天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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マナツ「今回はアタシが主人公!わーい!がんばろっと!あっ!あらすじを紹介しなきゃだ!えっと前回のあらすじ!仕事の帰りにロキを見つけたアタシたち!でもなんか訳アリみたい!マキナは何かを知ってるみたいだけど……なんなんだろー?」

リアン「マナ、ちゃんとあらすじ紹介が出来てエラいわね」

マナツ「えへへー!ありがとう!リアン!」


第四十二話 花竜ちゃん、星霊魔導士を心配する

「……………枕投げなんか二度とやりたくねぇかな」

 

「おやおや、痛そうだね」

 

昨晩の枕投げで体中に出来た傷跡に触れながら、不機嫌そうに呟くマキナ。其れにディンガは頭のガスマスクを触りながら、苦笑混じりに彼を労う

 

「へっ………だらしねぇな?これだから、頭でっかちなもやしゴーグルはダメなんだ。ファンキーの欠片もねぇな」

 

カウンターの上で胡座を掻き、骨付き肉を頬張るスコル。悪態を吐き捨てる彼の体にも傷跡は目立つが、元々が体力自慢の彼は痛がるマキナよりも平然としていた

 

「ボクはお前と違って、繊細な科学者なんだ。本来は傷跡なんかが付くタイプじゃないかな、お前と違って」

 

「ああ!?言葉を濁してんじゃねぇぞコラ……言いたいことあんなら、さっさと言えや!もやしゴラァ!」

 

「うるさいかな!バカ(・・)と一緒にすんじゃねぇかな!」

 

「ケンカかっ!?昨日の枕投げの続きすんぞっ!!」

 

「あぁ?続きも何もアレは俺の勝ちだろーがよ」

 

「なにぃーーっ!勝ったのは俺だっ!!」

 

火花を散らし合うマキナとスコル、其処に騒ぎを聞き付けたナツとグレイが参加し、事態はより一層に険悪な雰囲気を生み出す

 

「枕投げの勝敗……聞いたことのないワードだね。実に興味深い」

 

「ディンガ、其処は掘り下げなくてもいいのよ」

 

「でも……どうしよー?エルザはどっかに行ってるし、誰にも止められないよー?」

 

着眼点がずれているディンガにリアンが突っ込みを放つのを側から見ていたマナツは四人を心配しつつも、野菜スティックを頬張る。しかし、彼女の心配を他所にその騒ぎを終結させたのは余りにも意外な人物だった

 

「「「「ルーシィ!!勝ったのは誰だ!?」」」」

 

「うるさい」

 

勢いよく投げ掛けられた問いに対するまさかの返答に空気が一瞬で凍り付いた。普段が穏健派のルーシィの変貌にナツやマキナたちだけには限らず、ギルド全体が静まり返る

 

「カナねぇ、ルーシィが怖い……」

 

「あればっかりはマキナたちが悪いね……私も今回ばかりはルーシィの味方だよ」

 

カナに抱きついたマナツはルーシィの豹変に怯え、涙目になっていた。しかし、今回ばかりはマキナにだけは甘いカナも苦笑を浮かべ、自分はルーシィの味方だと主張する

 

「良いかい?ハッピー。これが女性の時代だ」

 

「あい!世知辛いです」

 

「ちょっと、ディンガ。ハッピーに余計なことを吹き込まないで」

 

「キミは過保護だね。それにしても、何かあったのかい?ルーシィは」

 

ハッピーの女性の時代についての理解を深めさせようとするディンガ、其れが気に食わないリアンからの咎めに対し、頭のガスマスクに触れた彼は不機嫌なオーラを発生させるルーシィに視線を向ける

 

「別にフツーよ」

 

「きっと、おいらのイタズラを起こってるんだ」

 

「ハッピー、イタズラする子にはお魚あげにゃいわよ。ルーシィに謝りなさい」

 

「ごめんね〜ルーシィ」

 

