ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

32 / 86
2024年も宜しくお願いします!
よう実3期のOP『マイナーピース』をリピートしながら執筆してますが、『カーストルーム』と『Dance in The Game』に続いて良い曲ですね。


Episode 29 体育祭の行方

 

 

 

 

 

 

 

 

甘く幸せな昼休憩が終わりを告げ、体育祭は後半戦に突入した。午後の部はその全てが推薦競技となっており、その最初の競技である『借り物競走』の参加者がグラウンドに向かう。俺達Bクラスからは参加するのは俺と龍園、諸藤、西野、石崎、アルベルトの6人だ。

 

「綾小路か。てめぇも『借り物競走』に出るんだな」

 

「あぁ。じゃんけんで勝ち抜いてしまってな」

 

出走順に列に並ぶ龍園が声をかけたのは、隣にいる同じ第2レースに出る綾小路だ。勿論参加表を受け取った俺達は綾小路が『借り物競走』に参加することは知っていたが、それを表には出さずに会話を続ける。因みに俺は第3レースに出走予定のため綾小路と龍園のすぐ後ろに並んでいた。

 

「クク。なら、その運で精々楽なお題が引けるといいな?」

 

龍園の煽りと共に第1レースが終了し、第2レースに参加する綾小路と龍園はスタートラインへと移動する。準備が整った数秒後、第2レースが開幕した。

先頭は龍園でその少し後ろを綾小路がキープし、クジの入った箱まで辿り着いてクジを引く。龍園はお題を確認すると教師陣のテントへと向かっていき、坂上先生に声を掛けていた。右手を出す龍園に少し呆れを含んだ表情の坂上先生は、何か言いつつ自身が掛けていた眼鏡を外して龍園に手渡している。

 

(龍園は大丈夫そうだな。綾小路は―――)

 

辺りを見渡して探すと、Bクラスの陣地で椎名に声を掛けている綾小路を発見した。

 

(まさか借り物で椎名が当て嵌まるお題を引いたのか……)

 

先日の綾小路の反応の事もあり、この借り物競走でのお題で椎名が当て嵌まるお題を引く綾小路に驚いている間に、龍園と綾小路が続けてゴールし少し遅れてCクラスの女子がゴールしたことで第2レースは終了した。

 

「お疲れ様、龍園。簡単なお題だったみたいだな」

 

「まぁな」

 

自陣へ戻る龍園に労いの言葉をかけ、それに軽く返事をした龍園はすぐにニヤニヤとした笑みを浮かべ俺を見てきた。

 

「てめぇも自分(・・)()合った(・・・)お題(・・)()引けよ(・・・)?」

 

何か企んでいそうな意味深な言葉を残す龍園に疑問を覚えつつも、次の第3レースに出るためにスタートラインへと移動する。

スタートラインに立って数秒、合図が鳴り俺を含めた4人が一斉に走り出しクジ引き場へと到達した。

 

(出来れば簡単なお題が出てくれるといいんだが……)

 

置かれた箱に手を入れると想像より多くの紙が入っているのが分かる。2枚以上取らないように注意しながらクジを取り出し、四つ折りにされた紙を開く。

 

 

『幼馴染(異性)』

 

 

「……これは幸運すぎるだろ」

 

お題を確認した俺はすぐさま自陣であるBクラスにいる愛里を目指して走る。俺が走ってくるのを見たクラスメイト達が何故か固唾を呑んで見てきたのが少し気になったが、競技中のため一旦置いておくことにした。

 

「愛里、俺と来てくれるか?」

 

Bクラスの最前列で応援してくれていた愛里に声を掛け、手を差し出す。

 

「うん。喜んでっ!」

 

俺の手を取って笑顔を浮かべる愛里に嬉しく思いながらそのまま手を繋ぎ2人でゴールに向かい、見事1位を飾ることが出来た。

 

 

 

 

―――ゴールへ向かう途中、クラスメイト達がずっと歓声を上げていた事への恥ずかしさ以外は文句なしの結果だと納得することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら相当幸運だったみてぇだな、虎城?」

 

「龍園にとってはある意味必然だったんじゃないか?」

 

借り物競走が終わり現在は四方綱引きが行われている中、隣に陣取ってきた龍園が先程見たのと同じ笑みを浮かべながら話しかけてきたのでほぼ確信している推測を聞くことにした。

 

「俺等Bクラスの借り物競走での順位、1位と2位しか取ってない。アルベルト達に聞いたけど、お題がBクラスにとっては割と簡単なものばかりだったぞ」

 

「確かに坂上からお題の権利を買ったが、20個の上限をつけられたんだ。簡単なお題のクジを引けたのは紛れもない幸運だぜ?」

 

龍園の言葉を聞いて多少確率が上がっていたとはいえ、本当に運が良かったという事実に驚く。

 

「まぁ、1人俺等以外で恩恵を受けた幸運な奴もいたがな」

 

