冬の妖精お泊まり会の初日は、サニーたちや僕の大切な友達のお陰で、凄く幸せで楽しい1日として幕を閉じることができた。
大食堂で食べた美味しい料理、ちょっと熱かったけど心地良いお風呂、寝心地が快適なベッド、細かなものを挙げればまだいくつかあるけど、これだけでも十分満足している。
しかし、このお泊まり会は約1ヵ月もの長期間開催される訳で、僕の想像がつかない部分も含めて、まだ色々な目新しいイベントや物がある。
これによって、日常を彩る思い出の1つをより一層細かく彩ることができるから、言わずもがな存分に楽しむつもりなのは変わらない。
「メノって相変わらず起きるの早いよねー。今日は何時に起きたの?」
「朝の3時半頃。皆と同じベッドで寝たからかな、凄くスッキリ目覚められたんだ」
「わぉ、超早起き。初めての場所だったけど、メノは何か夢とか見たりした?」
「ううん、僕は特に。逆に聞くけど、スターたちはどうだった?」
「私も見なかったよー。覚えてないだけかもだけど」
「見なかったわ!」
「右に同じく」
「そっか。皆、熟睡できてたってことなんだね」
それに、我が家で毎日やる日常的な朝のやり取りだって、紅魔館の客室へと場所が変わるだけでも、気分や雰囲気は結構違う。
勿論、これに関しては時間が経つにつれて慣れていき、家でのやり取りの時と大差がなくなるとは思う。しかし、心に染み渡った幸せは決して色褪せず残る。間違いなく残る。
だからこそ、毎朝起きたら必ず願っているのだけど、ささやかで究極の幸せをくれる大好きな家族や大切な友達との平穏な毎日が、これからもずっと続いて欲しい。
それが達成されるのであれば、他の要素はおまけでも構わないし、最悪殆んどないし全くなくても僕は構わない。
「ベルの音が聞こえたからおっはよー! サニーちゃんたち、起きるの早いねっ! 毎日こうなの?」
「たまたまよ、スフェ! ちなみに、メノなら朝の3時半頃に起きることが多いわ!」
ふかふかソファーに座りながら、サニーたちと楽しく談笑をしていたその時、部屋の中に朝から元気なスフェが入ってきた。
談笑の途中、サニーが唐突に鳴らしたベルの『音』を、近くで聞きつけたのだろう。
サニー曰く鳴らした理由としては、案内役の妖精さんが用事があれば遠慮せずに鳴らして良いと、昨日言っていたことをふと思い出す。
それなら、自分たちが『冒険』を楽しむのも兼ねて、本格的に紅魔館の案内を
後は、一応それなりの回数紅魔館を訪れたりしているにせよ、行く場所は大体決まっているのと、そもそも自分の記憶が完璧ではない故に、万が一だってあり得るからとの理由もあるとのこと。
(僕のためでもある……か。ふふっ、サニーも相変わらずだね)
確かに、うっかり入ってはいけない場所とかに入ってしまったり、迷って出れなくなったり、何かトラブルに巻き込まれたりなど、決してあり得ない話ではない。
その点、メイド妖精さんが居ればその確率を大きく下げることができ、要らぬ誤解を招くこともなくなる。
となると、さっき鳴らしたベルで来てくれたメイド妖精さんが、レミリアから信頼を寄せられている古参のスフェなのは、かなりの幸運だと言えるだろう。
「そうなんだー。メノちゃんってわたしやノゼちゃんと同じくらいの早起きなんだね! ところで、ベルを使ったってことは何か、メイド妖精の誰かに頼みたい用事があるんだよね?」
「ええ! 実は……」
で、当然の流れで何の用事があって呼んだのかと尋ねられたため、サニーがその辺の事情を簡単に説明したところ、スフェは二つ返事で紅魔館の案内を了承してくれた。
仕事でありつつも、友達5人と歩きながら会話をして遊ぶことができるのが嬉しい。
レミリアから、僕たち光の四妖精やチルノを筆頭とした妖精軍団からのお願いは、優先して聞いてあげて欲しいと言われている。
それ故に、サニーからのお願いを了承することに対して、全く迷いがなかったのだと言う。
なるほど。会話好きなスフェにとって、サニーからのお願いはメイドとしての仕事をこなしながら、堂々と
「さてと、わたしはいつでも準備万端だよ! サニーちゃんたちは、今すぐ行ける?」
「私は行けるわ! 3人はどう?」
「私なら大丈夫だよー」
「うん、私も行ける」
「僕も大丈夫。すぐに行けるよ」
「りょーかい! じゃあ、出発進行ー!」
「「「おー!!」」」
なお、行こうと思えば今すぐにでも行ける態勢が全員整っていたため、早速皆で部屋を後にしていく。
僕がどうしてもとお願いした訳ではなくとも、心を読んで示し合わせたかのように皆が動いてくれるだけあって、幸せと嬉しさと申し訳なさが混じり合ったような感情を抱いた。
しかし、サニーが言っていたように、これはサニー自身に加えてスターやルナも存分に楽しんでいるし、何なら案内役をしているスフェだって、太陽の如く笑顔を見せる程に楽しんでいる。