姉気分(リアン)に促され、ハッピーはルーシィの元に近寄り、謝罪する。普段は割とイタズラなどを行うハッピーであるが彼には唯一、逆らえない存在がいる。それが何を隠そうリアンである

 

「別にハッピーに怒ってないわよ…てか、あたしって、そんなに器小さい?」

 

「じゃあ、アタシが相談に乗ってあげるよ!」

 

「マナツが?」

 

「うん!ほーら、リアンとハッピーにディンガも行くよー!今から女子会だー!」

 

「ちょっ!?」

 

先程までの怯えが嘘の様にマナツはルーシィ、リアンとハッピーにディンガの手を掴むと嵐の様にギルドから飛び出していく

 

「マナツがいねぇ!!マキナ!?マナツはどうしたっ!」

 

「女子会に出かけたよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へー、あの後にロキとそんな事があったんだー」

 

拉致もとい女子会をルーシィの部屋で行っていたマナツたち。昨晩の顛末を聞き、ベットの上で足をぱたぱたさせながら、マナツはルーシィの話に耳を傾けていた

 

「うん……話を聞いてくれてありがとう、マナツ。少しだけ、気が楽になったわ」

 

「気にしなくていいよ!こういう時は一連沢庵だからねっ!」

 

花が咲いたように笑うマナツ、彼女也にルーシィを元気づけようとしているらしく、難しい言葉を口にする

 

「マナツ?それを言うなら一連托生だよ」

 

「ディンガ。言うだけ無駄よ、マナはことわざを覚えられないのよ」

 

「マナツってちょっとおバカさんだもんね」

 

「むぅ!ひどい!」

 

「喧嘩しないの。ここは星霊に聞いてみるわ」

 

しかし、普段は使わない言葉故に言い間違いを指摘され、頬を膨らますマナツの姿は小動物の様な可愛さがある。自分の上に彼女を座らせ、頭を優しく撫でるルーシィは鍵の束の中から銀色の鍵を取り出す

 

「開け!南十字座の扉!クルックス!」

 

「ほマ」

 

「わぁ!十字架のおじいちゃんだー!草生えるー!」

 

「リアン〜なんか浮いてるよー」

 

「空中浮遊ね」

 

「違うと思うよ?それは」

 

出現したクルックスを前にマナツはきらきらと瞳を輝かせ、ハッピーとリアンは呑気に浮いてる姿を観察し、ディンガは的外れな解答に突っ込みを放つ

 

「あのね、クル爺。実はかくかくしかじかなんだけど……クル爺の力で過去にロキと関係のあった星霊魔導士調べられない?」

 

「ほマ」

 

「かくかくしかじか…?どういう意味だろー?」

 

「説明を端折りたい時に使う便利な言葉よ。マキがたまに使うわね」

 

説明を端折るルーシィ、その意味が理解出来ないマナツが首を傾げていると、彼女の側で寝そべっていたリアンが補足する

 

「えー……マキナは何時もちゃんと説明してくれるよー?」

 

「博士はマナツには甘いからね」

 

幼馴染が自分にはしっかりと説明してくれるとマナツが発言すると、頭のガスマスクに触れながら、ディンガがその理由を語る

 

「…………ぐー ぐー ぐぅー」

 

「「「「えぇーーーーっ!!寝たぁぁぁぁぁ!?」」」」

 

一瞬、目を離していた隙に寝息を立て始めたクルックスにマナツたちは衝撃を受ける。しかし、ルーシィだけは動じていない

 

「大丈夫……検索中だから」

 

「ウソだ!!」

 

「絶対に寝てるじゃん!!」

 

「博士も食べながら寝るから、それと同じだね」

 

「にゃんでもマキを基準にすんじゃないわよ」

 

クルックスが寝息を立てる姿は明らかに検索しているとは思えず、ハッピーとマナツが騒ぎ出す。その隣で基本的に一般人の基準が相棒であるディンガはリアンに突っ込まれていた

