ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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気が多いのは分かってたけど、書いてしまった……
だって愛里ヒロインの作品が見当たらないんだものっ!


1年生:1学期
Episode 1 入学と邂逅


 

 

 

 

 

 

 

 

―――実力、才能、個性。

 

言い方は様々あるが、この現代社会においてこれらが高い、又は持っている者を人は天才と呼ぶ。

この場合、俺―――虎城優斗(こじょうゆうと)は天才の部類に入ってなどいない。

いないのだが、俺は未来の一部を既に知識として知っている。

 

―――異世界転生。

今や使い古される程の定番ジャンルであるタグであるが、それを自ら経験するとは思わなかった。

ある日天災で死んだ俺は、所謂神様的存在にラノベの世界に転生させられた。

 

転生先は教えられなかったのだが、幼馴染と『とある高校』の存在により既にどのアニメの世界に転生したかは分かっている。

その世界が―――

 

 

「優くん。つ、着いたよ」

 

そんな感慨に耽っていると、隣に座っていた幼馴染であり恋人である彼女から声を掛けられる。

綺麗な桃色の長髪を2つに纏めた髪型、これから通う高校の制服の上からでも判るスタイルの良さ。

伊達眼鏡で隠しているがその整った顔立ちは、幼馴染みの俺からの贔屓目でなくてもかなり美人だ。

 

「んっ、ありがと、愛里」

 

幼馴染であり恋人である彼女の名前は、佐倉愛里(・・・・)

そして、俺達がこれから通う高校の名は『東京都高度育成高等学校』。

 

 

そう、俺が転生したのは【ようこそ実力至上主義の教室へ】である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――【ようこそ実力至上主義の教室へ】

このタイトルにもある通り、この物語は外部との接触が一切絶たれた実力至上主義の高校で行われる様々な試験を主人公含めたクラスが乗り切る所謂学園ものだ。

入学した生徒は入学時、学校側の評価によって優秀な順にA、B、C、Dの4クラスに振り分けられる。

この物語の主人公である綾小路清隆は『不良品』と揶揄されるDクラスへと配属され、そこからAクラスを目指す。

 

 

―――と、概要だけ聞けば意外とありそうな設定の物語だが、この主人公がかなりの曲者である。

綾小路清隆―――その正体は天才を人工的に創り出す『ホワイトルーム』という非人道的な施設の創始者の実子であり、その施設の最高傑作なのである。

感情がなく、最後に自分が勝つことだけを目標とし、人を道具としか認識しておらず利用し使えなくなれば平気で切り捨てる。

主人公かつラスボス的な存在。

更にタチが悪いのは、主人公程ではないにしても、常人基準だと平気でヤバい奴らがゴロゴロいるのだ。

この高校の制度自体もかなりヤバいのに、周りにもヤバい奴しか居ないという、最早ここ異世界では?と思える程だ。

そんな高校の前に俺は今いる。

 

「はぁ…」

 

普通なら幾らアニメの世界だからといって此処に来ようとはあまり考えないかもしれない。

だが、そこはやはり元ヲタクのサガといえばいいか。

非人道的な組織はあるが命の危険度で言えば他のファンタジー物に比べれば元の世界と大きく差はなく、仮に退学となっても生きていけないわけではない。折角アニメの世界に転生したのにその舞台に立たないなんてのは、やはり嫌だった。

でも何より、前世を含め今生でも推しである愛里と一緒の高校生活を送りたいっていうのが一番の理由だったりする。

 

(まぁ、ただの一般人転生者の俺じゃ愛里を守れるか不安はあるけどな…)

 

「…優くん?」

 

そんな俺の不安そうな顔を見て、愛里が声を掛けてくる。

愛里と自分の身長差から自然と上目使いで見てくる形になっていて心臓が強く跳ねるのを感じる。

 

「何でもないよ。クラス割りどうなってるかなって」

 

「そ、そうだね。優くんと一緒のクラスだと嬉しいな」

 

そう言ってはにかむ愛里はとても可愛く、それだけで幸せな気持ちが湧いてくる。改めて愛里が彼女であることを幸せに思いつつ、愛里に向けて俺は手を出すと愛里は顔を赤くしつつも嬉しそうに手を握った。

そうして暫く歩くとクラス表が見えてきた。

 

(愛里は原作だとDクラスだったけど…)

 

そう思いDクラスの名簿から確認する、が―――

 

(ん?愛里の名前がない?)

 

Dクラスの名簿には愛里の名前が無かった。

慌てて他のクラス名簿を確認するが愛里の名前はすぐに見つかった。何故なら、Dクラスの隣の名簿に愛里と、ついでに自分の名前があったからだ。

 

Cクラス(・・・・)っ……!?)

 

驚きつつも他の人の名前も確認するが、石崎、伊吹、椎名、アルベルト、そして龍園の名前も確認出来た。

他のクラスも確認したが、ざっと見た感じ愛里以外のメインメンバーは原作通りのクラス配属のようだ。

 

(愛里がCクラス。既に原作崩壊してるじゃねぇか……)

 

確かに愛里には俺が勉強やら色々教えたりしたが、このクラス割振りは色々抜けてることが多かったりするし、ラノベでは所謂修正力というもの働いたりもあるだろうと考えて、原作に大きく関係するクラスが変わることなんて無いと思っていた。

 

「ぁ、優くんと同じクラス」

 

どうやら愛里も自分と俺の名前を見つけたらしく、嬉しそうに俺に言ってくる。

そんな笑顔を見せられると、原作崩壊したことに何も言えなくなってしまう。そんな嬉しそうな愛里と共に、Cクラスへ向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(それにしても、やっぱ監視カメラの量が半端ないな…)