そう口にした龍園の視線はDクラスにいる綾小路に向いていた。原作だと確か綾小路にとって酷いお題を引いて最下位だった筈だが、どうやら龍園の確率操作の影響で綾小路にも幸運が舞い降りたらしい。

そうして考え事をしている間に四方綱引きが終了したので、愛里と共に男女混合二人三脚の準備に入る。

 

「やっほー、虎城くん。それに愛里ちゃんも!」

 

そう言って声を掛けてきたのは一之瀬と柴田の2人。どうやら一緒の組のようだ。

 

「一之瀬と柴田が組んだのか。これは強敵だな」

 

「柴田くんはそうだけど、私は怪我した別の子の代役だから大したことないよ?それに、恋人同士の虎城くんと愛里ちゃんのペアが1番手強いと思うな?」

 

一之瀬の言葉に愛里が顔を赤らめるのを横目に、一応一之瀬に対して注意しつつ決意表明しておくことにする。

 

「……一之瀬、愛里が保たないからあまりそっち方面では誂わないでくれ。まぁ、無論負ける気はないがな」

 

「にゃはは。やっぱり手強いなぁ、虎城くんは」

 

そうして俺と一之瀬は会話を切り上げて二人三脚の準備を始める。少し後ろから同じ組でないことを残念がっている須藤とそれを注意する堀北の声が聞こえたが、関わっても良いことはないので無視した。

 

「愛里、紐はキツくないか?」

 

「うん、大丈夫だよ。優くん」

 

紐を結び終えスタートラインに立ち、俺と愛里は二人三脚に挑んだ。

 

 

 

 

 

―――その後、運動で初めて1位を取った愛里に抱き着かれ色々と葛藤したことをここに記憶しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……まさか原作同様、堀北兄が待つとは思わなかったな)

 

先程最終種目である3学年合同1200メートルリレーが終了し閉会式と結果発表待ちをしている中、俺は内心驚愕していた。原作と違い堀北が怪我をしておらず綾小路が代役として走ることはなくなったため、リレーでは何事もないと思っていたが堀北と堀北兄が向かい合って何か話をした後、堀北兄は堀北がスタートするまで待っていた。その後は堀北と同時にスタートしたものの、堀北兄は物凄いスピードで順位を上げ高順位を記録。堀北の方は確かに速かったが元々の差が大きくそこまで順位を伸ばすことが出来ずに終わっていたが、近くで見たクラスメイトに聞くと何か吹っ切れたような雰囲気だったらしい。

 

「優くん、結果が出るよ」

 

「っ!あぁ。ありがとう、愛里」

 

愛里の言葉に返事をし、考えを一旦止めて電光掲示板を見る。

 

「それでは、これより本年度体育祭における勝敗を発表する」

 

アナウンスと共に赤組と白組の点数がカウントされ出し、数値が増えていき―――

 

 

 

―――『赤組勝利』の文字が表示された。

 

 

 

「続いて、クラス別総合得点を発表する」

 

電光掲示板の表示が切り替わり、全12クラスの得点が映し出される。

 

 

1位 1年Bクラス

 

2位 1年Cクラス

 

3位 1年Dクラス

 

4位 1年Aクラス

 

 

「おっしゃあ!1位取ったぞ!」

 

石崎の雄叫びを皮切りに、他のクラスメイト達も喜びを露わにする。これにより、BクラスとDクラスはクラスポイントがマイナス50。AクラスとCクラスはクラスポイントがマイナス100という結果で体育祭は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

「……龍園の満足する結果に出来たかな?」

 

「あぁ。結果も(・・・)そして(・・・)過程も(・・・)文句(・・)なしだ(・・・)。良くやった、虎城」

 

俺の言葉に、龍園は獰猛な笑みを浮かべ称賛の言葉を告げた。

 





1200メートルリレーにて(その背中を追うのは――)

「まだ学校に残っていたんだな、鈴音」

「兄さん、ごめんなさい。確かにあの時の私は、Aクラスに登ることも目指す資格もなかった。他のクラスのリーダーをこの目で見て、その実力を知ることで漸く実感しました」

「……」

「それでも私は、Aクラスを目指します。Dクラスの皆と共に」

「……無謀だな」

「…っ」

「だが、それでもやり遂げると口にするのなら……Aクラスの一員として、後輩にその実力を見せよう」

「っ!はい…!」



クラスポイント(体育祭終了時点)


Aクラス(葛城・坂柳クラス):1238cp

Bクラス(龍園クラス)   :1016cp

Cクラス(一之瀬クラス)  :650cp

Dクラス(堀北クラス)   :167cp


龍園クラス貯金:5260万ポイント


龍園のお題
『歳上の眼鏡』

綾小路のお題
『2つ以上リボンで髪を結んでいる女子生徒』

【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――

  • 葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
  • 一之瀬クラス(初期Bクラス)
  • 不良品クラス(Dクラス)
  • 龍園クラス以外認めない!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。