今回、ちょっと筆がのっちゃって長めです。
ではどうぞ・
ヤァヤァ皆様ご機嫌様!
久しぶりの登場で今年から晴れて大学生になったターニャデグレチャフ中尉十一歳であります!
今は後で寝てる弟と一緒に大学に向かっております。
えぇ、大学生です。軍大学は立派な大学です、大学ですってば。
前線と比べれば後方のなんと快適なことか、まさかまさか一日三食温かい食事が家族と一緒に取れることに感動しております。
「白銀と銀狼だ〜!うてうて〜!ばーん!ばーん!」
「ズドーン!ズドーン!」
「わー!やられたー!」「てったーい!」
「負傷兵を忘れるな」
「はーい!」
こんな感じで、近所の元気な子供達とも遊んでおります。
「おいアーデルハイト、起きろ、着くぞ」
「ふぁ〜い」
眠気半分で答える弟に少しため息を吐きつつ軍大学へ向かう。
セレブリャコーフ伍長も前線で証明された実力を勘案して将校課程へ推薦しておくというシュワルコフ大尉の配慮には頭が上がらない。
世間的には飛び級、自分にとっては二度目のキャンパスライフ、偉大なる帝国の教育制度と奨学制度で学費に悩むどころか給与まで受け取り、ただ学ぶだけでエリートコースまっしぐら。
何としても優秀な成績を挙げ、後方勤務で穏やかな余生だざまぁみろ存在Xめ!
さて、もう無意識の内に担いでしまっているライフルはどこに隠せば良いのでしょうね。
弟に至っては
いやぁ如何したものでしょうか。
さてさて、もう到着です。
「弟よ、ついたぞ」
「は〜い」
「おはよう、ラーケン衛兵司令」
「おはようございまぁ〜す」
「おはようございます、デグレチャフ両中尉殿」
ラーケンは、二人が持っている物に目を向け
「失礼ながら、今日もライフルと拳銃をお持ちで?」
「ああ、恥ずかしながらなかなか習慣というのは治らないようだ」
「ですねぇ〜」
「いえいえ、両方ともご立派なものです」
そう言って、ラーケンは二人が持っていたライフルと肩掛け式ホルスターに入った拳銃を預かる
「ありがとう、叩き上げに保証されるほど嬉しいことはないな」
「では、僕らはこれで、お仕事、頑張ってください」
「はい、あ、失礼ながら本日の御用向きは?ご存知の様に本日は休日であり講義はありませんが」
「図書室を使いたい、寮の資料室では事足りん」
「僕も一緒です」
「は、確認しました」
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「准尉殿、なかなかに態度のでかいガキでしたね」
「馬鹿か貴様、しょんべん臭いガキどころか戦地で浴びた返り血の匂いをまだ漂わせている硝煙臭いガキだぞ」
「は?いえ良い上官になれるとは思いますが」
ああそうだ、勿論二人とも良い上官になられるだろう、自分であれば二人が大隊長であるならば喜び勇んで突撃だろうが遅滞防御だろうが殿だろうが従事する。
軍人として名を残し、或いは地上の栄光が約束された部隊となりうるだろう。何人もの軍人をこの目で見てきたからこそわかる。アレがいわゆる英雄なのだと。
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「ターニャ・デグレチャフ、アーデルハイト・デグレチャフ両中尉、入室します」
二人より先に図書室におり、その言葉に反応した将校が一人いた、ハンス・フォン・ゼートゥーア准将である。
「(ん?デグレチャフ)ああ、デグレチャフ君」
「!、失礼しました准将閣下!」
「え?あ、准将閣下、おはようございます〜」
准将に対し敬意を持って対応するターニャとまだ眠気が飛んで無いアーデルハイトも敬礼で答える。
「ああ良い、今は卒業生として先輩に対する態度でかまわんよ」
「はっ、ありがとうございます。自分はターニャ・デグレチャフ学生、帝国より魔道中尉を拝命しております。それでこちらでうとうとしているのが…」
「自分はアーデルハイト・デグレチャフ学生であります。帝国より魔道中尉を拝命し帝国北方方面軍第二戦車連隊参謀次官を拝命しております」
「ゼートゥーア准将だ、参謀本部戦務参謀次長を拝命している」
ん?ちょっと待ていつの間に弟はそんな役職を手にしている?
だがまぁこれは好機!いつの時代も上に知己を得ておいて損はない!
しかも戦務参謀!?後方のお偉方のトップに近い方々ではないか!危うく飛び上がるところだったぞ!
落ち着くんだターニャ、この千載一遇の好機を最大限に活用するのだ!
