スノーフィールド 繰丘邸
「ん……」
シグマが目を醒ますと、そこは意識を失う前と同じ場所だった。
繰丘邸の大きめの庭の中で倒れていたが、青々と生えた芝のお陰なのか傷は無かった。
周りを見ると骸骨は居らず、破壊されたビル群も何事も無かったかのように青い空へそびえていた。
その光景を見てシグマは、自分達が現実世界へ戻ってきたことを理解した。
その証拠として、繰丘椿の姿だけが世界から切り取られたかのように無くなっていた。
「ここで………この流れで、幼き子供がそれを選ぶのか!?」
よろよろと起き上がったアサシンが声を上げながら、立ち上がろうとしていた繰丘夫婦へ向け明確な怒りを込めた瞳を向ける。
「どんな生き方を…何を強制されて生きてくれば、幼子が自らそれを選ぶ!? 貴様らは……貴様らはあの幼子に、自らの娘に何をしたのだ!? 何をしてきた!」
「……何を言っているのか解らないが、私達の相手をしている暇はあるのかね?」
頭を押さえながらクツクツと笑う繰丘夕鶴は、アサシン達の後ろにいる存在に目を向けた。
「…興醒めだよ。まさか、あそこまで壊れてたなんてさ。死にたくないって叫ぶ椿ちゃんの首を、泣く泣く跳ね飛ばす姿を見たかったのにさぁ…」
苛立ちの姿を浮かべた少年が、自らの服をはだけさせ、心臓の辺りに描かれたリボルバーの弾倉のような刺青を顕にする。
その紋様に手を合わせ、ぐるりと回すと別の紋様が最上部に装填された。
すると、ジェスター少年の身体が瞬時に膨れ上がり、身の丈が2mを超える赤毛の人狼となってその場を跳躍した。
「あばよ、アサシン!てめぇを俺の愛でなぶり尽くすのはまた次の機会だ!!」
乱暴な口調で身を翻し、アサシンから逃げるように宙を駈ける。
「次など来させるものかッ…!!」
アサシンは己の傷も気にせず地面を蹴り上げ、そのままジェスターの後を追っていく。
残されたのは繰丘夫婦、シグマ、オベロンだった。
「ああ…酷い目にあったよ。まさか私たちではなく、娘に令呪が宿るとはね」
「そうね、でも、これは一つの証明よ。令呪が宿ったということはあの歳で私たちの魔術回路よりも質が上だったと見るべきよ」
淡々と話す姿にシグマは妙な違和感を覚えていた。
娘が消えたにも関わらず安否よりも考察を優先している。
「君は…シグマ君だったか。ファルデウスの部下との事だが彼とは連絡が取れるか?」
「貴方、それよりも先に病院に行かないと」
「……そうだな。右手を切る道具は向こうで調達するか」
「そうね」
二人の会話を聞き、シグマはたまらず尋ねる。
「右手を……切る?」
「ああ、そうだ。椿の奴め、二画も令呪を使ったようだが、一画でも残っていればあの英霊と再契約は可能だ。あれほどの英霊の力があれば、ファルデウスと連携をとれば大分有利に事を進められる」
その言葉を聞いた シグマは理解した。
操られていた記憶を持ちながら尚、令呪の簒奪を企てていたのだ。
「……切るのですか?椿ちゃんの手を」
「当然だろう。苦労して
さも当然のように語る椿の父親。
そして、シグマは気付く。
(そうか、この二人は純粋な魔術師なんだ。目的のためなら過程等気にしない。椿ちゃんは人並みの生なんて保障されてなかったんだ)
「そこに居るのは君のサーヴァントか?クラスは……
シグマは想定外の答えに思わずオベロンの方を向く。
白い衣装に身を包んだオベロンは夫婦に向かってにこやかに笑っていた。
「そう、僕はルーラーさ。調停して欲しいなら聞くよ。まぁ、どの道裁かれるのは君たちだけどね」
「馬鹿な…!ルーラーが呼ばれることはあってもマスターがいる訳が無い!君は…一体何をした!」
『おいおい…こいつはとんでもねぇ事になってんな…』
横に立つ『影法師』の船長がやや焦る様な顔を浮かべていた。
