光の四妖精   作:松雨

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今話にはオリキャラ(妖精)が新たに1人登場します。名付きのオリキャラについては、これで最後です。


妖精さんたち

 妖精大庭園の案内を、レミリアの話によって興味を持ってくれたフランさんにパチュリーさん、こあさんに行うこと。

 

 結論から言えば、これは大成功だと全ての主要エリアを回り終えた後なので、そう断言できた。

 

 興味を持ってくれたのは、言うなれば期待値がかなり高いことの表れであり、実際に来てみたら期待外れだと思われる確率も上がる。

 

 しかし、フランさんたち3人が最初に見せてくれた反応が、そう思われないと確定したも同然のものだったのだ。大成功と判断してもおかしくはないだろう。

 

「わぁ! おねえちゃんのはねのほうせき、すごくきれい!」

「ねえねえ! おなまえ、なんていうの? レミリアとなんかふんいきにてる!」

「私はフランドール。レミリアは、私のお姉さまよ」

「そうなんだ! ふふっ、だからいっしょにいてもあんしんできたんだねー」

「じゃあ、フランってよんでもいい?」

「ええ、勿論よ。好きに呼んで」

「ほんと? ありがとー!」

 

 今は休憩中だけど、外と言わんばかりの景色とか、この場所独自の動植物や水晶を含めた鉱石、パチュリーさんやこあさんはそっちの方に興味津々で、魔法に使うためなのか採取をしたりもしている。

 

 フランさんに関しては、その容姿に加えてレミリアの妹だからか、案内を始めてから徐々に集まり、後をついてきたここの妖精さんの遊び相手を買って出ていた。

 

 人数の多さやあまりの懐かれ様に戸惑ってはいるものの、まんざらではなさそうだったので介入せず僕はルナと切り株に座り、話しかけてきた妖精さんの話し相手をしたり、その様子を見たりしてのんびり過ごしている。

 

 紅魔館でも、住人たちと積極的に関わるようなタイプではないのに、体感的に結構多めのメイド妖精さんから懐かれているし、そうでなくても安心感を与えてくれる吸血鬼さんとして、好意的に思われているのだ。

 

 初対面であることを考慮に入れても、納得できる光景だと言えよう。

 

「メノ、良かったね。3人とも、楽しんでくれてる」

「うん。何であれ、きっかけをくれたレミリアには感謝しなきゃ」

「紅魔館の皆に色々喋ってたみたいだもんね。でも、メノならレミリアが何もしなくたって、勇気を出してお願いすれば聞いてくれたと、私は思う」

「そうかな……?」

「そうだよ。これも、穏やかで優しいメノの人徳の成せる業。人間じゃなくて、妖精だけど」

 

 友達同然……いや、大切な友達がこうして楽しんでいる様子を見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってくる。

 

 そうして、僕が幸せな気持ちでいっぱいになってくると、今度はルナが僕を見て笑顔になってくれる。

 

 結果、皆が皆幸せで楽しい気分になることができ、嫌な気分だったりつまらないと誰も思わないのだ。それは、実に素晴らしいことではなかろうか。

 

「メノウ、ルナ。ゆっくり休憩できた?」

「あっ、うん。僕は大分疲れも取れてきたかな。ルナはどう?」

「私もメノと同じだけど……フラン。その子はどうしたの?」

「この妖精? あー……何かね、私とかお姉さまと一緒に紅魔館で暮らしたいって。引き剥がすのは簡単だけど、熱意凄いし……どうしたら良いかしら? そもそも、ここの妖精って連れ出して良いのかも分からないし……」

 

 1時間程して、採取を終えたパチュリーさんやこあさんも加え、本を読んだり会話を楽しんだりとかしながらのんびり休憩、そろそろ帰ろうかムードが漂い始めてきた頃、フランさんが1人の妖精さん(見覚えのある妖精さん)を連れてこんな相談を持ちかけてきた。

 

(レミリアなら喜びそうだけど、翡翠の妖精さん的にはどうなんだろう?)

