「
「じゃあ、にゃに?ナツは自分で自分を探してたの?バカも極めると呆れるわね。まぁ、でもあたしを嫌いな人はいないわね……何故かって?可愛からよ」
「リアンは今日も自分大好きだねー。もぐもぐ…」
姉との買い物を終えたマキナはギルドのカウンターで、ハルジオンの騒ぎに関しての顛末をマナツとリアンに語っていた。その間も食べる手を止めないのは、ギルドメンバーから見れば、当たり前で見慣れた姿である事は言うまでもない
「アニキが
「マンダーに拘らなくていいのよ?マナはマナのスタイルを貫きなさい、それが良い女の定義よ」
「おお!流石はリアン!良いアドバイス!」
「というかリアンはメスじゃないの?」
「引きちぎるわよ」
「なにを?」
頭を悩ませるマナツに対し、女の定義をアドバイスするリアンをマキナがメスであると突っ込むが即座に彼女は謎文句で反論する
「ここでいいのね?」
「はい!お願いします!」
「あり?あんなオネーサンいた?」
野菜を頬張っていたマナツは自分の隣で、ミラにギルドマークを刻印してもらうルーシィの姿に首を傾げる
「マキが連れて来た新人ちゃんよ。確か名前は……」
「怪しいオッサンに騙されそうになりながらもボクたちにご飯を食べさせてくれた優しくて変な人って名前だよ」
リアンが名前を思い出そうとしてる隙を見計らい、マキナがカナに紹介した時と同じ内容で彼女の事を教える
「そんな長い名前なの!?」
「ほら、信じちゃったじゃないの。マナを揶揄うのはやめなさい」
「やははー、好きな子はいじめたくなる性分なんだよねー」
素直に信じるマナツの姿にリアンは呆れた眼差しを向けるが当の本人は好きな子を前に、けらけらと笑っている
「マキナ!聞いてよ!ナツってば酷いのよ!」
「名前を間違えられたのー?」
「まだ何も言ってないんだけど!?」
「ワンパターンだからねー。まぁ、何はともあれ、これからは仲間だね。改めて名乗るね、ボクはマキナ・アルベローナだよー。ネエちゃんはS級魔導士のカナ・アルベローナ、酒を愛してるけど、二日酔いが天敵な弟思いの美人だよ」
「アンタはなんで自分よりもカナさんに対しての紹介が長いの?それで、貴女がえっと……」
自分よりも酒樽に囲まれながらいびきを掻いている姉の紹介の方が長いマキナに突っ込みを放ったルーシィは、その隣に座るマナツに視線を向ける
「アタシはマナツ・ドラグニル!血の繋がりとかは微塵もないけど、ナツの妹だよ!よろしくね!ルイージ!」
「ルーシィよ!!兄妹で同じ呼び間違いしないでくれる!?」
「これがマナの必殺技の被せボケよ。テストに出るから覚えておくのよ?マキ」
「聞いた事ないなぁ、そんなテストは」
兄が彼女を何と呼んだかを知らない筈にも関わらず、同じ呼び間違いをするマナツ。その姿にリアンが訳のわからないテストを作り上げるがマキナは食べる手を止めずにやんわりと突っ込む
「父ちゃん。まだ帰って来ないの?」
刹那、カウンターの隅から少年の甲高い声が響き渡った
「くどいぞ……ロメオ、貴様も魔導士の息子なら親父を信じておとなしく家で待っておれ」
「だって………もう一週間だよ!?父ちゃんは3日で戻るって言ったのに!!」
ロメオ、そう呼ばれた少年はマキナよりも僅かに幼い。彼は
「ロメオ〜、ハルジオンの土産あるけど食べるー?」
「あっ…マキナ兄!父ちゃんが帰って来ないんだ……お願いだよ!探しにいってくれよ!」
「マカオは大丈夫だよー。ウチの放浪破壊魔親父なんかよりはしっかりとしてるから……それにだ。男なら親父を信じてやりな?それが息子にできる一番の親孝行だとボクは思うよ。ボクはネエちゃんしか信じてないけどねー」
ロメオの想いを汲み取りながらも、優しい言葉で諭すマキナ。何時もの笑顔であるが僅かに寂しさを感じさせる瞳を彼に見せない様に取り繕う姿は普段とは裏腹に大人びていた
「マキナ……立派になって……よーし!今日は朝まで呑むわよ!ワカバ!付き合いな!」
「なんでだよ!?」
「マカオが居ないからに決まってんだろ!!」
弟の成長に泥酔していた筈のカナがいつの間にか感動していたのも束の間、彼女は近くにいたワカバを巻き込み、樽酒を開ける。その姿は正に酒豪である
「取り敢えず………じーちゃん、雪山に行ってくるね」
「勝手にせい…ナツのヤツはもう行きおったわい」
「アタシも行く!良いよね!おじじ!ダメとか言ったら、部屋のクローゼットの床下に隠してあるグラビア写真集を捨ててやる!」
