負けた・・・・私はシャアに敗れた。
自分が知っているシャアならば恐らくキュベレイのファンネルが無くとも勝てただろう・・・・だが、地球圏で再会したシャアはミネバ様の件で私に詰めよった時ならともかく、その後は別人だった・・・・何が起きたのかはわからないが、私を自分毎コロニー・レーザーで消し去ろうとしたシャアには抗えなかった。
『シャアは貴女の・・・・』
『黙れ!貴様・・・っ』
カミーユ・ビダンとの問答を認めまいとしていた。その前後の事を含めて抗いながらの果ての最終決戦・・・・グリプス2を敢えて奪取させた隙にアクシズをグラナダに移動させる。落下させるかはともかく、これならエゥーゴはグリプス2をアクシズに向ける以外に選択肢は無くなる算段だ。だが、結果は敗北だ・・・・アクシズには貴重な実戦経験があるパイロットの乗った数十のガザCをシャアに根こそぎ葬られた時点でバスク・オムを無能な男だと笑えはしない結果を招いた。
シャア・・・・お前に私のところに帰って来て欲しかった・・・・そうすれば私は。
そう思っていたら、私は何処かに立っていた。暗い・・・・暗黒の世界とかはこの事か・・・・そして背後から知っている気配を感じた・・・・冷や汗を流して振り返ると。
「ハマーン?」
「ナタ・・・・リー・・・・」
忌まわしい記憶・・・・私は掛ける言葉が見つからない、そんな私にナタリーは暗い笑顔で両手に持った微かに光るものを近付けた・・・・やめてくれ・・・・それは、それ・・・・は。
「わかっているんでしょハマーン?私が授かれた大切な存在?かなり性急だったけど、きっとシャア大佐が欲しかった存在・・・・私が、軍人とか指導者とかとしても見てはいたのだろうけど、私なりにシャア大佐が求めたものとも素直に向き合ったから・・・・」
・・・・やめろ!
やめてくれっ!!
そうだ・・・・シャアは・・・・シャアが欲しかったのは・・・・!
私はどんな顔をしているかわからずに、ナタリーが持った光から放たれたものに飲まれた。何故か、そうされるがままになるべきな気がして、そのまま意識が飛ばされた。どこか不確かな光が象る橋を渡っている気がしたが、何処へ行く?
・・・・・・・・。
そして、その日に宇宙には白と紫とピンクに輝く星が一際大きく輝いて消えた。
・・・・・・・・。
「・・・・」
寝苦しい?
何だ?自分はこんな風に寝ていた記憶は無いような気がしたが?
目を覚ますと、小さな部屋だったが・・・・む、何だ?床に直接敷物をして寝床にだと!?こんなもの・・・・何故、私はこんなものと?
私は・・・・私は誰なのだ?いかん・・・・思い出せんぞ?
『名前が思い出せん!』
それに、何だ!?下着だけの格好だと?くっ、とにかく着るものは?
「・・・・恥を知れ俗物!」
何なのだ!?あの壁に掛かる服は、マントだけではなく所々に金色の装飾を施した黒い衣装だと?・・・・しかも、金色の被り物まで隣にあるだと!?
他にはないのかと、確か押し入れとやらを開けたのだが・・・・次はゆったりはしているが、似たような服で・・・・まあ、彼方よりは良いが・・・・。
「何故、しっくり来る?」
古い時代の口煩い侍女のような格好になっただと?特にかけなかった眼鏡はそう思えるな・・・・どうせなら愚王たる父を自ら投獄した王女がお忍びで勇者に助力を頼みに来た時のような・・・・何故、こんなのをイメージ出来るのだ?
いや、その前に何だ・・・・この小さな部屋の向こうから向き合わなければならんものがそこにいるようなプレッシャーは?・・・・その前に、私の名前!名前は何なのだ?部屋の中には何も無いが、外には何か手掛かりは!?
む、廊下か?ここは何と言う場だったか・・・・表札みたいなものがあるが・・・・む、古いものだがあるぞ!
『破魔』(はま)
「破魔?・・・・私の事か?・・・・破魔の矢とやらの破魔・・・・いや待て、私は其方ではないと思うがな、どちらかと言うと?まあ、それは後にして隣は・・・・『西』?・・・・『にし』か?うう・・・・む?自分だけではなく、隣まで清々しい程に実感がわかんぞ?」
どうしたものか?と考えていたら?
「う?な、なんだ、鳥肌がたっている・・・・!なんだというのだ!?誰かが私を見ている・・・・誰だと言うのだ!?」
『ニャ~お♪♪』
む、猫だと?
違うな、先程のプレッシャーはこいつでは・・・・いや、この猫は只者ではない!?だが、違う!誰なのだ!?
・・・・上かっ!?
私は咄嗟に両腕を交差させて守りつつ後退した直後に目の前に降り立ったものと対面した。
「シャ~~っ!」
シャ~っ?・・・・しゃ・・・・。
何か引っ掛かるが・・・・むっ!?な、何だと?同じ・・・・いや、少し違う?だが、同じような髪型だと!?彼方は『金髪』だが・・・・。
「何処の所属か?」
「シャ~~っ!」
「何処の所属か?と聞いている!」
「シャ~~っ!」
舐めた真似を!無礼を許すわけにはいかない!イヤリングに見せかけて青酸ガスの詰まった・・・・無い、私の耳にイヤリング等は無い・・・・そもそも、私は何故そんなものを身に付けていると思っていたのだ?と思った時だった。
『せいら、どうかしたのか?』
表札に西と書かれた部屋から何やら怪しい仮面を被った赤い男が出てきた?何故だ・・・・何故、サングラスではなく、仮面を・・・・む?何故、サングラス等と?
「お兄様!このオバサンは怖い人です!」
「やめないかっ!」
オバっ・・・・何という言い分!私は20になって間も無い・・・・いや、何故か自分は30のアラサーとやらの気が・・・・しかし、何なのだ!?あの仮面の男は?こういう時は慌てて妹の口を塞ぐ奴でもない気がするぞっ?どちらかと言うと優雅に笑って・・・・いや、それも違う!?
「む、まさか『また』知らずにこのアパートにいたという経緯の新人か?・・・・私は西、ご覧の通りこのアパートの住人だ」
ご覧の通り?いや、何故アパートの住人がそんな格好を・・・・いかん、私も人の事は言えんか。
しかし、何故あの西の妹のせいらとやらは私を敵視するのだ?
何かの本でアクシズはグリプス戦役で大敗したとか掛かれてたが?シャアに葬られたガザC部隊のパイロットが書いた通りだとしたら、あの時点で後の敗けは確定してたのかも。
途中はSD外伝やら最近のが元ネタ。