ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
でも、かなりの見せ場である船上試験ももっと書きたい…
―――船上試験において、勝利の形は複数存在する。
クラスポイント獲得を第一で考えるならば、現状把握しているBクラス以外の『優待者』を指名し結果Ⅲ、Bクラスが『優待者』のグループは結果Ⅳに導く。
この場合、クラスポイント600ポイントに加え600万プライベートポイントを獲得、更に他クラスのクラスポイントを各クラス最低でも150ポイント減少と、正に理想的な勝利と言えるだろう。
―――では、プライベートポイントならどうだろうか。
考えるまでもなく、全てのグループを結果Ⅰにすることだ。全グループが結果Ⅰの場合、『優待者』は100万プライベートポイント、他の生徒全員が50万プライベートポイントを獲得する。クラスの構成人数である40人に50万を掛けて2000万、そこに各クラスに存在する『優待者』のプラス50万が3人分。
つまり、B、C、Dクラスは2150万プライベートポイント、坂柳が欠席しているAクラスは2100万プライベートポイントを獲得出来るというわけだ。
―――重要なのは、2000万プライベートポイントを越えるという点である。
2000万プライベートポイントは1人分の好きなクラスへの移動権利の値段であり、同時に1人分の退学取り消しの値段でもある。
―――今回の目的は、綾小路のクラス移動と後に起こる可能性が高いクラス内投票での退学回避。この2つの為にプライベートポイントを出来るだけ多く稼ぐ事だ。
◆
「……聞き間違いかしら。貴方、全グループで結果Ⅰを目指すと言ったの?」
「その通りだ。今後のことも考えれば、この試験は結果Ⅰが何より最善だ」
堀北の言葉に俺がそう返すと、堀北は呆れたように額に手を当てており、他の集まってもらった全員も驚愕しており、あまり好意的な反応は見受けられなかった。
(
そう思っていると、再び堀北が口を開いた。
「Bクラスの纏め役が、まさかこんな案とも呼べない机上の空論を出すだなんてね」
「確かに、
そうして俺は、最初に葛城に視線を向ける。
「葛城。俺の案に対して、意見を聞かせてもらえるか?」
「……個人的にも、Aクラスのリーダーとしても賛同したいと思う。だが、その実現がどれだけ厳しいか、虎城ならばよく分かっているんじゃないか?」
葛城からしてみれば、全グループ結果Ⅰはクラスポイントが豊富且つ無人島での
「そうだな。だが、折角のチャンスなんだ。狙ってみる価値はあると思ってる」
そうして次に俺は一之瀬と神崎に視線を合わせる。
「一之瀬達の意見も聞かせてもらえるか?」
俺の言葉に一之瀬と神崎は少し目を合わせた後、一之瀬が口を開いた。
「……ごめんね、虎城くん。確かに結果Ⅰが良いことは分かるよ?でも、
そう答えた一之瀬は視線を葛城に向けた後、再度俺を見据えて言葉を紡ぐ。
「全グループ結果Ⅰってことは、クラスポイントの変動がなく現状維持ってことだよね?勿論大量のプライベートポイントは魅力的だけど、クラスポイントを増やせるチャンスを全て棒に振るには、Aクラスと差が離れすぎてる」
現時点でAクラスは1388クラスポイントと完全な独走状態。Bクラスの俺達で422ポイント離されており、一之瀬達Cクラスは実に600ポイント近くの大差である。そんな中でAクラスのクラスポイントを減らしつつ、自分達Cクラスのクラスポイントを増やせる今回の試験において、一之瀬の言うことも尤もだろう。
「確かに虎城の言う通り、
「……そうか」
神崎も一之瀬の意見に同意しており、今回の試験で一之瀬達が引くことはほぼ無いと悟る。そうして、最後にDクラスの平田と櫛田に視線を向けた。
「平田と櫛田、堀北はどうだ?」
「……僕としては、賛成したい。全員が損せず得するのなら、それが1番良いと思う」
「私も、平田くんと同じだよ」
「……私は一之瀬さんの意見と同じよ。Aクラスに上がるためには、プライベートポイントではなくクラスポイントを増やさないといけないわ。そもそも、私は貴方の案が実現出来ると思っていないもの」
平田と櫛田が賛成を示す中、堀北だけは今も渋い顔をしており俺の案を否定―――そもそも実現不可であると考えている。
「なるほど。一之瀬達と堀北は、俺の案に反対というわけだな」
「か、考え直しては、もらえないですか?」
俺が改めて再確認をした所で、愛里が一之瀬達と堀北に向けて声を掛けた。俺の仕掛ける策を知っている愛里が、
「ごめんね、佐倉さん。私達も今回の試験では、勝ちたいんだ」
「私もよ。只でさえ私達はクラスポイントが少ないのだから、増やせるチャンスを捨てる訳にはいかないわ」
―――愛里の問い掛けに、一之瀬と堀北は揃って否定を返した。
「……分かった。アルベルト」
俺は後ろに控えてくれているアルベルトを呼び、予め用意して手元に置いていた
「頼んだ」
「OK、brother」
心強い返事を返してくれたアルベルトは、両手でその紙を持ち―――
―――ビリッッ!!
その力をもって、真っ二つに引き裂いた。
「「「「「「!?」」」」」」
突然目の前で行われた行動に葛城達が驚く中、アルベルトは更に破り続け、元の原型がなくなった紙だったものをゴミ箱に捨てた後、再び俺の後ろに控えてくれた。
「……いきなり何のマネかしら。まさか、提案が反対されたからって暴力に走るつもり?」
堀北のブーメラン発言を聞き流し、俺はメールを送信するため携帯を操作する。
「この話し合い、俺が龍園に頼んで許可をもらったんだ」
送信先は、別室で待機してもらってる9人のクラスメイトの内の2人―――石崎と山脇。
「説得には骨が折れたよ。それでも、全クラスで結託することが皆が損せず最大限得するなら、それが1番いいと思った」
「優くん…」
本文は短く送信OKとだけ入力し、送信ボタンに手を掛ける。
「言っただろ?この話し合い自体、
だから、
送信ボタンを押し、送信完了の文言が表示される。
―――数十秒後、全員の学生証から甲高い電子音が
『馬グループの試験が終了いたしました。馬グループの方は以後試験へ参加する必要はありません。他の生徒の邪魔をしないよう気をつけて行動してください』
『猿グループの試験が終了いたしました。猿グループの方は以後試験へ参加する必要はありません。他の生徒の邪魔をしないよう気をつけて行動してください』
メールの内容を確認した他クラスの全員に、動揺が走ったことが傍目からでも見て取れる。続けて通常の通知音が、部屋に何度も鳴り響き出した。恐らくは葛城や一之瀬、平田辺りに各クラスの生徒が何事か確認しようと連絡を取ろうとしているのだろう。
「俺の個人的な我儘は終わりだ。
―――此処からは、龍園クラスの虎城優斗として相手をしよう」
案がまだ思い付かないので、新しいアンケートは暫しお待ち頂ければ幸いです。
【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――
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葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
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一之瀬クラス(初期Bクラス)
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不良品クラス(Dクラス)
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龍園クラス以外認めない!