TS憑依ソフィーのアトリエ 不思議な魂の錬金術師   作:不思議シリーズマン

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フィリスはあきらめました。時間制限があるとつい余裕を持ちたくなって最低限の装備で向いぼこぼこにされました。リディスールクリア後に覚悟を決めてやります。

リディスールのソフィーはほんとに美人になりましたね。ソフィーイベントが毎回楽しみで仕方ないです。


今の話長いですよね。ええ、私もそう思います。この際倍くらい書いて次話で終わらせようか悩んでいるくらいです。


第5話

 

 

で、だ。

 

オレの本当の目的はこの冒険者集団にこっそりついて行って、救助ついでに素材の乱獲をしたかったわけだ。そろそろプニプニ玉の在庫も切れてきたし魔法の草とかを使った魔法の道具を作れるように練習もしたかったんだ。

 

まぁ、そんなことは叶う前に夕方まで続いた説教で敗れ去ったワケだが。

 

 

「……はぁ。オレって人の心失ってんのか?」

 

 

先日から基本的にあの強盗犯に対して興味が薄いオレ。今だって安否より近場で手に入らない素材に対しての熱意の方があるんだよな。

 

倫理観に欠けるというか、ぶっちゃけどこかが壊れてるんだろうよ。だから人命がかかったあの場面でちょっとおふざけができたんだしな。

 

 

まあいいや。今は冒険者たちが捜索に行ってから3日経ったくらい。ミナさん……あの女の人の名前らしい、はちゃんと生きてたらしくいまだに昏睡状態ではあるものの一命は取り留めたって感じだ。

 

知り合いの冒険者に話を聞くと、ミナさんは大きな植物に囲まれて倒れていたらしく周りにはガラスの破片が散らばってたとさ。しかも目立った外傷もなく魔物に襲われていないのはこの植物のおかげらしい。

 

 

「どう考えてもオレの万能促進剤のせいなんだけど、そこまでの効力は絶対ないんだよなぁ」

 

 

オレの目の前にある花が今言ったそれ。見た目はドンケルシュテルンとかドンケルハイトに似ているけど色は真逆の真っ青。ただオレが両手でギリギリ抱えれるくらいの大きさだ。冒険者がオレがなんかの素材にするだろうと気を利かせて持って帰ってくれたらしい。ソイツには今晩飲み放題を確約した。

 

見たことのない新素材で、文献を漁ったりオスカーに聞いてみたりしたけど全く名前が出てこない。だからもういっそのことオレが名付けようということで、名前は『ドンケルシュッツァー』にした。シュテルンとか響きがドイツ語っぽかったしミナさんを守っていたらしいという意味で守護者って名付けてみた。

 

 

「花粉に睡眠導入効果があるらしいってのはわかるんだけどな。素材カテゴリとしては〈植物類〉、薬……いや〈毒の材料〉、〈神秘の力〉、〈エリキシル〉ってところか?ははっ、エリキシルの素材なんて初めて見たけどすげぇなこれ」

 

 

教会から聖水は仕入れることができるから神秘の力素材は見たことあるけど、エリキシルはレア素材がほとんどで自ら採取に向かえない今じゃ滅多にお目にかかれないシロモノだ。錬金粘土が作れればいいだけの話だけど今のオレにそこまでの技術力はない(迫真)

 

ドンケルシュッツァーに関してはこれくらいでいいだろう。素材自体は袋で包んでいるのでオレに睡眠導入効果はかからないはずだしほっといてもいいと思う。

 

次にミナさんについてだ。大まかにはさっき言った通り昏睡状態で外傷無しとのこと。ただ、一向に目が覚める気配がないらしい。

うーん……話を聞く感じドンケルシュッツァーの睡眠導入効果で間違いないと思うんだけど、いまの今までずっと効果が持続するのもおかしいはず。たまたまオレの作った万能促進剤がドンケルシュッツァーの成長を促進させる際に劇的ビフォーアフターが起こるくらいの奇跡がないといけない。

 

……奇跡か。いや、そんなものはそうそう起こっちゃいけない。特に魔法の道具を使っているわけでもないんだからまだ物理法則下でしか物事は働かないんだ。

 

 

「はぁ…………わかんね」

 

「根を詰めすぎよソフィー」

 

「へっ……モニカ!?いつのまに!!」

 

 

おっかなびっくり、いつのまにか背後にモニカが居た。

 

 

「あのねぇ、窓からソフィーの姿が見えるのに何回ノックしても反応しなかったじゃない。鍵も開いてるし」

 

「え、マジか。全然気づかなかったわ」

 

「少し休憩しなさい。いつもより散らかってるし……掃除させて貰うわよ」

 

 

そう言ってモニカはオレのエプロンと頭巾を勝手に取ると器用に身につけ始めた。えぇ……なんで場所知ってんの?

