人間よりも遥かに長い時を生きる種族にとって、何もすることがなくなる
全員が全員そうではないし、そんな妖怪や妖精はまだ見たことはないけど、人伝で聞いた記憶がある。私自身、退屈な時が長引くと気が抜けていくから、これは本当なのだろう。
もちろん、だからと言って常々新たな刺激を求めすぎると疲れるから、趣味に使う時間とは別に純粋な休息の時間も、少しは必要だ。
いつも一緒に住んでるサニーやスターも、私の想像するそれとはちょっと違うけど、そんな時間を作って過ごしている。
「ふふっ! この謎に満ちた感じ、どこかにお宝とかありそうでワクワクするわ!」
「それにしても、こんな場所が幻想郷にはあったんだねー。私たち、結構探検とかしてたはずなんだけど」
「もしかしたら、大地ごと幻想入りって奴かも知れない」
「「あー……確かに!」」
ちなみに、今日は事前に見つけていた、遥か昔の古代文明の遺跡とでも言うべき、独特な雰囲気と力を感じる場所に入念な準備を整えた上で、いつもの3人で探検に訪れていた。
(本当に、誰もいない。一体ここは、どんな場所なの……?)
所々から生えている綺麗で頑丈な魔法の水晶、そこから放たれるぼんやりとしていて、浴びると元気が出てくる不思議な光。
外から迷い込んだと思われる小動物を多少見かける程度で、妖精はおろか人ならざる存在や人間すら一切見かけないことによる、究極の静寂。
迷っているだけかもしれないけど、相当歩き回っても探索しきれない広さなのも相まって、かなり楽しくなりそうだ。
「「「わぁ……!」」」
サニーやスターがはしゃぐ様子を見つつ、少し眩さを増した光が差す方向へ導かれるように歩いていくと、唐突にかなり開けた場所へと出た。
ここに来るまでも幾度となく見かけた魔法の水晶、それが大小様々なかけらで床に散らばっている。
大きめのやつも上下左右見渡す限りに生えていて、道端の石ころどころか生い茂る雑草レベルと断言しても良い。
さっきまででも十分に楽しめているけど、今まで見た記憶がないこの光景は水晶より放たれる光の特性も相まり、私も気分は高揚している。
「心奪われるって、この事を言うのね! 床に落ちてる奴なら、少しだけ持ち帰れる余裕はあるわ!」
「確かに。でも、持って帰ったところで使い道ないけど」
「魔理沙とか香霖に渡せば、何か作ってくれるんじゃない? 硬いし、分からないけどね」
ともなれば、サニーやスターが興奮して余計に騒ぎ始めるのも、これまた自明の理だと言えた。
勿論、止めるつもりなんて全くない。楽しむために探検しに来た上に危機的状況にない今、止める理由が全く存在しないからである。
とは言うものの、私たちにとっては未知の場所であることも事実、色々と楽しんだりしつつも警戒心を完全に捨て去るような真似はしない。
「うわっ!? ちょっ……2人とも、早くこっち来て!」
そんな時、気分が高ぶるあまり先行していたサニーが突然、大声で私とスターを呼んでくる。予想外にも程があるものを見たと言いたげな、そんな表情をしている。
(わぉ、これは確かに予想外……)
無論、サニーの下へ私とスターは駆け寄る訳だけど……まさか、こんなところに
で、このまま放置しておくのも忍びないから、手早く魔法のリュックから私の替えの洋服を取り出し、3人で協力して着させてあげる。
これによって、何かしらの要因で服が汚れた時に私だけ着替えられなくなったものの、今気にすることでもない。
「ルナの服が似合って良かった! でもこの
「こっちが聞きたいわ。ただ、私の予想だと生まれたてだからか、もしくは身ぐるみ剥がされて逃げてきたかのどっちかだと思う」
「スターの言う通り、確かにどっちの可能性もある。だけど、前者である可能性の方が高そう」
「そう? 妖精が全裸で生まれるなんて話、聞いた記憶ないし……うーん、やっぱ分からないわ」
しかし、問題はこの横たわっていた妖精をどうするかである。介入した以上放置はないけど、ここで目覚めるまで見ててあげるか、遺跡から連れ出して私たちの家に招くか、はたまた別の流れとするかは未定なのだ。
それにしても、水晶の間に来るまでは小動物以外に生き物を見れすらしなかったのに、いきなり妖精が出現するなんておかしいとしか思えない。
しかも、
と言うことは、可能性として生まれたての可能性が高くなった訳だ。
まあ、そうなると何故全裸だったのかとの疑問は残るけど、それは重要じゃないから放置で良いや。
「んにゃ……」
すると、件の妖精が妙に可愛げのある声を発したと同時、閉じていた瞳を開く。まるで、朝の寝ぼけている2人みたいである。
「ねえ、あなた! 身体の調子はどう? 大丈夫かしら?」
「えっ……えっ? あ、うん。何ともない、かな?」
「なら良かったわ! こんなところに倒れてたから、心配したのよ」
「そう……」
キョロキョロと、綺麗な琥珀色の瞳で私たちや周りの様子を伺う仕草から、相当困惑はしているようではあるものの、サニーの問いかけにも普通に応対しているのを見るに、体調に問題はなさそうだ。
(もしや、生まれたてじゃない? だとしたら、まさか記憶が……?)
しかし、どうにもこの妖精の行動が気になる。困惑しているのはまあ納得できるとして、自分の姿に違和感を持っていると言わんばかりの振る舞いは、生まれたての妖精が起こす行動にしては明らかにおかしい。
まるで、何かしらの外的要因により記憶を失ってしまった、人妖に見られる反応そのものだと言えた。
「唐突で悪いんだけど、あなた自分の名前は覚えてる? 後は、親しかった人妖や神、妖精の名前とか顔とか……この際、自分に関わる内容だったら何でもいいから」
「……」
今後どうするかの判断材料にしたいのもあり、記憶の有無についてを尋ねてみると、難しい問題を解いているチルノみたいな仕草を見せ始めた。
もう間違いない。この妖精は全てではなくとも、肝心な記憶の大半を失っている。
サニーやスターも彼女の様子を見て、私たち以外に誰もいないここに置いていく選択肢を消していたが、まあそうなるだろう。
問題としては連れていく場合、家に4人分のスペースを作れるかどうかだけど、その点に関しては読書スペースのために少し広めにしてある私の部屋に、取り敢えずの寝具を置けば即解決する。
言わずもがな、出来るだけ早めに個室を用意してあげるつもりだ。
「ごめん。無理言って」
「僕は大丈夫。全然、気にしてない」
会話を続ける中、時折彼女は恐怖と不安が入り交じったかのような表情をすることがあるけど、当たり前である。
記憶がない……周りが全て理解できないもので埋め尽くされた上で、唐突に孤独を強要されるも同然なのだ。
何なら、彼女をこうなるまで追い詰めた
「さて! こんなところに1人で居るのも不安だろうから、もし良かったら家に来る?」
「妖精さんたちの家……?」
「勿論、無理にとは言わないわ! 逆に、私たちと居る方が怖いって思ってるかもしれないし」
「……ううん、ありがと。皆が良ければお願い」
そんな、勝手な私の想像が遠からず当たっていたからか、サニーからの勧めに彼女は考える素振りを一切見せず、首を縦に振った。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