モリオンが宣言した、2枚目かつ最後のスペルである
同時に発生した、モリオンの威圧感倍増や瞳の輝きが増したり、透明感のある黒色のオーラを纏い始めるなどの現象に驚きつつも、すぐに持ち直す。
「ひゃっ! 威力も速度も凄いし、何より3秒ごとに薙ぎ払ってくる弾幕が厄介……」
「えっへん! わたし自慢の最終スペルだもんねー!」
スペルの内容としては、モリオンの後ろに彼女が纏うオーラと同色の巨大なベルが出現、ゆっくりと左右に揺れて本物と遜色ない音を奏でる度に、青白色の大小様々な弾幕が僕の居る空間ごと薙ぎ払うようにして襲いかかると言うもの。
その際、自身もキラキラを纏わせた不規則な軌道を描く僕狙いの金色レーザー、キラキラを纏う弾幕を全方位を発射してくるから、ほんの一瞬たりとも気の休まる時はない。
「このスペル、後半になると凄くなるせいでわたしもしばらく動けなくなるから、あまりやりたくないけど……しろちゃんは強いから、大丈夫だよね?」
「えっ」
しかも、弾幕の薙ぎ払いを上体反らしで避け、羽から発射したレーザーで金色レーザーを弾き、足元に迫ってきたキラキラ弾幕を急上昇で避けた刹那、スペルの勢いが増してきた。
ベルの揺れる間隔が明らかに縮まり、薙ぎ払う弾幕がまるで光の刃みたいになる。
キラキラを纏う金色レーザーは若干数を減らすも、その軌道がより不規則に。
キラキラを纏う弾幕の方は色を青から紫に変え、弾速が速くなる代わりに弾道が直線的に近づき、発射間隔も長くなる。
「うわ……っとぉ!? 耳元で奏でられる弾幕の風切り音が怖い……!」
「あははっ! やっぱり、やっぱり大丈夫だったね。しろちゃん!」
「いや、これ全然大丈夫って言えないって!」
「えー? そんなことないでしょっ!?」
ただ、タイミングが悪く僕のスペルが時間切れで解除されてしまったのもあり、冗談抜きで相対的に回避の難易度が上がってしまっている。
直撃は何とか避け続けているにせよ、金色レーザーや薙ぎ払う弾幕に
体力温存のための最小限回避などできるはずもなく、こっちからの攻撃も回避に集中してるせいで疎かになり、モリオンに僕の弾幕は届かない。
「あー、これはちょっとピンチ……? しろちゃん、誰に弾幕ごっこ教えてもらったの?」
「えっと、主にサニーたちと魔理沙かな。後は、時々霊夢にアリスも僕にアドバイスとかしてくれるよ」
「ひゃあ……お師匠さまが豪華すぎるってぇ。特に霊夢と魔理沙なんか、幻想郷の最強クラスのコンビじゃん」
「そうそう。レミリアも「あの2人はヤバすぎるわ」って言うくらいだし」
でも、モリオンは最後のスペルを発動させてから大分経ち、恐らくもう少しで制限時間へと到達するところまで行っている。
僕が相当油断しさえしなければ勝利まで後もう少し……ううん、この思考自体が油断の現れであり、勝利への道を阻害するもの。
一旦この思考を隅に追いやり、2枚目のスペルを宣言する態勢に入ろう。
「モリオン、僕も2枚目……あっ」
「むぅ……時間切れかぁ。おめでとう、しろちゃん」
すると、僕が宣言をしようと思って態勢に入った瞬間、エントランス全体に放たれていた弾幕の全てが消え、モリオンがレミリアの方を見てうなだれた。どうやら僕は、勝利することができたようだ。
先ほどまでのテンションの高さからうってかわり、目に見えて落ち込んでいるモリオンの前では、この勝利を喜ぶことはできない。
いや、正確には仕草に喜びを表すことができないと言った方が正しいか。
(……ふぅ)
しかし、レミリアが観客席から飛んできてモリオンを抱きしめ、慈愛の女神が如き微笑みを見せながら「良く頑張ったわね、お疲れ様」と声をかけた瞬間、すぐにいつもの元気はつらつな彼女へと戻ったから良しとしよう。
で、ニコニコしながら僕の方を振り向くと、指を指して「次はわたしが勝つもんね!」と宣言してくるものだから、僕も「負けないよ」と笑顔で返事を返す。
モリオンが求めているのは、本気でやり合った上での自身の勝利であり、手を抜かれての勝利ではないと理解できたから、こう言ったのだ。
「お疲れ、メノ。初めての実戦なのに、ここまでできるなんて凄い」
「えへへ。僕、頑張ったよ。ルナ」
「練習通りの動きも何だかんだちゃんとできてたし、これならルナ戦でも大丈夫なのは勿論のこと、紅魔館の妖怪組とかメイド長ともやれるわ!」
「何なら、霊夢や魔理沙とも弾幕ごっこできたかもねー」
「もうっ。サニーもスターも、買いかぶり過ぎだよ。そこまで行くには、まだ僕の実力は足りないって。でも、褒めてくれて……嬉しい。ありがと」
で、僕が観客席で見てくれていたサニーたちの方に戻ると、頭をよしよしと撫でてくれたり、モリオンとレミリアのやり取りみたいに抱きしめてくれたり、とにかく幸せな一時を与えてくれた。
