「外で楽しく遊んでるかな、メノ。何もないと良いけど」
行き先が魔法の森内部で収まり、なおかつ3人は私たちが信頼している友達である。
そして、メノとも仲の良い友達であり、表情や羽の色から本人も外出に乗り気だったと、当然分かってはいた。
だから、私は許可を出して遊びに行かせたのだ。この選択を後悔したりはしてないし、スターとルナもその点に関しては同じである。
「きっと大丈夫よ! 何て言っても、チルノたちが一緒なんだもの!」
「まあね。でも、初めての試みだから心配なのは分かるわー」
「うんうん。だからこそ、今日の経験を糧に笑顔が増えてくれると嬉しいわ!」
「確かに。時折見せる、メノの何か思い詰めたような表情は、目に入る度に本当に辛くなるし」
「私としても、大切な
しかし、私たちどころか他の誰にも想像できないような、壮絶な過去を持つメノにとって、外出は相応に体力や精神力を使う行為なのだ。
いくつかの好条件が揃っていて、スターやルナとも話し合いを行い、私が最終的に許可する判断を下したとしても、心配に思うのは仲間として至極当然のことと言えるのではなかろうか。
(ふふっ。楽しんでくれてると良いわね!)
そう考えると、楽しかったか否かは恐らく関係なく、家に帰ってくる頃には相当疲れているに違いない。
なら、その時に備えてリラックスできるように、色々と準備をしておいてあげるとしよう。
「2人とも。メノが帰って来た時にゆっくりできるように、色々とやっておいてあげましょ!」
取り敢えず私はお風呂の準備やその他諸々をやって、スターにはちょっとした和菓子と緑茶を用意し、バスケットの中に入れておいてもらおう。
そして、ルナには大切にしている猫のぬいぐるみをリビングのテーブルに置いてもらい、ベッドを整えてもらえれば完璧だ。
ちなみにだけど、メノの自室へは机の上に置いてある『日記帳』を勝手に見なければ、自分が居ない時でも自由に入って良いと言われている。
本人曰く、「僕の秘密は、そこにしかないから」と言うのが理由らしいのだけど、私たちに全幅の信頼を寄せてくれていることは、火を見るより明らかだった。
だからこそ、日記の内容は正直気にはなるけど、許可をもらわない限りは絶対に見ない。私は当然として、スターもルナもそう誓っている。
「ありゃま……サニー、ルナ! メノたちが戻ってきたみたいだから、取り敢えず出迎えましょー」
手早くやることを済ませ、再び一息つこうとしたそのタイミングにて、窓から外を見ていたスターが皆の姿を捉えたらしい。私とルナに向けて、大きな声で呼びかけてきた。
確か、魔理沙の家から香霖堂へと向かい、そこからアリスの家とラルバの秘密基地へ向かう予定だと聞いていたけど、それにしてはまあまあ早い。
と言うことは、途中でメノの体力か精神力が限界に達しかけたか、1ヵ所に留まる時間を大きく減らしたのどちらかだろう。
どちらにせよ、予想した通りに疲れていることは間違いないので、色々と話を聞きたい欲求を抑えながら玄関へと向かい、出迎える態勢を整える。
「よう、3人とも。先に謝っておくが、メノに無理をさせて悪かった」
「「「ん??」」」
そうして玄関の扉を開けた訳なのだけど、何故か目の前に居た爆睡しているメノをおぶった魔理沙から、真剣な面持ちで謝られたので、私たち全員は面食らう。
(魔理沙がここまで頭を下げてくるなんて……一体何があったのかしら?)
