妖精である僕やサニーたちは当然として、魔法の森に生えている木々すら遥かに凌ぐ高さと幹の太さを誇る、
結界の範囲内のみではあるものの、ありとあらゆる面で調和が取れていて、幻想郷で最もリラックスできる場所と言い切れる。
ただし、僕は未だに幻想郷の
とは言え、ここは僕に無償の幸せを提供してくれているサニーたちが住んでいて、かつ色々な面で大切にしている場所でもある。これも考慮すれば、決してそうとは言い切れない。
「メノ! 練習、今日はこの辺にしときましょ!」
「だな。休憩を挟んでいるとは言え4時間半、確かにここらが潮時だぜ」
「まだ行ける気はするけど……うん、分かった」
勿論、サニーたちに我が家を捨てて引っ越さざるを得なくなる、何かしらの出来事が未来に発生する可能性はゼロではない。
仮に発生してしまえば、僕が幻想郷で最もリラックスできる場所は、別の場所に変わるか消滅する羽目になる。
しかし、それ以外では例え何が起ころうとも、決して変わることはないのだ。
「ところで、メノの妖力の扱いは良い感じだと私は見るのだけど……魔理沙から見たら、どう?」
「上手くなってるのはさることながら、そのスピードが想像以上だな。本当、良く頑張ってると思うぜ」
「えへへ。これもサニーたちと、魔理沙さんのお陰だよ。後は、この子が見守ってくれてたから」
「この子? もしかして、サニーが持ってる猫のぬいぐるみのことか?」
「うん……5日前、だったかな。香霖堂に皆で遊びに行った時、運良く再会した僕の心の支えなんだ」
「マジか。いや本当、香霖のところにあって良かったな」
それに、最もリラックスできる場所とは別に、最も楽しく遊べる場所に関してであれば、時と場合によってコロコロと変わっていくことも忘れてはならない。
飛行能力については言わずもがな、妖力の扱いに関しても着々と技能が向上しているため、魔法の森以外で僕が行っても心配ない場所が、近い内に増えるからだ。
初めての場所や人とのコミュニケーションに対する緊張感も、猫ちゃんぬいぐるみさえあれば完全ではなくても軽減できるようにはなったけど、敷地の外に持ち出すことはあまりしないでおくつもりである。
(絶対に手放したくない。けど、落としたりするのはもっと怖い……)
何かの拍子に落としてなくしてしまったり、修復不可能なレベルでボロボロになり得る事態に巻き込まれるなどと言った、そんな可能性が全くない訳ではないのだから。
無論、サニーたちの手が空いていない時に余程緊張するような場所に行く、もしくはプレッシャーの強い人や妖怪さんと会うことが事前に分かっていれば、その限りではないけど。
「……ねえ、魔理沙さんにサニー。複数人、こっちに近づいてくるよ」
そんなようなことを考えつつ、僕の練習に今日も付き合ってくれたサニーや魔理沙さんと話をしていた最中、この場に僕の知らない誰かの足音や話し声が複数、近づいてくるのを微かに察知してしまう。
我が家であること、サニーたちや魔理沙さんや
とは言え、知らない誰かが接近してきていることに変わりはなく、人数も多いことから自然と身体に力が入っていく。幸いなのは、嫌な気配ではないことか。
「複数人? 何人くらいだ?」
「5人くらい、かな? 微かにだけど、話し声と足音が聞こえてきて……ん?「あたいたちは、最強だー!」とか叫んでる……?」
「あっ。それ、絶対にチルノたちよ! 知らない誰かじゃないわ!」
なお、感じていた緊張もサニーが発した言葉によって、更に和らいでいくこととなる。
やって来ているのが、サニーやスター、ルナとの話でも度々登場している妖精さんたちであると分かったからだ。
例え家から出ずとも、サニーたちの友達として向こうから来る以上、鉢合わせる回数は相当多くなるだろう。
自分の部屋に閉じ籠ろうかとも考えたけど、この際だから顔合わせくらいはしておいた方が、今後のためにも良いかもしれない。
「サニー! 今日はいつもの面々で遊びに来たぞー!」
「ありゃま。でも、いらっしゃい! それにしても、良く全員集まったわね」
「あたいちょっと頑張ったぞ! 最近、妖精会議開いてなかったし!」
