だろ?ゴーグルヤロー。さぁ!さっきの続きだ!見せてみろよっ!!斬撃竜!!」
「言われなくても………ディンガ!!魔力を!!」
「本当は止めたいのだけれどね……ルーシィの涙を見てしまった以上は
マキナの決意を込めた呼び掛けに応えたディンガは頭のガスマスクに触れた後、意味深に笑い、指を鳴らす
「待ちくたびれましたよ」
「やれやれだ。暴れるのに俺たちを忘れちまうとはな…酷くねェか?博士」
建物に生じた亀裂から、飛び込んできた二体の機械狼。
「ナイスタイミングかな」
「行くよ……スパナスラッシュ!!」
相棒たちの登場にマキナが笑うと、
「食べたら力が湧いてきた!行くよ、
「「ワォォォォン!!」」
斬撃を喰らい、万物を斬り裂く滅竜の魔力に切り替えたマキナの両手に握られたのは双剣が一つに繋がった特殊な武器、双刃剣。ゆっくりと息を吐き、佇む彼は天才を自称する科学者?それとも、呑気にけらけらと笑う少年?否、彼こそが斬撃竜の心臓を宿した滅竜魔導士である
「〝
〝
「そうこなくっちゃなぁ!来いよっ!!改めて名乗ってやるよっ!俺はセイラン!打撃の
打撃竜、斬撃とは異なった衝撃を力に変える特殊な滅竜魔法。その力を前にマキナは湧き上がる好奇心を抑えきれない、火竜や花竜、自然界に溢れる力は今までにも存在した。しかし、自分と同等の特殊な滅竜魔導士とは対峙したことがなかった。故に好奇心はマキナの体を電流の様に駆け巡り、更なる活力を与える
「一刀竜・竜災天!!」
「おお!!なんだそれっ!」
セイランの放った衝撃波を打ち消したのは、竜の形をした斬撃。二つが一つとなった完全なる双刃剣から放たれた斬撃は正に一撃必殺
二つで一つの双剣、一振りが巨大な大太刀、俊敏さに特化した小太刀よりも、強く、力強い、斬撃を前にセイランも喜びを感じる
「ギルドにキライなヤツは居たりするけど、仮にも仲間だから、本気は出せない……でも、キミは違う。来なよ、
「その提案サイコーだぜ……ガジルも、アマノも、エレメント4ですらも……俺に真正面から向き合ってくれなかった……でも、お前は違う。言葉はいらねぇよな、
斬撃と打撃、相容れない二つの力がぶつかる。マキナが斬撃を放てば、セイランが拳を振り抜き、逆にセイランが衝撃を放てば、マキナが打ち消す。正に互角、その余波はアマノと対峙していたマナツにも影響していた
「ルーシィが泣いてた………アタシはバカだから、よく分かんないけど……涙を流してる人を放っておけないんだ。だって、ルーシィは何時もアタシに優しくしてくれた、久しぶりに
かつて、マナツには姉の様に慕う兄の幼馴染が居た。優しくて、強くて、自分を本当の妹の様に可愛がってくれた姉が、忘れていた訳ではない。だが、何時からか彼女の名を口に出すことを空気が許さなくなっていた、そんな時だった。ルーシィに、兄の連れてきた新しい仲間に、亡き姉の面影を重ねたのは。だからこそ、今度は失わない、涙の意味を誰よりも知るマナツはアマノが振るう鞭を掴む
「くだらない……友情?愛情?そんなのが幸せを運ぶワケがないっ!!」
ぎりっと奥歯が軋ませたアマノは真っ向から、想いの力を否定する。彼女の過去は知らない、それでも譲れないものが、揺るぎない何かがあるのだろう。故にマナツの綺麗事を否定した
「くだらくなんかないっ!!アタシはその想いを胸に生きてるんだっ!!」
「マナ!その蔓も元は植物よ!植物は花を咲かせる!だから、食べなさいっ!」
「おっけー!リアン!」
「何を言って……はぁっ!?」
啖呵を切ったマナツにリアンが、蔓を食べろと呼び掛ければ、花が咲いた様に笑った彼女は目の前の植物に齧り付いた。その行動にアマノは両目を見開く
「食べたら力が湧いてきた!!マキナ!まだやれるよねっ!」
「当たり前かな。さぁ、やるよー?マナツ」
「うん!咲かすよ!」
マナツの呼び掛けにマキナがけらけらと笑いながら、答えを返す。その姿にマナツも花が咲いた様に笑う
「「
「アマノ!!防御体制!」
「アタイに命令しないでっ!!!
魔力を高め、双刃剣に流し込むマキナ。その肩に手を置き、瞳を閉じるマナツ。本能的に異変を感じ取ったセイランが叫ぶと、文句を吐きながらもアマノは植物を盾に造り替える
「「
マキナの斬撃、マナツの花弁、二つが一つとなり、強大な力を伴う
「あ……あんなの……ありかよ……」
「これが……
意識を手放し、崩壊するギルドと共にセイランとアマノは落下していく
「大丈夫かい?博士」
「当たり前……と言いたいけど……さすがに一日に二回の滅竜魔法は疲れたかな……」
「アタシも動けないよぉ〜、おなかすいたぁ〜……あっ!なんか落ちてくる!」
その最中、上の階からもう一人の滅竜魔導士であるガジルが落下するのが見え、マナツが叫んだ
「よぉ…マナツにマキナ」
「二人とも!無事だったのね!」
「あっ!ルーシィ!あとアニキ!」
「さてと……離れよっかー。そろそろ……
兄とルーシィの存在を確認し、嬉しそうに笑うマナツ。その隣で頭のゴーグルに触れたマキナが意味深に笑う
「えっ!おじじがっ!?」
「大丈夫なのか!じっちゃんはっ!」
「大丈夫だよ。魔力が回復した
両側から顔を近付ける竜兄妹を押し除け、マキナはルーシィに手を差し出し、優しく声を掛ける。思えば、最初に手を差し出したのも彼だ、その手を取り、共に笑い、戦い、歩いてきた仲間。だからこそ、言葉はいらない、ルーシィも手を取った
「信じるわ……だって、天才魔科学者のマキナが言うんだもの。疑う必要がない…でしょ?」
「言ってくれるねー……おっと、そろそろだ」
ルーシィの言葉に笑ったマキナは指を勢いよく鳴らす
『聞いておるか……全てのガキどもよ。ワシはお前たちに感謝しておる、よくやった』
刹那、全ての
『ワシが不甲斐ないばかりにガキどもは涙を流し……傷ついた………しかし、ワシはお前たちの親であることを誇りに思う……故に!!』
その声、マカロフの声に笑う者も居れば、涙を流す者も居る
『
その日、大気は畝り、大地は揺れ、一つのギルドが歴史から名を消した。そのギルド、
『
妖精に尻尾はあるのか?ないのか?誰も知らない真実を追い求め、固い絆で結ばれた団結力を持つギルド、その名は「妖精の尻尾」といった
妖精の尻尾の勝利に終わったギルド間の抗争、全ての終わりにルーシィが胸に抱いた決意とは……
マキナの賑やかさに元気をもらえたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす