ディンガ「おや、ハッピーもいないね」
リアン「にゃんですって!?」
マナツ「みんなだけでパーティなんてずるーい!」
「……はか……はかせ…博士……起きてください!博士!」
「そんなにデケェ声を出さなくても聞こえてるかな……デウス」
自分の名を呼ぶ声に目を覚ましたマキナは視界に映る白き機械狼の名を呼ぶ。咄嗟に
「らしくねぇな。博士が剣客相手に遅れを取るなんてよ」
「剣客は剣客でもアレは別格だよ。あの太刀筋は居合いだ」
「なるほど……博士の剣術とは異なりますね」
「それに爆風を斬り裂くなんて芸当は誰にでも出来るモンじゃねぇかな」
「そうだな。博士の魔力を加えた俺たちでもアレは無理だ」
近くの瓦礫に腰掛け、頭のゴーグルに触れたマキナは冷静に刃を交えた少年の太刀筋を推測する
「マキナ!無事かいっ!?」
「ネエちゃん!大変かなっ!折角の美人が台無しかな!」
「なんて優しいんだっ!自分よりも先に姉ちゃんを心配してくれるなんてっ!ありがとね!マキナ!」
二人は互いの存在を確認すると、離れ離れになっていたかの様に抱き合う。刹那、二人の背後で瓦礫が動き、一つの影が飛び出す
「あぁ〜〜〜〜よく寝たぁ〜〜〜………ん?あっ!ゴーグルタロウ!」
「んな名前じゃねぇかな……つーか、いつからいた」
「あっひゃっひゃっひゃっ!いやぁ〜、食堂でたらふく飯を食ってたとこまでは覚えてんだけどな………あっ!さっきの変な魔法を使うタヌキみたいな面の女は何処だ!?」
適当に呼ばれた名を否定するマキナがジト目で睨む先に居たのは、捲し立てるように騒ぐセイラン。彼は辺りを見回しながら、誰かを探しているようだ
「誰の上に乗ってやがんだゴラァァァ!!」
「まーた……うるせぇのが起きたかな」
「あん!?って!今はバカもやしなんざに構ってる暇はねぇ!!さっきのキツネみたいな面した女は何処だっ!?」
「あん?キツネ?タヌキだろ。頭おかしいのか?オメェ」
「タヌキだぁ?ありゃあ、どう見てもキツネだろうが。お前こそ、目ェおかしいんじゃねぇか?」
互いに軽口を叩き合い、睨み合うスコルとセイラン。しかし、数秒の沈黙が訪れ、一時の間、静寂が支配する
「「………やんのかっ!!!」」
「なんで喧嘩になってんだいっ!!」
「「ぐもっ!?」」
胸倉を掴み、いがみ合いを始める二人の頭上に二発の拳骨が落ちた。其れを放った張本人はトレードマークの羽帽子を頭に被り直す
「アーちゃん、ダメだよー。急に殴ったりしたら」
「大丈夫よ、知り合いだから。こっちの猿みたいな人は知らないけどね」
拳骨を落とした少女、アマノを態とらしく咎めるマナツ。二人は地下からの爆音に気付き、カジノにやって来たようだ
「猿………あっ!スコルが死んでる!マキナー!スコルが死んでるよー!」
「大丈夫かな、そのバカは殺しても死なねぇから」
「そっかー!バカは死なないのかー」
「よっしゃ、ちょっと面貸せや。頭でっかちに絶壁」
「「あ?」」
売り言葉に買い言葉、この状況下に於いても三人の仲は険悪。スコル一人とマキナとマナツの二人は火花を散らしあう
「カナ!マキナ!それにマナツにスコル!」
「あっ!ルーシィ!無事だったんだ!」
「ホントね、心配は杞憂だったみたいだ」
名前を呼ばれ、振り返ったマナツは嬉しそうにルーシィに駆け寄り、飛び付いた
「なんとかね……あと、グレイも無事だったみたい」
「ジュビアが助けました。間違っても恋敵ではありません」
「なんの話っ!?てか……マナツの隣にいるのって……」
隣で睨みを効かせるジュビアに突っ込みを放ちながらも、飛びついて来たマナツを引き剥がし、彼女の隣に視線を向ける
「紹介するねー!友だちのアーちゃんだよ!」
「今、紹介されたアマノ・フリジアだ。よろしく頼むね、ルーシィさん」
「へっ……あっ、こちらこそ…」
見た目の雰囲気とは裏腹に丁寧な挨拶をしてきたアマノに、ルーシィは思わず頭を下げる
「ねぇちょっと……ハッピーは?それにエルザも見当たらにゃいけど」
次にカジノに姿を現した特徴的な鍵尻尾を揺らす一匹の黒猫、それはマナツの相棒であるリアン。彼女は周囲を見渡し、弟分の姿を探す
「先程、カジノの映像魔水晶を確認したがハッピーとエルザは敵に連れ去られたようだ」
「にゃんですって!?ハッピーが誘拐!?ちょっと!ナツにマキ!アンタたちが居たのにどうなってんのよっ!」
「「め…めんぼくねぇ…」」
