弾幕ごっこでは色々とありつつも、その後は滞りなく準備が進んで始まった、冬の妖精お泊まり会最後のパーティーイベント。
私たちを含む数百の妖精や紅魔館の主力陣、レミリアが招待した5人も含めて美味しい料理や飲み物を味わったり、意味もなくワイワイ騒いだりイタズラが始まったりと、博麗神社の宴会に勝るとも劣らない楽しく賑やかな空間が広がっている。
勿論、赤ワインや白ワイン、日本酒や焼酎、ビールなどといった酒類も豊富に取り揃えられており、飲んで既に酔っている人妖もそれなりに出ていた。
「メノ、意外とお酒には強いみたいね! 後、赤ワインの味は嫌いじゃないらしいわ!」
「確かにそう。特別なパーティーを我が家で開く時のために、少しストックしておくのも考えて良いかも」
「まあねー。でも、多分玄米茶とかほうじ茶の好き具合には勝てないと思うわ」
なお、酔っている妖精にはレミリアから赤ワインを勧められ、試しに少し飲んでみた結果大丈夫そうだったために、そこから更に追加で赤ワインを何杯かゆっくり飲んだメノも、しっかりと入っている。
他の妖精たちのように
また、約束通り
「ねえ! スター、僕の頭をなでなでして!」
「はいはい、メノ。そんなにがっつかなくてもしてあげるわ」
「わぁっ、ありがと! 凄く暖かくて、幸せだよぉ……」
「メノったら、かなり甘えん坊になってるわね! お酒の力かしら?」
「だと思うよー。普段は私たちを気遣ってか、結構遠慮してたみたい」
「あまりべったりし過ぎると、私たちが鬱陶しがるとでも考えてたのかも。メノらしいね」
「ええ、本当にメノらしいわ……ん? あー、今度は私に抱っこ? ほら、おいで!」
「えへへぇ。サニー、大好きぃ……」
ただし、その分私やサニー、ルナや魔理沙に対してなでなでや抱っこ、おんぶや肩車などといった行為を最優先で要求するなど、いつもより遥かに積極的で甘えん坊な一面が表に出ている。
しかも、お願いするにしても遠慮がちな普段のメノとはまるで違う。
例えば、少し前に霊夢や香霖と会話中だった魔理沙に駆け寄ると、お構い無しと言わんばかりに話しかけ、抱っこや肩車を要求して聞き入れてもらっていた点だ。
(理解ある3人で助かったわ……本当に)
普通なら悪意のあるなしに関わらず、何度も会話や食事を妨害されれば、少しくらい不快感を露にしても当然の摂理だと言える。
しかし、要求された魔理沙は酔っているメノの積極性に驚きこそすれ、微塵も不快感を露にすることなく応える。
霊夢や香霖もほぼ同様で、むしろ笑顔で話しかけたりなど、メノが更に喜ぶようなことをしてくれていたのだ。
そして、おまけと言わんばかりに、チルノを始めとした妖精友達やアリスやあうんも声をかけ、沢山メノを甘えさせたりもしてくれたのだから、とにかくありがたい。
「そう言えばさ、霊夢。メノって酔いが覚めても酔ってた時の記憶って残ると思うか?」
「さあね。酔い具合からして残りそうではあるけど、こればかりは明日辺りになってみないと、分からないんじゃないかしら」
「まあ、この場合だと残ってた方がメノにとっては幸せだとあたいは思うぞ! 恥ずかしいことをしてる訳じゃないしさ!」
「だよねー、私も同感」
やはり、私たち3人や魔理沙に対して向けるそれには劣っているものの、それでもいつもと比べればかなり強く、甘えたい欲求をメノはチルノたちにも表していた。
だからこそ、その時のメノが見せてくれた表情はまるで、晴れの日の昼間のお日さまが如く、幸せで暖かな
それに、羽のこの上なく綺麗な桜色の輝きだって、周りに居た皆に幸せをおすそわけできる程に強いのに、それでいて目に優しい。
(うっわぁ……流石に凄いや、これ)
ちなみに、その副産物で桜色の輝きを効果範囲内で視認した妖精たちは気分が更に高揚、モリオンやシャーネットを筆頭にいつの間にか開催されていたパイ投げ大会へ、飛び入り参加する妖精たちまでも現れ、あっという間にエントランスが悲惨な状況と化す。
心なしか、咲夜とノーゼの表情が諦めの境地に達していたように見えたので、終わったら片付けを手伝うと申し出てみたところ、「気持ちは嬉しいけど、こっちでやるから大丈夫」「スターたちは気にしなくていい。後、メノウもね」との返事が返ってくる。
そういうことなら、私も気にせず高揚してきた気分のままに、ワイワイ騒いで楽しませてもらうこととしよう。まあ、流石にパイ投げ大会はしないけど。
「心が枯れかけてたメノちゃんが、こんなに元気になってくれるなんて……幻想郷、外の世界とは段違いに良いところだね」
「うわっ、びっくりした……ウル、いつの間に実体化してたの?」
「さっき! メノちゃんの中から見聞きするのも良いけれど、やっぱりこういうのは実際に体感してみないとねっ! そう思わない? サニーちゃんたち!」
「ふふっ。確かにその通りだわ、ウル! 限界ギリギリまで楽しみましょ! レミリアも、それで良い?」
「そうね。メノウとウルは魂レベルで結び付いている、言わば2人で1人の存在。私の許可なんて必要ないから、楽しんでいきなさい!」
「やったぁ! レミリアちゃん、ありがとねー! ということで、そぉれ!」
