天才は妖精の尻尾にいる。   作:田中滅

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マキナ「次から次へと厄介事が巻き起こる……コラボって怖いかな」

ディンガ「そうかい?僕はラリカと気が合いそうだけどね」


第四話 天才くんと相棒with氷竜、異世界の科学者に出会う

「ここが、その御屋敷だよ」

 

「全てのサイエンスギルドを統括してる人だ。すげぇ頭が良いんだ」

 

「天才のボクよりもすげぇヤツがいるワケねぇかな」

 

頭が良いという部分を聞いた瞬間、天才を主張しているマキナは対抗意識を燃やしたらしく、口調が微妙に荒々しくなっていた

 

「博士、天才を主張するのは構わないけれど、嫉妬が混じってるよ?それにだ、口調が荒くなっている」

 

「……おっと、それはごめんねー」

 

「たまにあの笑顔の裏にある闇が見え隠れしてる……」

 

「物騒ですわね。ホントに気が合いそうですわ」

 

けらけらと笑うマキナ、その笑顔の裏に隠されているであろう闇が見え隠れするのを垣間見たようなリートは苦笑するが、ラリカは気が合いそうと口にする

 

「Dr.ケミストリー、客人を連れてきました」

 

「客人?いやいや、よくぞ参られた!歓迎しよう!あっーほっほっほっ!」

 

中に入ったナグオが呼び掛けると、白衣を羽織った老人が姿を見せる。体格的にはふくよかなシルエット、笑う姿は豪快な老人を前にマキナは冷めた視線を注ぐ

 

「なかなかどうして……アレを天才と呼ぶのは、あまりにも酷な話かな」

 

「醜いお身体ですわね。私オススメ拷問ダイエットをご紹介致しましょうか?」

 

「それ、削り取られてるの肉じゃなくて命じゃね?」

 

「おいおい、何を言うんだよ。Dr.ケミストリーはこの街の機械水準を一夜にして築き上げた稀代の天才科学者だぜ?昔はサイエンスギルドに所属し、今では街一番の発明家と呼ばれてんだ」

 

「それは実に興味深い話だ。この世界の根幹についての知識も持ち合わせているのかい?」

 

「当然だよ、Dr.ケミストリーに知らないことは存在しないからね」

 

「あーっほっほっほ!して、私に何を聞きたいのかな?」

 

「あぁ、オレ達がここに来てしまった理由と、帰る方法を探してるんですが、何か知りませんか?」

 

Dr.ケミストリーは、顎に手を当てて考える。

 

「ふーむ、恐らく君達がここに来たのは、この世界を安定させる為、そして帰る方法はまだ分からないかな」

 

「使えねぇ」

 

「ポンコツ駄肉ですわ」

 

「ほんとに天才なのかな?ボクの方が天才な気がするよ」

 

「まだ競い合ってたよこの子…」

 

リートは視線を、マキナからDr.ケミストリーに戻して新たに抱いた疑問を問いかける。

 

「オレ達がこの世界を安定させるって、どーゆー事なんですか?」

 

「うむ、まず私が君達が別世界から来たことを知ってることに疑問を抱かないのかね?」

 

「んなこたァ後でいいです」

 

「なかなかのドライ反応!!?」

 

Dr.ケミストリーは肩をガックシと落として、リートの疑問に答える。

 

「まぁよい、して、この世界を安定させる理由だったね」

 

Dr.ケミストリーは椅子をギシリと鳴らして座り込み。足を組もうとするが…

 

「くっ…ぐっ…組めない」

 

「「「「「じゃあ組むなよ!!!」」」」」

 

Dr.ケミストリーは、足を組むのを諦めて椅子をマキナたちのいる方向へと向ける。

 

「君達がこの世界を安定させる理由!それは!!」

 

カチッ

 

ドゥルルルルルルル

 

Dr.ケミストリーが手元のスイッチを入れると、後ろにある人形達がドラムロールをかける。

 

バン!