 

 

「そこまではいいよ。流石に悪いし」

 

「一応ホルストさんから様子を見てきてくれって頼まれてるのよ。そのままを報告してもいいかしら」

 

「よっしありがとうモニカ。やっぱり持つべきは大親友だよな」

 

「調子いいわね」

 

「オレはお菓子の準備でもしとこっと」

 

 

オレの最高速の手のひら返しに呆れた様子のモニカだけど、多分オレが空元気っぽくおちゃらけたのバレてるな……なんでこうオレの周りの人はオレの調子を読むのが上手いんだか。うん、自覚はあるんだよ?自覚はあるけど周りに迷惑かけてないわけだしさぁ。

 

えーと、確かここら辺に作り置きのクッキーが……あったあった。

 

 

「はぁ……女の子らしい口調にすればすごくモテるのにもったいないわよね」

 

「そりゃそうだろ。だってオレ可愛いし」

 

「どうしてこう説得力があるのかしらねぇ」

 

 

オレである前に【ソフィー】だぜ?アトリエシリーズ人気一位を舐めちゃいけないさ。新参のライザとはまた違う魅力があって負けてないはずなんだからな。まっ、【オレ】だから人気半減どころの騒ぎじゃないだろうけど。

 

 

「モニカだって結構人気あるじゃん」

 

「私はそのうちお父様から縁談を組まれるだろうしそういうの無いわね。それに今は教会のお手伝いが忙しいの。ぷにの討伐とかね」

 

「最近やけに帯刀してるとは思ってたけどそういうことかよ。いいなーオレも外に行きてぇ」

 

「あら、行けばいいじゃない。ハロルさんに許可が貰えればだけど」

 

「たぶんムリだろうなぁ兄貴過保護だから。ここら辺で採れる素材って大抵冒険者に依頼すれば結構な数仕入れれるわけよ。オレが行きたいのは忘却のナーセリーとか大地の爪痕とか遠出しないと行けないとこ」

 

「それは……いくらソフィーでも厳しいんじゃないかしら。鍛えてるのは知ってるけど……戦えるの?」

 

「ムリ」

 

 

剣術を学んでいるモニカとは違ってオレは杖を振ってるだけ。戦い方なんか知るわけがないんだよなぁ。まあ最低限爆弾アイテムを狙ったところに投げるくらいの腕力はあるからいいのだよ。

 

 

「一応魔法の球をぶつけたりは出来るんだけど、弱いんだよ」

 

「見た目だけは強そうなのにね」

 

「でも別に戦うために錬金術してるわけじゃないしアレくらいで丁度いいよ。オレの役目は戦う手助けだからな」

 

 

錬金術はこの世界だと魔法の一種類だからね。そういう意味ではオレも魔法使いだけどな。オーラブリッツはなんか適当にしたら出せたけど木を少し揺らすくらいの効果しか出なくて笑えるくらい弱かった。

 

そして1時間ほど穏やかなティータイムを過ごした。

 

 

「よし、そろそろ作業に戻ろうかな」

 

「手伝えることはないかしら?」

 

「ミナさんってどんな感じか知ってたら教えてくれ」

 

「まだ眠ったままみたい。起きる気配もないそうよ」

 

「ふむふむ。やっぱドンケルシュッツァーの効能をもっと調べないとダメそうだな」

 

 

オレがドンケルシュッツァーに視線を向けると、モニカも同じように花を見た。

 

 

「それってあの花よね。オスカーには聞いたの?」

 

「ああ、やっぱりオスカーも知らないって言ってた」

 

「いつも植物と話せるって言ってるのにこういう時はダメなのね」

 

「まあオレが描いた花の絵を見せただ……け……それだっ!!」

 

 

閃いた!!そうじゃん、植物について知りたいならオスカーに会話して貰えばいいんだ。常識に囚われすぎてすっかり失念してたわ。

 