『あの英霊のクラスが分からない。恐らくステータス上のクラスを変えられる、かな。ちなみに僕はアーチャーだと思ってたよ』
蛇杖の少年も説明はするものの、理解が出来ていないようだった。
「ステータスを隠すスキルなら前例がある…だが、ステータスそのものを改ざんするなど…!」
「有り得ない?僕からすれば有り得ないのはそっちなんだけど…」
白いマントから溢れ出ようとする魔力を危険と判断し家中に張り巡らせた防衛機構を展開した。
現れたのは
剣や槍を構え、オベロンを取り囲む。
本来ならば署長のような亡霊が召喚されるはずだが、夫婦も南米で得た細菌の一部を取り込んだことにより、細菌が記録した『有り得たかもしれない歴史』を扱えるようになったのだ。
オベロンは兵士を一瞥し、構うことなくマントから黒い虫の群れを溢れさせた。
骸は虫が全身に当たったとしてもひるむことなく突き進む。
「酷い光景だ。終わった物語を赤の他人が知りもせず使うなんてさ。こんな胸糞悪い話は終わらせるに限る」
黒い虫は数を増やしながら夫婦と骸を囲い込むように膨れ上がる。
漆黒の闇の中、目の前に立っていたサーヴァントの姿が溶けてるように見えた。
純白の服はインクをぶちまけたように黒く変色し、背中にはトンボの羽が垂れ下がっていた。
「これ以上、
空間全体が歪み初め渦をまくように落ちていく感覚に至る。
いや、実際に落ちている。
夫婦はなんの抵抗も出来ず奈落へ誘われたのだった。
「なーんてね。そんなことする訳ないでしょ」
オベロンは1人冗談を吐きながら庭に倒れている夫婦を見下ろしていた。
宝具『
実際シグマの視点だと、オベロンが有り得ないと言った後、突然糸の切れた人形のように倒れ込んだ。
つまり、現実世界で彼らは魔術すら発動していない。
「寝させただけか…?直に起きると思うが」
「それは大丈夫。起きた頃には全てが終わってるだろうから」
「そうか…」
シグマはそう言い、寝息を立てる夫婦に手を当てる。
すると触れたところを中心に赤い稲妻が魔術回路を通り抜ける。
「殺す気かい?」
「今のは魔術回路の劣化だ。刻印の大きさからすれば目覚めた後半月は痺れが残る程度に留めた」
「ふーん。傭兵なのに殺さず生かすんだ」
「……迷ってるんだ」
目の前に転がる夫婦に対し、何の感情も抱かずに、無表情のまま言葉を続けた。
「誰かに殺せと言われれば殺すし、生かせと言われればそれなりに生かす。けど、今は誰からも命令されてないしこの戦争の間は自由なんだろう」
影法師達が一言も発すること無くシグマの周りに現れ始める。
まるで何かを待つかのように。
「俺の雇い主が殺そうと追いかけて来るかもしれない。それでも、この感情を捨てることは出来ない」
シグマは1人呟き終わると敵であるオベロンへ相対し告げる。
その宣言はシグマと己自身のサーヴァント、『番人』にも向けられていた。
「俺は、マスターとして聖杯戦争に勝ち、このシステムそのものを破壊する」
コールズマン特殊矯正センター
「ほう………無事全員戻ってきましたか。いやいや、道を封鎖しておいて良かった」
肩を竦めながらファルデウスは、街の監視カメラの映像を見ながら、自らの腹心であるアルドラへ告げた。
「さて、胃の痛い日々が続きましたがこちらも本腰を入れる必要が出てきましたね…」
「まずは、何を?」
彼女の言葉に、ファルデウスは苦笑いをする。
「とりあえず、胃薬でも処方しましょう。出来れば副作用は出ない方が有難いですけど」
大通り
「戻って、これた…?」
フラットは目を擦りながら辺りを見渡す。
ビルとビルの隙間に出来た路地に座り込んでおり、空は青く澄み渡っていた。
『そのようだ。上手く彼女を丸め込めたのかそれとも…』
「いいえ!きっと状況を理解してくれたんですよ!!」
『……そうだな。彼らも同じように思うだろう』
「彼ら?」
