推しの二人   作:Izayoisigu

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第4話

今日はB小町のライブ。星野が所属してるアイドルグループだ。回数を重ねてく度にファンはどんどん増えて、今では満員に近い。星野のが好きな謎のうさぎの仮面を自作して、サイリウムを構えてオタ芸を打つ準備をする。

 

B小町の登場と合わせて他のファンと一緒に打つ。自分の推しを観に来てるファンに、邪魔にならない様に応援する。俺の視線は星野に釘付けで、逸らす事を許さない。アイドルになって正解だったんじゃないか?と踊って、歌って、楽しそうにしてる星野を見て思う。俺が勝手に思ってるだけだから、本当の所星野がどう思ってるかは分からない。

 

それでも、俺は星野アイの事を友達として、ファンとして推すだけだ。

ライブが終わったら、生放送でアイのライブは最高だったと語り尽くしてやろう。ライブがある日は俺がうざ絡みして毎回LINEブロックされるが、仕方ない。

 

「アイちゃんなう!アイちゃんなう!」

 

後ろの席だから当然声は届かない。片手を上げて、下に振り下げる。

隣のファンにヤベェヤツだと見られるが、続ける。やってて思ったけど懐かしい曲思い出したわ。今日の生放送はこれで行こう。折角だから一から作って、アレンジして動画を出してやろう。しゃあ!待ってろよ星野!

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあライブ最高だったでやんす!B小町は伝説になるから今の内に、推すんだぞ?推せる時に推せって偉い人が言ってたでやんす」

 

PCの画面に映る、うさぎの仮面を付けた彼はそう言う。ふざけた口調でいて、楽しかったと見ている側でもそう感じさせる。

 

「なので、アレンジ曲を作ってアイのトゥイッターに爆弾を投げようと思います。こんな放送に本人見るわけないからやりたい放題だぜ。今までアカウント作って来なかったけど、これの為だけに作ろうかな。今後そのアカウントが動くかどうかは気分次第で行こうかと」

 

 

私の為に曲を作ってくれるらしい。どんな曲が来るのが楽しみだけど、きっと彼の事だ。面白い物を送って来るに違いないと思った。最近は彼とは会ってない。斉藤?齋藤社長に引き取られてから、施設からも出て、学校は転校したから会いに行くのが難しのと単純にアイドルとしての仕事が忙しいからだ。

 

「もう歌だけ先に録って、そこから打ち込みでいいわ」

 

一呼吸置いて、3、2、1、GO!

 

「アイちゃんなう!アイちゃんなう!アイちゃんアイちゃんアイちゃんなう!」

 

タブを速攻で閉じそうになるが、なんとか耐えた。

 

「アイちゃんをぎゅーぎゅしたいな。ジタバタするのを、押さえ込んでぎゅーってしたいな。殴られるのもアリだよね、殴って良いよ。アイちゃんと二人で買い物行く事になって、何でもない顔でデートだねー」

 

隣にあったクッションに顔を埋めて、声を思っ切り出したい!

 

「ああああああ!!」

 

我慢出来ずに出しちゃった。

 

「な!?何だ!?ど、どうしたアイ?」

「何でもないよ!あはははは....」

 

彼の所為で心配されたけど、私は悪くない。次会ったら絶対に仕返ししてやるんだから。取り敢えず、苦情を入れてやる!携帯のメールに

 

【今すぐ歌うのやめて!】と送信。

 

携帯を見た彼は、携帯をベッドに向かって投げた。

 

「アイちゃんなう!アイちゃんなう!」

 

コイツ、何が何でもやる気だ。もう私の負けで良いから、いつもの演奏配信だけして。そして長い様で短い歌がようやく終わった。

 

「ふぅーこれで良いか。次は打ち込みして、後は絵だよな。俺描けないから誰かに依頼して描いてもらうか?」

 

今日は大人しく寝よう。恥ずかしくて死にそう。明日にはどうせ、演奏と時折歌の放送に戻ってるだろうし。

 

 

 

 

 

 

「はあ....何で俺こんな事やってんだろ」

 

窓を見てみると朝だった。太陽が上がってく最中の時間帯が一番好きだな、空気が一番美味しく感じるから。窓開けて換気でもすっか。窓を開けてると冷たい風が吹いて来て、涼しい。あー今日も生きてるって感じがする。良くあるけど、徹夜して朝になるとどうしても賢者モードになってしまう。よし、気分を切り替えて行こう。俺がアレンジした曲はどうなる事かな。

 

好きと言われるか、嫌いと言われるかどっちだろうね。当然合わない人も居れば合うっていう人もいる。んなの百も承知で、見てくれただけでもありがたい。大物だろうが、始めたてだろうが初心を忘れぬ様にやるのが一番良いだろう。とーりーあーえーず星野に、爆弾投下!徹夜した後は気絶したように深い眠りにつけるから好き。今日は日曜日だから誰にも邪魔されずにゆっくりと、ぐーたら日和を送ろう。昼頃に、鬼のような着信が来てるのを知らずに俺は寝た。

 

 

「お邪魔しまーす」

「いらっしゃいアイちゃん。ごめんね馬鹿息子が」

「いえいえ!此方こそすみません。突然来ちゃって」

「喉乾いたらジュースとか飲んで良いからね」

 

ガチャンっと、扉が閉まる。さーて、彼に悪戯をして昨日の仕返ししてやろう。嬉しいけど、普通に恥ずかしかったからやめてほしい。しかもアイちゃんなうってどう言う事なの、意味がよく分からないよ。私がライブをした日は必ず、放送してる彼は頭のネジが数本抜けてる。まともだけどまともじゃない。そんな感じかな。階段を登って、彼の部屋の前に着き、ノックもせずに扉を開ける。