 

 桜色の髪と同色の瞳、僕とそっくりな見た目をしている2対の羽を持っていて、4日前ではレミリアに1番懐いていたから、僕も良く覚えている。

 妹だからか、フランさんにもかなり懐いている……とは言ったけど、訂正しよう。べったり具合から見て、僅差ではあれレミリア以上に懐いている。

 

 満面の笑みで羽をパタパタさせながら、「おねえちゃんたちとくらすの!」とか、「おしごとあるならなんでもやる! わたしだって、おぼえられるもん!」と、胸を張って宣言している妖精さんは、見ていてとてもほっこりしてくる。

 

 僕的には、ここまで懐いているのなら連れてってあげても良いとは思うけど、翡翠の妖精さん的にはどうなのか一応聞いてはおこう。

 

 実質的なここの主みたいな感じの僕だけど、知識と経験が圧倒的に豊富なのは彼女の方だ。何かトラブルがあってもいけないし、声をかけるのは当然の摂理であろう。

 

「うーん。取り敢えず、翡翠の妖精さんを探して声かけよう。大丈夫って言われたら、連れてってあげて」

「分かったわ。確か、神殿か大樹のどっちかに居るんだったよね」

「そう。だから、まずは神殿に行って、居なかったら湖の大樹に行くって感じかな」

 

 と言うことで、ひとまずこの場に居る全員でまずは神殿へと向かうことが決定、すぐさまこの場を飛び立つ。

 

 案内をしている時は歩きでのんびりだったけど、目的が目的なので向かう手段としては障害物を無視して直行が可能な、飛行が最適だ。

 

 なお、その飛行速度にも個人差がかなりあるため、当然の如くルナや妖精さんに合わせていく。

 

「えっと、翡翠の妖精さん! 居るなら返事をお願い!」

「ふふっ……はい。私なら居ますよ、メノウ様。どうかされましたか?」

「うん。ちょっと相談なんだけど……」

 

 そして、歩きとは比べ物にならない速さで神殿に戻り、入り口から出せる精一杯の大声で翡翠の妖精さんを呼ぶと、中に居たのか瞬間移動でやって来てくれたので、フランさんに懐いた妖精さんの件について相談をする。

 

「そこまで懐いているのであれば、大丈夫だと思います。是非とも連れていってあげてください」

 

 だけど、僕の言葉を聞いた翡翠の妖精さんが桜髪の妖精さんを一目見ただけで、思考を巡らせることすらなく頷いてくれたため、結果として2分足らずで紅魔館へ連れ帰ると決まった。

 

 瞬間、不安に押し潰されそうだった桜髪の妖精さんは、これまでにないくらいに輝く笑顔となり、再びフランさんに抱きついて「これからずっとよろしくね、フランおねえちゃん!」と言いながら、羽を激しくパタパタとさせる。

 

 何がこの妖精さんをここまで駆り立てたのかは、僕には全く分からない。妖精に対して非常に優しい妖怪さんであると、察知できたためだろうか。

 

 それとも、僕が初めてサニーたちと出会った時のあの感じを、僕みたいな嫌な記憶がない分最初から強く感じれたのだろうか。だとしたら、相性はかなり良いと断言できる。

 

「ルナ。桜髪の妖精さん、凄く嬉しそう」

「うん。メノが、私とサニーとスターと家族になった時と、同じくらいかな」

「そっか。じゃあ、相当心に響くものがあったんだね。この様子だと、紅魔館行っても上手くやってけそうだよ」

 

 まあ何にせよ、フランさんたちが幸せで楽しいと思えているのなら、僕やルナが口を挟む道理はない。同じ理由で、フランさんたちが僕とサニーたちの一時に対して、口を挟む道理がないように。

 

 それと、今日以降もここで生まれた妖精さんを外へ連れていきたい場合は、対象となる妖精さん自身の意思を尊重してくれるのであれば、自分を介したりせずとも僕を通してなら大丈夫らしい。

 

 ともなれば、紅魔館の物資事情に余裕がある限り、メイド妖精さんが増えるペースは上がりそうだ。庭は現状無理にせよ、空間に関しては咲夜の能力で拡張すれば、どうとでもなるのだから。

 

「よし。用件も全部終わったことだし、皆で紅魔館に戻るよ。桜髪の妖精さんも、心の準備は良い?」

「はーい! わたしなら、だいじょうぶ!」

 

 こうして、フランさんたちの妖精大庭園案内を楽しく終えた後、翡翠の妖精さんに挨拶を済ませたら、新しくメイドになるであろう妖精さんを1人連れ、魔力を込めたハンドベルを振るって地下の大図書館へと戻ってきた。

 

(あっ……もしかして、探してた?)