時計となったジャックの言葉を復唱したフラットが視線を暗い路地の先に向けると、黒い人影立ち塞がるように立っていた。
「い、いつの間にっ!?」
『ほら、怖がってるから早く解除してよ』
声がすると泥を洗い流すように影が地面へ流れ落ちる。
影が晴れるとにこやかに笑う藤丸と無表情のエドモンが立っていた。
「藤丸君!!」
「無事でよかったよ」
藤丸の手を取り激しく上下へ揺らし歓喜を表すフラット。
『君のサーヴァントのお陰で私たちは救われた。感謝する』
「あれの事は気にしないでください。フラット君はこれからどうするの?」
「あ!後もう1人会いたい人が居るんですよ!交差点の方にいると思うからそう遠くないはず!一緒に行こうよ!」
フラットの誘いを承諾し、エドモンを霊体化させ2人は通りを堂々と歩く。
現実世界に帰ってきたのは事実だが、誰も歩いておらず夢の世界と大して変わらない景色だった。
「何処かに避難してるのですかね?」
『神秘の秘匿はこの街では日常茶飯事だろう。道路を封鎖でもしているだけだと思うが』
「あの、ジャックちゃ……さん。貴方は本来のジャック・ザ・リッパーなのですか?」
藤丸はかねてから聞きたかった質問をぶつける。
『いや。私は大衆が作り上げた逸話を題材に霊器を得た。言わば正体不明の殺人鬼だ』
「なるほど…。ちなみになんだけど少女の姿になれたりします?こう……銀髪で傷跡が顔にあって、露出多めの服着てる」
藤丸の知るジャックの特徴を教えるとフラットの足がピタリと止まる。
「ちょ、ちょっと待ってください…!まさか、あの水着みたいな服着てた子が!?」
顔を赤くしながらあたふたと手を振り始める。
『なんと……君の知るジャック・ザ・リッパーはあの幼子だったのか…。確認なのだがその少女の口癖は『解体』では無いか?』
「はい。その通りです」
『そう、か……。そういう、可能性も有り得るの…か…?』
「凄い…ジャックさんが明らかに困惑してますよ!」
『……いや、大丈夫だ。よく馴染む身体とは思っていたがそういう繋がりがあるとはな』
何処か納得したようにジャックは受け止めた。
己の願いである『自身がどのような姿であったのか』を知ることは出来なくとも、異なる世界で生きる
「ああ!いたいた!!」
フラットが交差点付近ではしゃぎ始める。
「あの子が目的の?」
警察隊の横に1人座る金髪の少女。
何かを探しているのかキョロキョロと周りを見ていた。
「……セイバーのマスターか」
「そう!俺、遠くから見てたんですけど何か気になるんですよ。あ、好意とかじゃないですよ!?」
『分かっているさ。そもそもマスター、好意の意味すら理解してないだろ?』
「そんなことないですって!ラブコメ映画もそれなりに嗜んでますから!」
「本当に理解してるって言うのかな…?」
楽しそうに談笑する2人を感じながらジャックはある願いを告げる。
『藤丸君、私から君へ頼みがある』
笑みを少しづつ消しながら腕時計を見つめる。
『私は知っての通り宝具も奪われた上、魔力も減りつつある。消えるのも時間の問題だ。だから私が消えた後、フラットのことを救って欲しい』
「な、何言ってるんですか!」
『英霊は触媒さえあれば何度でも召喚は出来る。だが、そこで得られた記憶は次の召喚には基本引き継がれない。だからこそマスター。こうして話している「私」の事を覚えていてくれ。それだけで今の私は満足だ』
「ジャックさん…」
遺言のような事を言うジャックに対しフラットは答えるようにいつもの笑顔を向けた。
「俺だって同じですよ。ジャックさんの正体がなんであれ、今話しているジャックさんが俺の知るジャックさんなんですから。もし、『ジャック・ザ・リッパーの罪を償え』とか言ってきたら俺が弁護しますよ!このジャックさんは正真正銘偽物です!償う必要は無いって!」
