ディンガ「其処は僕たちの間違いだろう?僕も活躍したんだからね」
マキナ「感謝してるよー、もちろん」
マナツ「やっぱり、マキナとディンガはすごいねー!リアン!」
リアン「そうね、マナ」
「六つの祈りが消える時……零から新たなる最凶が呼び覚まされる……。どういう意味かな、これ」
ニルヴァーナの上、早急に進軍する厄災を止めなければならない状況下で頭のゴーグルに触れる小さな科学者は、姉から渡された予言を書き留めた紙切れを手に頭を悩ませていた
「六つの祈り……それって、
「しかし、この祈りが消える時とはどういう意味だい?それに零から呼び覚まされる新たなる最凶というのも気になるね」
其処に本好きのルーシィ、天才魔科学猫を自称するディンガも加わり、予言の内容を紐解いていく。正に三人寄れば文殊の知恵を体現するかのようである
「祈りが消える……単純に倒されるって意味じゃねーのかよ」
意外や意外、的を射たかのような意見を口にしたのはスコル。単純な思考回路の持ち主である彼だからこそ、行き着いたであろう答えにマキナは驚いたと言わんばかりに両眼を瞬きさせた
「バカだなー、スコルは。そんなに簡単なら予言の意味ないじゃん!ねっ?リアン」
「そうね、いくらにゃんでも単純過ぎるわ」
「いや、そーでもないよ」
しかし、普段が普段故にその意見はマナツとリアンからは単純すぎると一蹴される。これまた意外なことに普段は嫌っている筈のスコルを擁護するようにマキナが口を開いた
「祈りが消えるってことは、戦闘不能になってるって解釈で間違いないよ。
「確かにブレインには目眩し程度に攻撃はしたが、打倒には至らなかった。察するに実力はコブラよりも遥かに上だと考えるのが妥当だろうね」
「ほらな!俺が正しかったじゃねーか」
まさかの大どんでん返しとは正にこの事を意味するのだろう、普段が馬鹿丸出しのスコルが放った意見が的を射ていたことを知り、冷静に考察するマキナとディンガ以外の妖精の尻尾のメンバーは開いた口が塞がらなかった
「ま、マキナがスコルの意見を取り入れてる…!!」
「目から鱗ね、これは」
「つーか、スコルがマトモなことを言えんのに驚きだし」
「人は見かけによらないとは言うけど……まさか、スコルのボーヤにそれを教えられるなんて……地味にショックね」
マナツは戦慄し、リアンは紅茶を片手に冷静を装いながらも驚き、配慮を知らないレティは素直に思ったことを口に出し、イッシュもまさかの伏兵に驚きを隠せない様子だ
「スコル……おめぇ、なんか拾い食いしたか?」
「あん?そんなんするかよ、そこの絶壁女じゃあるめぇし」
「誰が絶壁だ、ケンカ売ってんの?おいコラ」
有り得ないが故に捻り出されたグレイの問いに答えたスコルは悪態を吐き捨てながらも、拾い食いの常習犯であるマナツを指差す。それに対し、一部分に禁句を放たれた事を聞き逃さなかった彼女は怒気を放つ
「あ、あの…!マキナさん!このニルヴァーナが向かってる先って…!まさか…!」
「ウェンディとシャルルには悪いけど…そのまさかだよ。この方角は
沈黙を貫いていたウェンディはニルヴァーナが向かう方角に心当たりがあるように問う。その答えを返した白衣の少年は頭を悩ませながらも、その行き先がウェンディとシャルルのギルドである
「ちょっと!そんな悠長なことを言ってる場合じゃないでしょ!アンタらにとっては他人のギルドでも、私とウェンディには家なのよ!?」
「シャルル!そんな言い方はマキナさんに失礼だよ!」
「う〜ん……なかなかどうして……」
頭を悩ませるマキナに対し、シャルルが吠え、それをウェンディが咎める。しかし、頭の中に浮かぶ作戦は何れも構造を把握していない限りは実現不可能に等しい。それを理解しているが故に頭を捻っても、答えは出てこない。しかし、彼は違った
「だから、テメェは頭でっかちだってんだよ。もやし」
「あ?なんか言ったか、バカ猿」
