ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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最近は龍園クラスのキャラ達をどう格好良く(可愛く)書くかを考えてます。



Episode 12 巡る思惑

 

 

 

 

 

 

―――特別試験無人島1日目。

 

他クラスが無人島での1週間をポイントを節約しつつ、どう乗り越えようか色々と知恵を振り絞り、テント設置等の陣地形成をしているであろう大事な初日に、俺達Bクラスはというと―――

 

 

 

 

「てめぇら、遠慮はいらねぇ。存分に楽しめっ!」

 

『おぉ!!』

 

 

 

 

 

―――バカンスの続きを、存分に楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葛城との契約が完了し、先程200ポイント分の物資を譲渡し終えたことで、龍園がバカンスの開始を宣言した。

俺達Bクラスが占有した【スポット】であるこの砂浜は、1週間生活することを考えると不便しかなく、どのクラスも占有しようとはしなかったが、遊び場としては間違いなく最適解である。そんな砂浜を占有し、残った100ポイントを全て娯楽に使用した俺達はバカンスを満喫していた。それは全然良いのだが―――

 

 

 

 

「龍園さん、虎城さん!肉焼けたんで食べてください!」

 

「あぁ」

 

「おぉ。ありがとな、石崎」

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、虎城くん。一緒にビーチボールで遊ぼうよ!ほら、佐倉も一緒に!」

 

「お、おう?」

 

「真鍋さん、わ、私も!?」

 

 

 

 

 

 

「虎城さん、水上スキー借りたんで是非最初に使ってください!あ、二人乗り出来るんで佐倉さんもどうぞ!」

 

「お、おぅ……」

 

「ゆ、優くんと水上スキー……あぅ」

 

 

 

 

 

 

何故かクラスの皆から目茶苦茶良くされている。

因みに水上スキーは愛里と一緒にかなり楽しめたが、水上スキーの間、愛里は俺のことを強く抱き締めてきた為、背中で愛里の柔らかさを肌でダイレクトに感じて色んな意味で凄かった。

 

『何故か皆が良くしてくれるんだけど。アルベルト、何か知ってる?』

 

休憩のため砂浜に置かれたビーチチェアに座って、俺は近くにいたアルベルトに疑問に思ったことを聞いた。

 

「Let it be.Brother」

 

そう一言だけ言葉にして、アルベルトは俺に向けてサムズアップしてくる。

 

「ありのままにって、ますます分からなくなったんだけど……」

 

結局疑問は解消されなかったが、皆が楽しそうなら良いかと作戦の方に思考を切り替える。既に金田と伊吹はこの場に居らず、上手く行けばそれぞれCクラス、Dクラスへ潜入している頃だろう。2人にはキーカードを撮影するためのデジカメと連絡用の無線機を渡しており、無線機を持つ俺といつでも連絡可能だ。勿論、何かあった時のために葛城にも渡している。

 

「はっ。随分慕われてるじゃねぇか、虎城。謀反でも起こすか?」

 

そんな考えている所に、龍園が笑いながら隣りにあるビーチチェアに座りジンジャエールを呷った。

 

「物騒なこというなよ、龍園。俺にそんな気が無いことくらいわかってるだろ?」

 

「クク。なに、ただの冗談だ。今は機嫌が良いからな」

 

そう言う龍園はバーベキューの肉も喰らって満足気だ。

 

「虎城、てめぇもしっかり楽しんどけ。バカンスは明日までだからな」

 

「……そうだな」

 

 

こうして、Bクラスは特別試験1日目を存分に楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『虎城、Dクラス男女で揉めててやばい。しかも高円寺とかいう男子がリタイアしたらしくて、更に悪化してる』

 

 

「……おぅ」

 

 

 

 

そう連絡してきた伊吹から疲れを感じたのは、気の所為ではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、バーベキューの第一陣焼けたぞ!」

 

『待ってましたぁ!!』

 

 

 

―――特別試験無人島2日目。

 

俺達Bクラスは、今日も1日目と同じくバカンスを満喫していた。

 

 

「石崎、これ龍園に持って行ってやってくれ。あ、飲み物は青色のクーラーボックスからな?赤色の方はまだ冷えてない」

 

「了解っす、虎城さん!」

 

 

 

 

「真鍋、ビーチボール膨らましておいたぞ」

 

「ありがと、虎城くん!」

 

 

 

「椎名。パラソル立てるから、読書するならパラソルの日陰入っときな?」

 

「まぁ、お気遣いありがとうございます」

 

 

 

「水上スキー!交代の時間だぞぉ!」

 

「「はーい!」」

 

 

 

 

そんな中、龍園からは楽しめと言われたが、昨日皆に良くしてもらった分は返したいと思い、朝の遊び始めである今の間は裏方に徹していた。

 

 

「お疲れ様、優くん」

 

「お。ありがとう、愛里」

 

皆のサポートに徹していた俺に、愛里が飲み物を渡してくれる。よく冷えたジンジャエールが凄く美味い。

 