ついでと言っては何だが弟もそこに混ぜるか。おいアーデルハイト、さっきの役職のことはちょっと話がある。
なんでですか姉さん。参謀次官と言っても今現在は席を外しているだけですしほぼ名誉職の様なものですよ!
それでもだ!
はぁ〜い。
さて、頭の中では神輿持ってどんちゃかやってるがそんなことを表情に出すわけにもいかん。できる限り表情を変えずに…。
「お目にかかり両名とも光栄であります、准将閣下」
「(ふむ、確かに何か、強さを感じる瞳だ。弟の方も一見普通の子供に見えるが、やはりターニャの血族とも言うべきか同じ目をしている)両方とも、何か急ぎの用はあるかね?」
「いえ、ありません」
「同じく、ありません」
地位目当てで擦り寄ろうと思ったが相手は参謀本部の准将、その手のものにはうんざりしている筈。
ならばここは敢えて無関心を装う。弟よ、ついてこい!
了解です姉さん!自学目的、ですね!
「本日は両名ともに知見を深めるための自学目的であります」
「そうか(両名の年齢に似合わぬ軍功は日々の努力の賜物と見える)」
「良い機会だ、時間が許すのならば二人に意見を聞きたくてな。我々の様な年寄りではなく若いのの意見を聞きたいが…どうだね?」
「は、お邪魔でなければ喜んで」
「構わんよ、楽にしたまえ。さて、貴官らのことは少しばかり耳にしている、姉はラインで、弟はノルデンで随分な活躍をしているそうだが」
「は、過分な評価をいただいております」
「評価に嬉しく思います」
「…そうだな、貴官らに聞いてみるとしよう、両名共、主観でかまわん、この戦争はどうなるだろうか、貴官はどう見る?」
きた、軍人同士の戦局予想は世間話の様なものだが軍では上官に細かく相談し報告を密にすること…要するに報・連・相が大事だ。
因みにアーデルハイト曰く連装砲(連絡・装弾・砲撃)らしい、誰がうまいこといえと言った?
「お言葉ですが、閣下の仰ってることは含意が広すぎます」
わからない時は正直に聞いて好感度アップ!
「確かにそれもそうだ、貴官らはこの戦争の形態をどう予想する」
「僭越ながら、自分は言及すべき立場にないと思われます」
「良い、自由に述べよ」
姉さん、そろそろかと。
確かに、これ以上固辞する必要もないか。
「では、お言葉に甘えて失礼致します」
好感度アップの為にやることその1、予想は断言した方がいい。
「…、大戦に、発展するものと確信します」
「大戦、かね」
「はい、主要列強の大半を巻き込んだ世界規模での交戦に至るかと」
「根拠は」
「帝国は列強として新興ながらも従来の列強と比較し単独ではかなりの優位を保っています」
アップの方法その2、説明を面倒くさがらない事、無駄の多い会議を防止する為の唯一の解決策は徹底的な共通認識の確立。
その点では准将殿は実にしっかりしている、こんなたかが中尉の意見に耳を傾けてくれるのだから。
「そのため、帝国ならば1対1であれば確実な勝利を収められると考えます」
その言葉に捕捉するようにアーデルハイトが続ける
「なので、共和国相手であれば勝利すると思われます」
おいちょっとアーデルハイト!?よくそんな言いにくいこと言ったな!?
准将殿だから笑顔で返してくれたからよかったけど!
「確かに、それは中尉らの言う通りだ」
「ですが、これを連合王国や連邦が座視するとは考えにくいのが実情であります」
「…?彼らは今次大戦に直接の利権を有していないはずだが?」
当然のことを再確認、うん実にいい実に素晴らしい、これこそ知性的な会話というやつだ
「はい、直接にはその通りであります、ですが一方で彼らは覇権国家の誕生を許容するか否かの選択を迫られると思います」
そういうと、ゼートゥーアは少し驚いた様な表情をし、少し間を置いてから。
「_____覇権国家?」
「はい、大陸中央にてフランソワを排除した帝国は周辺国家に対し相対的でなく絶対的な優位性を獲得します」
「故に、共和国の排除を短期に、それも他国の干渉を許さない形で実現できない場合、必ず連鎖的に他国からの干渉を誘発します」
_____そう、私の知る前世とあの時と同じように。
「なるほど確かに、そうかもしれないがそうなると今度はフランソワ共和国が我ら帝国を打ち倒し覇権国家たる可能性もあるのではないかね?他国はそれも受け入れ違いはずだ」
こちらの言葉たらずを補ってもらうとは、これ以上の失敗はするまい。
そして、なんかアーデルハイトが何か言いたそうにしている。交代するか。
「同意します、そしてここからは私の弟が言いたそうなのですが、交代してもよろしいですか?」
「良い、聞かせてくれ」
アーデルハイト、まかせたぞ。
はい、姉さん!