突如、放たれた罵倒の言葉。それを放った人物に不機嫌そうな眼差しを向け、睨み付ける。当の本人は瓦礫の上に胡座をかいており、僅かに笑みを浮かべた下顎から犬歯を覗かせる
「たまには考えるよりも体を動かしゃいーんだよ。作戦なんてのは後回しだ」
「おー!たしかに!スコルの言う通りだよ!困った時はPROJECT・TOTUGEKI!作戦Tの出番じゃん!」
「鬼ウケる〜!それってノープランってことじゃ〜ん!」
「つまりは何時も通りってことね……」
「博士ですからねぇ…」
「マトモな作戦が今までにあったかよ」
「僕の記憶ではマトモな作戦があった方が少ないね」
「マキの作戦はそんなもんよ」
「ひどいなぁ…ボクも傷付くよー?さすがに」
作戦という名の強行手段に呆れ果てるルーシィを始めとした面々。何時も通り過ぎる展開に、その発端とも呼ぶべき白衣の少年は苦笑混じりに自分も傷付くことがあると反論を放つ
「つまりはどういうことだ?バレル」
「作戦がないから突撃って意味だろうぜ」
「なるほど…!流石はバレルだぜ!今のでなにもかも理解しちまえるのはお前くらいだな!」
「ほう、作戦Tか。マキナ殿は面白いことを考えるのだな」
「あっ!ジュラさんだー!」
「マナツ!失礼だから、頭をぺしぺしするのはやめなさいって言ったでしょうが!ホントにすいません!よぉ〜く言って聞かせておきます!」
疑問符を浮かべるトリガーにバレルが説明していると、話を聞きつけたジュラが姿を見せた。無邪気なマナツは彼の頭を音が鳴り響くように叩いており、妹分のやらかしにルーシィは彼女を引き剥がす
「でよ、作戦Tってのはなにすりゃいいんだ?」
「なんも考えてなかったかな、このバカ猿は」
「やっぱり、今からでも作戦考えねぇか?マキナ」
「おうコラ、ケンカなら買うぞ?カチコミパンツにもやしゴーグル」
作戦の趣旨を理解していなかったスコルが首を傾げる姿にマキナとグレイが呆れていると、悪口を聞き逃さなかった彼が不機嫌そうに睨む
「作戦Tなら簡単だよー!先ずはえっと……あのおっきいのに突撃するんだよ!」
「マナツ。それは分かるけど、その先はどうする気よ?アンタ」
慎ましやかな胸を張り、自信満々に答えるマナツ。しかし、彼女の単純さを理解していたルーシィがその先に関する問いを投げかけると、彼女は両眼を何を言ってるんだと言わんばかりに両眼を瞬きさせる
「うぇ?その先があるの!?」
「おバカーーっ!!」
やはりと言うべきか、突撃のみが作戦だと考えていたマナツにルーシィの突っ込みが放たれる。その反面、彼女と長い付き合いのマキナたちは「マナツらしい考え」だと納得するように頷いていた
「ジュラさん。ホットアイはー?」
「リチャード殿はミッドナイトを対処してくれておる」
『皆さん聞こえますか?私デス、ホットアイデス』
呑気に問うマキナに対し、ジュラがその所在を告げると件の人物であるホットアイの声が全員の頭に響き渡る
「リチャード殿……!無事であったか!」
『残念ながら無事ではありませんデス。ミッドナイトには私でも敵わなかった。みなさんの力を合わせてミッドナイトを倒して下さい。奴を倒せばニルヴァーナへの魔力供給が止まり…この都市は停止するハズ』
「なるほど……生体リンク魔法で動いてるのか……。なら、どうして……
ニルヴァーナが生体リンク魔法で動いてると知り、マキナはまたしても思考を巡らせる。自分が知らない所で別の思惑が働いてるとしか思えない状況に彼の思考は深くなっていく
『奴は王の間の真下にいマス…気をつけて下さい、奴はとても…とても強いデス』
「おーい!聞いたか!お前ら!最後のヤツは下にいるみてぇだ!」
「あいさーーっ!」
「アニキ!ハッピー!無事だったんだー!」
「あら、ブレインは?」
同じように念話を聞いたナツとハッピーが姿を見せたことに歓喜するマナツ、一方でリアンはその彼等が相手にしていたであろうブレインの処遇を問う
