ディンガ「ラクサスにも匹敵するかもしれないね」
マキナ「ニィちゃんよりも強かったら、それはスゲェというよりもヤベーイかな」
「カナ…カナってアイツ弟いたのか!!?」
「初耳ですわ…もしかして、ギルダーツの隠し子ですの?」
リートとラリカは予想もしていなかった発言に驚きの表情で、マキナに視線を向ける。当の本人は頭のゴーグルに触れる
「別に隠し子じゃないかな…まぁ、血の繋がりはないけど、ボクのネエちゃんはカナだよー。トーちゃんもギルダーツで間違いないかな」
「そ…そうか…帰ったらあいつに聞いてみるか」
「大樽でお酒に酔って、適当な返事が返ってくる気しかしないですわ 」
「そ…そうだな」
リートは再度椅子に座り、頭を働かせて考え込む。マキナはその間も大量の皿を次から次へと自分の隣に積み上げていく
「というか、カナと姉弟ってことは、妖精の尻尾にいるってことだよな?オレ、お前みたいな変わった子供を見たことねぇんだけど」
「私もですわ」
「キミ達も妖精の尻尾の一員なのかな?でも、見覚えないねー。これでも、ボクは割とギルドでは古参だから、知らない仲間はいないかな」
「あぁ、一応妖精の尻尾の
「いっつも滅茶苦茶されてますものねぇ」
「言うな…悲しくなるから」
「マスターの方がもっと悲しい思いしてますわよ」
「待ちたまえ、話に花を咲かせているところを悪いけれど、続けても構わないかい?」
「「あっ…すいません」」
マキナを其方の気で話に花を咲かすリートとラリカを引き戻したディンガは頭のガスマスクに触れ、待ったをかける
「次に聞きたいのはお兄さんの魔法についてかな」
リートの魔法が気になっているのか、マキナは食べる手を止めないながらも彼に質問を投げかける
「魔法?滅竜魔法だけど…知らねぇって事はねぇだろ?」
「もちろん、滅竜魔法は知ってるよー。でもねー、氷の滅竜魔法は見たことも、聞いたこともないかな」
「…オレは父さんに教えてもらったんだよ、氷竜フランドーラ」
「イグニールとラベンダリアの他にも竜がいたんだー、それはちょっと興味深いかな」
「あぁ、オレはナツと一緒に父親を探し続けている。まだ見つかっていねぇけどな…ん?ラベンダリア?」
「ボクの大事な人を育てた花のドラゴンだよー。でも、ゴメンね。知らなかったとはいえ、言い辛いことを聞いちゃったかな」
「気にするな、まだ父さんが死んだって言われた訳じゃねぇ、オレは諦めていないからさ」
ラベンダリアの名を聞いた瞬間の反応が気になりはしたが、今は掘り下げる時ではないと判断し、言い辛いことを聞いてしまったことを素直に謝罪する
「因みにリートは、ただの滅竜魔導士ではありませんのよ」
「ただの滅竜魔導士じゃない?興味深い話だね、それは」
「あぁ、正確に言うとオレは滅竜魔導士じゃなくて滅全魔導士、つまり全ての種族に対するスレイヤーって事になるんだよ」
「「なにそれっ!!」」
氷の滅竜魔法だけに限らず、全ての種族に対応可能な力を持つと語るリートに、研究意欲が爆発したマキナとディンガの瞳がきらきらと光を放つ
「竜だけじゃなくて、神、悪魔、獣、幽霊とか様々な相手に有効打を与えられるってことだ」
「それはすっごく
「是非とも、頭の中を調べたいね。カチ割ってもいいかい?」
「絶対に断る!!!」
「いいですわね。最近新しく脳天をかち割れそうな器具を手に入れましたの、使っていただいても構いませんわよ」
「即死じゃん!!!」
物騒な事を言い放つディンガに苦笑しつつもリートはコップに入った水を飲み干し、話題をマキナに変える
「次はお前について教えてくれよ。お前の魔法は?他にも何か使えるのか?どうやってここに来た?」
「ボクの魔法は
「発明品というと先程の爆発する
