ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
◯佐倉愛里
・学力が多少上昇(身体能力はほぼ変化なし)
・グラビアアイドルとしての人気上昇
上記理由からDクラスでなく、Cクラスに配属
・英語・国語が比較的得意科目であり、英語は拙いが簡単な会話なら可能
※アルベルトとの会話時の『』は英語
龍園と連絡先を交換し、夕方に落ち合う約束をした後、今朝友達になったアルベルトを含めたCクラスでこれから関わるであろう金田、石崎、椎名、伊吹にそれぞれ話しかけた。金田と石崎とは上手く話が出来て連絡先も交換出来たのだが、椎名と伊吹の女子組は少し会話出来た程度である。
(分かってたけど、この学校の美男美女率異常じゃない?)
愛里は勿論、伊吹に椎名、その他のクラスの子も可愛い子ばかりだ。勿論俺は愛里一筋だし、ここの女子達は一癖も二癖もある者達ばかりだから油断なんてしない。
今日は入学式で終わりなので、この後は龍園と会うまでに監視カメラの無い場所を確認しつつ、日用品の買い出しを行うつもりだ。
「愛里、この後色々見て回ろうかと思ってるんだけど、一緒に行かない?」
「う、うん…」
愛里と一緒に見て回ろうと思って誘ったのだが、何処か元気がない。教室を出て歩き出した後もだ。
「愛里?どうかしたのか?」
「う、ううん。何でもないよ!?」
手をわたわたとさせ明らかに動揺している愛里を見て、俺は考える。愛里の元気が無くなるような事について、可能性として思っていることが1つだけある。
「えっと、これ言うの自意識過剰過ぎて勇気がいるんだが……もしかして、他の女子と話してたから、嫉妬してくれてる?」
俺がそう言うと愛里は顔を真っ赤にしつつも、小さく頷いた。そんな愛里を見て、俺は愛おしさと同時に申し訳ない気持ちで一杯になる。
「愛里」
「っ!」
名前を呼び、愛里の左手を俺の右手で握る。指を絡める所謂恋人繋ぎという奴である。
「その、悪かった。事情があるんだが、愛里を不安にしていい理由にはならないよな」
「ううん。私こそ、ごめんなさい。他の人と話をするなんて普通のことで、優くんが私を大切にしてくれてることもわかってるのに……」
悲しそうな顔をする愛里を見て、俺は愛里を抱き締めた。
「ゆ、優くんっ!?」
「理由については後で部屋で話すよ。愛里に隠し事はしたくないしね。それと、何があっても俺は愛里一筋だから」
俺がそう言うと、愛里は更に顔を赤くしてしまった。それでも身体は俺に預けてきて離れないのだから、殊更嬉しく感じる。
その後暫し抱きしめ合った後で、他の人が通る前にそそくさとその場から退散し、商業施設へと向かった。
◆
夕方、俺は愛里を部屋まで送った後、龍園の部屋を訪れていた。
「遅かったじゃねぇか」
「悪かった。調べ物と買い物で結構時間がかかってな」
「ほう?」
調べ物の部分に反応した龍園に、今日確認した監視カメラの無い場所を伝える。
「校舎内には腐る程あった監視カメラが、特別棟には1つもなかった。あれは多分意図的に設置してないんだろう」
「なるほどな。クク、初日にしては良い情報だ」
「そいつはどうも。それでだ、龍園。提案なんだが―――」
◆
入学して1週間が経過した。
大半のクラスメイトは普通に授業を受けているが、何人かは軽くない怪我を負っており、初日に友人となった石崎もその内の一人だ。ちらりと前の龍園の様子を伺うと、それはそれは悪い笑みを浮かべていた。
(どうやら龍園の方は順調みたいだな…)
こうして時間は流れ、放課後。
「おっと。悪いが帰すわけにはいかねぇな」
帰ろうとしたクラスメイトが扉の前に立ったアルベルトと石崎によって阻止され、それを見て龍園が教壇に上がる。
「はぁ?なんなの急に。私達帰りたいんだけど?」
龍園に向って声を上げたのは女子グループの真鍋志保。後に主人公である綾小路に弱みを握られ、スパイ行為を行いCクラス最初の退学者となる女子である。
「皆、放課後の時間を取って悪いけど、龍園の話を聞いてほしい」
「虎城くん?」
話をする前に衝突しないよう、俺は席を立ち真鍋を宥め龍園の隣に歩み寄る。
「さて。時間も惜しいから簡潔に言ってやる。