だから、皆に対する感謝の心を強く持ち、後々何かしらの形でお礼を返しさえすれば、申し訳なさなんて感じる必要などない。
「ところでさ、スフェ。今僕たちはどこに向かってるの?」
「レミリアさまのお部屋! 今の時間なら、ほぼ確実に居ると思う!」
「そっか。僕たちが行っても大丈夫、なのかな?」
「わたしが居るし、居なかったとしてもレミリアさまとお友達なんでしょ? なら尚更だよ!」
ちなみに、スフェ曰く今向かっているのはレミリアの自室らしい。
正面玄関口からエントランスに入り、その右側にある階段を登った後にある廊下を道なりに進むと、僕たちやチルノ一行が泊まる部屋のあるエリアへ到達する。
レミリアの自室があるのはその逆の、左側にある階段を登った後の廊下を右左左右の順番で進んでいき、道中で見かけるコウモリの刻印がある扉を開けた先が目的の場所であるようだ。
色々とやるべき仕事を行う執務室も兼ねているようで、紅魔館の中でも2番目に広い部屋になっているとのこと。
「えっ? 本当に大丈夫なの……?」
「初めて案内された時にわたしも同じことを聞いたんだけど、そしたらフランさま、「快適だから、心配しなくても良いわ」だって!」
「そっか、なら良いのかな?」
なお、1番広いのはレミリアの妹として、名前だけは知っている『フランドール』、もとい『フラン』さんの
自分の妹のためにレミリアが奮発して作ったと言うのではなく、レミリアが生まれる前からあった用途不明かつ未使用の地下室を、本 人が勝手に改装しただけみたいである。
その
とは言え、コミュニケーションが苦手だったり気遣いができない訳ではないので、相対したことのあるメイド妖精さんからはその性格もあってか、ちょっと怖いけど自分から話しに行けば楽しいと、言われているようだ。
「レミリアさまー……あっ、フランさま居たんだね! レミリアさま、どこに居るか知らない?」
「お姉さま? ウキウキで大食堂に行ったわ。何か用事があるなら、そこに行けばすぐ会えると思うけど……そこそこ時間経ってるし、待ってても来るんじゃない?」
「そうなんだ! フランさまが居るからレミリアさまが嬉しくなって、ちょっとしたお祝いでもしたくなった感じだねっ!」
「その通り。本当、こんなので喜んでくれるなんて、相変わらずお姉さまらしいなって思うよ」
なんてことを考えていたからだろうか。 コウモリの刻印がある扉をスフェが開け、それに続いて中に入った瞬間に見たのはレミリアではなく、宝石のようなものがぶら下がった翼を持つ金髪で紅い瞳の吸血鬼……フランさんだった。
確かに、純粋にゾクッとするような圧力は僅かながらしたけれど、レミリアの妹だけあってか
優しそうな声に穏和そうな表情、服装や手元の
「あっ、ちょっと待って。ねえ、そこのあなた。羽がぼんやり光ってるあなたよ」
それで、レミリアが部屋に居ないと言うことで、勝手に居続けるのはやはりどうかと考えたスフェやサニーたちと一緒に出ようとしたその刹那、フランさんに急に呼び止められた。
「ひゃっ! えっと、その、僕……?」
「ああ、ごめん……そう。羽が光る妖精なんて、ここにはあなた以外には居ないでしょ? まあ、幻想郷中探しても居なさそうだけど」
「そっか。僕が、フランドール……フランさんと初めて会う妖精だから、気になって声をかけたの……?」
「まあ、そんな感じかしら。後、別に私にさん付けなんて必要ないわ。無理強いはしないけれど」
僕が初めて見る妖精だからなのか、目の前に居るフランさんの視線は興味津々と言った感じだ。
変な意味ではないのは分かっていたけど、まさか僕を指して呼び止められるだなんて全く予想していなかったため、驚きのあまり気づいたらサニーの手を握って、寄り付いていた。
その結果、突発的な緊張感が嘘のように消え去り、普通に会話を交わすことができるようになってくる。
勿論、僕の様子に気がついたフランさんが一歩引いてくれたお陰なのもあるだろう。
(本当、嬉しかったんだろうなぁ。レミリア)
ちなみにだけど、フランさんは今日レミリアの部屋に来るまでの3ヵ月半もの間、ずっと地下室に籠りっぱなしだったらしい。
色々あって、本当ならまだ籠ってる予定だったみたいだけど、何故かここ最近レミリアが地下室から出て欲しそう感を出してくるようになったから、じゃあ仕方ないかと出てあげたとのこと。なお、これはサプライズだったようだ。
あまり外に出たくない思いと、
「フラン、お待たせ! ケーキ持ってきたから一緒に食べましょ……あら、どうかしたのかしら?」
そんなこんなで、フランさんも加えた全員で色々な内容の会話を交わすことおよそ30分、2人分のイチゴのショートケーキと紅茶を持ってきたレミリアと、僕たちの目がバッチリと合った。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