エルザ「助かった、イッシュ。お前たちが来てくれたおかげだ」
レティ「つーか、決め手はエルねぇとレティだかんな?わかってんの?イッシュねぇ」
イッシュ「あ?なんか言ったか」
レティ「ぴえ……!ご、ごめんなさい!うわ〜ん!エルねぇ!イッシュねぇがいじめるぅ〜〜!!」
エルザ「泣くんじゃない…全く…ん?どうした、ジェラール」
ジェラール「分からない……だが前に見たようなやり取りだ…懐かしい……気がしないこともない」
「待てー!棒切れー!」
「マナツ!そっちに逃げたぞ!」
「そっちってどっち!?アニキ!」
逃亡するクロドアを追い、遺跡内部を駆け回る竜兄妹。しかし、曖昧な兄の指示に妹は戸惑い、なかなかどうして、捕縛には未だに至っていない
「そっちっていやぁ右だ!」
「右!?右ってどっちだっけ!?」
「んだ、テメェはんなことも知らねーのかよ。右っていやぁ鼻をほじる方だ」
右と左の区別が付かないマナツに対し、助け船を出すかのように答えたスコルだったが、同意しかねる発言に一人を除いた誰もが絶句した
「お箸を持つ方に決まってかな。なにをトンチキなことを言ってがやがるかな、バカ猿」
「あぁん!?んだともやし!?誰がバカだ!筋肉をつけやがれ!!筋肉を!!」
その一人、つまりはマキナだが、彼は鼻で笑うと呆れた眼差しをスコルに向ける。その視線に対しての反応よりもバカ呼ばわりされたことに苛立つスコルは筋肉を付けろと反論するが、バカは否定していないが故に誰もが呆れていた
「うみゅ?なんか……ぎゃーー!!変なとこ入るな!」
逃げ回っていたクロドアの姿が見えなくなり、辺りを見回していたマナツは自分の胸元に違和感を感じ、視線を落とした。其処には僅かな膨らみの慎ましやかな胸に張り付くクロドアがいた
「背中くらいで騒がしい小娘だ」
「背中ちゃうわ!ボケ!」
しかし、悲しいことに僅かな膨らみは胸であると認められずに背中と認定される。その話題に敏感なマナツは胸元のクロドアを抜くと、地面に力一杯叩き付けた
「ほぅ」
「きゃぁぁぁぁ!!!変態!!」
「背中や下着くらいで騒がしい小娘たちだ」
「背中じゃないもん!!アイツ嫌い!」
「ちょこまかとウゼー棒切れかな」
「だいたい!なんだって棒切れが動いてやがる!つーか!六魔のクセに七人目ってなんだゴラァ!」
「今更そこか?」
「バレル、コイツらを相手にすると疲れてくるぜ…俺…」
「全くだ」
小馬鹿にするように動き回るクロドアを相手に今更ながらの発言をするスコル。既にその辺りを突っ込んでいたバレルとトリガーは呆れている
「む……?な……なんと……六魔が……全滅…!!?いかん!いかんぞ!」
「六魔…全滅……そうか…!あの予言は…!!」
刹那、態度を変えたクロドアにマキナは姉からの予言を思い出し、何かに気付いたらしく、声を挙げた。その様子に何かを察したナツたちも事態が不穏な方向に向かっていると表情を引き締める
「なんだってんだ?マキナ。お前がカナに聞いたとかいう予言がどうかしたのか」
「六つの祈りが消える時……零から新たなる最凶が呼び覚まされる……つまり、六つの祈りは
「なんだと…!?おい!棒切れ!今の話は真実か!?」
予言の全てを紐解いたマキナが来たる最凶に表情を引き締めた姿に、事の重大さを知ったバレルがクロドアを掴み上げ、真実か否かを問い詰める
「ブレインにはもう一つの人格がある…知識を好み、〝
「ゼロ……予言にあるのと同じ名前だ!」
「つまりは予言は真実だったということだね」
「予言というよりも予知ね」
「あまりにも凶悪で強大な魔力の為……ブレイン自身が、その存在を6つの鍵で封じた…それが
全ての説明が終わった瞬間、クロドアの背後から異様な気配が流れる。それは寒気にも、恐怖にも似た形容不可能な気配。その気配の先に恐る恐るクロドアは振り向く
「お…おかえりなさい!!!マスター・ゼロ……!!!!」
「マスター……!?」
異様な気配の主を〝 マスター〟と呼んだクロドアにルーシィは驚いたように視線を上げ、マキナたちは肌に当たる風に含まれた殺気を感じ取り、警戒体制に入っていく
「随分とまぁ…面白ぇ事になってるなクロドア……あのミッドナイトまでやられたのか?」
「はっ!!も…申し訳ありません!!」
「それにしても……久しいなぁ…この感じ…この肉体、この声、この魔力、全てが懐かしい…。後は俺がやる、下がってろ…クロドア」