 

「それは!リート君の自然発症する魔力が機械達のエネルギーへと変わり、マキナ君の科学力がこの世界をより機械の為の世界へと変えると私の作ったAIが判断したからなのだよ」

 

「オレの魔力が機械のエネルギー?」

 

「ボクの科学力が機械の為の世界に変える?」

 

「より一層意味不明ですわ」

 

Dr.ケミストリーの話を聞いても理解出来ず、マキナたちは首を傾げていた。

 

「この世界の機械は大気中の魔力を自然に取り込み動く仕組みとなっている。だがこの世界は魔力が薄い!だが!君がいればこの世界の魔力量がグンっと一気に上がるのだよ!!!

そして、マキナ君の科学力を使えば限界のある機械達も半永久的に動き続けることができるのさ!!!」

 

「なるほど!それで天才のボクを選んだんだねー!そのAIは正確かな!!!」

 

「ぶっちゃけどーでもいい」

 

何気に嬉しそうにするマキナと、呆れてしらけるリートは、それぞれ対象的な反応だった。

 

「あーっほっほっほ!君達がこの世界で自由にしているだけで勝手に世界が動くとAIが判断したのさ!だから暫くはここにいて欲しいのだよ。なぁ〜に、時期に帰る方法も見つけると約束しようじゃないか」

 

「まぁ、帰る方法を見つけてくれるってんなら…自由にやらせてもらうが…」

 

「何をするにも、身分を証明出来る何かがないと動きようもないかな」

 

若干の困り顔を見せるマキナたちに、Dr.ケミストリーはとある案を出す。

 

「それならギルドに入りたまえ、AKAGI563番!NAG0019番!2人をギルドに案内してあげたまえ」

 

「「はいっ!」」

 

「ギルド…」

 

「っというと、さっき絡まれた奴らの集まりのようなもんだよね」

 

「あんまり気乗りしねぇなぁ」

 

「ドンマイですわ!お2人とも」

 

「諦めた方がいいよ?博士。デウスもそう思うよね」

 

「乗り掛かった船というヤツでしょうね」

 

「言っとくがよ、流れ的に考えるとお前等もだろ」

 

「「「!!?」」」

 

エクスの一言に、完全に他人事だったディンガたちはショックを受け、衝撃が体を迸る

 

「「さぁ!行こうか!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉー!建物自体が機械仕掛けになってるんだねー!すごく不思議(ワンダー)かな!」

 

「興味深いね、次にギルドが壊れた時の参考になりそうだ」

 

「ウチの世界でもよく建物が壊れますものね、参考にでも致します?リート」

 

「どーせ次の日にはナツかバンク辺りが崩壊させてるから意味ねぇよ」

 

目の前に現れた機械仕掛けの建物を前に無邪気に喜ぶマキナ、ディンガも次にギルドが壊れた時の参考にしようと観察を始める

 

「ここはサイエンスギルドのアモルファス!癖者ばかりだが、この世界でも有名なギルドだ!」

 

「「アモルファス……?」」

 

魔導士ギルドは名に幻獣の名を多く用いるが、サイエンスギルドは異なるらしく、疑問に感じたリートとラリカが首を傾げる

 

「結晶構造を持たない物質の状態を指す化学用語かな。原子の配列が不規則に並んだ物質、ガラスなんかはこれに該当するよー」

 

「因みに結晶構造というのは氷や金属、水晶等のことだね」

 

「サイエンスギルドはその名が示す通りに科学者が集まるギルドだからね、名前にも科学用が用いられるんだ」

 

「アモルファスは信用できるギルドだぜ?主任(マスター)はDr.ケミストリーだからな!」

 

「「「「えっ……あのおっさん?」」」」

 

主任(マスター)、マキナたちやリートたちの世界ではマカロフに該当する人物がDr.ケミストリーだと聞いた瞬間に、彼等の顔から笑顔が消える。変な笑い方が特徴的な彼に不安を感じているようだ。

 

「おーっ!いらっしゃい!そしてお帰り!AKAGIとNAGU」

 

門の前で建物を見上げていたリート達の前に、1人の屈強な男性が現れる。タンクトップ姿に坊主頭、いかにもパワータイプの男なのだが、リート達は首を傾げる。

 

「ここって……サイエンス…ギルド…だよな?」

 

