ありふれないヤンキーコンビは世界最高   作:MUGEN&RUDE好き

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やっと学校に行きます。お馴染みの彼らも出ます。


3話

 

「はーい。皆さん席に着いてくださいねー。」

 

 月曜日、ハジメは普段通り学校にギリギリに来てからホームルームを受けていた。25歳とは思えない童顔と身長の低さのせいでクラスメイトから「愛ちゃん」と呼ばれている(本人は不本意らしい)、ハジメ達のクラス担任である畑山愛子が全員に座るよう催促する。

 

「はい。それではホームルームを始める前に、今日からこのクラスに転校生が2人来るそうです。皆さん仲良くしてあげて下さいね。」

 

 転校生というワードに教室中がザワザワッと反応する。なにしろ学校生活において転校生というのは、多かれ少なかれクラスのみんなに新しい出会いや刺激を与える、来るかどうかわからないテンプレイベントと言っても良い。が、このクラスには真相が知っている人物が約3名ほどいる。その内の1人であるハジメは、()()との学校における初めての対面に内心少しワクワクしていた。

 

「それじゃあ入って来て下さーい。」

 

ガラガラッ!

 

 先生が廊下に向かって声をかけると教室の扉が勢いよく開き、2人が入って来た。そして教室内のざわめきがより強くなる。

 

「今日からこの学校で世話んなる、花岡楓士雄だ!よろしくな!」

「同じく、高城司だ。」

 

 簡単に自己紹介を済ませて、先生に席に座るよう指示される2人。その時ふと楓士雄の目がハジメの姿をとらえた。

 

「あっ!おーいハジメン!」

 

 そう言って楓士雄がハジメの席へ近づいていき、ガシッと肩を組む。

 

「良かったーハジメンと同じクラスで!これからよろしくな!」

「どうせ違うクラスになっても探して会いに行ってたろ。」

「あ、あはは‥」

 

 いつも通りムードメーカーな楓士雄とツッコむ司、苦笑いするハジメ。

そんな彼らのやり取りを見て再び教室がざわめく。

 

 クラスメイトにとって、成績こそ普通だが普段の授業は寝てばかりで不真面目なオタクというのがハジメに対する印象だ。しかもそんなハジメがクラスのマドンナ的存在である香織にいつも楽しそうに話しかけてもらっている為、クラスメイトのほとんどは彼に対してあまり良い印象を持っていない。

 

 ただでさえそんな妬み嫉みの対象であるハジメに、さらにこの顔の良い転校生らが仲良さそうに話しかけて来たのだ。『なんでアイツばっかり‥』と言わんばかりに視線が突き刺さる。

 

 そんな悪意に晒され、この先を案じるハジメだった。

 

  

 

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 昼休みに入り、楓士雄と司はクラスメイト達に囲まれて談笑していた。

 

 楓士雄は持ち前のコミュ力とカリスマ性であっという間にクラスになじみ、司はその非常に高い顔面偏差値のおかげで女子から高い人気を得ていた。

 

 特に、クラスのムードメーカー谷口鈴、図書委員の中村恵理、不良少女っぽいが根は真面目な園部優香、園部と仲の良い宮崎奈々と菅原妙子、男子では玉井淳史らと仲良くなって話していた。

 

「ねーねー。そう言えば楓士雄くん達がいた学校ってどんなとこ?」

「あー確かにそれおれも気になるわ。」

 

 鈴が思い出したように質問し、玉井もそれに賛同する。

 

「あー、オレらがいたのは隣町の鬼邪高ってとこ。」

「‥‥え?」

 

 楓士雄が答えた瞬間その場の空気が凍りついた。

 

「あーあ、んなあっさり言っちまいやがって‥‥」

「え?なんかダメだった?」

「‥っとにお前は‥」

 

 司は呆れてそう言い楓士雄は首をかしげる。そして呆然としていた玉井が我を取り戻して口を開く。

 

「な、なぁ。鬼邪高ってもしかして鬼邪地区のあの鬼邪高校か‥?」

「ハァ‥‥あぁ。その鬼邪高だよ。」

 

 玉井達が固まるのも無理はない。鬼邪高校と言えばこの辺りの街で知らないものはいない超有名な極悪不良高校だ。彼らの良くも悪くも不良には見えない雰囲気もあった分、まさかそんなところから転校して来たなんて思えなかったため、衝撃を受けたと言うのも想像に難くない。

 

「あ、ご、ごめんね。ちょっとびっくりしちゃって。」

「別に。そうなんのも無理はねーだろ。」

「あー、言われてみりゃ普通はそういう反応するよな‥」

 

 気を悪くしてしまったと思って咄嗟に謝る恵理に平気だと言う司とクラスメイト達の反応をやっと理解した楓士雄。

 

「まぁ自分で言うのもなんだけどよ、オレらも威張り散らかしてー訳じゃねーし、みんなと仲良くしたいってのも本当だ。そりゃ鬼邪校じゃケンカばっかしてたし、いきなり信用しろだなんて言わねーけど、少なくともオレはみんなのことを友達だと思ってる。だから、ちょっとずつで良いからみんなと仲良く過ごしてーなって。」

 

 これは紛れもない楓士雄の本心だ。彼も今までケンカしかやってこなかったが、司やジャム男をはじめとする鬼邪高の面々、鳳仙の佐智雄や鈴蘭のラオウなど、かけがえのない仲間や友と巡り会って来た。だからこそ、その大切さを人一倍理解しているのだ。

 

「信じてあげて良いんじゃないかな?私も昨日初めて会ったばっかりだけど、楓士雄くん達は悪い人じゃないって思うから。」

「‥!カオリン‥‥」

 

 優しい表情で話す楓士雄の願いを黙って聞いていた鈴達にそう声をかけたのは香織だった。

 

「私もそう思うわ。彼らはそう言うところに住んでいただけで、よくいる不良とかとは雰囲気も何もかも違うもの。」

「シズっち‥‥!」

 

 香織に続けて雫もそう語る。彼女らも昨日からのやり取りで楓士雄と司がただの不良とは違うと分かっていた。

 

「アハハ!大丈夫だよー!鈴は別に2人のこと悪い人だなんて思ってないから!」

「うん。私も2人のこと疑ってなんてないよ。」

「あぁ。なんか悪かったな、自分で聞いたくせに。まぁなんて言うか、改めてよろしくな。」

 

 鈴、恵里、玉井がそんな風に言葉を交わす。どうやら2人の『出身を知ったら嫌われるかもしれない』と言った心配も杞憂だったようだ。

 

「お、おまえら〜〜! こっちこそよろしくな!!」

「ったく、物好きな奴らもいるもんだな。」

「えっ‥‥それって鈴達のこと?」

 

 そんな他愛もない会話をできる程に、楓士雄と司もこのクラスに馴染む事が出来たようだ。隣でずっと黙って聞いていたハジメもこれに一安心。

 

 

 こうして彼らの新たな学校生活はなかなかに良いスタートを切ることとなった。このままずっと楽しい学校生活を送ることが出来れば良かったのだが‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人は良くも悪くも「渦」を巻き起こす運命にあるのか、そうは問屋が卸さなかった

 

 

 






召喚前にもう一つだけイベントをはさみます。展開が遅くなりがちですがどうかお許しください‥‥
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