「アイツならぶん殴ってやった!」
「さっすがはアニキー!満開だね!」
「なーっはっはっはっ!そーだろ!そーだろ!グレイやマキナよりも俺の方がすげぇだろ!」
サムズアップをしながら、ブレインを倒したことを告げるナツにマナツは嬉しそうに飛び付き、満開の笑顔を咲かせる。しかし、この場にナツの言い分に難色を示す者たちが存在した
「あん?聞き捨てならねぇな!燃えカスヤロー!誰が誰よりすげぇって?あぁん?」
「いちいち揚げ足を取らないと気がすまないかな、グレイは。だいたい…強さなら、ボクの方が上かな。なんたって、相手は滅竜魔導士だったかな」
「ナツてめぇ!グレイのボケとマキナのアホが入ってて、なんだってこのファンキーな俺がカウントされてねぇんだ!!」
「ああ?やんのか?バカ猿コラァ!」
一触触発とは正にこの事。売り言葉に買い言葉で喧嘩になった四人は額を突き合わせ、互いに睨みを利かせ、険悪な雰囲気を生み出す
「「「ぐもっ!?」」」
今にも殴り合いを始めそうな四人にマナツの蹴りが放たれ、彼等は盛大に吹き飛んだ
「蹴り飛ばすよっ!!」
「「いやもう蹴り飛ばしてんだろっ!!」」
事後報告という名の文句を言い放つマナツに対し、ルーシィたちの突っ込みが飛ぶ
「兎に角だ!いこーぜ!」
「わ、わたし…ジェラールを探してきます!」
「待ちなさい!ウェンディ!」
「レティ。エルザを探すわよ」
「あいあい」
「………ジュラさん、今の念話だけどなーんかおかしくない?」
「おかしい?どういう意味だ?マキナ殿」
我先にと走り出すナツを筆頭に方々に散っていく面々。その中、誰よりも冷静な小さな科学者は先程の念話に思うことがあるらしく、ジュラに問う
「ホットアイはリチャードって名前をジュラさんに教えたんだよね?だったら、改めてコードネームを名乗る必要がある?なんか、おかしいよ」
「………もしや!!これは罠か!?いかん!ナツ殿!その扉を開けてはならん!!」
マキナの核心を突いた結論、それに全てはブレインが仕組んだ罠であることに気付いたジュラは扉を開こうとしていたナツに呼びかけるも時は既に遅かった
「出てこい!!居眠りヤロー!!」
勢いよく開かれた扉、それと同時に眩いばかりの閃光が瞬き、耳を劈くような轟音が響き渡った
「
瞬時に銀色の棒を出現させたマキナは捏ねくり回すと盾を創造し、落下する瓦礫の山から仲間たちを守ろうとするが、それよりも早くに彼の横を大きな影が通り過ぎた
「ジュラさん……!?」
「マキナ殿……ワシはここまでだ……すまぬが…あとは……」
その影の正体であるジュラは瓦礫を自らの体で受け止め、ナツたちを身を挺して守り、事切れたかのように意識を手放した
「おじさん!!わわっ!たいへんたいへん!おじさんがーーっ!!」
「マキ!容態は!?」
「軽い脳震盪はあるけど……命に別状はないよ…。でも、ジュラさんはもう戦えない…。ボクの判断ミスだ」
頭を無造作にかき乱し、自らの判断を後悔するマキナ。罠であることに気付くのが僅かにでも早ければと、自分の浅はかさに苛立ちが募る
「やれやれ、ブレインめ…最後の力を振り絞って、たった1人しかしとめられんとは」
「誰だ!!」
「なんかいるよ!アニキ!」
刹那、暗闇から声が響く。その声に反応を示したナツが叫べば、マナツが暗闇の向こう側に何かが動いたことに気付いた
「私は七人目の六魔将軍……貴様らを片付けるために眠りから目覚めた…名をクロドア!」
高らかなる宣言と共に姿を見せたのは、杖だった。まごう事なき杖以外の何物でもない。先端に髑髏が付いた悪趣味な杖が其処にはあった
「「つ………杖が喋ってる!!すっごく
「目を輝かせてる場合かっ!!」
突如、現れた杖。その杖はなにものなんだ!?てか、喋ってる!
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