ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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1年生 夏休み:船上試験
Episode 17 2つ目の特別試験


 

 

 

 

 

 

―――無人島特別試験終了から、3日が経過した。

 

豪華客船のバカンスから一変、初となる特別試験で無人島での1週間サバイバル生活を余儀なくされた生徒達だったが、それも過去のこと。現在は生徒全員が【Speranza(スペランツァ)】でのバカンスを満喫しており、東京に戻るまでの残り数日も快適な船旅である。

 

 

 

(―――って、殆どの生徒は思ってるだろうな)

 

 

 

Speranza(スペランツァ)】船内にあるレストランにて、俺と愛里は一緒に昼食をとっていた。カルボナーラをフォークで巻き取りながら考えるのは、今日通達されるであろう2つ目の特別試験―――船上試験についてだ。

 

(この船上試験は、特別試験の中でもかなりおいしい試験(・・・・・・・・・)だ)

 

干支試験とも呼ばれるこの特別試験は、他の特別試験と比べ圧倒的に報酬が良い。干支である12の動物名を冠するグループに全生徒が割り振られ、グループ内で1人指名された『優待者』を探し当てる考える力―――シンキング能力が問われる試験であり、上手くすればクラスポイントとプライベートポイントを多く稼ぐことが出来る。

 

(とは言っても、俺は原作知識のおかげで既に『優待者』の法則を知っているから、それについては考えるも何もないけどな)

 

改めて前世の記憶がチートであることを思いつつ、巻き取ったカルボナーラを口に運ぶ。濃厚なチーズと卵のソースに絡められたパスタが美味しい。

 

(―――考えないといけないのは、他クラスとの交渉(・・・・・・・・)だ。策は既に考えてるけど、上手くいくかどうか……)

 

 

 

 

―――ギュッ…

 

 

 

 

そうして思考の海に入っていた俺は、左手を握られた感触で意識を浮上させる。顔を上げると、右手で俺の手を握った愛里が、不安そうな顔でこちらを見つめていた。

 

「優くん、どうしたの?今日はずっと難しい顔してるよ?」

 

その言葉に、愛里に隠し事は出来ないなと改めて思うのと同時に、それだけ俺を見てくれている事に嬉しさを感じた。

 

「ちょっと心配事があって考えてただけだよ。心配させてごめんな、愛里」

 

「わ、私は大丈夫だから。もし、私に出来ることがあったら言ってね?」

 

「ありがとう。とは言っても、愛里にはいつも助けられてるよ。愛里が居なかったら、今頃心労で倒れてると思う位には、愛里に癒してもらってるから」

 

本音を言いつつ、握ってきた愛里の手を俺からも握り返す。Dクラスは別格だが、龍園クラス(Bクラス)も割と個性派揃いである。1学期―――龍園が王になると宣言した後はクラスメイトから多数の相談、定期的な勉強会の実施に暴力事件。それらを乗り切れたのは、愛里が隣に居てくれたからこそだ。

 

「優くん……」

 

少し照れくさそうに微笑む愛里を愛おしく思いながら、お互い見つめ合い―――

 

 

 

 

 

―――学生証から、甲高い電子音が響いた。

 

 

 

 

 

この電子音は学校からの指示、若しくは行事変更などがあった際に送られてくるメール専用の受信音であり、この通知音だけは電源OFFでない限り必ず鳴る仕組みになっていることからも、その重要度の高さが伺える。

 

「い、今のって、学校からのメール……だよね?」

 

「あぁ。そうみたいだな」

 

間が悪い時に通知が来たなと学校側に少し不満に抱いた所で、船内放送が流れ出した。

 

 

『生徒の皆さんにご連絡致します。先ほど全ての生徒宛に、学校から連絡事項を記載したメッセージを送信致しました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員、またはスタッフまで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようお願い致します。繰り返します―――』

 

 

アナウンスを聞いて、俺と愛里は手を離しお互いメールの内容を確認する。

 

 

