今回は例の集積地での戦いです。
後ちょっと訳分からん描写が出てきます。
兎山万歳さん。
ピンコロさん。
感想ありがとうございます!
「連隊長!連隊副長入場!」
統一歴一九二五年十一月五日、第二〇三混成魔導装甲連隊が駐留している帝都ベルン第十四駐屯地…。付近の軍用輸送列車停泊場。
カツカツと、二つの足音が聞こえる。
機械でできた鋼鉄の馬車がズラリと並び、それを動かす御者達にその身輝く満遍なく鍛えられた完全武装の魔導師達。
二人の幼い将校は壇上に登るとくるりと兵達に向き直り。
「ご苦労、すでに聞き及んでいるだろうが我々、第二〇三遊撃混成魔導装甲連隊には転属命令が降った」
「…諸君、ノルデン行きだ」
動揺の色すら見えない兵士達、磨き上げられた野戦装備一式は一つの乱れもなく。戦車は損傷が綺麗に修繕されている。
空高く舞う魔導師と全てを轢き潰す戦車。誰が見ても死線を乗り越えた精鋭達に見えるだろう。
だが、まだ不十分だ、先の戦闘でヴァイス中尉やアルバート中尉がやらかしたようにまだ連隊の中では古い常識が色濃く残っているだろう。
無論、ダキアでの戦闘を経て連隊の認識がコペルニクス的転回…つまり認識が180°変わったことは確かだ。
しかしまだ、十全とは言い難いですよね。
ああそうだ、ノルデンでも装甲大隊に働いてもらうことになりそうだ。
了解です!
「当然、我々はノルデンでもダキアで示した技量と才覚を示すことを、参謀本部より期待されています」
期待されていると言うことは戦意高揚につながる。ここは二人で優しく微笑んで士気アップだ。
そう思い、僕たちは兵達に向かってにっこりと微笑みましたが、何か違う意味で士気が上がった気がするのは気の所為でしょうか?
少し緊張しているな、まぁ仕方のないことだろう。
彼らは苦戦を経験していない、だからこそ、多少本当の戦場で洗礼を受けてもらわねば困る。
勝ち戦を続けられる軍隊などありえない、かの米国ですら散々石器時代に戻すと豪語しておいてゲリラ戦のトラウマに長らく悩まされた。
太平洋戦争も朝鮮戦争も想定外のゲリラ戦で苦戦し、ベトナムの恨みを湾岸戦争で晴らし調子に乗ったツケがイラクだ。
おいおいなんてことだ、地球一周でもするつもりかね?今頃ロシアとやり合ってなければいいのだが。
帝国とて、前世の米国ほど他国に対して軍事的優位を確立しているわけではない。だからこそ、多少頭を使って外交手段も取らなければならいのだが…。
そう思うと、少し顔がヒクついてしまう。
まぁだからこそ、逆境に強い部下はなんとしてでも育成せねばならないだろう。
「諸君、火と鉄の試練をようやく潜る機会が来たのだと誇れ、ダキアはあくまでも実弾演習だったが、いよいよ諸君の渇望した本物の戦争だ」
と、言っても現状手持ちのカードでどうにかせざるを得ないだろう。
「皇帝陛下と祖国の為に尽くせ、義務を忘れるな」
「「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」
「さて、アーデルハイト少佐」
「は」
多少の細かいことは次席指揮官に任せるとしよう、その為に副長と副官と言う役職が存在するのだ。
「…と、本日一八〇〇より終結地点へ向けての夜間長距離機動を開始します。各大隊麾下の中隊長は解散後輸送および飛行プランの打ち合わせを」
各中隊から中隊長が抜け、私等の後で打ち合わせに入る。
一通りアーデルハイトが言い終わった後だ、私は部下等に多少の喝を入れるとしよう。
「さて、中隊長等がお喋りしてる間、短い通達事項を伝えておくとしよう」
そこで私は、協商連合との戦争に何かが手を加えている事を示唆した。
おそらく共和国か連合王国あたりだろうが…、恐らく
そして、私の弟もあの訳わからん戦闘方法も試すらしい。
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統一歴一九二五年十一月六日
北方ノルデン管区クラグガナ物資集積地点防衛前線部。
同、上空3800ftでは、帝国軍北方方面軍所属のヴァイパー大隊が防衛についていた。
クソッタレ!最悪の一日だこれで何度目だ協商連合の魔導部隊め!
