プリンセスダイバーズ~GBNお嬢様クラブはこちらですわ!~   作:二葉ベス

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なんにもないですわね!!!!!


第31話:なんにもないですわね!

「わぁ……。な、なんだこりゃ……!」

「なんというか。爆心地ですね……」

 

 主戦場に戻ってくると、何もなかった。

 『なにも、なかった』のだ。

 

 何かの爆心地。広々とした立地。

 おかしいな、さっきまで街は一応あった気がするんだけど。廃墟なりにも、あったような気がするんだけどなぁ……。

 何が、あったんだ……?

 

「あぁ、戻ってきたか!」

「な、何があったのですか、エマ様?」

「こればっかりは、コロンが説明した方がいいだろ。なぁ、元凶?」

「はわわわわわ!!!!!」

 

 明らかに動揺している。というかあたし、その手に持っている巨大なバズーカ砲に見覚えしかないんだけど。

 ガンダム試作2号機が使用していた核弾頭を搭載したバズーカ。その名を『アトミック・バズーカ』

 その威力は申し分ないと、古き日本の歴史が言っているのだ。この荒れた大地にも説明がつく。

 こいつ、それを地上にぶっ放したのか……。

 

「はぁ……」

「な、なーーーに肩をガックシしていらっしゃるの? 常在戦場であれば、常に食うか食われるかの戦い。であるのなら、核を使おうが何をしようが、勝てば良かろうなのですわぁぁああああ!!!!」

 

 チームプレイをしようね、って言った矢先これかと。ははっ……。

 もちろんミッションはクリア。当然だよね。辺り一帯塵芥になってるんだから。

 キラ・ヤマトとシン・アスカの活躍を見たかったのになぁ……。

 

 とりあえずミッションから帰投し、報酬を獲得。

 こういうときのBCは本当に美味しい。それからプラグインパーツ諸々。

 まぁ使うことはないからパスかな。

 

「エマさんはなにか出ました?」

「んへっ?! い、いやぁ? なぁんも出てないが?!」

 

 怪しい……。何か1つでもいいプラグインパーツが出たんだろうか。

 まぁいいか。あたしにはどっちであろうと関係ない。問い詰めるのがさらに面倒だからだ。

 

 それにしてもチームプレイを垣間見た程度だが、チーム内のバランスがなんとなく分かった。

 後衛はコロンさん。出てくる武器によってはアトミックな攻撃でどかーん! なんてのも視野に入ってきそうだけど。

 近中距離はあたしとエマさん。これで前にいるアメリアさんをフォローする流れだ。

 

 フォーメーションも考えておかないとなぁ。

 それから武器の把握とかも徹底して行っていかないと。

 

 なんて考え事をしていた頭を上げると、エマさんと目があった。

 今の感じはー……。何もかも嫌になったときでも真面目に働いてるタイプのエマさんの顔だ。

 

「だいぶ悩んでますね」

「フォーメーションとか攻撃範囲とかも考えないとと思ってて……」

「……それはいいんじゃないんですか? コロンさんを見れば分かると思いますけど」

「あぁ、あのトイボックスってご主人様が適当突っ込んだあれでしょ。……そういうことね」

 

 戦闘において、ランダム要素というのはあまり好ましくはない。

 ましてや援護を任せる後ろからシグマシスライフルやメガ粒子砲なんて飛んできた日には、速攻でフォースを追放することだろう。

 しかしまぁ、いったいどんなものが入っているやら……。

 

「どうしたんですの? 報酬をもらったらとっとと帰りますわよ!」

「……いや、ちょっと考え事をしてて。コロンの後見人ってどんな人なんだろう、って」

「それはわたくしも気になっておりました。」

「ふふふっ! どうやらわたくしの後見人にご興味があるのですわね!!!!!!」

 

 この際ハッキリ言ってしまえば、自分のELダイバーに適当な武器をてんこ盛りして外出させるって、とんでもないマッドビルドダイバーな気がする。

 あるいはコロンさんを看板娘的な扱いにして、自分がビルドした武器を売っているのだろうか?

 ……いや。後見人の名前出てないと分からないでしょうが。

 

 ◇

 

「ここですわ!!!!」

「こ、ここですか……?」

「完全に裏路地じゃん。周りの目がこわ……」

「エマさん、それでも海賊なんですか?」

「ロープレですし! 怖いものは怖い!」

 

 情けない女が1人。怯えて小動物みたいになっているお嬢様が1人。

 暗がりの裏路地をずいずい慣れ親しんだように歩く、エセお嬢様が1人、と……。

 あたしたちは、どこへ進もうとしているのだろうか?

 おかしいなぁ。さっきまでレイドイベントやってたはずなのに……。

 

 しばらくしてコロンさんの足が止まる。

 裏路地の途中ではあるが、よく見ると薄汚れた扉が1枚付いていた。

 そして近くのモニターに店名が一文。「マッドマーチャント」

 

「マッドマーチャント……。狂った、商人……っ!」

「ひぇえええ!!」

「そんな取り乱さなくても……」

 

 これあれだ。多分そういうRPのダイバーだ。

 なんでこんな場所にアホっぽいゲーミングお嬢様ELダイバーがやってきたんだろう。

 そっちの方が怖いよ、あたしは。

 

「ラムネ様! 入りますわよ!!!」

 

 遠慮なく。さらに思いっきりドアをぶち開けるコロンさん。

 もっとお嬢様らしくノックから入らないのかこのELダイバー。

 

「……んあぁ? あー、コロンさんか」

「前に言ってた方々ですわ!!!!」

「…………」

 

 部屋の中は薄暗く、旧世代のパソコンモニターの青白い光がぼんやりとラムネさんとやらを映す。

 水色の髪。ボサボサの三つ編みローポニテと目の下のくまが不健康そうに見える。

 少しくたびれた白衣のサイエンスコートがその性格を滲み出ている。

 

「ひょ、ひょっとして……、不機嫌だったり……?」

「……いや、眠いだけ」

「は、はぁ……」

 

 あ、この人。あたしと同じで徹夜するタイプだ……。




1年近く続いたレイドイベントを終わらせたし、そろそろ展開を進めねばね!
でもお仕事が! お仕事が!!
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