頭のガスマスクに触れ、冷静に状況を語るディンガの発言にくわっと両目を見開いたリアンの怒号がナツとマキナに飛ぶ
「それよりも!あの四角いヤツは何処だっ!?よくも口の中に鉛玉ぶち込みやがってー!!下手すりゃ大怪我だぞっ!!」
「普通は鉛玉をぶち込まれたのにくたばってねぇのがおかしいかな」
「仕方ないわよ、ナツは普通とは掛け離れてんだからね」
「それもそうか…さすがはネエちゃん、今のは的を射た
「ふっふっふっ……もっと褒めてもいーんだよ?なにせ、私は天才のマキナを育てた
何時もとは異なり、
「ねぇ………ホントにあの二人って……血の繋がりはないの?言動が呆れるくらいにそっくりなんだけど……」
「信じられねぇと思うが……微塵も繋がってねぇんだよな」
「俺も最初は驚いたが、今では見慣れちまった」
「マキナとカナねぇは仲良しだねー」
呆れた表情のルーシィの問いに同様の表情を浮かべるスコルとグレイ、意味を理解していないマナツは相も変わらずに花が咲いたような笑顔で見守っている
「兎に角!何処の誰かは知らないけど、あたしの可愛い
「そうだね。少しばかり、痛い目に遭ってもらう必要がありそうだ……頭をかち割られるくらいの覚悟はしているハズだからね」
「よっしゃぁ!俺について来い!こっちから、二人の匂いがすんぞっ!!!」
そう言って走り出すナツ。彼の嗅覚は獣以上である為に信用に値するのだ、故にマキナたちは彼を追随し、ホテルを飛び出した
「何処だ…ここは…誰だ!…」
目を覚ましたエルザは状況を把握しようと周囲を見渡す。すると、自分の隣に気配を感じ、振り向く
「そう、殺気立つのは御容赦願いたい…貴殿を傷付ける事は
「確か…お前たちはショウやシモンたちと居た……」
刀を肩に担いだまま、横目でエルザを見たヤギュウ。年齢的にはマキナ、マナツ、スコル等の年少メンバーと大差はないが、その漂う雰囲気はエルザも息を呑む程に風格ある佇まいである
「申し遅れた…某はヤギュウ、ジェラールの刀とでも名乗っておこう…」
「ヤギュウ……お前に聞きたい、ショウが言っていた話は本当なのか?〝
「揺るがぬ事実ゆえ……それに伴い《
「喋り過ぎよ、ヤギュウ。何処かの愚妹じゃあるまいし、ぺらぺらと喋るクセをどうにかして」
エルザからの問いにかなり重要な事も交えるヤギュウを、船室の上から甲高い声が咎めた
「イッシュねぇはレティを引き合いに出さないと会話出来ないの?あっ!分かった!もしかして、コミュニケーションに難がある人なんじゃない?そっか〜、納得〜」
「あ?なんか言ったか」
「ぴえ……!ご、ごめんなさい!」
「イッシュ……それにレティ……」
ぎろりと隣に立つ紫色の髪の少女を睨みつける藤色の髪の女性。彼女たちをエルザは知っていた
「あの日から8年……今日という日を私たちは待ち続けたわ」
「エルザが光の中をのうのうと歩いている間にレティたちは完成させちゃったんだよね〜!あの鬼ヤバなシステムを!」
イッシュ、レティと呼ばれた姉妹の発言にエルザは絶句する。八年という歳月は彼女たちが〝楽園の塔〟と《
「イッシュとレティの言う通りさ……姉さんが俺たちを裏切ったあの日を誰一人として忘れていない…姉さんには
「ショウ……」
姉妹の発言を肯定する様に姿を見せた金髪褐色肌の青年基ショウはエルザを前に生け贄という言葉を告げる
「もう会えなくなるけど…全ては〝楽園〟のためだからね。仕方ないよ」
「
「そのとーり!レティたちを虐げて、笑った奴等に復讐してやんだよっ!!裏切ったエルザも同罪だかんなっ!!」
「レティ…はしたないわよ」
去り行くかつての弟分と妹分、親友の背に掛ける言葉が見つからない自分が情けないエルザは歯噛みする
(あの優しかったショウが……誰かが傷つくことを極端に嫌っていたレティが……何より……あの優しいひだまりのように笑っていたイッシュの冷たい眼差し………何をすれば……ここまで……変わってしまうんだ…!!)
変わり果てたかつての仲間たち、その変貌にエルザの顔は怒りに染まっていく。その様子を見ていた着流しの少年は密かに笑う
「…エルザ・スカーレット…貴殿の力を利用させてもらう………全ては我等が終生の願いたる
エルザを追いかけ、楽園の塔に向かうマキナたち。果たして、楽園の塔とは!?
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