家の庭でやり取りを交わし、心優しいと直感した妖精のピースとチルノ。
リーダー格の2人だけでなく、他の3人も同等かそれ以上に優しい妖精さんだったことを、僕は強く実感していた。
家の中に入って行った続きのやり取り、その後のサニーたちによる補足説明や
「メノちゃん、良かったね。サニーちゃんたちに見つけてもらえて」
「うん。だからこそ、大ちゃんやリリー、ラルバにピースにチルノ……5人みたいに、優しい妖精さんと僕が友達になれたから、感謝しなきゃ」
「嬉しいこと言ってくれるね……あれ? ちょっと涙ぐんでるー?」
「間違いなく涙ぐんでるよ、リリー。この子には幸せが圧倒的に足りないって、サニーたち3人が口を揃えて言うだけあるわ。正直、嘘だと思いたいけど」
「……」
瞬間移動ができる風妖精の大ちゃん、とんがり帽子を被った春告精のリリー、アゲハ蝶の妖精であるラルバ……ピースやチルノもそうだけど、5人がここに来た目的は皆で楽しくワイワイ騒いで遊ぶことだ。まかり間違っても、重たい話をしに来たのではない。
しかし、現状の雰囲気ではとてもじゃないけど、騒ぐ気にはならないだろう。このままだと、楽しいとは程遠い時間が過ぎていく可能性が高くなる。
ともなれば、いくら僕について詳しい説明をすると自身が決めたことであれ、大なり小なりサニーたちがどんよりとした気分になると見て良い。
まあ、1番は僕が皆から向けられる優しさが嬉しくて、相変わらずうるっと来ていたのと、サニーたちの話す内容に一切口を出さずにいたことが原因なのだけども。
「さてと、新しい仲間のメノと魔理沙も加えて妖精会議だー!」
「妖精会議と言う名のお遊び会だけどね! 取り敢えず、何をしようか考えなきゃ!」
「ん? 私は妖精じゃないが、良いのか?」
「魔理沙は例外だぞ! あたいたちがそう決めてるから問題なし!」
「そうか。なら、このまま付き合わせてもらうぜ」
どうにかしようと考えていたその時、チルノが右腕を掲げると同時に、笑顔かつ元気な声で皆に呼びかけてきたことで、一気に雰囲気が変わっていく。
僕の代わりにと言う訳ではないのは明らかだけど、結果としては代わりとなってくれた訳なので、本当にありがたい限りである。
ちなみに、僕が来る前は弾幕ごっこや能力を使った遊び、幻想郷内での人妖を対象としたイタズラも敢行する時があるらしい。
(イタズラかぁ……サニーたちとやれば、楽しいのかな……?)
どれもこれも、今の僕には到底できそうにもないことばかりだ。しかし、いずれはできるようになって、ここに居る仲間たちと泣いたり笑ったりして、より充実した日々を過ごしたい。
だからこそ、魔理沙さんが来てくれる日は妖力の扱い方の勉強、および実技練習を中心に、もう問題ないと太鼓判を押された飛行についても、可能な限り高みを目指していく。
指定された休日や僕の体調が悪い時、サニーたちやチルノ一行に遊びに誘われた時以外は、無理していると言われないギリギリのラインまで頑張るつもりである。
「メノ、何か気合いでも入れてる?」
「まあね。それより、
「ええ! さっきも言ったけど、会議とは名ばかりのお遊び会だから、楽しければ何でも良いわ!」
「そっか。じゃあ、僕から少し提案があるんだけど……大丈夫、かな?」
「勿論よ! それで、提案って何かしら?」
改めて決意を固めた後、色々と考え事をしていた僕はサニーに対して、ある提案を持ちかける。
僕がサニーたちの
無論、前世で表すところの『ゲーム機』ではない。
トランプやかるたを筆頭としたカードゲーム、オセロに将棋にチェスなどの、電気を必要としないボードゲームのことである。
しかも、一部のゲーム以外は多少破けるなどして読みづらくなっているものの、説明書が付属しているおまけ付きであった。
「別に良いけど……あの中で、何かやってみたいかもって思ったゲームとかはあるの?」
「ううん、特別やりたいってゲームはないよ。でも、出来ればルールが分かりやすいものがいいかな」
「ええ、分かったわ! じゃあ、取り敢えずトランプのババ抜きをやりましょ! 他の皆はどう?」
家にあるゲームの殆んど……チェス以外であれば前世でやったことがあり、ルールもある程度は覚えているため、説明書はなくても大丈夫だ。
ただし、内容が内容故にサニーたちにすら打ち明けられない僕の秘密が、この場で公になる事態は是が非でも避けなければいけない。
騙す形となって申し訳ないし少し辛いけど、ここは何も覚えていない妖精として、説得力を持たせるために一芝居打とう。
(……ごめんね)
例え、誰に迷惑がかかっていないとしても、この秘密をいずれ
「別に良いぞ! 簡単で、なおかつ盛り上がれるからな!」
