プリンセスダイバーズ~GBNお嬢様クラブはこちらですわ!~   作:二葉ベス

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リハビリ中なので初投稿


第39話:その名に誓いますわ!

 さてまぁ。仲間の準備はほぼ整ったと言ってもいい。

 アリサさんのフォース『AtoZ』。

 それからサイカさんのところのフォース『アストロ・ブルー』。

 

 他にも幾人もの傭兵を雇ったことでBCはほとんどスッカラカンだ。

 はぁ……。明日発売のエナジードリンクの新フレーバーが気になるところではあるけど、そこに関しては一旦よそにおいておくとする。

 

 決戦場の下見も見に行ったし、大まかな作戦についても細かいところは詰めるにせよ、だいぶまとまったと言っても過言ではない。

 あとはもう1つ。必要なことがあるとすれば……。

 

「本格的なガンプラの製作……」

 

 ハッキリ言って、ミレイナさんのナイトブラウドの強度は尋常ではない。

 シナンジュをベースにしたバランスの良い体躯から叩き込まれる猛スピード。

 サザビーのファンネルに加え、ビームショットライフルに大型の実体剣であるロングナイトソード。

 どれを取っても、ランカーにふさわしいシンプルで、故に強力な武具の数々。

 そして、本人はそれを手足のように動かす事のできる実力者の持ち主。

 

 正直、敵として出てこなければ真っ先に仲間に加えたかった1人であり、あたしの癖を最も理解しているであろう相手だ。

 恐らくあたしのアンタレスのことを事細かに研究し、あたしの一挙手一投足にも対応できるはずだ。

 

 あたしの基本的な戦術は堅実に戦い、隙を見せた場所から崩していくこと。

 要は持久戦が物を言う戦い方だ。

 対して相手はパワータイプ。矛と盾。構えが取れなければ一瞬で取られてしまうような相手なわけで。

 

「無理ゲーでしょ、こんなの」

 

 スタミナと集中力を切らさずに、一撃必殺のラッシュ攻撃を受け切る自信はない。

 つまるところ、必要なのはどれだけ相手に意外性を、隙を与えることができるか、だ。

 

「結局は視覚外からの一撃。ファンネルだよねぇ」

 

 目の前に鎮座するリボーンズガンダムの背面。GNフィンファングを眺めて考える。

 リボーンズガンダム自体、作中では背面のリボーンズキャノンとの変形、さらにはGNフィンファングによる全領域での戦闘を可能にしている。

 あの刹那のダブルオーライザーを半壊にまで追い詰めたラスボス機体。

 今回、これに頼ろうと思っている。

 

 本格的な戦争の前にガンプラを新調するのは、恐らく愚の骨頂だと思われる。

 慣れない機体、装備で強敵に挑めるほど、あたしの操縦スキルは高くない。

 そもそもこういうのこそ、ガンダムアンタレスで挑むべきだと考えるが……。

 

 データとして揃っていない新規の装備であれば、相手にも対応せざるを得ない隙ができる。

 相手の強力な攻撃を受け流し、隙を与えた後に一撃で勝負を決める。

 一長一短のあるハイリスク・ハイリターンな作戦のリターンを目当てに運用することにした。

 

「って言っても。どうしようかなぁ……」

 

 とりあえず素組みでリボーンズガンダムを組み立てたけど……。

 変形ギミックいる? これ。

 イノベイターであるリボンズならまだしも、あたしが扱うには手に余る代物だ。

 強力なギミックなんだろうけど、関節とか強化のしようがないし、オミット、っと。

 

「あとはGNフィンファング、かぁ……」

 

 どう考えても今回の奇襲作戦に必須の誘導兵器。

 なんだけど……。攻勢に転じるだけでいいのだろうか?

 あくまで使い切りのファング兵器だ。ならビットのような特殊な動きをしてもいいんじゃなかろうか。

 

 例えば防御に使う用と考えて、じゃあ攻め手はビームライフルとサーベルでいいのか?

 よくないでしょ。いくつか追加要素を入れないと防御だけ強くても、ジリ貧になって攻め落とされる。

 

「あー、もう。だからガンプラ作りって苦手なんだよぉ……」

 

 手足を投げ出して、背中からバタンと倒れた。

 はぁ……。今ごろアメリアさんはアリサさんと一緒に修行中かなぁ。

 モチーフがあるにせよ、アリサさんのマジンガンダムは本当に素晴らしい出来だ。

 アメリアさんのベギャンベウも相当いいセンスしてるし……。

 

 理論的に考えるのがよくないのか?

 ガンプラは自由って言うけど、自由すぎて何から手を付ければいいか分からないんだよなぁ。

 はぁ……。こういう時はモチーフでもネットから拾ってこようかな。

 

「……あー、ガンスタグラムいいなぁ。このガンプラかっこいいー」

 

 こうしてSNSにかじりつく作業者の完成である。こんな事をしている場合じゃないんだけど。

 いやだってね? 飽きるからこうやってSNSに潜るんだよ。

 そしたらこうして沼に沈んでいくんだよ。そう、ショート動画沼とか、ガンプラ写真漁りとかさ。

 時間がー。過ぎてくー。あー!

 

「でもいいなぁ……。こんなガンプラ、思いつきたいものだよ」

 

 ガンダムMk-Ⅱを軸にしたスーパーガンダムにも似たガンプラ。

 ストライクガンダムにストフリ要素を組み込んだスーパーストライクフリーダムガンダム。

 これはνガンダムとRX-78のミキシングだろうか?

 

 それぞれ思い思いの夢を詰め込んで、ガンプラを形にしている。

 ……あたしはどうなんだろうか?

 

 あたしの夢。あたしの、願い……。

 

「あたしは……」

 

 ふと、目に入るのはGBNにログイン中のアメリアさんの身体。

 ゴーグルを付けてすやすやと、まるで寝ているようにも見える。

 あたしは、この子を守りたい。お互いに逃げ出すだけの臆病者同士。

 最初は目と目が合っただけで巻き込まれるだけだったけど、お互い腹を割って話して通じ合う何かを感じるようになった。

 

 ――妹のように感じる時だってあった。

 

 今だって、親子で話し合うべきだとは思うけど、それでも……。

 こんな強引なやり方には賛同することが出来なかった。

 

 確かに、きっかけはアメリアさんの家出だった。

 なんであたしが。そう思うことだってあった。

 

 守るだけじゃない。今度は戦わなくちゃいけない。

 戦って、チャンスを勝ち取って。それから。それから……。

 

「……あ、そっか」

 

 目に入ったガンプラが何気なく答えを示していた。

 戦いを勝ち取ったあと。その後に待つものは勝利だけじゃない。

 

「対話して。アメリアさんは自分だけの道を歩まなきゃいけないんだ」

 

 そのための準備。お手伝い。

 必要な、ガンダム……。

 

「……っよし! ふう。頑張るかぁ!」

 

 点と点が線になったように繋がった感覚がした。

 あぁ、そうだ。そうなんだ。

 あたしはその想いをこのガンプラに込めよう。

 

 今度こそ、嘘を付かないように。

 守ると誓ったもの。それを手放さないようにと、願いを込めて。

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