「……澪ちゃん。大丈夫かな」

 

不安そうな顔で愛里がポツリと呟いた。確かに他クラスにスパイとして潜入しているとなると、友達として心配するのも当然だろう。

 

「大丈夫だよ。もし何か危険があれば直ぐにリタイアするように言ってるし、無線機で定期的に連絡も取ってるから」

 

因みに無線機は他のクラスの人に見られれば確実に警戒されるため、使う時以外は俺の鞄の中に入れてテント内に置いているから見られることはない。

 

「……うん。優くんが気にかけてくれてるなら、安心出来る」

 

そう言った愛里の顔に不安感はない。ここまで彼女(愛里)に信頼されたら、応えるのが彼氏の役目だろう。そう改めて決意を固めると、森の方からこちらに近づく2人組の姿が見えた。Cクラスの一之瀬と神崎だ。

 

「おはよう、一之瀬。他クラスの偵察か?」

 

「おはよう、虎城くん。にゃはは、まぁそんなところ。あ、こっちは同じクラスの神崎くん。私のことを色々と手伝ってくれてるの」

 

俺の言葉に苦笑いを浮かべた一之瀬が、神崎を紹介してくれる。

 

「こうして話をするのは初めてだな。一之瀬から話は聞いている。神崎だ、よろしく」

 

「虎城だ。こっちこそ、よろしく。隣は同じクラスの佐倉愛里。幼馴染みで俺の彼女だ」

 

「あ、えっと。よ、よろしくお願いします」

 

「あぁ、その子が噂の彼女さん!私一之瀬帆波、よろしくね、佐倉さん!」

 

神崎と握手を交わした後、愛里の紹介をすると一之瀬はかなりはしゃぎ出した。神崎は砂浜で楽しんでいるBクラスの面々を見て驚いている様子だ。

 

「……Bクラスは、随分と羽振りがいいんだな」

 

「あぁ。今回の特別試験は、デメリットを考えて降りることにしたからな」

 

そう切り出して、葛城に語った安全策を除いた表向きの理由であるクラス内の不和やポイント減少の件のみを話す。

 

「……なるほど、そういう考え方もあるのか」

 

「まぁ、クラスポイントが増えないのは普通に痛いし、Cクラスみたいに団結力が高いならデメリットはないようなもんだから、神崎達は気にしないでいい内容だよ。あ、肉焼けたからどうぞ」

 

そう言って俺はバーベキューの肉を一之瀬と神崎に渡す。因みに一之瀬の方は愛里とずっとしゃべっていたようだが、内容まではわからなかった。

 

「えっと……私達が貰ってもいいのかな?」

 

「勿論。ただのお裾分けだから、気にせず食べてくれ」

 

「ど、どうぞ」

 

俺の言葉に少し逡巡していたが、愛里の言葉で意を決したように一之瀬が肉を頬張る。

 

「っ!すっごく美味しい!」

 

「それはよかった」

 

「確かに美味いな。感謝する、虎城」

 

一之瀬と俺のやり取りを見て、神崎も食べてお礼を言ってくる。

 

「お肉ありがとう!それでね、此処に来たのは偵察もあるんだけど、虎城くんに聞きたいことがあったの」

 

食べ終わったタイミングで、一之瀬が真剣な顔で声をかけてくる。

 

「昨日、顔を怪我した金田くんが私達のスポットの近くで座り込んでて、今私達の所にいるんだ」

 

一之瀬の言葉で金田も無事Cクラスに潜入出来たことがわかった。

 

「……今回の特別試験を降りるってことで、伊吹と金田が反対してな。龍園がクラスから追い出したんだ。ポイントを全部使うなら、追い出してリタイアされても問題ないってな」

 

「理に適ってるが、そこまでするのか……そう言えば、虎城の頬も少し赤い気がするが―――」

 

「あ、いや。これは本当に関係無いやつだ。気にしないでくれ」

 

神崎の指摘に、まだ赤かったのかと驚きつつ関係ないと答える。

 

「すまん、一之瀬。迷惑かけて悪いんだが、金田のこと頼めないか?」

 

「………」

 

「一之瀬さん…?」

 

金田がこのままCクラスに居れるように、一之瀬に頼むのだが、何故か一之瀬は呆然としており俺と愛里の言葉が聞こえていない様子だった。

 

「一之瀬?」

 

「……っ!あ、ご、ごめんね!うん、金田くんのことは任せて!」

 

そう言って一之瀬は踵を返し、去っていく。神崎も一足遅れて一之瀬に追従した。

 

「どうしたの、かな?」

 

「うーん、要らん心配させちゃったか…?」

 

一之瀬の様子が変ではあったが、金田がCクラスに残れそうで安心した。

 

 

 

 

 

 

「―――第二陣、焼くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだ、一之瀬?」

 

神崎くんの言葉に私―――一之瀬帆波は自分の考えを口にする。

 

