性格は正反対と言っても過言ではないけど、仲良しで幸せそうな
あれからすぐ、スフェがレミリアに何をしていたのか説明したところ、何やかんやでフランさんも一緒に同行することになったのだけど、その際に見せる仕草や表情などから一目瞭然であった。
僕自身も血は繋がっていないとは言え、サニーやスターやルナと一緒の時は幸せの極致に居るから、2人の気持ちは良く分かる。
「あのさ。その、レミリア。せっかく姉妹水入らずの時間になるはずだったのに、僕たちに同行してて大丈夫なの……? フランさんだって、同じだろうし……」
「確かにそうね。でも、私は別に構わないわよ、メノウ。私としては、フランがこうして部屋から出て一緒に居てくれるだけでも、十分だしね」
「お姉さまさえ良ければ、私が言うことなんてないわ。気遣いありがとう……一応初対面だけど、お姉さまと同じメノウって呼んでも良い?」
「うん、呼び方はそれで良いよ。それにしても、本当に優しいんだね。2人とも」
ちなみに、レミリアがフランさんと食べる予定だったイチゴのショートケーキは、レミリアが持ち歩いている特別な魔法のベルで咲夜を呼び、魔法のバスケットで保管してもらっている。
「私の気が変わっただけで、別に優しくなんかないわ」
「私はお姉さまに委ねてるだけ。優しいのはお姉さまの方よ」
「……そっか」
そうまでして、僕やサニーたちと一緒に歩き回りたい気分になったと言ってくれた、友達のレミリア。
レミリアに自分の意思を委ねているとは言え、仲良し姉妹の空間に初対面の僕はもとより、サニーたちが居ることに一切の不満を漏らさない、心優しきフランさん。
改めて思うけど、サニーたちと一緒に紅魔館のお泊まり会に参加して良かった。何せ、こんなにも幸せで楽しい気分を味わうことができたのだから。
「お遊びにいっくぞー……うわぁ!?」
「えっ――」
なんてことを考えながら皆と楽しく歩いていると、タイミング良く左側にあった扉がドンと音を立てて開き、部屋の中から走って出てきたメイド服を着た黒髪の妖精さんが、こっちに突撃してくる光景が見えてくる。
無警戒かつ近距離だったこともあってか、左側を向くことしかできずに僕はそのまま突撃に巻き込まれ、黒髪のメイド妖精さん共々思い切り床へと倒れ込んでしまう。
「メノ!? 派手に倒れちゃったけど、大丈夫?」
「いたた……うん、ちょっと痛かったけど僕は大丈夫。ルナ、心配してくれてありがと」
幸い、反射的に受け身が取れたことなども相まって大丈夫だったけど、問題は僕とぶつかったメイド妖精さんの方だ。
覆い被さるようにして僕へ倒れ込んだお陰であまり痛くなかったのか、すぐに自分で起き上がれはしたんだけど、周りに居た皆を見てから僕を見て顔面蒼白になり、凍ったかの如く動きが止まってしまったからである。
メイド妖精さんからしてみれば、レミリアやフランさんやスフェと仲良さそうにしている知らない妖精に、何であれ痛い思いをさせた。
結果、何を言われたりされるかがまるで分からず、凄く怖くて仕方ないのだろう。僕がメイド妖精さんの立場だったら、間違いなく今の想像と同じ反応をしていたに違いない。
「全くもう……ほら、ぶつかったんだからちゃんと謝りなさい。大丈夫、きっと許してくれるわ」
なお、この状況はそんなメイド妖精さんを見かねたレミリアが、頭を撫でた後に優しく背中を押してくれたことで、無事に動く。
身体がガタガタ震え、冷や汗たらたらで泣いてはいるけど、逃げずに頑張って謝ろうとしているのは凄い。
それに、僕が少しでも周りに気を配れていれば回避できたかもしれないなどの理由で、元々あまり気にしていないのもあるから、レミリアが言わずとも許すつもりではいたのだ。
まあ、それはそれとしてメイド妖精さんも少しで良いから、これから気を付けてくれたらありがたいとは思っているけども。
「ごめんなさい。その、わざとじゃないよ? 次から気を付けるから、許して……」
「うん、分かった。綺麗さっぱり水に流そう」
「本当に!? わぁ……ありがとう!」
で、この旨を黒髪の妖精さんに伝えたところ、ホッとしたのか顔色が目に見えて良くなり、元気もみるみる戻っていった。
ただ、そのお陰か満面の笑みを浮かべつつ、僕の手を握りながらお礼を言ってくるものだから、ちょっとだけ戸惑ってしまう。
「えっと……私は破邪の妖精『モリオン』って言うの!