 

 瞬間、地下の大図書館で出発する前に居た休憩スペースでのんびりしていたであろう、サニーとスター、レミリアと咲夜の4人が一斉に僕たちの方を向く。

 

 間髪入れず駆け寄ってきたのを見るに、皆が何らかの理由で僕たち4人を探していたらしい。来た時に備えて、理想郷に行きましたと書き置きくらいは残しておくべきだったと、今更ながら思う。

 

「なーんだ、図書館に居ないと思ったら、理想郷に遊びに行ってたのね! 2人とも、楽しんでこれた?」

「勿論。メノたち3人と一緒に行って、楽しめないなんてあり得ない」

「うん、楽しめたよ。サニーとスターも、チルノたちとの雪遊び楽しめた?」

「そりゃあもう、存分に楽しめたわ!」

「相変わらずチルノが強すぎたわ。流石は氷の妖精だったねー」

「まあ、チルノだもんね。氷と雪と冷気の扱いのスペシャリストだし」

 

 なお、レミリアと咲夜の視線は僕やルナからはすぐに逸れ、フランさんにべったりな桜髪の妖精さんへと向いたけど、当たり前の流れである。

 

 そりゃあ、レミリアを視認するなり桜髪の妖精さんが駆け寄り、「これからよろしくねっ! レミリアおねえちゃん!」とかやれば、否が応でもそうなるはず。

 

 4日前に自分に懐いた妖精さんが、今度はいつの間にか理想郷に僕たちと出かけていたフランさんにも懐き、果てには紅魔館で暮らすことになっていたなんて、普通なら思いつく訳がないのだから。

 

「フランが外出していたのもそうだけど、こんな展開になるなんて予想外過ぎてビックリよ……ところで、咲夜」

「はい、何でしょうか。お嬢様」

「早速で悪いのだけど、この子のメイド服を仕立てる作業をやってもらえるかしら? 助っ人も頼むし、その分の休日と報酬も弾むわ」

「了解しました……さて、あなた。色々とやることがあるから、お嬢様からは一旦離れてもらえる?」

「はーい! えへへっ、たのしみだなぁ」

 

 ちなみに、当の本人はおねえちゃん呼ばわりに困惑こそすれ、予想通り嫌ではなかったらしく、何ならもう既に大切な住人の1人として、紅魔館へ迎え入れる気が満々なようだ。

 

 多分、と言うか絶対にここのメイドの仕事は大変だろうけど、桜髪の妖精さんは嫌にならないだろうか。あの決意の入れ様を見てはいるものの、少しだけ心配に思えてくる。

 

「メノ、それって本当なのかしら?」

「本当だよ、レミリア。理想郷――」

「ふふっ、後何人増やそうかしらね。メイド妖精」

「レミィ、程々にしなさいな」

「パチュリー様。レミリアお嬢様のこの様子だと、多分無理かと」

「……こあ、分かってても言わないで」

 

 けどまあ、これだけの大人数を抱えておきながら、メイド妖精さんたちに不満をほぼ抱かせていない手腕を持つレミリアのことだ。他の住人たちも優しいから、全く問題ないと言ってもいい。

 

 理想郷の妖精さんを連れてくる条件についてを話した結果、更に理想郷から迎え入れようと計画し始めたレミリアを見て、そう思えるようになった。




オリキャラの詳しい解説については、作者の活動報告に次話の投稿までにあげておきます。簡単な容姿解説については、下の方にありますので、確認したい方はこちらへどうぞ。

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『シャーネット』
身長125cm 体重23kg 肩にかかる長さの桜色の髪 桜色の瞳
主人公と見た目のそっくりな2対の羽 メイド仕様の服

光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して

  • チルノ&大妖精
  • エタニティラルバ
  • クラウンピース
  • リリーホワイト
  • 全員
  • 作者にお任せ
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