ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
作者「さて、アンケートどうなってるかな?やっぱ他クラスのリーダー格(綾小路、坂柳、一之瀬)とかかな?」
アンケート途中結果 龍園 翔 1位
――約30票差――
山田アルベルト 2位
――60票差以上――
椎名ひより 3位
作者「???」
後方腕組み待機王龍園「はっ。佐倉が居ないなら、当然の結果だろ。なぁ、アルベルト?」
ボディーガードアルベルト「Yes,Boss」
Episode 10 バカンスの裏側
―――燦々と照りつける夏の日差し。
―――突き抜けるような青空に、果てしなく広がる水平線。
俺達『高度育成高等学校』の1年生は、病欠の一人を除き全員が豪華客船にて、最高の夏のバカンスを満喫していた。
◆
―――豪華客船【
イタリア語で希望を意味するこの船は、外観も然ることながら、船内には一流のレストラン、演劇が楽しめるシアター、プールや様々なアミューズメント施設。高級スパまで完備という、正に希望が詰まった船と言えるだろう。
「しっかし、凄いなこの船。それを貸切って、いったいどんだけ金掛かってるのやら」
1学期を終え、夏休みを迎えた俺達に待っていたのは、学校が用意した約2週間の豪華旅行だった。予定ではこの豪華客船で1日移動の後、無人島のペンションにて1週間過ごした後、残り1週間はこの豪華客船にて宿泊とのこと。勿論、原作知識のある俺はこれが旅行ではなく、特別試験であることは分かっているが、前世でも経験のない豪華客船に乗れて、内心かなり上機嫌になっていた。
「俺達が払うんじゃねぇんだ。精々好きに使わせてもらうさ」
「Delicious」
そんな俺と龍園、アルベルトは船内にある施設の1つ―――BAR【
「そういや、佐倉は一緒じゃねぇんだな」
「あぁ、愛里なら伊吹と椎名の2人と一緒に高級エステに行ったよ。折角の機会だからって」
「Beautiful」
夏休み直前、愛里から伊吹と椎名に自分が雫であることと、過去の出来事を話したと聞かされた。椎名が自力で正体に気付いたのが切っ掛けだが、2人に話せて良かったと笑顔で語る愛里を見れて、伊吹と椎名には感謝している。先程もエステに誘われ笑顔になる愛里が見れて眼福だった。是非とも伊吹と椎名には、これからも愛里と仲良くして欲しい。
「はっ。おい、あれ見てみろ」
「ん?」
「what?」
龍園の言葉を受け、俺とアルベルトは龍園と同じ方向に視線を動かす。このBARからは船のデッキが一望出来るのだが、龍園の視線はその甲板の一角に向いており、その先にはあからさまに他の生徒から距離を置かれている集団がいた。
「ククク。Dクラスは随分と嫌われてるなぁ、虎城?」
「いや、そんな悪どい笑み浮かべながらこっち見んな。俺がDクラス嵌めたみたいに見えるだろ」
須藤暴力事件以降、目に見えてDクラスの評判は悪くなっていた。元々須藤の素行が悪かったことに加え、以前の図書室騒ぎを知ってる人も多く、須藤に非があるということで話が広がったことと、それをクラス問わず信頼が厚い一之瀬が肯定したことの2つが大きな要因だ。
「前にも言ったが、俺にとってはどっちだろうと同じことだ」
「そうかい」
そうして俺と龍園はカクテルを飲み、一息入れる。
「―――確実に何かあるぞ、龍園」
「―――クク、いいじゃねぇか。愉しみが増えるだけだ」
◆
「星之宮先生?」
「ごめんごめん、一之瀬さん。続けて?」
【
「Aクラスは坂柳さんと葛城くんですね。この2人のどちらかが、Aクラスのリーダーになるのは確定だと思います」
Aクラスは現在唯一クラスポイントが4桁であり、初期クラスポイントを4ポイントとはいえ上回っている破格のクラスと言える。
「Dクラスは、櫛田さんと平田くんがそれぞれ男女を纏めてますけど、あまり良いとは……」
そこで言葉を濁す一之瀬。その姿を見て、星之宮はDクラスが脅威ではないと認識する。学校の歴史上、初のクラスポイント0を叩き出したクラスは、中間テストにて結果を出してはいたが、その後の暴力事件もありクラスポイントは57ポイントと2桁。Aクラスとは逆の意味で凄いクラスである。
―――だが、星之宮が1番意識しているのはAクラスでも、ましてやDクラスでもない。
「最後のBクラスは、言わずもがな龍園くんと虎城くんですね」
一之瀬のBクラスという言葉に、星之宮は歯痒さを覚える。元々は一之瀬率いる自分が担任のクラスがBクラスだったのに、最初の1ヶ月でまさかのクラス降格。おまけに現在その差は開く一方であり、おかげでBクラスになった坂上からは、事あるごとにマウントを取られる始末だ。