いや、恐らく敵は協商連合だけではあるまい、出所不明の演算宝珠に国籍不明の義勇軍部隊。
無数に現れるこれの対処に追われ、帝国は戦力を分散せざるをえない状況に陥っている。
だとしても…、我々が守るここは物資の集積地点…、突破される訳には…。
そんなことを思い、上空警戒が疎かになっていた。
そのせいで、上空に展開していた協商の魔導師に気が付かなかったのだ。
一瞬のうちに大量の魔導弾が飛来し、隊長や部下数名が負傷してしまったのだ。
「ぬかった!すまん02、後は任せる」
「了解です隊長!07!13!貴様等も限界だ!大隊長殿を守りつつ後退しろ!」
「
『CP了解、…悪い知らせだ、急報、北東エリアより魔導二個中隊規模を地上観測班が目視、認知圏内への接近は確実の見込み』
「増援!?」
「一体連中のどこにそんな余力がある!!ヴァイパー大隊よりCPへ意見具申!大隊は消耗甚大、これ以上の戦闘は不可能とみとむる!即時後退の許可を!」
『CP意見具申は了解、上級司令部と検討する五分待て』
「なるべく早く頼む!前衛はすでに満身創痍だ!」
「ちゅ…中尉殿!二時の方向機影多数…、爆撃機です!!!」
「爆撃機!?レガドニア協商連合に爆撃機の編隊など出せる余裕があるのか!?…ッ高度は!?」
「およそ九五〇〇!」
「__クソッ!!」
九五〇〇だと!?敵魔導師と戦いながらそこまで上がるのは…、不可能だ!
「ヴァイパー02よりCPへ!至急だ!」
『こちらCP、何が…』
「敵爆撃機を複数確認!高度九五〇〇!機数二〇!至急迎撃機を出撃されたし!」
『CP了解、そちらで迎撃は可能か?』
「高度が違いすぎる!敵魔導師部隊に纏わりつかれていては無理だ!」
『…クラグガナ集積地が爆撃されるのは断じて避けたい』
「我々が全滅したところで迎撃は無理だ」
とはいえ、大局的に見れば我々よりも兵站の確保が優先事項だろう。これは腹を括らねばならぬか。
「CP、我々ヴァイパー大隊は帝国の勝利の為…」
『何?それは本当か?確認を…』
「どうしたCP!!」
『CPよりヴァイパー大隊、直ちに後退せよ』
「後退許可?ありがたいが大丈夫なのか?」
『喜べ援軍だ、連隊規模で現在急行中』
「援軍?そんなのがあるのであれば最初から出してくれ」
『中央軍からの急遽派遣組とのこと、コールサインはペガサス。ネームドの指揮官率いる混成装甲魔導連隊だ』
「魔導連隊!?迎撃機…、戦闘機隊の発進は?」
『無用と判断された、気にするな、合流を急げ』
「…ヴァイパー02了解…」
一体何が…くると言うのだ…?
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その頃、集積地付近。
そこには、大型の輸送機に随伴する航空魔導師と
「中佐殿、CPよりヴァイパー大隊を援軍に寄越すと」
「必要ない、『援軍後無用ヴァイパー大隊ハ直チニ後退サレタシ』送れ」
疲弊した大隊など足手纏いだ、損害が出れば私の評価に差し障る。
「(手柄は二〇三で総取りにしろと言うことか…!)」
「さて諸君、行き掛けの駄賃だ、蹴散らしてやろうじゃないか」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
少し時間が経ち、ヴァイパー大隊の交戦圏内に入った。
「総員!!エンゲージ!!」
その号令と共に航空魔導師と空飛ぶ戦車が敵部隊に喰いかかった。
その後、早急に立て直しフランソワ共和国お得意の統制射撃ドクトリンが飛んできた。
一緒に行動していたヴィーシャとバートリーは少し被弾するも、さっさと反撃してしまった。
[side:レガドニア]
「な!なんだアレは!」
「戦車が空を飛んでいるだと!?」
「ダメです!あの馬鹿でかい戦車!爆発術式の効果がありません!」
「天板か底盤を狙え!そこなら装甲もう薄いッ…!!」
私が最後に見たのはこちらに猛突進してくる鋼鉄の塊だった。
「隊長殿ォーー!!!」
[side:二〇三]
ボロボロだな、まぁ、そりゃあ空飛ぶ戦車なんて見たこともないから当然だろう。
宝珠を埋め込み、周囲の魔導反応によって飛べる様になる様改造したからな。
さて、これもほぼぶっつけ本番だったが成功してくれて助かった。これで動いてくれなかったら色々とまずいことになっていたらからな。
「CP、現在の敵情は?」
『CP了解、ヴァイパー大隊を追撃した敵部隊は潰走。現存する敵部隊は高度六五〇〇、前衛はおよそ準連隊規模、後衛に二個中隊規模。尚爆撃機複数を認むも敵増援の兆候は確認されていない』
「こちらペガサス。了解した」
「航空魔導大隊第一から第三中隊、装甲大隊直掩中隊は前衛の敵を狩れ。航空魔導大隊第四中隊と装甲大隊装甲第一第二中隊、重戦車中隊は私とアーデルハイトと共についてこい」
「了解!」
先ほどの戦闘で敵CPも吹き飛んだ。混乱した敵など苦も無く倒せよう。だからこそ、面倒な敵部隊は部下に任せてしまおう。そのための部下だ。
より、重要な問題を片す為にも部下には頑張ってもらわなきゃですね!
