中途半端にはなりたくない。 作:バーニング・キャッチ
目が覚めると、知らない天井が目に入った。
一瞬、誘拐かとパニックになりかけたが、身体が自由に動かせるうえ周りを見渡してみると、子供部屋のような景色があったので誘拐ということはなさそうだった。
そしてベットから立ち上がり、明らかに元の自分から縮んでいるを身体を見て、気付いた。
あー、転生したのか、俺。
少し移動して、壁に立てかけてある姿見の前に立ってみる。そこには、見覚えがある気がしなくもない顔の少年が写っていた。
誰だっけコイツ……
「んー、んー?……あ」
半田真一。コイツ、というか俺、半田真一だ。
どうやら俺は、半田真一に憑依転生してしまったらしい。
「まじかよ」
とりあえず、俺は天を仰いだ。
◆
半田真一とは、LEVEL5より発売されたゲーム及びそれを原作としたアニメ、イナズマイレブンに登場するサブキャラクターの一人だ。
半田真一といえば、主人公の二人しかいない同期として最初期から登場していたにも関わらず、ゲームでもアニメでも大した見せ場はなく、シリーズ二作目では敵に怪我をさせられ早々に退場するという不遇なキャラとして有名だ。
いや、有名なのかは知らんが、少なくとも俺はかなりの不遇キャラとして彼のことを見ていた。
そして現在、俺はそんな不遇な半田くんに成り代わってしまったわけなのだが、俺はどうすればいいのだろう。
……半田真一は不遇なキャラクターではあるが、しかし物語には必要不可欠な1つのピースでもある。彼がいないと物語が破綻するかもしれない。
となると、俺は原作通りの動きをするべきか。
雷門中学校に入って、主人公の円堂守と共に雷門サッカー部の一員としてサッカーをする……んで中途半端なところで怪我して闇落ちして、日本代表には選抜されずにそのままサッカー人生終了……。
……原作を破壊したくないとはいえど、自ら不遇扱いを買って出るのは、少し、いやかなり癪だな。
「どうしたものか」
むむむ、と首をひねって考える。
「真ちゃーん!朝ごはーん!」
下の階の方から声が聞こえてきた。よく通る、女性の高い声。おそらく母親だろう。
「はーい!いま行くよ!」
返事をして、一旦思考を打ち切る。このことは、また後で考えよう。
ドアノブを捻って、廊下に出た。
◇
朝食後、自室に戻りベッドの上に仰向けで寝転ぶ。幸いなことに、今日は休日だったらしい。
「んー……」
眉間にしわを寄せて考える。さてはて、まじでどうしたものか。
「……まぁ、とりあえず」
サッカー始めるか。
半田真一(オリ主):現在小学校低学年くらい。結構サッパリした性格のポン酢しょうゆササミ系オリ主。
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