 

Cクラスに着くまでの間に監視カメラを探したのだが、探すまでもないほどに大量に配置されていた。

それに注意して探さなければ見つからない様な、所謂隠しカメラじみたものも幾つか発見出来た。

 

(取り敢えず、カメラのない場所のピックアップは最優先だな。公共の場だと確かカラオケや特別棟にはなかった筈だが、念の為確認しないと…)

 

そうしてCクラスに到着し愛里と分かれて記載された席に着いたのだが、席の前後の人物を見て驚く。

何せ後ろが山田アルベルト、前が龍園だったのだ。

 

(面子が濃ゆいな……)

 

取り敢えず、龍園は後回しだ。どうせこの後に起こす予定の行動で、恐らく否が応でも接触することになる筈。

 

「は、Hello.」

 

そんな理由でまずはアルベルトに声をかける。

ガタイが良すぎて普通の人なら声を掛けづらいかもしれないが、俺は彼がYouTubeや二次小説の情報で良い人であると分かっているので臆さず声をかけれた。

 

「oh、Hello」

 

原作と性格が違ったらどうしようかと思ったが、

笑顔で挨拶を返してくれて気さくに握手もできたし杞憂でよかった。

それから暫くして、Cクラスの担任である坂上先生が教室に来て【Sシステム】の説明を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、何か質問のある生徒はいるかね?」

 

【Sシステム】について説明を終え坂上先生は最後に質問があるか尋ねるが、殆どのクラスメイトが先程渡された学生証を兼ねた携帯端末内の10万円を何に使うかを考えており、その言葉を聞き流していた。

そんな中で俺は早速手を挙げる―――

 

 

「確認だ。ポイントは毎月1日に『10万ポイント』入るのか?」

 

 

―――と、同時に龍園が坂上先生に質問していた。

坂上先生は敬語も使わず聞いてきた龍園に眉を顰めるが、その質問内容には関心したようで目を細めていた。

 

「確か龍園君でしたね?……ポイントは毎月1日に振り込まれる。今言えるのはこれだけです。あと敬語を使うように」

 

「はっ、なるほどな。わかったぜ」

 

質問の答えになっていない先生の回答にクラスの人達は少し訝しんでいるが、龍園は聞きたいことが聞けて満足したといった様子だ。そんな態度を見て坂上先生は1つ咳払いをして仕切り直し、手を上げた俺を見る。

 

「すみません、虎城君ですね?どうぞ」

 

「先程坂上先生は、ポイントで買えないものはないと言っていましたが、それは目に見えないもの…例えば「遅刻を見逃してもらえる」みたいな権利や情報のようなものも買えたりするんでしょうか?」

 

この質問に先程の龍園の質問の時よりもクラスがざわついた。

そしてその質問を受けた坂上先生は、何処かとても嬉しそうに見える。

 

「……そうですね。現状不可能ではない、とだけ言っておきます」

 

そうして坂上先生は他に質問者が居ないことを確認し、教室を出ていった。

 

(取り敢えず、この1ヶ月が重要だ)

 

何せ最初はどのクラスも1000cl(クラスポイント)だが、この1ヶ月の授業態度や成績に応じて減点方式に減っていく。

今後の特別試験においてポイントは上下するが、この初動はかなり重要だ。何せここでクラスポイントを大幅に残すことが出来れば今後かなり有利になるのだから。

 

「おい」

 

5月1日までの行動を考える最中、声を掛けられる。声の主は先程質問したもう一人―――龍園だ。

 

「えっと、龍園君、だよね。何かな?」

 

「クク、惚けなくていい。あんな質問したんだ。要件はある程度わかってんだろ?」

 

挑戦的な笑みで俺を見据える龍園。

そりゃある程度――というかほぼ察してはいる。

 

「まぁ、龍園君も質問してたしね。【Sシステム】についてでしょ?」

 

「あぁ、そうだ。

 

 

───どこまで(・・・・)気付いた(・・・・)?」

 

「一応断っておくけど、まだ憶測の域を出ないからね?

毎月貰えるポイントの変動と、その変動基準。後はまぁ、クラス分け方法…かな」

 

「ハッ、いいなお前。どうだ、何なら俺の右腕にしてやってもいいぜ?」

 

下につけと言われるとは思っていたが、まさか右腕―――実質No.2ポジションとは驚きだ。

 

「クラスのリーダーは必要だと思うし、俺は性格的にリーダー向きじゃない。何より龍園君が率いるのが一番だと思うから、有り難く受けるよ」

 

「ククク、そう「ただし、1つだけ条件がある」……あん?」

 

俺の台詞に龍園は先程までの笑みを消し、訝しむ。

 

「愛里に手を出さないこと。これさえ守ってくれれば、俺は龍園(・・)に全面的に協力するよ」

 

これだけは譲れない条件だ。

 

「なんだ、てめぇの女か?」

 

「そうだよ。俺の大切な人だ」

 

「はっ、いいぜ。使える奴には相応の報酬は払ってやる」

 

「なら、使えないと思われないよう頑張るわ」

 

承諾した龍園に言葉を返しつつ、俺は手を差し出す。

 

「これからよろしく頼む。改めて、俺は虎城優斗」

 

「龍園だ。てめぇとは長い付き合いになりそうだ」

 

そう言って龍園は再び笑みを浮かべ、俺の手を握った。

 

 

―――後に龍虎と呼ばれる2人が手を組んだ瞬間だ。

 

 






【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
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