「ははーっ……!」
その声の主足るマスター・ゼロは自らの全てを懐かしむと、クロドアに下がるように命じ、その異質且つ異様で不気味な魔力と共に全貌を現す
「小僧ども…随分とウチのギルドを食い散らかしてくれたなぁ…?マスターとして…俺がケジメをとらしてもらうぜ」
「こいつが…ゼロ!!?」
「燃えてきたろ?ナツ」
「こんな気持ち悪ぃ魔力初めてだ…」
「んだこの匂い…!」
「花が枯れるくらいに気味悪い…!」
「お前が最凶が意味していた存在か…!」
「中々に手強そうなヤツが来たもんだ…こりゃあ」
ゼロの放つ不気味な魔力にルーシィたちよりも呑気な年少組も警戒を深めており、流石に何時ものように素っ頓狂な発言が放たれる様子は微塵も見受けられない
「さて……先ずはそこのちぃせぇ小娘から消してやる」
「うぇ?あ、アタシ…!?」
「させるかっ…!!斬撃竜の咆哮!!」
一番最初に標的にされたのはマナツ、その発言に誰よりも早くに反応したマキナは彼女を庇うようにゼロの視界に割り込み、ブレスを放った
「………ハエでも止まったか?」
「がっ……!?」
咆哮を放った直後、土煙の中から姿を見せた無傷のゼロの大きな拳がマキナの小柄な体を貫くように捉え、瓦礫を巻き込みながら吹き飛んだ
「マキナ!!よくも…マキナを…!!花竜の旋風きゃ---がっ…!!」
「マナ…!!あがっ!」
幼馴染を傷付けられた怒りを力に変え、全身で回転を加えながら片足で飛び上がり、蹴り付けようとしたマナツ。しかし、その足を掴んだゼロは彼女をリアン目掛け投擲し、壁に叩き付ける
「お前ら…!俺の後ろに!!アイスメイク・
次に動いたグレイはルーシィたちを庇うように氷に盾を造形するが、ゼロの手が止まることはなく、徐々に盾は綻びはじめた
「グレイ…!そのまま…ソイツを抑えてやがれ!!
綻びが止まらない盾を支えるグレイの背後から飛び出しスコルは首にぶら下げた三つのドックタグの中でも黄金の輝きを放つ金色を口に含んだ
「天帝狼牙…!!」
その身に帯びた黄金の魔力を両手に集めたスコルは牙の如く構えた両掌をゼロの鳩尾に叩き込む。高密度の魔力は瞬き、爆発的な威力を放つ
「ぐあああっ!!!」
「な…!?これを喰らってもなんともねぇ…だと…!?うがっ…!?」
「トリガー!狙い撃つぞ…!」
「ああ…バレ---かはっ…!?」
「トリガー!テメ---ぐがっ…!」
しかし、ゼロにはその技も効かず、平然とした姿でグレイの盾を破壊し、スコルを地面に叩き付け、狙い撃とうとしていたバレルとトリガーを瓦礫に叩き付け、懐に入り込んでいたナツを裏拳で弾き飛ばした
「ルーシィ!ハッピー!逃げるんだ…!キミたちの敵う相手ではない…!」
残されたディンガは巨大スパナを構え、恐怖で震えているルーシィとハッピーに逃げるように促す
「ディンガ!無茶よ!!リアンもやられたのに…!」
「時間は稼ぐさ…弟を頼んだよ。スパナインパ--がっ…!?」
無茶だと叫ぶルーシィに対し、刹那そうに目を細めたディンガは人型に姿を変え、ゼロの頭上からスパナを振り下ろそうとするが微動打にする素振りすらも見せないゼロは頭上から迫るスパナを掴み、ディンガ諸共吹き飛ばした
「ディンガ!!」
「……そんな…」
そして、残されたルーシィとハッピーにもゼロは迫っていた。彼女たち目掛け、掌を上に上げた瞬間だった
「きゃあああっ……!!!」
「わあああっ……!!」
一人と一匹をゼロの魔法が襲い、対峙していた全員が満身創痍となり、意識を手放した
「さ…さすがはマスター・ゼロ!!!お見事…!あの厄介なガキどもをこうもアッサリと」
「まだ……死んでねぇな」
「へ?」
感心するクロドアの言葉等は既に耳に入っておらず、ゼロの冷たい視線は意識を手放したマキナたちを捉えていた
「まだ死んでねぇよなァ?ガキどもォ……!!だって、形があるじゃねぇーか…!!」
正に外道、傷つき、倒れた相手にも容赦のない暴力が降り注ぐ。ゼロの前では形ある全てのモノが破壊対象、故に形亡きモノ以外は死に値しないのだ
「ハハハハハハ…!!」
ゼロの前に敗れ去ったマキナたち……だが、彼等はまだ終わらない……その声は高らかに響く…!
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