押してダメならぶっとばせ!(旧題:バッドエンド多めの魔装ハーレム物に最つよ魔女を登場させて力尽くでハッピーエンドにしていく話) 作:デュアン
「君、私の仲間にならないか?」
「……コトワる」
レインフォート、ティアーラ島。
"戦士の島"と名高いここに私とカケル、アリシアは来ていた。因みにアリシアは本来すぐに別れる筈だったのだが、何故かついてきてくれていた。私としては親身に世話をしてくれる彼女が来てくれるのは嬉しいので不満はない。
さて、島に入りある程度進んだ所でカケルがとある男に声をかける。だが、その筋骨隆々の男は不愛想にそう返すのみ。
「オマエみたいなヒョロガリに帯同する趣味はナイ」
「凄まじい偏見だな!」
「だから行かない方がいいって私言ったのよ……」
はあ、とアリシアが溜息をつく。
元々ティアーラ島に住む戦士は自らの体型を基準として考える風習がある。カケルは確かに強いのだが、如何せん外面は中肉中背の青年だ。
「……ウソだろ」
「これで分かったかい? さあ、事前に言った通り仲間になってもらうよ」
さて、外面で判断してくる相手には実力行使が一番である。
誇り高き戦士は決闘を断らない。カケルは彼に決闘を申し込み、鮮やかな体術で彼を地に伏せてみせたのだ。
「……戦士に二言はナイ。オマエの仲間になろう」
「それは良かった! 僕はカケル・スズキだ! 君の名前は?」
「オレはドルズ。デモオレより強いのなら戦士などイラナイのではないか?」
彼の疑問は尤もである。私やアリシアだってここに来る前に「戦士なんて要るの?」と言っていた程だ。
だが、それに対しての彼の答えは──
「──何言ってるんだ! 勇者パーティーに戦士は必須だろう!!」
「ハァ?」
一体その謎の固定観念は何なのだろうか。私達は首を捻るばかりであった。
「魔法を開発したい?」
「はい」
さて、ドルズを加えていよいよ勇者パーティーが揃った(らしい)私達は魔王討伐に向けて旅を続けている。目下の目的地は"帝国"の首都である。
どうやらそこに真の『勇者の剣』があるらしく、カケルはそれを抜きに行きたいというのだ。
まあそれは兎も角、彼は彼、私は私で特訓をしなければ。という訳で私は野宿をしている最中、アリシアに新たな魔法の相談をしたのだが……彼女は苦い顔をする。
「中々難しい話をするわね……そんな事考えた事もなかったわ」
「……難しいんですか?」
「ええ、魔法っていうのは大昔の大魔導師達が作り上げた物を使う、そういう技術だから……いや、今でも高名な魔導師なんかが魔法を作ってたりするけどね。それに私は僧侶、基本的に使うのは神から与えられた魔法だから……」
彼女が言うには、魔法を新たに作り出すというのは空中に文字を書く様な物。仮に開発出来たとしても、大抵は先人が同じような物を作り出しているのだと。
それ程までに偉大な魔法の始祖が居るからこそ、殆どの魔法使いは魔法を作り出す様な事はせず、多くの魔導書を読み込んで先人の魔法を一つでも多く覚える事に力を注ぐのだと言う。
「何だい何だい、一体何の話をしてるんだい?」
「この子が魔法を作りたいって言ってるのよ」
「魔法を作る? それはそれは……」
そんな所に割り込んできたカケルは、アリシアの言葉を聞きニヤリと笑う。
「それでこそ"勇者パーティー"の魔法使いだ! ああ、当然協力するさ」
「……貴方本気?」
「本気も本気だよ。ドルズ、君も協力して欲しい」
「オレも? でもオレ、魔法なんて難しい物はワカラナイぞ?」
「それでいいのさ。魔法はイメージの世界だからね! 下手な既成観念が無い方が良い場合もある」
と、そんな流れで私は皆を巻き込み新たな魔法開発に乗り出す事となった訳である。
取り敢えず私は今扱える魔法を見せてみる。
「「……おおう」」
「流石はフェニシアだな!」
見せ終わると、アリシアとドルズは若干頬を引き攣らせ、カケルは私を褒め千切る。
私が見せた魔法は『
「幾つ使えるのよ……」
「お母様が色々魔導書を用意してくれたから……」
私が魔法使いを目指したいと言った時、ヴィロリアは快く応援してくれた。幾つもの魔導書を搔き集め、魔力操作方法も手取り足取り教えてくれたのだ。
また、彼女は自分の前で聖属性魔法も使って見せてくれた。「ふふ、いつか使える様になったら良いわね」と言っていたので必死に練習して次の日に同じ魔法を使って見せたら顔を引き攣らせていた。何故だろう?
