雪合戦や雪だるま作りなどを筆頭とした、冬しかできない砂遊びならぬ雪を使った遊び。分かってはいたことだけど、サニーたちがこれをやらない道理はなかった。
そして、チルノ一行も皆、防寒対策をした上で雪遊びを毎年存分に楽しんでいるらしい。
氷の妖精であるチルノだけは夏と一緒の格好で誰よりも元気だけど、ピースやラルバば寒さが苦手な妖精さんなため、たまにしかやらない。
大ちゃんとリリーも特段寒さが得意な訳ではないため、やるとしても防寒対策はしっかりとしているとのことだけど、まあそうだろう。
「わぁぁ……これ、全部雪と氷の彫刻なんだね」
「そう! あたいの力作だ!」
「氷で剣とか矢を作ったり、その気になれば家も氷で建てられるくらい、チルノの能力の扱いは達人級。このくらい、きっと造作もないよ」
「そっか、うん。そうだよね……凄いなぁ、チルノは」
「えっへん! まだまだあるから見てって!」
お泊まり会7日目の朝8時、チルノと大ちゃんから雪遊びに誘われた僕が断る道理もなく、ウキウキのサニーたちと一緒に中庭へ行った訳だけど、それはまあ凄いとしか言えないものが視界に入ってくる。
透明故に見にくいものの、細部までこだわり抜いて作られた氷の彫刻の数々。
積もった雪を使って作られた城、大小様々なかまくらや雪だるまを筆頭とした作品たち。
どれをとってもクオリティが高く、当たり前だけど僕はもとより、サニーたちでも作れないくらいだと直感した。チルノが自慢気になるのも納得である。
「これ、もしかしてサニーたち……あっ、僕のもある」
「当たり前だぞ! サニーたちを作って、メノだけ作らないなんてあり得ないしな!」
「ふふっ。チルノちゃん、メノちゃん作るの初めてだったから、結構苦戦してたんだよ」
「そうだったんだね。じゃあ、見本として僕を起こしてくれれば良かったのに……サプライズ的な感じにしたかったりとか?」
「確かにそれもあるけど、あんな朝早くに起こすのは駄目だって思った! それに、夏ならともかく、あたい以外にはこの冷気は辛いでしょ?」
「うん。まあ、防寒対策しなきゃ無理だと思う。してても寒いし」
そんな中でも、僕やサニーたちに加えて、チルノ一行や二大妖精長、モリオンを再現した雪像や氷の彫刻は、他のやつよりも気合いが入っていると一目で分かるくらいには凄かった。
曰く、僕すら起きない時間帯からずっと作っていたみたいで、その理由は自分にとって大切な存在だから、気合いを入れたかったからだと言う。
(……えへへ、僕は幸せ者だぁ)
話の途中でチルノが、僕の雪像や氷の彫刻の出来に関してはちょっと下手だったかもと言い、謝ってきたけど……全然そんなことはないと思っている。素人目には、これのどこが下手だったのか分からないくらい、精巧に見えるからだ。
仮に、僕でも分かるくらいに下手な出来だったとしても、そんなことはどうでも良い。
ここにある雪像および氷の彫刻は、チルノが大切だと思っている妖精友達のものしかない。要は、僕も他の妖精の皆と同等に大切だと言われたも同義なのだから。
「えっ、勿体ない……けどまあ、残しておいてもあれだもんね」
「そうそう! それに、作ろうと思ったらいつでも作れるしさ! 全く同じのは無理だけど」
ちなみに、この場に居ないリリーとピースとラルバ、ノーゼとスフェ、モリオンにはもう既に見せているらしく、この雪像や氷の彫刻は全部壊してしまうらしい。
大ちゃんが、前もってレミリアにこのことを話してあるらしいので、仮にこのままでも1日くらいなら問題はないみたいだ。作った場所が比較的邪魔になりにくいと言うのも、そう判断された理由か。
ただ、この場所は僕たちだけでなく、皆が等しく使える遊び場である。わざと狙い撃ちされて壊されるならまだしも、弾幕ごっことかの流れ弾で壊れることに責任は持てないと、はっきり言われているとのこと。
まあ、何かのイベントで作られたやつとかならともかく、チルノが1人で自由にやってるだけだし、さしものレミリアもそこまで気を遣ってたら疲れてしまう。だから、この選択も当然か。
「さてと、片付けも終わったことだし……皆で雪遊びしよう!」
「「「おーー!!」」」
そして、あっという間にチルノと大ちゃんが作った雪像や氷の彫刻を壊し、片付けを終わらせた後は、皆で本格的に積もった雪で遊び始めた。
(……)
勿論、防寒対策をしているとは言え冷たいし、雪も降っているから寒いけど、それ以上に楽しくて仕方ない。