 

「クル爺は星霊学のスペシャリストなのよ。星霊界と人間界をつなぐ門の情報は全て持っているの」

 

「へー!見た目はとぼけてるけど、すごいんだねー!クルクルさん!」

 

「マナ?クルックスよ」

 

「博士なら、十字架じーちゃんとか呼びそうだね」

 

長い名前はマナツには覚えられず、適当に呼ぶ彼女にリアンが空かさず、訂正する。その隣でディンガはネーミングセンス皆無の相棒をディスる

 

「ディアーーーオ!!!!!」

 

「ぎゃーーーー!?」

 

「あいさーーーっ!?」

 

刹那、検索を終えたクルックスの叫び声にマナツとハッピーが飛び退き、震えながら、抱き合う

 

「マナとハッピーをビビらせるんじゃにゃいわよっ!!」

 

「ちょっと待って!リアン!今のは検索が終わった合図よ!何か分かったのね?クル爺」

 

怯える相棒と弟分の前に仁王立ち状態で吠えるリアンに待ったを掛けたルーシィは、身を乗り出すとクルックスに詰め寄る

 

「ほマ、どうやらカレン・リリカという者と関係があったようです」

 

「カレン・リリカ!?」

 

「それってだれだれだぁ〜れ?」

 

カレン・リリカの名を聞いた瞬間の反応は様々だった。ルーシィは驚き、マナツは聞いたことがない名前にこてんと首を傾げる

 

青い天馬(ブルーペガサス)の星霊魔導士よ。週刊ソーサラーのグラビアとかやってたのよ」

 

「あー、ソーサラーは読まないから知らないや」

 

「確かにマナが読むのはグルメ雑誌とかが多いわね」

 

「あーでも何回かはグラビアだっけ?それの依頼は受けたことあるよ。まぁ、直前でマキナとアニキに却下されたけど」

 

「マナにはまだ早いわ」

 

「ねぇ、そのカレンとロキがどう関係しているの?」

 

グラビア雑誌にも出演した有名な女性魔導士、その人物がロキと如何なる関係なのかが気になり、ルーシィは問いを投げかける

 

「ほマ これ以上は申し上げられません」

 

「ちょっと!!」

 

「ぐー…………」

 

「あっ!検索してる!クルクルは優しいね!」

 

答えられないと述べた割に、寝息を立て始めるクルックス。その姿に先程の過程で学習したマナツが褒める

 

「いや……寝てるわね」

 

「「「「えっ……!?」」」」

 

まさかの裏切りにマナツたちが驚愕するもルーシィだけは違和感を感じ、思考を巡らせていた

 

「大変だ!ルーシィ!!ロキがフェアリーテイルを出ていっちまった!!!」

 

「えっ!?」

 

突如、姿を見せたグレイの言葉にルーシィは驚き、思案を中断する

 

「な……なんでー!?マキナに探してもらわないと!マキナー!」

 

「呼んだー?あっ、ルーシィ。お風呂もらったよー」

 

「何時の間に!?」

 

慌てふためくマナツの呼び掛けに答えたマキナがルーシィ宅の風呂場から姿を見せる。何時の間にか入り込み、風呂に入っていたようだ

 

「ロキがいなくなっちゃった!どうしよー!!」

 

「う〜ん、こればっかりはボクがどうにかしてあげられる問題じゃないけど……ルーシィにはヒントをあげるよー」

 

最初は頭のゴーグルに触れ、けらけらと笑っていたが、途端に意味深な笑みを浮かべたマキナはルーシィの瞳を真っ直ぐと見ながら、口を開く

 

「カレン・リリカの墓にロキ………いや、獅子宮のレオ(・・・・・・)はいると思うよ」

 

「ありがとう……マキナ」

 




ロキの正体を知ったルーシィはカレン・リリカの墓へと直走る、そこには何故かマナツの姿もあり………

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