今日から俺がこのクラスの王だ。異論があるなら聞いてやる。尤も、聞いてやるだけだがな」
その台詞にその場にいたクラスメイトの何人かは、こいつ何を言ってるんだと言わんばかりに困惑していた。
「悪いけど、クラスの皆には今後龍園に従ってもらう。この競争に勝つには龍園がクラスを纏めるのが最善なんだ」
俺の言葉にクラスメイトは更に困惑したようだが、話を聞いてくれる雰囲気になってくれた。
「ねぇ、虎城くん。競争ってなんのこと?」
「それについては金田、お願い出来る?」
「ええ。問題ないです虎城氏」
真鍋の疑問に対して俺は眼鏡を掛けたおかっぱの男子―――金田悟に声をかける。
「競争というのはA、B、C、Dの4クラスによるAクラス争奪戦です。この学校はクラスポイントというものがあり、クラス単位で素行や成績を評価しクラスポイントが増減します。そしてクラスポイントによって毎月支給されるポイントが決まるのです」
金田の説明を聞いたクラスメイト達の表情が、困惑から驚愕に変わった。
「そして、クラスポイントの高い順にクラスが振り分けられている。僕達Cクラスは位置的に下から2番目という訳です。そして就職率100%というのはAクラスのみ。この仕組みにいち早く気付いた龍園氏と虎城氏には尊敬の念を覚えます」
金田の説明により、クラスメイト達の視線が俺と龍園に集中する。
「ちなみに金田が説明した事の証拠もある」
俺は懐からボイスレコーダーを取り出し、録音された音声を流す。
『しっかし昨日の1年生達の浮かれようは見物だったな』
『おいおい、その発言完全にブーメランだからな?』
『それ言うなよ。まさか毎月支給されるポイントが変わるなんて意図的に説明省かれてたし、あの時は普通考えつかないって!』
『俺等のクラスはクラスポイントが500位で支給額半減程度で済んだけど、もうちょい授業態度良くしておけばBクラスにはなれたんじゃね?』
『仮にそうでもBクラスじゃ意味ねぇだろ?Aクラスじゃなきゃ希望の就職先にも行けねぇし』
『それもそうだな。どの道俺等の世代だともうあんまクラス競争してねぇし退学しないよう適度に楽しむのが一番だぜ』
今の音声を聞いて、半信半疑だったクラスメイト達もこの話を信じたようだ。
「わかったか、雑魚共。今後生活態度を悪くするな。そして、今の話の内容を少しでも他の奴に話すのも禁止だ。退学になるからな。そういう取引を坂上としてきた」
そう言って龍園は1枚の紙を取り出し、取引内容を伝える。
内容は、先程の音声をCクラス以外の他クラスに公表しない代わりに龍園に100万ppを譲渡すること。契約違反の場合は、伝えた生徒の退学だ。
「いいか?この情報を今の時点で手に入れ、クラスで共有出来ているアドバンテージが俺達にはある。それが手に入ったのは誰のおかげか……わかるな?」
龍園の言葉に、クラスメイトは何も言えなくなる。
「おい、お前のおかげだけじゃないだろ。ボイスレコーダー出したのも金田に説明させたのも虎城じゃないか」
静まり返った教室で一人の男子生徒の反論の声が響く。確か名前は時任だったか。
「確かにそうだけど、仕組みに気付けたのはただ心配性の延長だし、さっきのボイスレコーダーや坂上先生との取引は龍園の知恵であって俺ではないんだ」
まさか原作知識で知ってるなんて言えないから、嘘にならない程度に言葉を紡ぐ。実際俺は心配性だしな。
「それに、心配性な俺はリーダーに向いてないし。龍園程このクラスでリーダーに向いてる人はいないからね」
「こんな王になるとか言ってる奴が、リーダーに向いてるだって?」
「【Sシステム】の仕組みに気付き、この短期間で策を講じた龍園が、逆に向いてないと言える?」
俺の言葉に、時任は口を噤んだ。
「話は以上だ。解散していいぞ」
そう言って龍園は石崎を連れて教室から出て行った。
龍園が居なくなり教室の張り詰めた空気が霧散するのがわかる。そんな中で俺はこちらに向かってくるアルベルトに英語で声をかけた。
『嫌な役をさせてしまってすまない、アルベルト』
「No problem」
俺の謝罪にサムズアップして問題ないと言葉にするアルベルト。なんでこんな良い奴がCクラスなのか甚だ疑問だ。
