押してダメならぶっとばせ!(旧題:バッドエンド多めの魔装ハーレム物に最つよ魔女を登場させて力尽くでハッピーエンドにしていく話)   作:デュアン

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閑章です。

年明けの関西コミティアでこれの1章を本にしたやつを出すかもしれないです。


閑章 織主芽有の楽しいエゲレス留学
そうだ、イギリス行こう


「織主、お前にはイギリスに行ってもらう」

「──え?」

 

 その瞬間、私の目の前はまっくらになった──

 

 

 事の始まりはほんの数分前。

 

「芽有~、部活行こ~」

「うん。あれ、私のキーホルダー知らない?」

「そこに落ちてるじゃない。ボールチェーンは止めといた方がいいわよ」

 

 今日の授業が終わり、佳奈や千絵らと何気ない会話をしつつ部室に行こうとしていた時の事だ。

 百三十年経っても尚脆弱性が変わらないチェーンへ愚痴っていた頃、スピーカーから放送が流れてくる。

 

『織主芽有一回生、直ちに生徒会室に来る様に』

「えっ」

「な、何かしたの?」

「わ~……」

 

 突然の呼び出し。こんな事これまで経験した事がなかった私はその場で硬直し、二人は不安そうな目を向けてくる。

 一瞬の硬直の間にこれまでの行動を振り返る。果たして私は何か怒られる様な事でもしただろうか? いや別に校則に違反する様な事はしていない筈……まさか、夜中の涼介君観察がバレてしまったのか? もしそうならば下手すれば退学、いや逮捕も……

 

「と、取り敢えず行ってくる。帰ってこなかったら骨は拾って」

 

 と、遺言めいた言葉を残して私は生徒会室に向かい──そこに居た菊花伊織生徒会長に開口一番言われたのが、最初の言葉である。本日二度目の硬直を迎えた私に彼女は続けて言う。

 

「通常は行わないのだが……以前クロスフォードが来ただろう、その交換みたいなものだ。期間は一ヶ月から二ヵ月、両国間の国交の関係向上に寄与する非常に名誉ある職務だ」

 

 それは知っている。何しろこれは原作でもあったイベントだからだ。

 魔法は各国における門外不出の技術。普通は魔法学園に他国の人間を入れるなど有り得ないのだが、今年に関しては例外があった。そう、レフィナである。彼女はイギリス人、それもSISの人間だ。そんな彼女を学園に入れる条件として政府は幾つもの条件を出し、その中の一つがこの交換留学である。

 当然ながら原作では快人が赴き、それにレフィナが帯同した。快人が選ばれた理由は一回生の中でもトップクラスの実力を持っていた事、彼の魔法強化条件である『支配』を海外でも行いたかった事、それ以外に様々な政治的案件が絡み合った結果である。そしてレフィナの任務は快人の情報収集である為に帯同した──まあつまりレフィナ回である。

 

 だがどうやら、様々な原作改変が行われた結果その役が私になってしまったらしい。でも自分としてはイギリスに行くなどとんでもない。私は声を震わせて言う。

 

「わ、私が、ですか? もっと良い人がいますよね。かい、藤堂君とか、ああ、あとは咲良も」

「藤堂か、彼奴も候補には上がったが実力がまだ足りない。朝露は……お前が私の立場だったとしてアレを外に出そうと思うか?」

「それは……そうですけど」

 

 彼女が遠い目をするのを見て、私は咲良の行った数々の行動を思い返す。

 まず大前提として咲良はこの世界の誰よりも強い。それはイギリスに行っても変わらず、そして向こうは日本よりも決闘文化が盛んである。そしてその争いに彼女は圧倒的な実力をもって瞬殺するだろう。

 良い勝負をしたならばまだいい。だが瞬殺ともなればあちらのプライドは著しく損なわれ、回り回って日本との関係にも傷が付く恐れがある。イギリスの生徒会長は王太女、万が一にもそれに勝つ様な事があれば……考えるだけでも恐ろしい。まあつまり、咲良は日本から出せない。それはいい。