「いかにもパワー!って感じのお兄さんだね!」

 

「マッドサイエンティストの間違いじゃありませんの?」

 

「そりゃお前だ」

 

「引きちぎりますわよ?」

 

「それはリアンの持ちネタだね。まぁ、ラリカなら、構わにゃいと彼女は言いそうではあるけどね」

 

自らの愛しい人?というか猫の真似をしてリートを脅すラリカの姿にディンガは彼女の姿を想像し、言いそうな事であると口にする

 

「ハッハッハー!そうだぜ!ここはサイエンスギルドだ!それ以外にギルドはないだろう?オレは、このギルドの修繕と改築を担当してるベリアル・マグリーナってんだ。よろしくな」

 

「ボクはマキナ・アルベローナだよ!!そして、こっちがディンガとエクスにデウス!ボクの相棒たちだよ!ところでキミもロボット?」

 

「んーにゃ、オレはれっきとした人間様よ。まぁ疑っちまうのも無理ないけどなこの街ロボットだらけだしよ」

 

「なるほどー、ちゃんと人間もギルドにいるんだね」

 

「まぁ人間とロボットが共存してるみたいだし、不思議はないか」

 

リートは、ベリアルに手を差し出して挨拶する。

 

「リート・イクシーズだ。それと、相棒のラリカだ。オレ達は元々別世界から来たんだが、帰るまでギルドに世話になるといいってここのマスターに勧められたんだ。短い間だが、よろしく頼むよ」

 

「おう!こちらこそよろしくな!」

 

ベリアルはリートの手を握り握手をかわすと、マキナとリートに顔を近づけて小声である噂を話す。

 

「実はよ、最近ウチのマスターの良くない噂が流れててな」

 

「良くない噂?」

 

「それはどんな噂なのかな?」

 

「なんでも、機械に執着するあまり、人間を消してロボットだけの世界を作り上げようとしているとかしてないとか」

 

「あのおっさんが?」

 

「うーん………確かに良くない気配は感じたけど、見た目は普通のオッサンにしか見えなかったかな」

 

「ですが、博士の善悪を見抜く観察眼は信用に値します。意外と信憑性はあるかもしれません」

 

「確かにな…博士は敵味方を区別する事に関しては誰よりも優れた才能がある……スコルの獣的な五感も侮れねぇがな」

 

「あのバカ猿と同じにすんじゃねぇかな」

 

優れた観察眼を持つが故に何かを見抜いてはいるが核心に迫る情報が足りず、Dr.ケミストリーの真意までは見抜けない

 

「ま!あくまで噂!今まで何も無かったし心配するこたァねぇさ!さぁさぁ!ギルドに入ってくれ!!今日からお前らはオレ達の仲間だ」

 

「なんだろー、この人からは妙な親近感を感じて仕方ないかな。ギルドにこういう人がいたような………ああ、バカ猿か」

 

「博士はスコルがホントにキライだね」

 

「キライだよ……まぁ、認めてはいるかな……キライだけど」

 

「2回言いましたわよ?」

 

「よっぽど嫌われてんだな、そのスコルってやつ」

 

ベリアルの姿にライバルの姿が重なり、妙な親近感を感じるマキナ。背丈は微妙に異なるが同一人物と会話している様に感じていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リート・イクシーズにマキナ・アルベローナ。互いの世界に於いて、イレギュラーと呼べる力を持った逸材………利用させてもらうとしよう……私の夢を実現する為の生け贄として…!!!あーっほっほっほ!」

 

サイエンスギルド主任(マスター) としての肩書きを持つ男の名はDr.ケミストリー。かつては世界の機械水準を底上げした稀代の天才科学者と呼ばれ、サイエンスギルドの根幹を築き上げた科学者たちの憧れ………しかし、一部の者たちは彼を、

 

死の科学者(デッドサイエンティスト)と呼んだ。




サイエンスギルドに加入したマキナとリート、新しい仲間に囲まれ、楽しい生活を送っていた二人だが………

コラボって難しいなぁ〜今までは好き勝手に暴走してたから、改めて其れを実感してます
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