まあ、サニーたちにチルノと大ちゃん、皆が一緒に笑ってはしゃいで遊んでるともなれば、極論何をしててもこんな気分になるだろう。
「んにゃ……冷たっ!? やったね、ルナ! これお返しだよ!」
「わっ、ひんやり。メノ、私もお返し……ぶべっ!」
「あわわわ……ルナ。僕の能力、必要なら使うよ」
「ルナちゃん、派手に転んじゃって凄く痛そう。大丈夫?」
「私は大丈夫。心配してくれてありがとう、メノと大ちゃん」
「良かったぁ。防寒着の中の服、今の雪で濡れてない?」
「うん、濡れてない。自慢じゃないけどこれ、私がドジした時の対策は済んでる」
やってることと言ったら、チルノの助けを借りてルナと雪合戦をしたり、瞬間移動で背後に回った大ちゃんとルナにイタズラをされたり、逆に僕がサニーとスターへささやかなイタズラを仕掛けたりなど、統一感がまるでない。
その時の気分とか流れに身を任せ、雪を使って単にはしゃいで遊んでるだけなのだ。
でも、この『雪遊び』には弾幕ごっこのように、しっかりと定められたルールは存在しない。あっても精々、誰かをわざと傷つけるような真似をしてはいけないくらいだろう。
なので、統一感だとかそんなものは関係ない。僕はともかく、サニーたちやチルノや大ちゃんが楽しいと思ってさえすれば良いのだから。
「メノの雪だるま、小さくて可愛らしいわね!」
「僅かな差だけど、私たちの中じゃメノが1番身長小さいから、それを考えると似合ってるわー」
「えへへ、サニーとスターの雪だるまだって同じだよ。チルノは……わぁ、大きい」
「まあ、チルノにとっては雪だるま程度、能力の補助がなくても楽勝だもんねー」
「そうそう。能力ありとは言ったって、チルノはあんな雪像や氷の彫刻を作るくらいだもん」
ただ、流石に雪だるま作りとかをやるとなったら、誰かがはしゃいで遊んでたりしていると、うっかりで崩してしまうかもしれないから、そこは一旦全員で同じことをする。
(賑やかになってきたなぁ……)
で、テンションが幾分か落ち着いてきたからか、他のお泊まり会に参加している妖精さん、紅魔館のメイド妖精さんも徐々に中庭に集まる中、モリオン他数人のメイド妖精さんに連れられてきたレミリアの存在にも気づく。
メイドではない妖精さんにもレミリアは相当好かれているようで、姿を見せたその瞬間に中庭の妖精さんが半分くらい集まり、もみくちゃにされ始める。
「ありゃ、相変わらず妖精からの人気が凄いねー。レミリア」
「うん。下手な人間よりも妖精に優しいし、館の住人の殆んどを妖精にする程手厚いから、特に驚くことでもない」
妖精さんたちは楽しそうにしていて、もみくちゃにされているレミリアの方も突然の事態だったのか困惑はしていたけど、その表情は微笑ましいものを見るようなものだ。
けど、モリオンが雪玉を服の中に入れるイタズラを決行、レミリアが裏返った声で「びゃっ……あっ、モリオン!?」と言う面白い反応を見せたことを皮切りに、面白がった妖精さんたちが同じことをし始め、何と言うかまあ凄い賑やかな展開となった。
僕の目には本気で嫌がっているようには見えず、むしろもみくちゃにされた時点でこの展開をも予想し、楽しんでいる感じがしたから、今はまだ声をかけたりはしない。
声をかけるなどして介入するとしたら、色々とエスカレートしてイタズラの域を超えたり、レミリア自身が本気で嫌がった時だろう。まあ、そうなったらなったで自分で逃げるくらいの力がレミリアにはあるし、やっぱり僕の出番はなさそうではある。
いや、でも服の中に雪を入れるのは結構アレなイタズラだし、気を遣って何も言わないだけかもしれないから、やはり声くらいはかけておこうか迷う。
「ああもう、びしょびしょだわ……相変わらず、妖精たちはイタズラとなったら容赦ないわね……あら。そっちもそっちで楽しそうね、メノウ」
「うん、とっても楽しいよ。それより、声掛けて止めた方が良かったかな……? ごめんね、レミリア」
「別に気にしなくても良いわよ。何かされるのは織り込み済みだもの。とは言え、毎日は勘弁して欲しいけどね」
ただ、僕がどうしたものかと迷っている内にもみくちゃ状態が解消され、妖精さんたちのイタズラも終わったため、結局何もしないで見ているだけとなってしまった。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