 

「起きてるー?」

「.....」

「起きてますかー」

 

椅子に座ってるから横から覗き込むと寝てた。ありきたりだけど、ペンとかあったら顔に落書きしてやろうかと思うけどあいにくないからねぇ。ツンツン。・・・無反応、か。じゃあ次は耳だ。

 

「お耳失礼しまーす」

「なんすか」

「うああああ!?」

「うるせ!耳元で叫ぶな」

 

彼に怒られたけど、絶対に悪くない。

 

「寝てる君が悪いんだもん。私が何回も電話しても、出てくれない君が悪い」

「電話?充電切れてたから分からんわ」

「昨日放送してる時にベッドに投げ捨てたよね?確認するからね?」

「あ、タンマ。俺が確認すっから」

「大丈夫私がみてあげるからさ。ほら見てみて?充電なんか切れてないよ」

「あーうんあれだよあれ」

「あれって?」

「ヘッドホン付けてたから、分からんかった。うん」

「そうなんだーでも可笑しいね。私が来た時には付けてなかったよ?駄目よー私に嘘ついてもすぐにバレちゃうんだから。ほら私嘘吐きだから」

「俺がしょうもない嘘ついたらのは謝る、すまん。でもな、俺の弁解を聞け。俺が寝てる時に、電話とか掛けられても俺は出れない。つまり俺は悪くない。Q.E.D証明終了」

 

ぐぬぬぬ。正論を言われちゃったら、何も言えないのが悔しい。まだちゃんと仕返しをしてないから、仕返しをしたい。弱点の耳を責めてやれば一発だけど、そう簡単には触らせてくれないよね。

 

「おいこら、携帯勝手に見るな」

「私の写真待受なんだ」

「推しを待受にしちゃ悪いか?」

「んや、嬉しいなって」

 

顔がニヤケそうになるけど我慢。ついでにやましい物がないか確認しよう。最初に連絡先を見よ。登録は3人....私と親二人だけって、見なかった事にしとこう。人のだけど悲しくなってきた。

 

「星野俺の連絡先見ただろ」

「見てないよ」

「ダウト」

「本当だって、友達私しか居ないのが面白いって思ってないから」

「見てんじゃねぇか」

「てかさ何で君は、私の名前呼んでくれないの?放送とかライブでは呼んでくれるのに」

「スルーすんなや。だって星野、アイって名前で活動してるからそう呼ぶしかなくね?」

 

そういえばそうだった。私ったらうっかり。それならもうアイって呼べば良いじゃん。

 

「ならアイって呼べば良いじゃん」

「それは星野の苗字が強すぎるから無理や」

「意味が分からない」

「理解しなくて良いぞ」

「君って本当そういう所だよね」

「なんだよ星野だってそうだろ。俺の事、君って呼ぶだろ。そう言う事だぞ」

「それは、私が名前間違いまくるから君がそう呼べって言ったからでしょ。なら君がアイって呼んでくれたら私も言ってあげるから」

「それは通らない」

「あー言えばこう言い」

「そりゃそうじゃ、星野が一番理解してるだろ。俺がこんな性格なの」

「一番って私しか友達居ないでしょ」

「やめろ星野。その術は俺に効く」

 

そうだ!まだプリキュア事件の願いってまだ有効かな?でもなぁ、ここで使うのも勿体無い気がする。うーむ。両手、両膝を床に付けてるアホはどうしようかな。

 

「飲み物取ってくるわ何が良い?」

「お茶」

「了解。トゥトゥトゥートゥトゥトゥ」

「待ってその動きやめ、はははははっはあはあ無理!ダメ、ツボった」

 

謎の動きしながら部屋出ていかないで!頭も振らないで・・・ダメだまた笑っちゃう。

 

「おな、お腹痛い。はっはははっははぁ」

 

もうダメだ...あの動き見ただけでツボって、笑い転げる。突然変な事するのやめてほしい。

 

「戻ったぞ」

「次から突然絶対にやんないでね」

「フリっすか?」

「フリじゃないから!絶対にやめてよね!」

「推しからのお願いは仕方ないでやんす」

「後、謎の動きなんなの?」

「あれはペンギンダンス。やってやっか?」

「殴るよ」

 

スって構えないで。私がやったら俺はやるぞって、心理戦じゃないんだから。

 

「はあ...あのさ、君が送って来たあの曲何?」

「あれかー普段弄られてるから仕返し」

「普段って私が弄られてる側なんですけどーしかも、大体君が自爆してるでしょ」

「そんなの知らんがな」

「知っといてよ・・・・とう!」

「うお!?」

 

飛び掛かって、押し倒す。やっと、仕返しが出来るよ。散々私を弄って自分が弄られないと思ってた?でも残念。最後に勝つのは私なのだ!

 

「ほれほれ耳を差し出すが良い」

「嫌じゃ」

「お耳に息吹きかけちゃうよ」

「今思ったんだけどさ、逆じゃね?俺が押し倒すならまだ分かるけど」

「ふぅー」

「うひゃ!?」

「あははははあー面白!」

「もー良いだろう!お前の勝ちだ。そこを退きなさい」

「お前って言われても誰か分かんないな〜ちゃんと名前で言ってっくれなきゃ」

「....」

 

口だけ動かして、言ったフリ何て駄目だよ。ちゃんと言葉にして言って。何でこんなに名前で呼んで欲しいのかは分からないけど、言って欲しい。

 

「・・・アイ」

「よろしい」

「次から名前で呼んでね秋」

「やだね」

「あ、こら!」




何処で切れば良いのか分からなくなりました。
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