「金田くんは、龍園くんに反対して殴られた。それは、虎城くんだって例外じゃないと思うの」

 

「……あの顔の痕は、関係無いと虎城は言っていた。あの様子は嘘を言っている様には見えなかったが」

 

「だと、いいんだけど……」

 

虎城くんには中間テスト前の時に嫌がらせを止めてくれた恩と、須藤くんと引き合わせてしまった罪悪感があるため、クラスは違うが出来れば力になりたいと思っている。クラスの皆も、龍園くんはともかく虎城くんになら協力しても良いと言ってくれる人が殆どだ。因みにDクラスについては暴力事件もあって、関わりたくないという人が大半だ。

 

「確かに龍園は要注意だが、今回の特別試験ではリタイアするし、俺達は俺達で頑張るぞ、一之瀬」

 

「……うん!いつまでも暗い顔してちゃ、皆が心配しちゃうからね。よーし、ベースキャンプに戻って頑張るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――一之瀬と神崎が帰ってから2時間後。

 

 

再び森の方から2人組が現れた。綾小路と堀北である。

 

「嘘でしょ?どういうつもりなの、Bクラスは……」

 

「確か、Dクラスの綾小路くんと堀北さんだっけ?」

 

堀北が俺達の様子に困惑しているようだが、気にせず声を掛ける。因みに愛里は椎名と一緒に読書へ向かい今は一緒ではない。

 

「虎城、だったよな?」

 

「あぁ。此処には偵察に?」

 

「……そのつもりだったけれど、警戒した私が馬鹿だったわ」

 

相変わらずの堀北の口調だが、最早何も言うまい。

 

「Dクラスの猿共か。バカンスを楽しんでいる俺達が羨ましくなったか?」

 

そんな俺等の前に、龍園が石崎を連れ立って現れた。石崎は龍園に日が当たらぬように、重いパラソルを抱えている。

 

「トップが無能だと、下の人間が可哀想ね」

 

「ぶっ…!?」

 

堀北の言葉が自虐ネタにしか聞こえず、少し噴き出してしまった。

 

「ククク!なんだ、猿にしては芸が達者じゃねぇか」

 

「……なんですって?」

 

一方で龍園は全く隠さずに普通に大笑いし、堀北はそれを見て苛立ちを顕にしていた。

 

「まぁまぁ。せっかく来たんだし、肉食べていかないか?」

 

此処で争っても何にもならないので、取り敢えず一之瀬達と同じように肉で饗す。

 

「いいのか?食べた後で何か請求したりは……」

 

「ないない。どうぞって言って渡したものを受け取ってから何か要求するとか、そんな恥知らずなことしないよ。遠慮なく食べてくれ」

 

俺のその言葉に、堀北の怒気がかなり増したように感じた。そこで原作で堀北が綾小路に学食奢るからと言い、食べた瞬間要求したのを思い出した。

 

「うん。美味いな、この肉」

 

「喜んでもらえてよかったよ」

 

「ちょっと、綾小路くん!」

 

肉を食べる綾小路に対して怒鳴る堀北だが、綾小路は食べるのを止めない。完全に餌付けしたみたいな感じになってしまった。

 

「……貴方、伊吹さんを知っているわね?」

 

そんな空気を払拭するかのように、堀北は改めて龍園に質問する。

 

「うちのクラスの人間だ。それがどうかしたか?」

 

「彼女、泥だらけで私達のスポットの近くの森の中で座り込んでいたわ。服には足跡まで付いていた。アレはどういうこと?」

 

「奴は支配者の命令に反発した。だから制裁を加えただけだ」

 

そう言う龍園は、俺が持っていた肉を1つ取って頬張る。

 

「……そう。これが貴方達Bクラスのやり方なのね。須藤くんの事件では上手くやられたけれど、まぐれみたいで安心したわ」

 

堀北の言い方に違和感を覚えたが、多分俺が嵌めたと解釈しているのだろう。確かにそう思われて仕方ない感じはあるが、仮にも暴力振るった加害者側が被害者面するのは少し癇に障るな。

 

「……気の強い女は好きだが、ここまで馬鹿だと流石に唆らねぇな」

 

「私も、貴方なんかに好かれたくないわ。行きましょう、綾小路くん」

 

そうして堀北は森の方へ踵を返す。

 

「……ご馳走様。それと、堀北がすまなかった」

 

綾小路も一言礼を言ってから堀北の後を追い、2人の姿は見えなくなった。

 

「やれやれ。猿の相手は疲れる。石崎、飲み物取ってこい」

 

「うっす、龍園さん」

 

心底どうでもいいと言わんばかりに吐き捨て、ビーチチェアのある場所に戻っていく龍園を見て、原作の須藤事件での堀北の活躍―――綾小路の暗躍ありき―――が無くなった為に、龍園が現時点で堀北に興味を抱かなくなっていることに、今更気付くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 





バタフライエフェクトって改めて凄いんだなと思いました(笑)

【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
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