『間もなく特別試験を開始致します。各自指定された部屋に、指定された時間に集合してください。10分以上の遅刻をした者には、ペナルティを科す場合があります。本日18時までに2階207号室に集合してください。所要時間は20分程ですので、お手洗いなどを済ませた上、携帯をマナーモードか電源をオフにしてお越しください』

 

 

「特別試験……」

 

 

学校からの特別試験開始通知メールを確認した愛里が、不安そうに呟いた。無人島特別試験がつい3日前だったというのに、もう次の特別試験が開始されるのだから不安に思うのも無理はない。

 

「愛里、大丈夫」

 

「優くん……」

 

そんな愛里の不安を取り除く為に、今度は俺から愛里の手を握り声を掛ける。俺の言葉に愛里の表情が和らいだのを見て、決意を漲らせる。

 

(そうだ、弱気になるな。今世()前世()も、俺のしたいことは決まってる―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

―――愛里を幸せにする。

 

 

―――その為に俺は、俺の持てる全てをかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――時刻は17時50分。

 

俺は同じ時刻に集合をかけられている伊吹、真鍋、山下の3人と共に2階フロアにやってきていた。

 

「あ、虎城くん!」

 

後ろから聞き覚えのある声で名前を呼ばれたので振り返ると、そこには予想通りの人物である一之瀬帆波が2人の男子生徒を連れ立ってこちらに歩み寄ってきていた。

 

「この時間に此処に居るってことは、虎城くんも18時集合組?」

 

「あ、あぁ。一緒のグループってことになるな」

 

龍園の指示で先に説明を受けたクラスメイトから特別試験の概要は既に聞いており、原作と変わり無く干支試験で間違いないようで聞いた時は安堵したものだ。

 

「どうかしたの、虎城くん?なんか態度が硬い気がするけど…」

 

「あぁ、いや。正直に言うと、普通に接せられると思ってなくてな」

 

先日の無人島特別試験において、金田をスパイとして一之瀬のクラスに送り込み、結果Cクラスのリーダーを当ててポイントを獲得したのだ。この学校ではこういった事が普通なのだろうが、前世で普通に生きてきた俺からしたら、人を騙したら罪悪感が湧く。だからこそ、普通に一之瀬に話しかけられた事には驚いた。

 

「……やっぱり、虎城くんは優しいね。あれは不用心だった私達がしてやられただけ。でも、私達も負けたままじゃないよ?」

 

「……そうか。なら、俺も全力で相手するだけだな」

 

一之瀬の強気な宣戦布告に俺は言葉を返し、指定された部屋へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、今回の特別試験について説明します。もう他の人から聞いてるとは思うけど、この説明は義務付けられているから、しっかり聞くようにね」

 

指定された207号室に入ると、そこにはCクラスの担任である星之宮先生が座っており、今回の特別試験―――船上試験の概要が説明される。

 

「今回の試験では、干支の動物名の12グループを各クラスから集めて作ります。なので、1グループには各クラスの人が3〜4人いることになるわ。貴方達は兎グループで、これがメンバーリストよ」

 

そう言って星之宮先生が見せた紙には、自分達含め兎グループの生徒が記載されており、そこには綾小路と軽井沢の名前が書かれていた。伊吹と真鍋が一緒の時点でほぼ確信していたが、ある意味辰グループと同じ厄介なメンバー揃いの兎グループに俺は組み込まれた様だ。その後、メンバーリストとは別の資料を全員にそれぞれ配り再度星之宮先生が口を開く。

 

「これが、今回の特別試験の大まかなルールになります」

 

 

 

【特別試験:夏季グループ別特別試験説明】

 

◯本試験では各グループに割り当てられた『優待者』を基点とした課題となる。定められた方法で学校に答えを提出することで、4つの結果のうち一つを必ず得ることになる。

 

 

基本的なルールは以下の通りである。

 

・試験開始当日、午前8時に学校から1学年全生徒に向けてメールを送る。『優待者』に選ばれた者には同時にその旨を伝える。

 