「はい、なので、帝国と共和国の共倒れになるように測られると思われます」
「ふむ、具体的には?」
「おそらく、共和国からの借款に始まり、
そう、かの有名な日露戦争の米英列強の様に。
「勝利、敗北、共倒れ、全て回避したい場合はどうなる?」
途中弟に交代したとはいえ姉弟揃って全て即答だな。
「講和がベストと考えます。過去の歴史にともない講和を模索し、有利な条件を引き出すまで消耗を抑制することを第一目標と考えます」
「勝利を目指す訳ではないと、いうことかね?」
おいアーデルハイト何言ってんだ!?戦務参謀次長の前でそんな敢闘精神を疑われる様なこと即答して!?
姉さん、ちょっと助けてください!
よしわかった、今行くぞ!
「しかしながら、勝利の定義を変えた場合、その通りではありません」
そういうと、ゼートゥーアは少しワクワクした表情になり
「続けてくれ」
と問うた。
そういうと、ターニャがゆらりと話し始め。それと同時にアーデルハイトも話し始める。
『小官らの信ずるところ、講和に至れば国防のかなった帝国の勝利と定義すべきです』
「それを、どうやって達成するのだ?」
ゼートゥーア准将がそう聞くと、二人とも少しニヤリと笑い、同時に話し始める。
『徹底的に、敵に、敵の血を流させる事を貫徹し、敵の「戦争継続能力」を粉砕するのです!!』
それを聞いたゼートゥーアは満足げな表情し。
「(彼らの自信を持った表情!この斬新な戦略をここまで断言できる参謀がいるだろうか!)」
「(軍人が好みそうな徹底的、貫徹、粉砕!この全てを使って敢闘精神をアピールだ!)」
「つまり、敵野戦軍の壊滅かね?」
それが理想だが困難だ、つまりこの質問は釣り、引っ掛かってなるものか。
ではアーデルハイト、私も参加しよう
ありがとうございます、姉さん
「それは実際のところ難しいと思われます。敵人的資源の消耗を目的として陣地戦で防御に徹するべきだと思われます」
「(人的資源…レルゲン少佐の発言が思い出されるな)それで、有利な条件を引き出せるのかね?」
「負ける事はありません、防御に徹しつつ、さらに一撃を与える余力を保つことこそ戦略上の柔軟性が増すかと」
「なるほど興味深い、__して、その一撃とは?」
ここだ、相手がこちらに関心がある以上、最後の印象が大事だ!
「航空魔導士による戦場撹乱と突破浸透襲撃により、敵軍を疲弊させます」
「陣地戦において火砲級の火力と歩兵以上の俊敏性をもつ魔導士ほど敵兵を狩るに理想的な兵科はありません」
「また、これは僕の意見にですが戦車の積極的運用も必要かと、現状、他兵科に比べ相対的に魔導士は数が少なく、あまり損耗できません。その代わり、戦車は防御力が高く、火力もあります。機動力の高い軽戦車や中戦車を使い、敵の再構築を許さずに進軍。これにより、魔導士が陣地を破壊し浸透、そして戦車が制圧を行うと言ったことを続けることが要るかと」
「と、この様に自軍の損耗を抑制しつつ勝利するという点を持っていうのならば、消耗抑制ドクトリンというべきでしょうか」
「それには、魔導士と戦車が最適と考えます」
「なるほど、二人とも売り込みが上手なようだ。」
「「恐縮であります」」
さて、ここからが本題だが…。
「で、魔導士と戦車を利用した消耗抑制ドクトリンを主軸にする場合、規模はどの程度欲しいか?」
「魔導士、戦車共に大隊が!適切であると確信します!」
よし!これで弟と共に私は参謀本部の覚えめでたく今度こそ安全な後方でエリートコースだ!
「大隊か、確かに現実的だ、検討しようデグレチャフ両中尉」
ん?おかしいぞ?
お読みいただきありがとうございます。
いやはや、次回あたりはデグ様の訓練ですが…。
いくら何でもまともなアーデルとデグ様の絡みが少ないと思うので幕間でも書こうかなと思います。
ではでは、また次回
幕間ネタ
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ターニャとアーデルハイトのイチャラブ
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アーデルハイトとバートリー少尉
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総統閣下シリーズ
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連隊各中隊長ズの何か