いやまって一瞬でUAが600越?嘘でしょ…。
誤字報告。忠犬友の会さんありがとうございます
場所は帝国兵站総監部の技術局の会議室。
ここでは技術局幹部の会議が行われていた。
「…、それで、どうするのかね?」
「一応全て正式な書類ではあるな」
「受理をするのか?」
「デグレチャフ両少尉からは過去3度、弟の分を含めれば5度待遇改善の嘆願書を提出している、そして今回の転属届」
「我慢の限界。と言ったところでしょうな」
「私としては論外だ、あの
「しかし!」
「ようやく研究が現実味を帯びつつあるという。事情を考慮すべきだと思うが」
技術者・科学者が直面してしまった壁は厚かった。見え隠れする大きな成果、だがそれを得るとするならば多大な人員と予算が必要で。尚且つその中、その成果に届きそうなたった二人の人材が限界だど匙を投げている。
「帝国の人材をひっくり返したとしても彼らと同じ水準に達している魔導士はそうそういない」
「人を選ぶ上、信頼性や汎用性に欠けるのは兵器として失敗でしょう」
「一応データは取れた、残念だが、潮時だろう」
「そうだな…、火力増強の魅力は大きいがやはり4核同調は時期尚早と言わざるを得ないだろう」
「誠に遺憾だが、エレニウム九五式の開発は打ち切りだな」
場所は変わって神域、この世界は人には知覚できない領域にあり、周りは幾何学的な建築物が並んでいる。
どうやら、彼らは信仰を深めるために聖人の類を顕現させたいらしい。
「どうやら、神の領域に達する一歩手前、後幾千年もかければそこに至れるような代物を開発している人間がおります」
(その人間とコンタクトは取れたのか?)
「どうやらその人間も道が長いことを知ったようです。我らが語りかけ神の御技を解いたところ、深く感銘を受けていました」
(ならば、その人間の物を、聖遺物としよう)
「は、」
現世。クリスコス工廠屋上では、普段の狂気的な笑みは消え、穏やかな表情になったドクターシューゲルがいた。
「…私は偏屈であった、思えば科学の進歩のためとはいえ多くの者に苦労をかけてきた。だが、それも今日で終わる」
博士はかけていたメガネを外し、何か遠い、遠い物を見るような目をしていた。
「この晴れやかな気持ちはなんだ、欲も見栄も無い。私は神の腕に抱かれ、その声を聞いた」
[side:ターニャ&アーデルハイト]
どうやら、世の中にはいい知らせと悪い知らせが混在しているらしい。
それが知らせを受け取った私達の嘘偽りない実感だった。
「おい…、起きろアーデルハイト…」
この前に続きひどい倦怠感だ、これはまた存在Xがよからぬことを企んだに違いあるまい。
「姉さん、起こしてくださ〜い…」
「わかったわかった、おい起きろアーデルハイト」
ったく、貴様は子供か。…子供だったなそういえば。
弟の体を揺すって掛け布団を剥ぎ取る。
コンコン、とノックが響く
「ターニャ・デグレチャフ少尉殿、アーデルハイト・デグレチャフ少尉、人事局からです」
「少し待て」
子供と見られぬ様に身なりはきちんと心がけなければ。
おいアーデルハイト、さっさと着替えるぞ。
「はーい姉さん」
伝令の新兵め、この私と弟を見て立派な指揮官がどのようなものかを学ぶといい。
「ご苦労」
「ご苦労様で〜す」
「はっ!」
うわー、ちっちゃくて可愛い、姉弟で頑張ってるんだろうなぁ…。
姉さん、多分見た目から変えないと無理です…。
場所は変わって演習場…。
どうしてこうなった…。
自分は落胆し地面に崩れ落ち、弟は隣で呆然としている。
神に!存在Xに!災いあれーッ!!
遡ること1時間前、我々はエレニウム九五式の実質的な開発中止を通達する書類が届いた。
これには一瞬私も神に感謝しそうだったがそんな事は無かった、結局目の前の
「ドクトルシューゲル、本気でやめましょう、これが暴走したら最悪試験場もろとも我々が吹き飛びます」
「科学の進歩には犠牲は付きものだろう。もちろん!君らだけでなく私もここにいるぞ」
「…私らは軍人です、科学者ではありません」
「では命令だ、デグレチャフ両少尉」
ああ、もう万策尽きた。
「エレニウム九五式への魔力供給開始…」
魔導士の強靭な防殻にせよ、直撃を逸らすための防御膜にせよ、全て宝珠によって齎される現象だ。
その宝珠が吹っ飛ぶ時、その宝珠の爆発を直に受けることになると考えると…。
「何、心配はいらない、成功は約束された様なものだ」
「それはどういう…」
私はまさかと思った。
「私は先日天啓を得たのだ」
天、まさか…!