「わっ、ウル……? えへへ、ウルだぁ……!」
そして、パーティーの盛り上がりが佳境を迎えてきた頃、全く前兆も気配もなく実体化していたウルも加わると、メノを抱き抱えて小さな人間の子供をあやすみたいに、高い高いをし始めた。
ウルの身長は私たち妖精よりは高いものの、霊夢や魔理沙たちよりは低い。だから、高い高いといってもちょっと持ち上げるくらいではあったものの、メノにとってそんなことはどうでも良いみたいだ。
幼さをより一層表へと出し、羽もパタパタさせながら存分にこの一時を味わい、一瞬でも止めると「ウル、もっとやって! ふふっ、高いたかーい!」と要求する光景は、実に微笑ましいと言える。
「メノウちゃん、幸せそうですね。お嬢様」
「ええ……本当に、妖精らしい良い笑顔してるわ」
「でも、まだ心の深いところまではきっと、治ってないですよね」
「……そうね。まあ、
ただ、メノの前世で起きた出来事を考えれば、何とも複雑な思いを抱く。本来なら、人間時代に受けて然るべき扱いなのだから。
それに、こうしてメノの前世が悲惨だった故に、幻想郷へ妖精として生まれ変わった上に運命に導かれる形で、私たちの家族になってくれたのだから、決して悪いことばかりではない。
これから先、生きてく上で辛いことが全くないとは言えないけど、私やサニーやルナがその度に支えて乗り越える手助けをしてあげよう。
メノが私たちを大好きな家族と思っているように、私たちもメノのことを大好きな家族と思っているのだから、至極当然のことと言って良い。
「ねえ、メノ」
「ん~? どうしたの、スター?」
「妖精に生まれてきてくれてありがとう。私たちと家族になってくれてありがとう。大好き」
「わぁ……あぅぅ……うん……! 僕の方こそ、その……えっと……!」
「メノったら、感極まって泣いちゃったわ!」
「スターからあんなことを言われれば、メノなら確実に嬉し泣きするよね。私やサニーが言っても同じだろうけど」
「つくづく、あの時
「「確かに、それは言えてる」」
それにしても、メノは相変わらず私たちのちょっとした
これを見る限りだと心も完璧に治ったように見えるけど、実際には美鈴も言うようにまだ治りきってはいない。
例えるなら、バラバラでぐちゃぐちゃにされてしまった、何千何万もあるパズルのピースを嵌めていく作業をしているような感じなのだ。
いくら私たちや魔理沙、チルノ一行に霊夢を含めた友達が居るにしたって、全員そっちの専門家じゃないから手探りとなって、余計に時間がかかるのも仕方ないだろう。
「んぅぅ……ぐすっ、スター……んふぅ……すぅ、すぅ……」
「あら……ふふっ、泣き疲れたみたいねー。ぐっすり寝ちゃったわ」
「幸せそうな寝顔、見ていて微笑ましいよね。ところで、当分起きなそうだから部屋に寝かしに行ったらどう?」
「確かに、それが良いかもねー。で、誰が寝かしに行く?」
「うーん……それならサニーにしよう。ぶっちゃけ、寝かしに行きたいって思ってるでしょ?」
「あっ、バレた? 流石はルナ、私のことはお見通しね!」
「じゃあ、サニー。メノをよろしくお願いするわ」
「りょーかい!」
で、感情の赴くままに長時間泣き続け、メノは疲れきったらしい。今までで一二を争う可愛らしさの寝顔を見せ、私に抱きつきながらすやすやと眠りについたので、軽い話し合いでサニーに部屋へ寝かせに行くのを任せることを決めた。
ただ、部屋に1人きりで寝かせておくのは、いくら紅魔館とはいえ少々不安だということで、時折パーティー会場となっているエントランスから抜け出して、私たちで定期的に様子を見に行くとも決まる。
パーティー自体はまだまだ続きそうではあるけど、これだけ熟睡しているのなら、ルナも言うように終わるまで起きなそうだ。
でも、だからといって無理に起こすことはしたくない。泣き疲れたのに加え、メノは今に至るまで休憩せずぶっ通しで動き回り、楽しんでいた疲れもあるのだから。
(良い夢見てね、メノ)
サニーに抱き抱えられ、すやすや眠るメノを見送りながら、私はルナたちとパーティーの続きを楽しむこととした。
大分長いこと忘れていて申し訳ありません。最後の名前付きのオリキャラの解説を追加したので、良ければご確認下さい。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303114&uid=286187
光の三妖精+オリ主以外で出番多めにして欲しい妖精キャラに関して
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チルノ&大妖精
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エタニティラルバ
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リリーホワイト
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全員
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作者にお任せ