ただ、魔理沙が故意に無理をさせるような命令をするとは思えないし、メノだって私たちとの約束をそう易々と破るような妖精にも思えない。
まず間違いなく、誰も予想だにしなかった出来事が発生した結果、こうなってしまったのだろう。
「分かったわ。魔理沙の謝罪は受け入れる……その上で、何があったのか聞かせて」
「ああ、勿論そのつもりだ。起きたことを全部話すぜ」
「チルノと大ちゃん、リリーにも一応話を聞きたいわ。良い?」
「「「うん!」」」
と言う訳で、魔理沙も含めて全員を家に上げた後、メノの自室に向かいつつ起きたであろう出来事についてを尋ねたところ、案の定予想すらできない事象が発生していたことが判明した。
まず最初は、魔理沙が魔法の実験に失敗、実験室を半壊させる事故を起こして軽い怪我をしたタイミングでメノたちが来訪する。
で、親しい友達が怪我をした事実にメノがパニックを起こし、同時に『程度の能力』と思わしき力が覚醒、ほんの数秒で魔理沙の怪我が全快した上に活力まで漲ってきたとのこと。
あまりにも強力で、なおかつ初めて発動したことによる負担が大きかったらしく、遊びを中断して一旦魔理沙の自室でじっくり休息を取った後、今に至っていたのだ。
「うっわ、災難だったね。魔理沙も、メノも、チルノたちも」
「危なめな実験だったとは言え、
「そう。失敗自体は誰にでもあることだし、同じ失敗を繰り返さなければ大丈夫……私みたいに」
「あはは! ルナって、天性のドジっ娘だもんな!」
「……本当、どうしたら直るんだろう?」
「大丈夫だよ、ルナちゃん。私も協力してあげるから」
「同じく、望むなら協力するよー。直るかどうかは確約できないけど」
とにかく、私の想像し得る大惨事に発展することがなくて、本当に良かった。
まあ、実験室が半壊し、巻き込まれた調合素材や道具が多数破損ないし損失している訳だから、そう言う意味では大惨事だろうけど。
(メノ……良くないけど、良かったね)
なお、仮に諸々の事情を全て無視して考えた場合、メノが能力を発現させたことに関しては喜ばしいことではある。
私たちを含む妖精は例え怪我を負おうと、大抵はすぐに治ってしまうから例外にしても、魔理沙のようにそうはいかない種族の友達が酷く傷ついた場合、実質助けられる可能性が大きく高まるからだ。
無論、直接戦闘に使えるものではないし、現時点だと燃費が悪すぎて練習もあまり進まなそうだし、使いこなすには相当な鍛練が必須となるだろう。
「それにしても、メノの能力か……発現したら、使いこなして皆を守る助けにしたいとは言ってたし、何とかしてやりたいぜ」
「だねー。治癒系であれば、実際に怪我を治して練習したいところなんだけど……じゃあ、誰か怪我してみるかって言われれば、それはなさそうだわ」
「かと言って、活力が漲る効果は副次的なもの。無傷かつ元気な時に使おうものなら……」
「逆に悪いことが起こりそうだよね。メノちゃん、そうなったら心に穴が開いちゃうよ」
私以外の皆もありがたいことに、メノのためを思って色々と考えてはくれているものの、その性質故に良い方法が思い付かず、話が堂々巡りとなってしまう。
ただ、魔理沙たちからの話を聞いた上で、治癒系の能力だと判断しただけであって、まだ完全に他の使い方が不可能だと決まった訳ではない。
能力の発現時、周囲の木々や大地から現れた光る水滴の集合体が傷を治し、活力を与えたと言う点を鑑みるに、メノは
「治癒系以外にも活用できるのなら、まだ練習のしようはあるんだがな」
「もしかして……」
「ああ。私の怪我を治したのは『自然』に宿る力、それをそのために引き出したのは、『自然』に響く程に強いメノの意思と妖力、あの時の現象からしてそれしか考えられないってのが理由だ」
「確かに、メノって優しい妖精だものね! 周りの草木や大地が、力を分けてくれてもおかしくはないわ!」
「それなら、メノの能力の名前は『大自然から力を借りる程度の能力』ってことで決まりだな!」
「気が早いよ、チルノちゃん。全部じゃないけど、今はまだ仮定の話をしてるだけなのに」
とは言え、あくまでもまだ大ちゃんが言うように、全てにではないものの単なる想定を真実だと仮定し、話を進めているに過ぎない。
これから先、妖力の扱い方や弾幕ごっこに向けた練習に加えて、能力を使いこなせるようになるための練習も加わると決まっていれば、当然であろう。
勿論、私としては無理しなくても今している2つだけで良いとは思っているけど、当の本人が凄まじい決意を感じさせる目でそう言ってきたのだ。可能な限り、聞いてあげたいと思うのも無理はないはずだ。
「んにゃー……僕のお家だぁ」
「あっ、ごめん。寝てるメノの前で大声で話してて、流石にうるさかったよね」
「別に……大丈夫、だよ。えへへ……」
と、いくら爆睡していたとは言え、こんなにも至近距離でうるさくされたら流石に目が覚めるらしい。
相変わらず可愛げのある、寝起きでいつも以上にゆったりとした声を出すメノを見た私たちは、うっかり寝てた人の前で騒がしく話し合いをしたことを反省する。
ただし、本人がそれ程気にしてはいなさそう……と言うか、むしろ嬉しそうだったので、いつでも再び眠れるよう声のボリュームはかなり抑えた上で、話し合い自体はきりの良いところまで続けるとして一致した。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