 

「わ、私だとその、ケチが付いちゃうんじゃないですか? やっぱり十華族の方がいいんじゃ……」

「私の信条は完全実力主義。一回生の中では朝露を除けば一番強いのはお前であり、それに社会的常識も倫理観もある。加えてお前はキングスイングリッシュやラテン語の成績も一位だろう。これ以上ない程に適任だ」

「うう……」

 

 要素を並べられれば並べられる程反論の余地が無くなっていく。

 まあ現在の一回生の強さとしては咲良を除けば私、次点で心愛や快人、美玖や楓といった所だろう。私じゃないとすれば心愛になるが……まあ、彼女は国の顔として出すにはあまりにもイレギュラーだ。

 そして外国語。これに関しては実は私は毎回満点を取っている。まあズルみたいなものなのだが……異世界転生した転生者が何の障壁も無く現地人と会話しているだろう。それと同じであり、どうやら私はどんな言語でも理解出来るド級のマルチリンガル、ドマルチリンガルになっているらしい。ラテン語なんて前世では一ミリも知らなかったのに今では外交官よりも流暢に話せてしまう。

 

「きょ、拒否権は」

「ない」

「そ、そんなぁ……」

 

 無慈悲な言葉に私はその場に崩れ落ちる。

 イギリスで起こる様々な事件に巻き込まれるというのもあるが、最も大きいのは──

 

 

──涼介君を見れなくなる!!!!!

 

 なんか原作ではぼかされてた政治的案件とやらはどうなったんだ!! いや所詮はイギリス回をやりたかったが為のご都合だったんだろうけど、確かにそうだよね!! 現実的に考えたら機密を超えた機密である快人を外国になんて出せないよね!!

 その点織主芽有は何のバックボーンも無い平民で、それでいて強者で、ドマルチリンガル。はい詰み。こんなお誂え向きな人材があるのに態々快人なんて出しませーん。

 

「安心しろ。イギリスへは桃園祈里(いのり)と最初の三日間だけだがレフィナ・クロスフォードも帯同する。前者は代々外交担当であった桃園家の令嬢、後者はお前のクラスメイトと聞いている。力になってくれる事だろう」

 

 どうやら彼女は私が未知の国家に不安がっている様に見えたのだろう。だがそこじゃない、そこじゃあないんだよいおりん。

 

 桃園祈里、彼女は原作においてもこの留学に帯同した一回生であり、外務省を牛耳っている十華族、桃園家の令嬢である。加えて彼女は諜報員としての訓練も受けており、外国語は非常に堪能だ。その為レフィナと共に原作では快人に“攻略”されていく。

 そんな事はどうだっていいのだ。何しろ今の私には殆ど関係無い話なのだから。別に私は攻略する必要なんてないし、原作では留学期間中ずっとついて来る筈のレフィナは三日間限定になってるし、あーもう滅茶苦茶だよ。

 

 そんな荒れ狂う内心を隠しつつ項垂れる私の肩を彼女はポン、と叩き、言った。

 

「お前には期待しているぞ。短い間だが、我が帝国の為努めてくれ」

「………………はい」

 

 これは命令、拒否権はない。

 ただ私は、小さく承諾の言葉を呟くしか出来なかったのだ。




という訳で芽有ちゃんイギリス留学決定
外国留学は異能学園物では定番ですよね

多分あと二話か三話後に始まると思われる三章のイメビジュとメインキャラ二人のキャラデザです。ほんへはまだ時間が掛かりそうなので取り敢えずこれでお茶を濁しm(ry

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あと、タイトルが余りにも長いので短くしようかなって思ってます。近い内に候補をアンケに出します(まだ変えると決めた訳ではないです)

高評価お気に入り登録よろしくお願いします。

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