ディンガ「博士?それは序盤だよ。バトル・オブ・フェアリーテイルのことを語るべきじゃないかい?」
マキナ「あんなバカが始めた祭に興味はねぇかな。他所でやればいい、マナツとネエちゃんとその他を早く戻せ」
ディンガ「おやおや、これはかなりの御立腹だね」
「「燃えてきた」」
壇上の
「ナツ………お前のそういうノリの良いトコは嫌いじゃねぇ。それにマキナ、お前のへらへらした仮面が外れるなんざ、何年振りだぁ?久し振りに見たぜ…感情を表に出すお前をよォ」
「気安く呼ぶんじゃねぇかな。お前に呼び捨てにされるなんて……反吐が出る。ボクの
何時もの温和な雰囲気は何処に?と言わんばかりに冷めた視線と冷淡な態度を見せるマキナ。前髪から覗く翡翠色の双眸には、ラクサスを兄と慕っていた少年の面影は無く、白衣を靡かせる一人の魔導士が佇んでいた
「あ?誰に言ってやがる………テメェ。頭の出来が良いだけのチビの分際で粋がってんじゃねぇぞ」
「聞こえねぇなら、そのクソだせぇヘッドフォンを外せば良いだけかな。お前こそ、何時までも兄貴ヅラすんじゃねぇ……お前をボクは許さない」
一触触発、火花を散らしあうマキナとラクサス。誰が見ても今の彼等に兄弟のように育ってきたとは思えない程に険悪、今にも殴り合いが始まりそうなくらいの空気が漂っている
「取り敢えずだ……ラクサス!ぶっ飛ばせばいいんだろ!」
「ちょっ!?ナツ!無策は流石に御法度かな!なんの準備もしてねぇのにっ!!ってコラァ!話聞けェ!!!」
然し、時は既に遅かった。我先にと突っ込んだナツに落雷が落ちる。室内にも関わらず、感電し、黒焦げになったナツは床に落ちていく
「ナツ!!」
「ほれ見ろ!マキナの言うこと聞かねぇからだ!」
「情けないなぁ〜せっかく復活したのに」
「ラクサスみたいにもう少しクールにならなきゃダメよ?まぁ、無理な話だけど……」
蔑み、嘲笑うようにナツを見下ろすフェルマ。彼女の態度に誰もが怒りを噛み締め、壇上を見上げる
「ふむ………状況は把握した。どうやら、礼儀作法を忘れた
「誰の許可を得て、マナたちを石にしてんのよ。女王様ごっこなら他所でやんなさいよ……エバーグリーン。それとも……その自慢の顔を完膚なきまでに蹴りまくって欲しいの?」
「ディンガ………リアン。随分と遅い登場の割に吠えるじゃない。アンタたち程度なら、わたし一人で十分なのよ。理解してんの?」
ギルドの正面玄関、買い出しを終えたディンガとリアンは目の前の惨状に其々の意見を放つが、二匹の瞳には怒りと憂いの両方が混在しているようにも見える
「フェルマ……殺気立つんじゃねぇよ。詳しい説明をしてねぇだろ」
「…………少し取り乱したわ。気を取り直して………雷神衆!」
殺気立つフェルマをガルムが咎めれば、彼女は背後に佇んでいたエバーグリーンを含めた三人の魔導士に呼び掛ける
「このコたちを元に戻したければ、私たちを倒してごらんなさい」
「俺たちは四人、そっちは百人近くはいる………うっわぁ!!こっちの方が不利だぜ!ぎゃはははっ!」
「制限時間は3時間ね。それまでに私たちを倒さないとこのコたち………砂になっちゃうから」
「なに!?」
「本気かよ!!」
「そ……そこまでやるか!?普通!」
「ラクサス……貴様……!」
仲間を仲間と思わない鬼畜の所業、その恐ろしい提案を発案したであろう青年に誰もが戦慄し、実の祖父であるマカロフも怒りを隠せない
「バトルフィールドはマグノリア全体……わたしたちを見つけたら、バトル開始よ。把握したかしら?」
「フェルマ……キミは変わってしまったね。昔のキミはそうじゃなかった………