「そうだよー、アレは爆破系魔法を科学的な観点で解明し、火を起こす
「ほーん……ん?てことは、さっきの剣になった狼たちもお前の発明なのか?」
頭のゴーグルの触れ、魔科学の原理についての解説をするマキナ。それに納得していたリートはデウスとエクスの存在についても問い掛ける
「デウスにエクスだね、彼等は博士が創り上げた三体の
「三体……と言いますと、もう一体も存在しますの?」
「おっと……今のは忘れてくれて構わないよ」
「訳アリか」
「そんなとこかな。あとボクも多少の制限はあるけど、滅竜魔法を使えるよー」
「滅竜魔法をっ!?」
「お前、滅竜魔導士だったのかっ!?」
会話の流れの中で、さらっと打ち込まれた予想していなかった発言にリートたちは目を丸くする
「でも、ドラゴンそのものにはあったことないよー。ボクの滅竜魔法は体内に埋め込んだ
「博士のブラックジョークは今日もエグいね」
「ラリカ……アイツ等、お前と気が合うんじゃね?」
「そうですの?」
物騒な自虐を忘れないマキナをディンガが皮肉交じりに褒める姿を見ながら、リートは自身の相棒に視線を向けるが、彼女は意味が分からないと言わんばかりに首を傾げた
「どういう滅竜魔法なんだ?」
「斬撃だよー」
「相手を斬り刻む姿は実に幻想的でね、血が出るのを見ながら、僕の愛しい人は紅茶を嗜んだりするよ」
「リアンはネコだよー」
「引きちぎるよ」
「なにを?」
「おまえの想い人ってのもラリカと気が合いそうだ」
「フッ、私の趣味はどこの世界でも共通しているものなのですわね」
「全力で否定したい」
リートからの問いに答えるマキナ、その背後で恋人の姿を思い浮かべるディンガの発言にネコであると突っ込むが即座に彼は謎文句で反論する
「次はここに来た経緯を教えてくれ」
「う〜ん……なーんか、記憶が曖昧になってるんだけど……じっちゃんに古代文字を調べて欲しいとか言われて、地下書庫で文献資料を探してたような気がするかな」
「確かに頭の中に靄的なものが途中から存在しているね。僕たちの記憶はその辺りから先が途絶えている……キミたちはどうだい?何か、
「オレ達もマスターから仕事を頼まれて書庫で調べてたんだけどな」
「たまたま開いた本が光り出しましたのよ。そしたら気がつけばこんな所にいましたのよ」
「ふむ……それはそれで実に不思議な現象だね。そういえば、博士も息抜きに本を読んでいなかったかい?」
リートたちの言葉に対し、頭のガスマスクに触れたディンガは思い出した様に食べる手を止めない相棒に問い掛ける
「あー……言われてみると、本を読んでたような……なんだっけ?かき氷の作り方だったかな」
「記憶が曖昧ではあるけれど、それでは無いと断言出来るよ」
記憶が曖昧な事を良い事に適当な内容を捏ち上げるマキナに、ディンガは突っ込みを放つ
「まぁ、魔法が流通してるような世界だ。世の中の不思議は、ほとんどそれで説明がついちまうからな」
「元の世界に帰る方法とは、あまり関係無さそうですわね」
「分からないことがあるならボク等の親に聞いてみるかい?」
「そうだな、オレ達の親なら何か知ってるかもしれないぜ」
ゴローさんとリートたちが連れていたナグオと呼ばれていたロボットが一つの提案を持ちかける
「親?って」
「ボク等の開発者、この街の1番偉い人だよ」
「町長?」
「まぁ、そんなところだな」
「まぁ、そうだな。とりあえず一話度その親ってのに掛け合ってみるか」
リート達は席を立ち上がりその親に逢いに行くことにした。
「あ、待って!まだ食べてるから」
「「「「「まだ食ってたんかい!!!」」」」」
「やれやれ、博士には困ったものだね」
ゴローさんとナグオの親、その男も科学者であった。果たして、彼が語る真相とは……
今で三話目か……まだまだ先は長いなぁ〜