『折角だから、夕飯一緒に食べないか?奢るぞ?』
「Oh YES!」
「愛里も一緒にどうだ?」
「う、うん。お邪魔でなければ。えっと、とぅ、Together、Dinner、Me、お、OK?」
「Of course」
「サンキュ、アルベルト。それじゃ行くか。あ、もし他に聞きたいことや相談事があったら連絡してくれ」
そう言い残し、愛里とアルベルトを連れ立って教室を出た。
◆
夕飯を食べ終え、現在は寮の部屋で愛里と一緒にまったりしていた。
(取り敢えず、第1段階は上手くいったな)
そうして思い出すのは、入学日の夕方に行った龍園との作戦会議内容だ。
◆
「1週間でクラスを纏め上げるだと?」
「俺はこの1ヶ月が重要だと考えてる。だから、早い段階でクラスを纏めておきたい」
「そんなことは分かってる。俺が聞きたいのは方法だ。俺一人で最低でも2週間は掛かる予想だ。あの黒人に手が掛かりそうなんでな」
多分龍園が言っているのはアルベルトのことだ。原作でもアルベルト相手に苦戦したようなことを言っていた気がする。
「あぁ、アルベルトならもう友人だ。俺から頼むよ」
「……くっはは!まさかもう手に入れてるとはな」
「言っとくが手下とかじゃなくて友人だからな?ただ、【Sシステム】について分かっていることを話せば多分、大丈夫なはず」
「まぁ最大の障害が無くなったのはでかい。それで?他の雑魚どもは?」
「不良関係は監視カメラのない特別棟に呼び出してやれば、後は龍園の好きにできるだろ?後の人はそうだな……何か【Sシステム】の仕組みの証拠になるようなものがあれば一発だから、先輩達のやり取りを録音して、とかかな」
「それなら簡単に出来るぜ?」
その日はそこで終わり、次の日の放課後。
再び龍園の部屋に来た俺は唐突にボイスレコーダーを投げ渡された。不思議に思って聞いてみると、それは2年生の【Sシステム】仕組みについての会話だった。
「これ、どうしたんだ?」
「昼休みに気弱そうな2年生を2人捕まえて、ポイント渡して台詞を言わせただけだぜ?」
そう言った龍園の顔は心底楽しそうな表情をしている。
「なるほどな。真実とはいえ、証拠捏造をまぁ堂々と」
「虎城。てめぇはこれ持って明日坂上に取引を持ちかけてこい。データの拡散を餌にすれば基本要望は通るだろうさ」
「了解したよ、龍園」
◆
そうして3日目の放課後、坂上先生に取引を持ち出し学園の上の人にも確認し承認してもらったという流れだ。ちなみに取引後に龍園と俺以外で【Sシステム】について話を通していたのは愛里とアルベルト、そして俺が参謀を頼んだ金田の3人のみだ。
こんな方法を思いつくのも実行出来るのも龍園くらいなものだろう。
「優くん?」
「……ん?すまん、愛里。ちょっと考え事しててな」
そんな俺の言葉に、愛里は少し逡巡した後―――
「え、えい…!」
気付けば俺は愛里に抱き締められていた。
俺の胸板で愛里の豊満な胸が形を変えており、かなり柔らか―――
「あ、愛里?」
「えっと、今は私と一緒だから、その……私を見てほしい、な」
顔を赤くしつつそう可愛くお願いしてくる愛里を、俺は全力で抱き締め返した。
そうして時は過ぎていき、月末には原作でもあった抜き打ちの小テストが実施された。
そして―――5月1日を迎えた。
【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――
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葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
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一之瀬クラス(初期Bクラス)
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不良品クラス(Dクラス)
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龍園クラス以外認めない!