ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
―――この世界は『
―――この世界の『
俺―――龍園翔がこの結論に至ったのは、小学校に上がった直後の遠足で蛇を撲殺した時だ。
相手が屈する瞬間、勝利を感受し脳内がアドレナリンで満たされる感覚。
俺の原点とも呼べる出来事は内にも外にも敵を作ったが、俺にとっては屈服させる相手が勝手にやってくるため好都合だった。
そんな中、大勢に囲まれ暴力を受け続けたこともあれば、抗えない力の前に崩れ落ちたことも一度や二度ではない。
―――だが俺は、その全てを最後には捻じ伏せ勝利した。
そうして勝利を手にする俺は、同時に誰も俺には敵わないという悟りじみた退屈さを感じるようになった。その退屈を潰すために俺はこの学校に入学し―――
―――
学校のシステムに少しも疑問を持たない雑魚共の中で、俺と同じくその本質を捉えている使えそうな奴というのが第一印象。
坂上が教室から退出したところで虎城に声を掛け、改めて何処まで気付いているかを確認すれば想定以上の答えが返ってきた。
「ハッ、いいねぇお前。どうだ、何なら俺の右腕にしてやってもいいぜ?」
使える駒は早めに手に入れるに限る。どの道、断ろうが
(わざわざ自分の弱点を晒すとは、頭が足りねぇな。いざとなれば、その
当時の俺は、虎城を右腕としつつもそう考えていた。
―――だがその認識は、無人島特別試験中のある出来事により覆される。
早々にBクラスに上がり、クラスポイントも順調に獲得している。更に今回の策が成就すればAクラスへの枷とプライベートポイントが同時に手に入る見込みだ。その策のために金田と伊吹を一発殴る予定だったが、伊吹を殴る際に佐倉が邪魔してきた。
「おい、佐倉。何の真似だ?」
「み、澪ちゃんを、傷つけないで、くださ、い」
俺の目を見て意見してくる佐倉を意外だと思いながら、どうするか思考する。佐倉は雑魚共の学力向上に一役買っており、虎城の心の拠り所だ。虎城は俺との相性が良いようで想像以上に使える駒であることは1学期だけで把握しており、現状手放すには惜しい存在。
(虎城を完全な形で手にするために、
「龍園」
―――瞬間、俺は首を喰い千切られる感覚に陥った。
視線を動かしその感覚を引き起こす元凶である虎城を視て、
―――本当の実力者とは、比類なき暴力を持つ人間のこと。
―――そして『恐怖』を克服した人間のことだ。
(……なるほどな。お前にとって佐倉がその2つを引き出す鍵ってわけだ)
佐倉に手を出せば、虎城は躊躇いなく俺を■すだろうと直感する程に生存本能が警鐘をこれでもかと鳴らしている。
(佐倉に手を出せば文字通り俺が終わる。逆に今まで通り守れば虎城の性格上、手綱は完全に手中……)
「……ちっ。分かってる、そう睨むな」
ならば虎の尾を踏みにいくなど愚策に他ならない。そもそも、この様子ならば佐倉に手を出さない限り先程まで危惧していた虎城の離反は無いと確信出来たため、する必要がなくなった。この場での主導権が虎城にあること―――本人は気付いていない様だが―――は気に入らないが、今の段階で知れたことが重要だったと割り切る。
―――実際、船上試験での虎城の働きを見ればその判断が如何に正しかったか物語っている。
「今回の体育祭でも虎城は良い仕事をした。船上試験から奴はよく目立ってる」
体育祭が終了した日の真夜中。これまでの事を振り返っていた俺は、現在寮から少し離れたベンチに腰掛けていた。
「そのおかげで、俺はこうして好きに動けて
隣に座る
「その結果、体育祭の順位は俺の想定通り。だが、それだけじゃ
俺の言葉を肯定するようにその人物は頷く。
「何にせよ、手を貸すかは次の特別試験の内容次第だ。精々期待出来る試験がくることを祈ってるんだな」
ベンチから立ち上がり、寮へと足を向ける。
(仕込みは上々。次の特別試験が愉しみだ)
読んで頂きありがとうございます!
次からペーパーシャッフル編に入る予定です。
【参考】もし虎城と佐倉の2人が龍園クラス以外だったら――
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葛城・坂柳クラス(初期Aクラス)
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一之瀬クラス(初期Bクラス)
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不良品クラス(Dクラス)
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龍園クラス以外認めない!