同じく見ていてくれた霊夢や魔理沙、アリスに霖さんにあうん、チルノ一行もサニーたちとほぼ同じように、優しく暖かみのある言葉をかけてくれたりもしたから、幸せの極致に今の僕は居る。
「にしても、レミリアの手ほどきを受けた妖精って相変わらずレベル高いよな。霊夢」
「ええ、確かにね。才能と努力の程度にもよるけど、少し前までチルノに一蹴されてた子とは思えないわ」
「そうだね、モリオンは間違いなく強かった。僕も頑張らなきゃ、すぐに追い越されちゃうよね」
そして、魔理沙や霊夢も言うように、モリオンの弾幕ごっこの強さはかなりのものであった。
今回は上手いこと勝てたけど、次に同じようなイベントがあったり単に勝負を挑まれるとかで戦った場合、今日のように勝てるとは限らない。
もしかしたら凄まじい早さで、チルノやピースを倒せるレベルにまで到達する可能性だってある。
まあ、その間僕はもとより、サニーたちやチルノ一行だって練習試合の1つや2つ、それ以上の回数をこなしていくだろうから、実際にはそう簡単に追い付くとは思わない。
でも、レミリアだってモリオンがあそこまで強い勝利の意欲を示したのであれば、できる限り叶えてあげようとより一層動くはず。
異変解決の最強コンビと名高い、霊夢や魔理沙が僕の練習に付き合ってくれている事実にあぐらをかかず、2人が居ない間もしっかりサニーたちと練習していくことが不可欠だ。
そうすれば、またニコニコしながら褒めてもらえる。僕の勝利を嬉しみ、喜んでもらえるのだから。
「メノウ、初戦の勝利おめでとう。談笑しているところを悪いけど、身体はどんな感じかしら? 疲れ具合とか」
そんなこんなで、少し疲れが残りつつも非常に幸せな心地でいると、レミリアが僕の方に近寄ってきて声をかけてきた。
どうやら、弾幕ごっこで疲れが僕にどの程度あるのか、気にして声をかけてきてくれたらしい。
多少気にして声をかけてくるだけなら、レミリアの性格上してくれるだろうなと分かる。勿論、それでも僕にとっては凄い嬉しいし、幸せなことだと断言する。
だけど、僕の勝利までめでたいことと思い、一言目で祝ってくれるなんてビックリだ。確かに僕は友達だけど、レミリアにとって勝って笑顔になって欲しかったのは、家族であるモリオンの方のはずなのに。
(……僕のために、ありがと。レミリア)
なお、モリオンとの弾幕ごっこで消費した妖力や体力は、この10分間の休憩である程度回復することができている。
僕の能力によって使える、いつぞや魔理沙にも使った経験がある治癒回復の力を応用、自分に使ったからだ。
魔理沙やサニーたちに対してのみならず、僕の友達に使ってみた時のように、光の鳥の羽によってすぐに全快する訳ではない。
その前段階である光の
幻想郷の『大自然』が気遣ってくれているのと、今までの訓練で練度が上昇しているのを考慮しても、能力を発動させる段階で使われる妖力が比較的多いことが、恐らくこうなる理由なのだろう。
もっと時間をかけて『大自然』と心を通わせ続け、能力の練度を上げていけばこれも変わるかもしれないけど、現時点では自分に対する治癒回復に即効性を持たせるのは不可能だ。
ちなみに、この力は同じ場所で短期間に使い過ぎると、使った場所や状況や回数に応じて消費する妖力が増え、純粋な休息でしか回復できない負担が蓄積し、治癒回復効果が小さくなっていくデメリットがある。
紅魔館……と言うか、幻想郷なら自然も沢山あって生命力に満ち溢れているから、余程の回数ないし長時間使ったりしなければ大丈夫だとは思うけど、それでも沢山使うのはよろしくない。
万が一体調に良くない何かが起これば、サニーたちや魔理沙に無理するなって言ったでしょと怒られる。何なら、僕の友達全員からも同じように怒られる、そんな気がしてならないのだから。
「お祝いと気遣いありがと、レミリア。疲れなら、ちょっとだけ残ってるくらいだよ」
「治癒回復の力を使ったからか、随分と早い回復ね。じゃあ、このままルナ戦行けそうかしら?」
「うん、行こうと思えば。ルナはどう? 今から僕とやってくれる?」
「メノが大丈夫ならやるよ。ふふっ、私ももっと気合い入れなきゃ。こんなに凄い弾幕ごっこを見せてもらえたんだもん」
そんなことを考えながらレミリアの問いに答えていくと、あれよあれよと話が進んでいき、僕とルナの弾幕ごっこがこのまま行われると決まった。
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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クラウンピース
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