「我々が天に成功を祈りさすれば!天は必ず答えてくださる!」
「信ずるものは救われる!」
なぜ科学者が…!そしてよりにもよってなぜこのMADが!!!
神を信じると言うのか!!
クソ!これも存在Xの差金か!?ここまでして私を改心させようと言うのか!!!!
「安全装置起動!こんなとこで死ぬより軍法会議の方がマシだ!」
「了解です姉さん!」
!?おかしい!安全機構が作動しない!?
__安全機構は機能美が無いので排除したかった__
まさか…こいつ…!!
「驕らず、謙虚な気持ちで神のなさる事を受け入れようでは無いか。」
この…!狂信者め!!!!
「さぁ共に祈ろう!…君らも、神に出会ったことがあるのだろう!?」
あの存在Xめ…!!
『魔力係数急速に不安定化!宝珠核誘拐寸前!総員退避ーーーー!!』
「神を信ずれば救われるゥ!!」
「クソ!抑えきれない!いやこの力、私とアーデルハイトの魔力だけではない!?」
こんな物が暴走して爆発してしまえば…、グランドスラム以上の被害が…!
___ああ、そうだった、あれは自然の摂理を弄ぶ超常の存在。
謀ったな!
⦅議論の末に、貴方型が開発されているエレニウム九五式でしたか?これの起動実験に奇跡をもたらすことを主はお許しになりました⦆
「…はぁ…」
ここはどこだ?いや考えても無駄だろう。というか弟は?
⦅貴方の弟というのはそちらに倒れている方ですか?⦆
心を読んだ!?まぁそれはこの際良いとして弟を起こしに行かねば。
「大丈夫か?アーデルハイト」
「僕は大丈夫です姉さん」
その時の話はよく覚えていないが、要するに私が屈しないので九五式は呪いのアイテムとなり私を蝕み続けるといことがわかった。
恐ろしいマッチポンプだ、クソが。
「_____所で、私らの実体は?」
⦅あなた方は神の恩寵にて守られております。さぁ___いざ行きなさい、主の御名を広めるのです_____⦆
場所は戻ってクリスコス演習場
「ああ!主はおられた!奇跡だ!信じる者は幸いなり!」
「落ち着かれよ主任」
「おおデグレチャフ両少尉!実験は成功だ共に神の御名を讃えようではないかさぁさぁさぁ!私に奇跡の恩寵を見せてくれたまえ!」
「…起動します」
「…起動いたします」
キィィィ、と宝珠核が動く音がする、空間に魔法陣が出現し、空間全体が歪む様な歪な空気の流れを感じる。
『成功です!四核同調を確認!!凄まじい程の魔導反応です!』
「ああ、主の奇跡は偉大なり」
「主を讃えよ」
「「その誉れ高き名を」」
わぁぁぁぁぁ!
おい待て、今何を思った?今何を口にした?賛美したのか!?アレを!?
この私が…存在Xへの感謝を!?
呪われた挙句碌でも無い目にあった私らが解放されたのは一定のデータ収集が完了してからだった。
ああもうここ以外ならどこでも良い、もうあのMADとは付き合いたくない、てか付き合いきれない。
とにかく何処でも良いから逃げ出したい。
兎に角、そんな願望を叶えようとしてくれたのかわざわざ西方からフランソワが宣戦を布告、その凶報はこの世界に悲観しかかってた私に希望を与えてくれた。
だが楽をするのは難しいようだ。
場所変わって幼年学校の寄宿舎、そこの一室では二人の女性学生が朝食をとっていた。
「「いただきます」」
「ねぇヴィーシャ聞いた?貴方の配属先小隊の噂!新しい小隊長さんなんだって」
「本当なの?でもこの時期に新人なんて…。どんな人なんだろう?」
お読みいただきありがとうございます。
ちなみに今回、ぶっちゃけますが自分で書いててアーデルハイトとターニャの絡みが可愛いと思ってしまいました。
幕間ネタ
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ターニャとアーデルハイトのイチャラブ
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アーデルハイトとバートリー少尉
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総統閣下シリーズ
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連隊各中隊長ズの何か