ただ、ある程度近づいてきたところでその5人の妖精さんたちが僕……と言うよりは、サニーの前に風を伴って瞬間移動してきたことが衝撃的過ぎて、その考えが引っ込んでしまう。
ちなみに、彼女たちと親しいサニーは言わずもがな、魔理沙さんも全く驚いた様子を見せなかった。
僕が事前に察知したことで準備が整ったのもあるだろうけど、元々付き合いが深かったから平気だったのだと、僕は思っている。
「ところで、サニーちゃん。魔理沙さんの隣に居る子は誰? 前に来た時は居なかったけど」
「あっ、それあたいも気になってた! ルナと一緒の洋服を着てるから尚更!」
「少し前に私たち光の三妖精、もとい光の四妖精の仲間になった妖精よ! テルースメノウ、いつもメノって呼んでるわ!」
「ふーん……なるほどね」
それにしても、僕が5人の妖精さんたちから注目を集めること自体はまあ、それなりに想定してはいた。お互いに、知らない他人だからだ。
しかし、中でも星条旗柄の服装をした妖精さんと、少しひんやりとした冷気を漂わせる妖精さんからの注目度は、ちょっと高い。先んじて、僕の下へと近づいてきたのを見れば分かる。
これはどう見ても、僕が他人だからと言う理由だけではない。2人にとって、他に何か気になる要素が1つないし複数存在しているが故の注目だろう。
「あたいは地獄の妖精、クラウンピース! サニーの仲間ならもうあたいたちの仲間みたいなものだし、仲良くしよう! メノ」
数秒間の沈黙の後、
自分が先に言おうとしたのか、名乗りをあげたクラウンピースさんを見るチルノさんは、ちょっとだけ悔しそうな感じを醸し出していた。
「おーい! あたいがリーダーなんだから、名乗りはあたいが先だぞ!」
「そうだっけ? でも、まあ良いじゃん。チルノに仲良くするなって言ってる訳じゃないし」
「確かにそうだけど……」
「2人とも、メノが困ってるぜ。話し合いならまた後にしておけ」
「「あっ、ごめん」」
案の定、クラウンピースさんが話を終えるタイミングで、チルノさんがこのことに対する文句を言い始めたけれども、これは魔理沙さんが場を収めてくれたため、大したことはなく済む。
(賑やかだなぁ。流石は妖精……まあ、僕もなんだけど)
同じ種族で、程度の差こそあれサニーたちと親しい間柄なだけあり、仲良くなれば楽しいに違いない。
まあ全員、僕とは違ってワイワイ騒ぐのが好きな感じで、友達になって仲良くなっても、ノリについていけない時だってあるだろう。
ただ、5人なら例えついていけない時があったとしても、責めるような態度は取ってこない。僕の方から酷いことさえしなければ、全員がきっと優しく接してくれると、確信を持つ。
「僕で良いのなら、よろしく。えっと……呼び方はどうする?」
「あたいの呼び方? クラピでもピースでも好きにしたら良いよ。ちなみに、サニーたちはピースって呼んできてる」
「それと、妖精最強のあたいはチルノ! 友達になるんだし、皆と同じだと嬉しいぞ!」
「分かった。ピース、チルノ……ありがとう」
だから、僕は先んじて自己紹介をしてきた2人を含め、5人全員と『友達』になることを迷わず決めた。
とは言え、幻想郷を元気良く飛び回っているであろう皆と違い、僕はまだ色々な面でその領域には至っていないのだ。
故にしばらくの間、我が家や香霖堂で遊ぶことになるのを、しっかりと伝えておかなければならないだろう。
無論、出来る限り早く皆のように、幻想郷を巡れるだけの準備を済ませることも忘れない。
「わぁ、全員総出で遊びに来たんだねー。ここで居るのもなんだし、家の中に入ってきて!」
心の中でそう決意を固めつつ、他3人の妖精さんとも同じやり取りを交わそうとした刹那、外が妙に騒がしくなってきたことに気づいたのだろう。
様子を見に、家から出てきたスターがそう声をかけてきたことにより、続きは家の中へ持ち越しとなる。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
-
チルノ&大妖精
-
エタニティラルバ
-
クラウンピース
-
リリーホワイト
-
全員
-
作者にお任せ