そこへ更に自己紹介、僕への愛称付け、友達認定からの遊びへのお誘いと矢継ぎ早にこなしていった後、この場を走って去っていったのも加わり、余計に戸惑いが隠せない。
まるで嵐のような妖精さんであり、僕が名乗る暇すらない程である。
だけど、こうして初対面の相手から好意的に見られること自体は、悪い気はしない。むしろ、心が少しポカポカするくらいには嬉しかった。
家族や友達ではない相手から好意的に見られるなんて、幻想郷でなければあり得なかったのだから。
「あの子を許してくれて感謝するわ、メノウ」
「どういたしまして。モリオンさん……いや、モリオンかな。いつもあんな感じの妖精さんなの?」
「ええ。これでも大分改善できた方なのだけど、あの子は結構はっちゃけがちな妖精なのよ」
「そうそう。メノがまだ居なかった時、モリオンが新人の頃なんか、本当に凄かったもんねー」
「蝶を追いかけてたら転んで紅茶をこぼす、仕事中に大はしゃぎして遊んだ挙げ句に窓を割る、今日みたく他のメイド妖精と激突して泣かせるとか色々」
「わぁ、何それ凄い。相当やんちゃな子だったんだね」
そして、紅魔館歩きを再開した後の話題は黒髪の妖精さん……モリオンに関わるものになったのだけど、皆から聞かされる話がまあ結構ぶっ飛んでいた。
あまりにも凄かったお陰か、基本妖精に優しいレミリアですら当時は本気で叱る程だったようで、だからこそやらかした時にあそこまで恐怖するようになったみたいだ。
で、本気で叱って以降どういう訳か、自分の感情の変化がスイッチの切り替えレベルの早さで行われるようになり、知らない相手との距離の詰め方も少しおかしくなってしまったらしい。
ちなみに、レミリアとしてもあそこまで恐怖させるつもりもなければ、性格に影響を及ぼすつもりも当然なかったために、強く叱り過ぎてしまったことを今でも深く反省しているとのこと。
何なら、他の皆は好いていて自分だけ嫌われても仕方ないとさえ、当時は考えていたようである。
しかし、現状モリオンはレミリアのことを嫌っているどころか、むしろ好いているように見えた。十中八九、厳しくも愛のあるお説教だったからだろう。
もしも、あの人たちが前世の僕へしたような叱り方……いや、厳しい上に愛が全くない怒鳴り方をしていたならば、こうはいかないはずなのだし。
「この階段、凄く長いよね。地下って、やっぱり相当広いのかな?」
「そうね。フランの部屋に私の親友と使い魔が管理する大図書館、魔法の練習場とかの凄まじく広い部屋がいくつかあるし」
「わたしも初めて来た時は、あまりの広さに迷ってレミリアさまに助けてもらったよ! ちなみに、大図書館が1番広いからね!」
「へぇ、そうなんだ。サニーたちは来たことある?」
「勿論あるわ!」
「あるよー」
「数えきれないくらいあるよ。リラックスできて良いところだと思う」
そんなこんなで、メイド妖精さんたちが暮らすエリア、莫大な食糧や生活用品を蓄えた大倉庫、紅魔館の時計塔と順繰りに巡っていった後は、レミリアを以てしても広いと言わしめる地下エリアへ続く階段を、僕たちは下っていく。
地下エリアへと下るこの階段でさえ、家にあるものと考えれば並大抵の段数ではなく、幅だって僕たち全員が横並びで歩いていても、1人か2人なら余裕ですれ違えるレベルはある。
沢山のメイド妖精さんが一気に上り降りするには良いと思うけど、それにしたって広過ぎだと思う。
レミリアやフランさん曰く、地下の大図書館を利用しようとするメイド妖精さんは、あまり多くないらしいから尚更だ。
ちなみに、ノーゼは結構な頻度で本を読みに訪れるらしいけど、スフェは掃除のお手伝いを筆頭とした仕事以外だと、殆んど来ないらしい。
本人曰く、誰かとお話をしていたり、お外ではしゃいで遊んでいる方が倍くらい楽しいとのこと。図書館を管理している『パチュリー』さんが、静かな空間で本を読むのが好きな性格なのもあるみたいだけど。
「わぁ……! あっちもこっちも本だらけ……!」
階段を100段下り終えて、正面に見えた少し大きめの門のような扉をスフェが開けた瞬間、僕はその目に入ってきた凄まじい光景に圧倒されてしまう。
大小様々な本棚が数え切れない程あり、その本棚の中にも無数の本がしまわれていて、想像していた大図書館を遥かに凌駕する規模だった。
一体、これ程の量の本をどのくらいの期間で、どこで集めてきたのかが実に不思議で堪らない。
「何事かと思ったら……こんなに大勢でやってきて、読書でもするのかしら?」
なんてことを考えていると、かなり上の方にあった本棚で本選びをしていた、紫色の髪をした女の人が僕たちの方へと降りてきて、そう声をかけてきた。
オリキャラの詳しい解説については、作者の活動報告に次話の投稿までにあげておきます。簡単な容姿解説については、下の方にありますので、確認したい方はこちらへどうぞ。
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『モリオン』
身長129cm 体重25kg 腰にかかる程に長い黒色の髪 茶褐色の瞳
ルーン文字らしき文様のある4枚羽 メイド仕様の服
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