二つ名。本名と同等かそれ以上に周囲に知られている、その人妖の性質や能力を端的に表した言葉である。
故に、内容や数がどうであれ二つ名をつけられると言うのは、即ち何かしらの目立つ要素が存在していて、なおかつ幻想郷での知名度が一定のラインを超えたことの証明となるらしい。
言わずもがな、サニーたちは勿論のこと、僕の大切な友達も全員1つ以上はつけられていた。ちゃんと、大切な皆が幻想郷ではっきりとその存在を認められている感じがするから、自分のことではなくても嬉しい。
まあ、仮にそうではなかったとしても、世界が敵に回ったとしても、僕は大切な皆の存在を認め続けるけど。
「えっ。そうなの? 本当に?」
「本当よ、メノウ。貴女、幻想郷中をとんでもない速度で飛び回ったりしてたでしょ? 魔理沙との本気の鬼ごっことか、実力者の間じゃ結構有名よ」
「あー……」
で、そんな二つ名がいつの間にか、僕にもつけられていたらしい。
雪遊びの最中、声をかけてきたレミリアにその場に居た皆も一緒に誘われ、一緒に行ったレミリアの自室で、のんびりお茶をしていた時にそう切り出されたのだ。
まさか、もうついてるなんて予想していなかった僕にとって、この事実で驚くなと言うのは無理な話だろう。いつかはつくかもしれないと思う程度、ほぼ興味なしも同然だったにしても。
「そう言えば、私たちもちょっとだけ耳にしたことがあったねー。その日に伝えるべきだったかも? メノ、ごめん」
「大丈夫。僕も僕自身が、大切な皆以外にどう思われてるとかあまり興味なかったから。それより、皆が嫌な気持ちにならないことの方が僕にとって、1番大切な要素だよ」
「うんうん。あの魔理沙に妖精の身で飛行速度で張り合えるとか、良い意味でおかしいから私としては納得」
「本当、何でここまで飛行能力が高くなったのか不思議だよね! 才能があったのは当然として、ウルのお陰でもありそう?」
『変幻自在な銀の彗
誰が最初にこの二つ名をつけたのかは分からないらしいけど、僕としては別に他人から何て呼ばれようが、どうでも良かった。
最高の理想の家族であるサニーたち、それに次ぐ家族の魔理沙、決して劣らない程に大切だと思っているチルノ一行。
友達になってくれた博麗神社の2人、霖さんやアリス、レミリアを含めた紅魔館の面々。
初対面こそ緊張はしたし、まだ正式に友達にはなっていないものの、フランさんやパチュリーさん、小悪魔のこあさんとの交流にも居心地の良さを感じている。
しかも、以前は固く秘密にしていた僕の前世云々の話をしてみたところ、さも当たり前のように受け入れてくれた。
つまるところ、実質友達になったも同然であるため、ここに入れても全く問題はない。
そんな、僕が幻想郷で生きる意味の大半を占める皆が、何かしらの形で耳に入れた時心が傷ついたりしない、常識的な二つ名であるのなら。
「うわっ。文さん、良くこの瞬間撮ったよね。それにしても、これだけ目立てばそりゃ噂話にもなるか」
「私もこの時人里に居たんだけど、本当に彗星みたいだったなぁ。あのキラキラが見えなかったら、メノちゃんだって分からなかったかも」
「新聞が出た次の日の寺子屋でも盛り上がってたしな! あたいが
「そうなんだ……えへへ」
ちなみに、実力者の間でそこそこ有名になった割に、僕へ会いに来ようとする知らない人が家に全然現れない理由は、文さんが僕の交遊関係について新聞上で解説し、遠回しに牽制してくれたからではないかとレミリアは推測していた。
レミリア率いる紅魔館もそうだけど、霊夢や魔理沙は幻想郷内でも上位に位置する実力者、万が一の事態が発生して面倒事になっては堪らない、こう思わせることができているのだろう。
まあ、有名になったからと言って実際に会いたくなるかどうかは、その人の気分とか趣味嗜好とかで変わるはずだ。
それにもう慣れたけど、僕やサニーたちの家は魔法の森から結構入ったところにあり、客観的に見た場合あまり良い場所とは言い難い。
これらを総合すれば、余程の理由がない限り、実力者の人妖はわざわざ僕に会いに来るためだけに魔法の森を訪れない、そう考えられる。
情報を知りたければ、容易に会いに行けて僕との親交の深いレミリアたちや霊夢、魔理沙やチルノ一行、もしくは新聞を出すくらいの情報を持っている文さんに直接聞いた方が、圧倒的に早くてお手軽だし。
なお、僕の前世が男の子だったと言う情報はサニーから、「教えるなら、メノが信頼できると思った友達だけにして欲しい」と、真剣にお願いされていた。