「ぬおっ!?何で知っとるんじゃ!お願いだからやめて!ワシの密かな楽しみをとらないで!」
「エッチねー」
「ということだから、デウスとエクスも行くよー」
「「状況説明求む……!!」」
会話の流れでマカオの向かった雪山に行く事を決めたマキナが呼び掛けると、食事の代わりに充電していたデウスとエクスは身勝手な創造主に突っ込みを放ちながらも彼の後を追う
「お腹を出すんじゃないよー。風邪引くからねー」
「はーい!」
「ルーシィ。弟と妹分を頼むよ」
「あたしも行く流れ!?」
弟同様に身勝手なカナがマキナとマナツの事をルーシィに頼むと彼女は突っ込みを放ちながら、彼等の後を追っていく
「カナ。どうしたの?貴女が誰かにマキナを任せるなんて、初めてじゃない」
寂しそうに弟の背を見送るカナに、ミラが声を掛けた。何時もの彼女ならば、マキナに危険が及ぶ場合は何を犠牲にしようが同行する筈であるにも関わらず、今回は第三者であるルーシィに彼を任せた、その変化に違和感を感じたのだ
「私とマキナは確かに姉弟だけど、それは今だけの関係……何時かは
「大丈夫よ。マキナはきっと何があっても、貴女をお姉さんって呼んでくれるわ。そういう子でしょ?」
「そうね……あの子は優しくて強い私の自慢の弟だ」
「でね!あたし、今度ミラさんの家に遊びに行く事になったの~♪」
ハコベ山。年中、雪が降り注ぐマグノリアの中でも比較的、巨大な山に向かう馬車の中にマキナたちはいた
「下着とか盗んじゃだめだよ」
「ハッピー?ルーシィはそんなことしないわよ。冷蔵庫をあさるのよ」
「盗まないし、あさらないわよ!」
喜びも束の間。ハッピーとリアンの唐突なボケに素早く突っ込みを入れるのは流石と言うべきだろう
「一つ聞いて……うぷっ……いい…?」
「オレも気になってた……」
「なんで……うぷっ……ルーシィが?」
兄妹仲良く乗り物酔いをしていたナツとマナツは目の前にいるルーシィの存在に疑問に思い、問いを投げかけた
「何よ、何か文句あるの?」
「ないけど、普通に座ってるから疑問に思っただけだよ。図々しいとかは思ってないよ」
「それを文句って言うのよ?カナさんに頼まれたから来たのに……」
「ナツ、マナツ。人を悪く言うのはダメだよ」
「見事な掌返しね。カナの名前を出せば、誘拐とか出来ちゃいそうだわ」
「あい!それがマキナです」
最初こそはルーシィに文句を言っていたマキナであったが姉の名が出た瞬間に、彼女の味方に周る変わり身の速さにリアンは呆れていた
「マカオさん探すの終わったら住むところ見つけないとなぁ」
「オイラとナツん家に住んでもいいよ」
「本気で言ってたらヒゲ抜くわよ?猫ちゃん」
「うちの家の犬小屋が空いてるよー」
「マキナの家に犬小屋なんかあった?」
「ないわね」
「あれ?そうだっけ?ごめんねー、家探しに協力は出来なさそうだよー」
「協力以前に住まないわよ!!あたしを何だと思ってんのよ!?」
協力するつもりがあるのかも理解出来ないマキナはけらけらと笑うが、彼は人を揶揄う悪癖があるのを知るルーシィ以外の面々は呆れた眼差しを送っていた。刹那、馬車が止まる音が響き、ナツとマナツが起き上がる
「止まった!」
「解放された!」
「というか進めないだけじゃないかな?だって、吹雪いてるよ」
「何これ!?いくら山とはいえ今は夏季でしょ!こんな吹雪おかしいわ!」
馬車を降り、吹き荒れる雪の中を歩くマキナたち。ルーシィは身をもって体感する自然の脅威に文句を言うが、過酷な環境になれている他の面々は真っ直ぐと雪山を見据えていた
「大自然を舐めすぎよ。マナを見習いなさ---にゃぁぁぁ!マナぁぁぁぁ!!」
「ゆ、雪山……恐るべし……」
ルーシィに注意していたリアンは、自分の隣にいた相棒を見習う様に促すが雪の中で蹲る彼女を前に悲鳴を挙げる
「デウス。マナツはどしたの?」
「雪に埋もれてた草を食べたらしいです」
「なるほど……診察するね」
死にかけている幼馴染を前に、デウスに理由を聞いたマキナは冷静な態度で彼女に聴診器を当てる
「マキ!容態は!?」
「食あたりです」
「あい!マナツは拾い食いが趣味です!」
「アホなだけだろ」
「うんうん…エクスの言う通りだな」
「道のりは長そうね………」
雪山でマカオを探すマキナたち、そこに現れたのは巨大な猿と牛!更に時計!?イカれた生態系を前に彼等はどうなる……?
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