呪霊を孕ませる特異体質 作:LABO
[1998年4月26日(日)]
「………まぁ、悪くない顔じゃな。しかしちと老けたかの?」
俺が生まれたこと。そしてそれに伴う現実を受け止める覚悟を決めて、俺は探女に続けてくれ、と伝えた。
すると探女は、氷のようだった表情を崩した。
「何も気付かない無垢よりは良いだろ」
「ふふふ。まぁそれも一興ではあるが────では、説明の続きとするかの」
それを聞いて俺は改めて立ち上がり、探女と向き合った。
「で、じゃな。先に伝えておこうか。其方の生得術式は『呪霊操術』になる。しかしそれが、先程伝えた異端によって少々歪んでおるのじゃよ」
「………そうなのか」
伝えられた新しい真実に、今度は少し心が浮つく。
呪霊操術。呪霊を取り込んで操る術式。
ただでさえ、特に呪霊を取り込む量などに制限は無いのに加えて、取り込んだ呪霊が術式を持っていた場合、それも使用することができる。
圧倒的な手数。術式の規模。
原作の考察でも、チートとの呼び声の高い強術式だ。
それが本当なら嬉しい。
だがそれなら、今までに発動、ないし能力を自覚できるような瞬間は幾らでもあったようにも思う。
……そこに異端が関係してくるのか。
「歪んでるって、どうなってるってことなんだ」
「先に言ってしまうと、呪霊の取り込み方が異なっているのじゃ」
「ほう」
「通常の呪霊操術では、屈服させた呪霊を口から取り込むことで支配者、被支配者という繋がりを成立させる」
それは原作にもあった描写だから覚えている。確か夏油傑は、『吐瀉物を拭いた雑巾みたいな味』、なんて表現していた。
「しかしそれはあくまで、呪霊と人間という隔てられた存在の間だからとれる方法なんじゃ」
「つまり、隔てられていない俺は別の方法を取る必要がある、と」
「然り、じゃ」
そう言うと、探女はちらりと為人を見やった。
「基本特異な状況を除いて、呪霊間では支配・被支配という関係性が存在しない。というよりも、そうした繋がりというものが発生しない」
「呪霊は基本個で完結した存在だからの。其方が
「……じゃあ俺はどうやったら、呪霊を取り込めるんだよ」
そう聞き返すと、探女は今度、にやりと笑った。
「ふふふ、簡単じゃよ。隔たれていない存在同士が行う方法を模倣すればいいだけじゃ。人間同士が繋がりを作ると聞いて、其方は何を思い浮かべる?」
「え………友人の紹介とか?」
「違うっ!!そういう繋がりじゃなくて、実際に関係性として繋がる方法じゃよ!!」
俺の答えに、探女は何故か大声で訂正を入れた。
いや、ボケたつもりは無いんだけどな。
少し考える。
関係性として繋がる方法?でも、友人からの紹介っていう感じでの繋がりではない、と。
契約書?握手で友達?……分からない。探女は一体何を言いたいんだろう。
「すまん、お手上げだ。答えを教えてくれ」
「え〜。全く、勘の鈍いおのこよの。じゃあ人間が家族になるとき……ああいや、二つの家族が家系図として繋がるには、一体何が必要じゃと思う?」
「…………血の、繋がり?」
答えると、今度の探女はにたぁ〜、と笑った。
「そうじゃ!!!血の繋がり………つまりは子供じゃな?子供という点で二つの血が入り交じることで、初めて血の繋がりが産まれるんじゃ。ということは………もう分かるな?」
探女のにたぁ〜が加速する。
それに合わせて急激に大きくなる、今日感じたどれとも違う嫌な予感。
いや。マジか、マジか?
いやいやいやいや、そんな、え、そういうこと?
余りにもあんまりな現実に、せめてそれだけは夢であってくれ───と願う。
しかしそんな俺に、探女は無慈悲な宣告を下した。
「──其方が呪霊を取り込むには、『呪霊を孕ませる』必要があるのじゃ。ということで───」
「
─────嫌だッ!!!!!!!
色々突っ込みたいところはあると思いますが、ただの妄想なのでお手柔らかによろしくお願いします。