それに関連して、前世で僕が受けた所業については、サニーたちと出会う前の過去の話と言う体でなら、聞かれた時にのみ話すと言う僕自身の決めていた方針で良い。
だから、皆にはサニーからのお願いの言葉を引用して、誰かに聞かれた時には気をつけて欲しいと、心からお願いをしてある。
(ありがとう、皆。大好きだよ)
ないとは思うけど、万が一友達の内の誰かがうっかりで喋っちゃったとしても、友達関係を解消しようとは考えていない。
ようやく、幻想郷で極上の幸せを手に入れたのだ。その程度のことで自分から手放してたまるか。
「あっ、そうそう。聞き忘れてたんだけど……メノウって、弾幕ごっこどの程度できる?」
用意してくれた紅茶を飲み、サニーたちとテンション高めに会話を楽しんでいた刹那、レミリアからこんなことを聞かれた。
弾幕ごっこに関して言えば、魔理沙やサニーたちを主として、チルノ一行にも時々付き合ってもらい、やっている練習のお陰で結構良いところまで行っている自負がある。
出来不出来はともかく、スペルカードも3枚作り上げる領域に至っていれば、そう言えるとは思う。
勿論、霊夢や魔理沙に勝てるレベルには到底至らないし、サニーたちやチルノ一行にも、回避はともかく攻撃の方に難がある状態だから、練習試合でも負け越している感じだ。
何せ、ルールに則ったスポーツのようなものであっても、大好きな家族や友達に攻撃をする行為に、僕は少なからず抵抗感を感じている。
軽い怪我なら一瞬で治るとしても、攻撃して痛い思いをさせるくらいなら、回避に失敗して自分が痛い思いをした方が、何千何万倍もマシなのだから。
「サニーたちに5分の1の確率で勝てるくらいにはできるよ。でも、どうして?」
「へぇ……結構良い線行ってるじゃないの。私が考えてる弾幕ごっこのイベントに、ちょっと参加してみて欲しくてね。ちなみに、いつになるかは参加人数次第にはなるわ」
なお、どうしてこんなことをいきなり聞いてきたのかについては、レミリア曰く弾幕ごっこのイベントをエントランスにて、開催する計画があるからとのこと。
妖精かつお泊まり会参加中のであれば、紅魔館のメイドさんか否かは関係ない。
あくまでも『遊び』であり、最強を決める戦いと言う訳ではない。また、勝利したから更に特別扱いをするとか豪華特典がある訳ではない。
とは言え、好きな食べ物やちょっとした欲しいものをもらえる程度の特典なら、限度を超えない限りは叶えられると言っていた。
お泊まり会を飽きさせず盛り上げるため、レミリアもレミリアで色々と考えているみたいだ。
ちなみに、弾幕ごっこイベントが終わった後はそのままエントランスを使い、盛大にパーティーを開こうと考えているらしい。
「まあ、正直言っちゃうと紅魔館の妖精のみならず、他の妖精たちの弾幕ごっこを見ながらのんびりしたいって言う、私利私欲が1番なんだけどね」
「そっか。サニーたちとかチルノたちならともかく、僕が参加したとして、見てる皆は楽しんでくれるかな……?」
「あははっ! メノなら心配要らないとあたいは思うけどな!」
「そうよ、メノウ。技術が高いとか低いとか、失敗するとか成功したとか、その辺はあまり考えないで大丈夫。やってくれるだけでも十分よ」
「そうだよっ! しろちゃんの弾幕、わたしも見てみたいなぁ」
「えっと、モリオンちゃん? しろちゃんって、メノちゃんのこと?」
「うん! 髪の毛がふわふわで真っ白だから、しろちゃん!」
僕としては、技術的には弾幕ごっこをすることはできるけど、大好きな家族や友達に攻撃をすることへの抵抗感から、どちらかと言えば気が進まない方ではある。
でも、レミリアとモリオンが見たそうにしているし、サニーたちはニコニコして一緒にやりたそうだし、チルノと大ちゃんは君ならできると言いたげな表情をしていた。
僕に凄く期待してくれていると分かると、頭の中に僕の弾幕を見せた皆が喜び、褒めてくれる光景が勝手に浮かんできて、さっきまで抱いていた抵抗感は何だったのかと言わんばかりに相殺され、消えていく。
「メノウ、どうかしら? 無理にとは言わないし、断っても私含めて誰も何も言わないわ」
「レミリアが、皆が、僕が参加することで喜んでくれるなら……やるよ。体力とかの問題で、あまり沢山はできないと思うけど……」
「ありがとう。じゃあ、明日以降決まり次第イベントの流れを伝えに行くから、それまで待ってて」
そうなれば、レミリアが準備中の弾幕ごっこのイベントへ僕が参加するのも、至極当然の流れとなるのであった。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