『………くく…ハハハ!それは、色々と本末転倒だろ!』
声を上げて笑うジャック。
楽しげに笑う魔術師らしくない青年と殺人鬼のコンビ。
魔術師ですらない藤丸はいつもの自分を横から見ているような感覚だった。
(俺もこんな風に笑えてたんだ…)
「おまたせしてすみません。それじゃ行きましょ!」
フラットは何物にも恐れぬような軽やかな足取りで、藤丸は何処か微笑ましく思いながらセイバーのマスターへ接触するために交差点へ出る。
「おーい、アヤカちゃーーん!」
「えッ!?誰!?」
突然声をかけられたアヤカが振り返ると、そこには十代中頃から二十代前半といった年頃の青年が2人立っていた。
金髪の青年は友達と会うかのように、黒髪の青年もぎこちなく手を振っていた。
「なんで私の名前を……」
警戒するアヤカの反応を見て、金髪の青年が言った。
「ああ、やっぱり別人だね!だよねー、魔力の流れが違うもの!でも、君はやっぱりアヤカって名前なんだ?」
「え………?」
訳が分からず、青年の方を見るアヤカ。
「あなた達は誰!?もしかして私の事を知ってるの?」
「俺はフラット。この人は藤丸君。俺は同じ顔と名前の子と友達なんだけど…君の魔力の流れ、そうか……」
アヤカを見て何かに気づいたフラットに対し、アヤカは警戒して距離を取りつつ問いかけた。
「待って……教えて!私の事知っているなら…アヤカ・サジョウが何者なのか知っているなら、私に教えて……!」
奇妙なことを言い出すアヤカに、フラットは真剣な表情になり頷く。
「うん…分かった。君は君自身のことが分かってないんだね」
「………」
沈黙するアヤカ。
それを肯定と受け取ったフラットは、彼女を安堵させるように口を開いた。
「あのね、君の身体はーーーーー」
ヒュン、と風切り音が藤丸の耳を通り抜けた。
続いてフラットの服に赤い『花』が一瞬にして染み込んだと思うとーーー一瞬遅れてドン、と近くのコンクリートが破裂する音がした。
「え?」
その声を発したのが3人の誰かは分からない。
フラットはその場にトン、と膝を着く。
『……フラット?』
ジャックの声が周囲に響く。
この開けた状況で姿を見せる時点で怪しむのは道理である。
周囲にいた同盟相手である警官隊はフラットを信頼していたこともあるが、第三者である藤丸が居る以上全員が初めて接触する相手であるのは変わり無かった。
だが、そんなフラットを撃ち抜いたのはセイバーと関わりのない第三の陣営による、魔力を伴わない狙撃だった。
そんな力の大部分を失ったジャックにはそのような手立ては無く、エドモンも長距離からの殺意に気づくことが出来なかった。
「あ……」
フラットは自らの腹に穿たれた穴を見ながら、狙撃されたと思われる方向に頭を上げる。
「まぶしいなぁ…なんも見えないや」
『フラット!』
「早くフラット君をーーー!」
藤丸はフラットの様態を見て咄嗟に守るよう指示を出そうとした瞬間、身体の内側が燃えるような間隔を覚えた。
目線を下ろすと腹に血まみれの手が沈みゆく夕日に照らされオレンジ色に輝いていた。
「俺の令呪を藤丸君に託すよ。だから……」
フラットは見えなくても理解していた。
二射目は己自身に放たれ確実に当たると。
だからこそ、藤丸へ託したのだ。
ふと微笑むように笑った刹那、二度目の風切り音と共にアヤカと藤丸の目の前で首から上が消し飛んだ。
「ッ!!」
「ひ……や……」
目の前で人が死ぬのは初めてでは無い。
だが、数秒前まで笑顔で話しかけてくれた者の頭が消えるのは初めてだった。
その光景を受け止めきれずアヤカは悲鳴をあげる。
もはや立ち上がる気も起きず、仕留められるのを待つだけだった。
だが、この狙撃の依頼主は決定的なミスを犯していた。
傍らに立つ一般人は幾千もの修羅場をくぐり抜け、同じ数の出会いと別れを経験してきたマスターであることを。