 

「ありがとうモニカ、解決の糸口が掴めそうな気がする!!ちょっとオスカーのところに行ってくる!!」

 

「えっ、ちょっと待ちなさいソフィー。戸締りはどうするのよ……って、行っちゃったわ」

 

 

さあ行こうぜドンケルシュッツァー、オレはお前の本心が知りたいんだ。

 

 

 

 

 

 

そうと決めれば話は早い。まだ素直にマルグリットさんの八百屋の手伝いをしていたオスカーを引っ捕まえたオレはドンケルシュッツァーと会話をしてもらおうとしている。

 

 

「どんな感じ?」

 

「へぇ!!君たちは凄いんだなー。他には?」

 

「オレの声もう聞こえてないなオスカー」

 

 

なんか会話が弾んでるらしい。うん、もう完全にオレは忘れられてるね。まあ会話できてるならいいんだ。目的は果たせてるからね……ウン。

 

そのまま会話しているオスカーを見つめつつ、オレ自身もちょっといじけながら待つこと30分くらい。ようやくオスカーがオレの様子に気づいた。

 

 

「あっ、ごめんソフィー!!すっかり話し込んでた」

 

「いや……別にいいけどよ。で、どうだった?」

 

「そう!!それなんだけどさ!!」

 

「ふむふむ……あー、そっちかぁ……そりゃ盲点だったわ」

 

 

オスカー曰く、

 

元々変哲のない植物だったんだけどオレの促進剤で急に元気になった。それに喜んでいたら人間が襲われてすぐ隣でこけたらしい、その拍子に少し血が出たのかそれが植物に付着して助けたいって思ったらいつのまにかドンケルシュッツァーにまでなっていた。

 

幸いミナさんを覆い隠せるくらい大きかったのでそのまますっぽりと魔物から隠し、唸っているところに花粉を出して眠らせたということだ。

 

 

「盲点?」

 

「オレの栄養促進剤が原因でここまで成長したのかと思ってたけど、1番の原因はミナさんの方っぽい」

 

「それってあの人が植物を成長させれるって事?すっげー!!うちの植物達も絶対喜ぶってそれ!!」

 

「まだそうと決まったわけじゃないけどな。オスカーは植物と会話できるじゃん。オレは植物の声が聞こえないから分からないけど、オレが話しかけても植物には伝わるの?」

 

「んー……ちょっと聞いてみるよ」

 

 

素材の声が聞こえるのとはちょっと違うけど、これも一つの才能だ。ならば最大限活かす他ない。才能で思い出したけど、ミナさんも才能がある方の人間らしい。名付けるなら……『植物に愛される』才能とでも言おうかな。多分だけど血液に限らず彼女自身を素材とすれば植物に影響を与えるんだと思う。植物系の魔物なら死に物狂いで襲ってきそうだ。才能というか体質の問題なのかな。でも元々の生活水準を考えたら食生活などは影響しないっぽいし先天的なものかもしれない。うーんミナさんが目覚めてからじっくり話を聞くとして……

 

 

「どう?」

 

「聞こえるけど、自分の言葉が伝わらないから話してもしょうがないってさ」

 

「あらら。まあそうなるよねぇ。よし、ありがとうオスカー。すごく助かったよ」

 

「オイラもこんなにすごい植物と話せて良かったよ。じゃあオイラは母ちゃんの手伝いしなくちゃだから、またなソフィー!!」

 

「またなー」

 

 

そう言ってオスカーは去っていった。忘れないうちにメモメモ……

 

 

 

「よしじゃあアトリエに帰って今の情報をもとに一旦気付け薬を作ってみよう。ん?アトリエ……ああ!?モニカのことすっかり忘れてた!!やべぇ!!」

 

 

 

 

 

 

この後死ぬほど怒られた。最近オレ怒られすぎじゃない?




~???~


「とっても素敵な夢ね!!私の世界に来ない?」

「いいえ、私にはまだやらなければいけないことがあります。だから……」

「そうよね。うん、じゃあそれが終わって新しい夢ができたら、また誘ってもいいかしら」

「!!……お願いします」

「それじゃあ早く目覚めれるように少し手伝ってあげる。あの子も頑張ってるみたいだし」

「あの子?」

「な、なんでもない。じゃあ、ここでのことは忘れてね。また迎えに来るから」
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