「ババ抜きか。よっしゃ、今日も私が勝つ……いや、マジの初心者のメノが居るし、少し考えるべきか……?」
「大丈夫だよ、魔理沙さん。ボロ負けしても、僕は気にしないから」
「そうか? なら、いつも通り本気で行くぜ!」
なお、僕の提案はサニーたち含めた全員に快く受け入れられ、最初に行われるゲームはトランプのババ抜きと決まった。
チルノが言うように、単純明快かつ誰でも盛り上がることのできる勝負事なので、きっと楽しくなるに違いない。
ただ、1度に参加できる人数が8人まで制限については、流石にこれをねじ曲げると不都合が生じるとの理由で、5人ずつ2回に分ける流れとなる。
1回目のメンバーは僕と魔理沙さん、ラルバにピースにチルノ。
そして、2回目のメンバーはサニーとスターとルナ、大ちゃんにリリーである。
(うわっ……いきなりババ引くとか、運悪いなぁ)
リビングの隅にある棚からトランプを取り出し、サニーが僕のためにルールを説明してから配られ、始まったババ抜きは幸先の悪いスタートとなってしまう。
どうにかしてババを持っていることを悟らせず、チルノに引かせなければならないけど、流石に都合良くいきなり引いてくれる訳もない。
「へへーん、あたいは残り3枚で上がりだぞ!」
「うぉっ、マジか。どうやら、チルノに流れが向いてるらしい」
「だねー。でもまだ序盤も序盤、勝負はこれからよ!」
案の定ババを引いてくれるはずもなく、それどころか手札に同じ数字のカードがあったらしく、場に捨てられてしまった。
僕の手札は残り4枚で、まだどうとでもなるレベルだから慌てたりはしないけど、もたもたしてたら負けてしまう。
ボロ負けしても気にしないとは言ったけど、勝ちたい気持ちがない訳ではなく、むしろ少し強い。
「うーむ……駄目だ揃わん。啖呵を切っといてこれとは、何とも恥ずかしいな」
「そんな日もあるよ、魔理沙。実際、この間は運も味方して圧勝してたしさー」
「まあ、そりゃそうだ」
なお、魔理沙さんはいまいち振るわないのか、手札は全員の中で最も多い6枚のままだ。
だけど、観戦中のリリーとの会話から、そんな状況からでも大逆転し得る力を秘めていると分かったので、最後まで油断はしない方が良いだろう。
「よーし、これでおしまい! あたいが1位だー!」
「うっわぁ。怒涛の3連続揃いでフィニッシュしちゃったよ、ピース」
「こりゃ参ったな。1位を取れなかったって意味じゃ、私の完敗だ」
「ぐぬぅぅ! クラピに先を越されて悔しい……!」
相変わらず、チルノにババを引いてもらえず3周目に突入したその時、ラルバの手札を引いたピースが手札を全て場に捨て、圧倒的速さで1位となった。
相当嬉しかったのか、両手を挙げて喜ぶピースの笑顔が本当に輝いて見える気すらしてくる。
(僕って、そんなに分かりやすいのかな……? 羽の色云々は、魔理沙さんやサニーたちしか今は分からないはずなんだけど)
ちなみに、現時点での僕の手札は3枚と、取って取られを繰り返すだけで殆んど減っていない状態だ。
他の2人……チルノと魔理沙さんは、僕やほぼ同じ枚数のカードを持っているラルバと違い、かなり順調に手札を減らせている。
と言うか、あっという間に残り2枚で上がれるところまで来ているため、そう遠くない内に勝負が決まるに違いない。
「よし、何とか2位に滑り込めた! 面目はギリギリ保てたか?」
「どうだろうねー。でも、2位なら十分勝ったと言えるし、良いんじゃない?」
そうして、2~3周順番が回って魔理沙さんの番がやってきた時、彼女はラルバから迷いなくカードを引き、手元にあった同じ数字のものを場に捨てて上がっていった。軍配はどうやら、魔理沙さんに上がったようだ。
しかし、次の周回で僕から引いたカードで数字が揃ったチルノが、3位で上がっていく。状況次第では、順位が逆転してもおかしくはなかっただろう。
(ふぅ。やっとババが、僕の手元から離れてくれた。けど……)
残り2人となり、流石に僕もそろそろ焦り始めてきたところで、魔理沙さんの見よう見まねの盤外戦術が功を奏したのか、ラルバに上手くババを引かせることに成功した。
「げっ、また引いちゃった……」
「メノ、まだまだ勝負は分からないよ!」
と思いきや、一瞬であれ浮かれてしまったのが駄目だったのと、ラルバの盤外戦術にはまったのもあり、結局秒でババを返されてしまう。
このままでは負けてしまうと本格的に焦ってしまった僕は、先程通用した見よう見まねの盤外戦術を使用、再びババを引いてくれるように最大限促していく。
「……わーい、上がりだー! けど本当、ギリギリだったなぁ」
「あはは、負けちゃった……けど、楽しかったよ」
しかし、
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