ああ、その通りだ。
「航空魔導第四中隊、装甲中隊、我々は後衛及び爆撃機をたたく、その後残存部隊を航空魔導第一、二、三中隊、直掩中隊と共に挟撃しろ」
「は!」
敵が予想以上に強ければ迂回奇襲は中止し、友軍救出の名目で帰還しよう。
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さすが少佐殿!敵を一騎も逃さないと言うことか。
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ついでに、いかに戦意旺盛な前線指揮官であるかを通信を拾っている北方司令部に示さなければな。
「戦闘計画は以上である」
こうしていれば
軍隊ですね!
「但し諸君、諸君のノルマは足止めである…が、別に私らを待つ必要はない。別にあれを倒しても一向に構わん」
保身が過ぎるかもしれんが、これで責任回避は完璧だな。
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保身などまるで考えず勝利に邁進なさるおつもりだ!
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「尚、帰還後の祝賀会は一番成績の悪い中隊の奢りとする。二十五年モノを発注した、破産したくなければ頑張りたまえ」
「「「「了解!!!」」」」
いや全く楽しみだ、社会通念上、子供が飲酒するのは御法度だが、戦場で戦友に勧められ断れず。と言うことであれば軍も認めてくれよう。
いや弟の酔った姿が見たいとか決してそういう訳ではないぞ絶対。いや実際見たいけど
なんだかそう思うと泣けてきてしまうな。
「さて諸君、皇帝陛下と祖国の為に尽くそうではないか」
「「「「「「「「「「「「「「「ヤヴォール!!」」」」」」」」」」」」」」」
「装甲魔導大隊、高度を上げるぞ。迂回し増援と思しき二個中隊を叩く」
「了解、爆撃機はどうされますか?」
「私と弟、後重戦車中隊で山分けだ。悪く思うな、空軍のエースにもなりたいと思っていてな」
「ふふっ、姉さんも冗談が上手ですね」
冗談では無かったんだがなアーデルハイト。
「姉さん、戦闘機で落とさねば空軍としての戦果にはならないのですよ?」
「なんだと?」
「ああ、実に残念だ、戦闘機を借りてくれば良かったな。今からでもとりに戻りたいぐらいだ」
「では、そうされてはいかがでしょう」
「ほう?」
「正直、連隊長殿と一緒だと爆撃機を相手にせざるをえないので。私が連隊に奢る羽目になりそうなのです」
「敵に背を向けることはできんな。私もアーデルハイトも」
「では、致し方ありませんな」
その後、続け様に他中隊のエンゲージ報告がやって来る。
「あ!あいつ等!」
「いい、我々に構わず先行しろ」
「ありがとうございます。抽出大隊!前に出るぞ!」
抽出大隊に混ざり、魔導中戦車中隊が突撃する。
まるでドーベルマンのようだ、手綱を離すとあっという間に突撃していく。
「姉さん姉さん、ちょっと耳を」
「ん?どうしたアーデルハイト」
「この陣形の組み方面白いんじゃないですか?」
「戦場に面白い面白くないを持ち込むな。だが、相手は爆撃機だ、やってみるか」
「はい!」
「重戦車中隊!私の言う通りに陣形を組め!」
「「「「「了解!」」」」」
[side:爆撃機編隊]
「おい!一機上がってくるぞ」
「機種はなんだ?
「いや…、なんだアレは?メッサーにしてはデカイが…」
そう言ってもう少し身を乗り出して機影を確認するが…。
それには、羽がなかった、と言うか…、およそ航空機と言えた見た目では無かった。
まるで空中戦艦のようだと私は思い、少しばかり判断が遅かった。
刹那、その空中戦艦から無数の砲弾がやってきて。我々の爆撃機を破壊した。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。なんとかパラシュートを開き、降下する途中、その空中戦艦見た、それは。
多数の戦車が寄り集まってできた、編隊であった。
To Be continued…。
お読みいただきありがとうございます。
さて、魔導反応で宝珠を埋め込んだ戦車を空中に浮かす…。まぁ当たり前ですよね。(え)
後最後のあれ。なんでしょうね?
割とスラスラかけて自分でも嬉しいです。
そしてUAが12000突破、これも偏に読んでくださってる方々のおかげです。
幕間ネタ
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ターニャとアーデルハイトのイチャラブ
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アーデルハイトとバートリー少尉
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総統閣下シリーズ
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連隊各中隊長ズの何か