「口の減らない愚弟ね。今更、わたしたちを置き去りにした兄さんなんかどうでもいい…わたしはあの日、
かつての自分を否定するように過去を捨てた発言するフェルマ。その横顔に僅かな翳りを感じるディンガであったが、頭のガスマスクに触れ、彼女を寂しそうに見上げる
「さぁ……始めようぜ……バトル・オブ・フェアリーテイルの開幕だ!!!」
高らかに宣言された瞬間、ギルド全体に眩いばかりの光が瞬いた。その現象に誰もが目を瞑る中でひと足先に動きを見せた者たちがいた
「ディンガ!デウス!エクス!!」
「「「博士の御命令とあらば…!」」」
「マキ!あたしも!」
頭のトレードマークを目元に装着した少年は白衣を翻し、ギルドを誰よりも先に飛び出し、その小さな背中を追随する一匹と二体。その背を追い、一匹の黒猫も飛び出す
「フリードが居た。てことは既に街全体に術式が張り巡らされていると考えるべきかな……ボクは匂いのある方に向かう!ディンガとリアンはフェルマを追って!」
「………僕が居なくても大丈夫かい?
小さな背に呼び掛けるディンガは頭のガスマスクに触れ、彼の身を案じる
「大丈夫だよ……ボクは強くなった……もう、誰かに守られてばかりの弱かった頃とは違う………だから、バカアニキの目を覚まさせるのはボクの役目だ。それよりも、ディンガだって大丈夫?体鈍ってたりしねぇかな」
頭のゴーグルに触り、彼は力の無い笑顔と
「………誰にモノを言っているんだい?キミは。こー見えても、僕もかつては
その昔、ディンガはリアンとフェルマがS級になる為の試験を受けた時期に同じように候補者に選ばれたが、マキナとの研究の日々を選んだ。それ故に彼の本来の実力を知る者は数少ないが、マキナはその瞳に宿る決意を信じ、リアンの手を引く相棒を送り出す
「スコル……いるなら、さっさと出てきやがれかな」
「………んだよ、気付いてやがったのかよ」
物陰に呼び掛けたマキナの声に反応し、姿を見せたのはスコル。バトル・オブ・フェアリーテイルが開幕した瞬間には立ち会っていなかったが、街の様子に違和感を感じ、聞き耳を立てていたであろうライバルに向き直る
「スコル………ボクはお前が嫌いだ。それに関しては誰にも負けねぇくらいに」
「知ってらぁ、俺もだからな。お前のツラなんざ一秒足りとも見たかねぇぜ」
「それでも…コレはお前だから頼める。頼む………ネエちゃんとマナツたちの為にばっちゃんに薬をもらってきてくれ……お願いします」
姉と幼馴染たちの為に頭を下げるマキナ。普段ならば、有り得ない姿にスコルは僅かに表情を顰めるが、彼の口元や手の中から滲む赤い液体に気付く
「………テメェとラクサスが何を揉めてやがるのかは知らねぇし、興味もねぇ。けどな………どんなにムカついても、俺たちは仲間で家族だ。最初に言っとくが、この俺に使いっ走りを頼むからには高く付くのを忘れんなよ、
「あとでわたあめおごってやるかな、
其々の目的地に小さな二人の魔導士は直走る。水と油、相容れない関係、睨み合い、歪み合い、嫌い合う、それが普段の二人だが、仲間たちを大事に思う気持ちには変わりはない。故に彼等は互いに出来る事をするべきだと判断したのだ
【
(ラクサス……!お前を止められのはただ一人!ボクだ!!)
マキナと別れ、リアンと共に目当ての場所に向かうディンガ。あの頃、手を引いてくれた優しい面影、褒めてれた優しい声、撫でてくれた優しい手、それを遠い昔に思うようになったのは何時からだっただろう。今、赤き猫は姉との戦地に赴く
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