「アヴェンジャー!!」
藤丸が叫ぶとエドモンが黒い靄となりアヤカ諸共包み込み、一瞬にして離脱した。
コールズマン特殊矯正センター
『対象の頭部破壊を確認。追撃に入ります』
「ええ。魔術刻印も気にせず破壊してください。『歴史倒れのエスカルドス』のものですから」
無線機から入る報告を聞きつつ、ファルデウスは紅茶を飲みながらモニターを確認する。
アスファルトに倒れ臥した青年の死体が、追撃の銃弾によって奇妙なダンスを踊っていた。
「私はね、ムードメーカーというものが一番危険だと思っています」
アルドラに対してそんな事を告げながら、ファルデウスは優雅に紅茶に口を付けた。
「今回で言えば、次々と味方を増やしているあのフラットとセイバーは危険だと見ていました。その二人が結界内の世界で接触した可能性があるとなれば、早い内に始末をつけなければ私の胃が死んでしまいますよ」
「もう1人のマスターは?」
「あれは胃痛どころか癌ですね。切ろうにも切れず、無理に取ろうとすれば自身に跳ね返ってくる。ほんと厄介な存在を招いてしまいましたよ」
画面に映されていたのは藤丸の逃亡前の顔。
焦りはあれど絶望も悲観も浮かべていない。
「慣れているのか人の心が無いのか。どちらにせよ彼はまともではありませんね」
肩を竦めながらも紅茶をゆっくりと啜る。
「これが『胃薬』ですか」
「ええ。ストレスは一つずつ取り除くのが最適ですから」
ホッと安心したような表情を見せたファルデウスだが、モニターの1つが暗転したのを見た途端元の表情へ変わった。
そのモニターはフラットの死体を映していたからだ。
『ーーー応答求む、こちら【スペード】…ら…ード!』
ほぼ同時に狙撃班から無線が入った。
「どうしました?何か……」
問いかけようとしたが、無線が切れまた1つモニターが暗くなる。
「……!」
それを魔術的攻撃と判断したファルデウスは、隊員に持たせた無線を全て遠隔で起動させ傍受した。
『なんだ!なんだあれは!!』『ひるむな!撃ち続けろ!!』『ダメだ…もうッ…!』『化け物めッ…!』『ごめんなさい……』『違う……なんで……』『が………ギャァァァァ!!!』『助けッ…ゴ、ボボボボ……………』
『人間ジャッ…………』
モニターの暗転と共に、狙撃部隊の悲鳴が流れる。
やがて、少し離れたところから観測していた部隊から連絡が入った。
『こちら【ジャッカル!】 ファルデウス!なんだアレは!全く聞いていないぞ、こんな……!フラット・エスカルドスは魔術師だって言ってたよな、なぁ!?』
「落ち着いて下さい! 怪物…? フラットのサーヴァントが変身した姿の可能性があります。まもなく魔力が消えて霧散する筈、持ちこたえて下さい!」
『確かに化け物みたいな姿になったがお前の言う通り直ぐに消えた!けどな!そいつとは別の……クソ!なんでバレたんだ…!ああ、あれが吸血鬼とか英霊な訳ねぇだろ…待て待て待てぇぇぇぁぁぁァァァァァァ!!』
保険を敷いていた狙撃部隊と監視部隊が音を立て消えた挙句、スノーフィールド中に張り巡らされたカメラの映像が全てストップした。
この時間僅か数秒。
事実上目と耳を失ったファルデウスは、手から紅茶のカップを取り落とし、床でそれが割れる音すら耳に入らぬまま言葉を漏らす。
「いったい……何が起こっている……?」
やっとここまでこれた……
繰丘夫婦の抵抗が本編だと数行で終わるモブムーブだったので、FGOだからこそ出来る縁を頼りにオリジナル魔術にしちゃいました。
まぁ、勇者王激おこ案件ですけど。
そして中盤のフラット退場。
ここをどう繋げるか色々迷いましたが、ガンギマリぐだ男にすれば良いと考えこの展開にしました。
親しい人が消えるなんて展開チュートリアルで受けてるから問題無し!
ここから一気に流れが早くなるので筆がよく乗りそうです。