それは兎も角、アリシアが呆れた様に言う。
「第一『リグラ・グレンズ』やら『プロティレイル』って闇属性魔法じゃない。貴女神様の所で暮らしてたんでしょ」
「お母様はそういうの、あんまり気にしないから……」
「えぇ……神として良いの、それ」
「別にいいんじゃないかな。第一魔法の属性に優劣なんて無いだろう、単純に性質が違うだけさ。魔法は魔法だ」
カケルが言ったその言葉は、不思議とすうっと私の心に入り込んだ。
魔法の属性に優劣なんてない──私は聖属性魔法も闇属性魔法もどちらも使える魔法使いになるのだ。きっとヴィロリアもそれを見越して魔導書を用意してくれたのだろう。
「さて、ともすればどんな魔法を作るか、だが──その前にお客さんが来たみたいだ」
彼が不意にそんな事を言い、次の瞬間ドルズが構えた大剣にレイピアが打ち鳴らされる。
それを行ったのは背にコウモリの様な翼を生やした男──吸血鬼である。
「フハハハハ!! この様な場所で呑気に野宿とは、余程の命知らずらしいな」
「きゅ、吸血鬼!! ドルズ、そのまま押さえておいて! 私の聖魔法で「待った」
アリシアが杖を構えるのをカケルが止める。
一体何をしているのだろうか。吸血鬼といえば凄まじい自己回復能力で通常の攻撃が殆ど通じない高位魔族の一種。それを倒すには日光を浴びせるか聖属性魔法を使うしかない。
だが、そんな相手を前にして彼は剣を抜く。
「フェニシア、作る魔法が決まったよ」
「え?」
「ドルズ! 通り道に巨大な岩があったら君はどうする!」
「エ、こ、コワス?」
「その通り!!」
そう言うと、カケルは剣を振るいドルズが押さえていた吸血鬼の首を断つ。
だが、それで死ぬならば上位魔族とは言われない。吸血鬼の表情は変わらず、すぐに再生しようとする──そこを更に四等分、更に八等分、十六等分……
「む、無駄な足掻きはやめろ!! この我には貴様の攻撃など通じない!!」
「通じない? なら──」
彼は目にも止まらぬ速さで剣を振るう。
やがて、吸血鬼は目視出来ない程の塵に変わる。そして、そこから復活してくる事はなかった。アリシアが杖を構えたままポカンと口を開いている。
「……え、な、何したの?」
「攻撃が通じないなら、通じるまで攻撃すればいい。アイツの場合再生出来ない大きさになるまで身体を切り刻んでやっただけさ。吸血鬼だって生き物なんだ、再生限界はある」
「えぇ……」
彼女やドルズが何言ってんだコイツ、と言わんばかりの視線を向ける中、カケルは私に向けて言った。
「という訳で、フェニシアが創るべき魔法は"どんな障害物でもぶっ飛ばせる魔法"! これで決まりだな!!」
「どんな、障害物でも……」
「リグラ・グレンズで倒せない相手って何なのよ……」
「魔王にすらツウジそうなのだが……」
二人が呆れる中、彼のその言葉はやはり不思議と私の
「折角作るんだ、もう先に名前を決めちゃおうか」
「そうですね……形から入るのも、大事」
「そうだな……よし。受け売りになっちゃうけど名前はアレにしよう──」
「──"ショックカノン"ってのはどうだい?」
咲良が脳筋になった原因
今回の話で「ショックカノン」という単語に興味を持った方は是非宇宙戦艦ヤマトを見てください
ついでに作者が書いているヤマトの二次創作も覗いてみてください
https://syosetu.org/novel/302528/
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1/19にてインテックス大阪で行われる関西コミティアにて本作の一章部分を再構成し本にした物を出します。
サークル名は『近畿大学漫画研究会Nuclear!』でスペースはC-36です。
表紙はこれです。よろしくお願いします。
【挿絵表示】
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