「纏めているのが龍園くんなのが、かなり厄介だと思います。あの暴力事件も、虎城くんが被害者でなければ正直、龍園くんの八百長を疑ってました」
図書室での出来事の当事者でもある一之瀬は、接した感じで虎城が悪い人でないと思っている。中間テスト前に図書室でBクラスの生徒に勉強を教えている姿を幾度も見たし、実際彼に頼んだ結果クラスへの嫌がらせは止まったことへの感謝もあって、今回の件に関して一之瀬は虎城を信じていた。それが他の生徒に知れ渡り、結果Dクラスの評判悪化に繋がったのは皮肉だろう。
「最初にクラス昇格しただけでも凄いのに、その後もクラスポイントを多く獲得して、私達Cクラスとは220ポイントも差がついている」
「Aクラスとは124ポイント差まで縮めているものね。正直、入学時Cクラスがここまで出来るなんて、完全に想定外だったわ」
溜息をつき、2人の名前からふと思った事が星之宮の口から溢れた。
「―――龍と虎が、並び立っちゃったのか……」
◆
「風が気持ちいいな」
「うん。あ、見て優くん。星が綺麗」
龍園とアルベルトの2人と分かれた後、エステ帰りの愛里と合流し、船内を思い思いに散策していると、あっという間に時間が過ぎた。夜になると辺りはすっかり夜の闇で覆われており、船の灯り以外光源がない為か星が綺麗に見える。
「確かに、星がよく見えて綺麗だな」
「うん……」
そうして夜空を見ていると、星と同じくらい綺麗に輝く月に目がいく。それを見てあることを思った俺は少しだけ、かっこつける事にした。
「星も綺麗だけど……今日は、月が一番綺麗、だな」
「っ!!」
俺の言葉に、読書好きの愛里がその言葉の意味に気付かない訳がなく。
「優くんと一緒に見る月は、ずっと前から綺麗だと、思ってる……!」
そんな、素敵な返しをしてくれた愛里を、俺はそっと抱き締めた。
◆
『生徒の皆様にお知らせします。お時間がありましたら、是非デッキにお集まり下さい。間もなく島が見えて参ります。暫くの間、
―――豪華客船での旅の2日目。
無人島が目視で確認出来る所まで進むと、船内アナウンスが流れそれに釣られてデッキへ沢山の生徒が押し寄せていた。
「
「―――アルベルト。最前列だ」
「OK」
近くにいた龍園にそう声をかけると、龍園が指示を出しアルベルトが人が集まる前にその体格を利用して、最前列の一角を確保してくれたので、そこに龍園と俺が入る。
「島の周りを大きく一周……なるほどな」
暫し島を観察した後それだけ呟くと、もう用はないと言わんばかりに龍園はその場を後にしたので、俺もそれに続く。直後、島に上陸のため生徒はジャージに着替えて集まるよう船内アナウンスが響いた。
◆
学生証である携帯を担任に提出し、身体検査を通過し島へ上陸する。上陸後はクラスごとに並ぶよう指示を受け、整列していく生徒達。そうして全生徒が上陸し整列したのを教師が確認した所で、拡張器を持ったAクラスの担任である真嶋先生が前に出てくる。
「今日、この場所に無事につけたことを、まずは嬉しく思う。しかしその一方で1名ではあるが、病欠で参加出来なかった者がいることは残念でならない」
病欠しているのはAクラスのリーダー候補である坂柳有栖であり、今回の旅行そのものを辞退していた。
そして真嶋先生は一拍おき―――
「ではこれより、
―――本年度最初の
月が綺麗ですね 返し方
・ずっと前から綺麗
「私はずっと前からあなたのことを愛してます」
・あなたと一緒だから
「この愛は、あなたあってのもの」
【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――
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葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
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一之瀬クラス(初期Bクラス)
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不良品クラス(Dクラス)
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龍園クラス以外認めない!