・試験の日程は明日から4日後の午後9時までとする。なお、1日の完全自由日を挟むとする。

 

・1日に2度、グループだけで所定の時間及び部屋に集まり、1時間の話し合いを行うこと。

 

・1時間の過ごし方は各グループの自由とする。話し合いが望ましいが、最悪、部屋から出なければそれで良い。

 

・試験の解答は試験終了後、午後9時30分から午後10時までの30分とする。

 

・解答は、1人につき1回までとする。2回以上行った場合、学校側は受け付けない。

 

・解答は自分の携帯端末を使い、貼られたメールアドレスに送信すること。それ以外は一切受け付けない。

 

・『優待者』にはメールにて答えを送る権利が無い。

 

・自分が所属するグループ以外への解答は無効とする。

 

・試験結果については、最終日の午後11時、1学年全生徒に向けてメールにて知らせる。

 

 

【試験結果】

 

・結果Ⅰ:グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合。グループ全員に50万プライベートポイントを支給する。さらに、優待者にはその功績を称え、50万プライベートポイントが追加で支給される。

 

・結果Ⅱ:優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、1人でも未回答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。

 

 

 

 

「資料に書いてある通り、グループに1人だけ『優待者』が選ばれて最終日に当てるか外すかが結果Ⅰと結果Ⅱね。そして、残り2つの結果が裏面に書いてるから、捲ってみて」

 

星之宮先生の言葉で、全員が紙を裏返す。

 

 

 

 

【試験結果】

 

◯以下の2つの結果に関してのみ、試験中、24時間いつでも解答を受け付けるものとする。また試験終了後30分間も解答を受け付けるが、どちらの時間帯でも間違えばペナルティが発生する。

 

・結果Ⅲ:優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ正解していた場合。答えた生徒の所属クラスは50クラスポイントを得ると同時に、正解者に50万プライベートポイントを支給する。また、優待者を見抜かれたクラスは逆に50クラスポイントのマイナスを罰として課す。及び、この時点でグループの試験は終了となる。なお、優待者と同じクラスメイトが正解していた場合、答えを無効とし、試験は続行する。

 

・結果Ⅳ:優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ不正解だった場合。答えを間違えた生徒が所属するクラスは50クラスポイントを失うペナルティ。優待者は50万プライベートポイントを得ると同時に、優待者の所属クラスは50クラスポイントを獲得するものとする。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。なお、優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。

 

 

 

 

 

「これが、今回の試験内容になります。人狼ゲームの変則版って言うと分かり易いかな?」

 

それ言って良いんだ、と俺達全員が思った所で星之宮先生は結果発表について説明しだした。

 

「今回学校側は匿名性についても考慮してます。試験結果は、各グループの結果とクラスポイントの増減のみ発表で、『優待者』と解答者が誰かは公表しないから安心してね」

 

『優待者』に法則性があることを知っている俺は、匿名性なんてほぼ無意味なのに安心なんて出来る訳がないだろ、と内心呆れてしまった。

 

「明日から午後1時、午後8時の時間に、指定された部屋に向かってください。試験中は扉にグループの名前が印刷されたプリントが貼られてるから、これで間違った部屋に入る心配はほぼ無いわ。そして初日だけは、初顔合わせなので、自己紹介を必ず実施すること。そのあとは好きにして大丈夫よ」

 

既に情報を聞いていたため、特に何事もなく説明は終わりを迎えた。

 

「質問が無ければ、これで試験の説明は終了します」

 

その言葉に俺含めた全員が立ち上がり、部屋を後にする。その際、視線を感じて振り返ると星之宮先生が俺を興味深いと言った感じの目で見ていたのが印象に残った。

 




綾小路のヒロイン【参考】アンケートへの投票、ありがとうございました。軽井沢の人気っぷりに作者も驚きです。
新しいアンケート実施開始したので、良ければ投票お願い致します。

【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
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