ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ 作:nightマンサー
今回も以前と同じでタイトルは後書きに記載しています!
※後日タイトル更新します。
12月24日。クリスマスイヴを迎えた本日、俺―――虎城優斗は以前から予定していた愛里とのデートを楽しんでいた。
「やっぱり、クリスマスイヴだからか人が結構多いな」
「そ、そうだね」
先程までいた店内の混み具合を見て不意に出た俺の言葉に、周りを見渡しながら愛里が同意する。朝からいつものルーティーンで本屋と服屋を見て回り、少し遅めの昼食を済ませた所だが行く場所全てにおいて人がいつも以上に多かった。
「私達みたいに、で、デートしてる人が多い、ね」
そう口にして組んでいる腕を更に密着させるように身体を寄せてくる愛里の可愛さに心打たれながらも辺りを確認すると、俺と愛里のように男女ペア―――つまりはカップルが大半を占めていた。
(この学園のシステムを考えたら、平田と軽井沢みたいな偽装を除けばカップルなんてあんまり出来ないと思ってたけど……意外だったな)
人間関係の情報収集の過程で上級生のカップルが少なくない人数いることは把握していたが、想像より多くて驚いたものだ。ちなみに1年生の中で恋人関係を確認出来ているのは、俺と愛里の他は平田と軽井沢の偽装カップルのみである。
「愛里の予定まではもう少し時間あるから、少し店を見てまわる?」
「うん…!」
今日は愛里が夕方に行きたい場所があると聞いていたので、それまでケヤキモールにあるお店を適当に見て回ることを提案すると、愛里は嬉しそうに頷いてみせた。
◆
暫く店を見て回った後、愛里の案内で夕焼け色に染まった道を歩く。
「優くん、着いたよ」
そうして愛里が連れてきたのは、原作での須藤暴力事件の現場である特別棟だった。
「此処が、愛里の来たかった場所?」
「う、うん。事前に坂上先生に許可を貰ってるから、入って大丈夫だよ」
そうして愛里はショルダーバッグから鍵を取り出し、入口の扉を開け中に入ったのでそれに続く。間違えて誰か入って来ないように鍵をかけてから階段で2階へと上がり、階段から1番近い教室で愛里の足が止まる。
「優くん。えっと、少し準備があるから……私が呼ぶまで待っててもらっていい?」
「……うん、分かった」
色々と聞きたいことはあったが、愛里が何かしてくれようとしていることは分かったので疑問は一旦置いておくことにした。
「ありがとう、優くん。出来るだけ早めに済ませるね」
そんな俺の内心を察したのか、愛里はお礼を言って教室の中に入り扉を閉めた。
◆
扉を閉めてから私―――佐倉愛里は教室の棚に向かい、以前とある経緯で偶然手に入れ今日のために準備していた
「優くん、喜んでくれるかな……」
準備を手伝ってくれた真鍋さんと諸藤さんからは絶対大丈夫とお墨付きをもらったし、グラビアアイドルとしてこれまでに色々な衣装を着ているが、この衣装は今までで1番特別なため緊張している―――だけど、
「……うん、大丈夫」
―――他でもない、私自身が
私はその衣装に、袖を通した。
◆
「ゆ、優くん。入っていいよ」
愛里が教室に入った後、緊張から1分間隔で時計と顔を合わせており、それが15回を超えようとしたタイミングで扉越しに愛里から声が掛けられた。
「愛里、入るよ」
「う、うん」
念の為、俺からも確認し愛里の返事を聞いて扉を開ける。
―――目の前に、美しい
「ぁ……」
無意識に口から息が溢れるが、それを気にする程の余裕が今の俺には全く無かった。
「えっと、優くん。その……どう、かな?」
「すごく綺麗だよ、愛里。その、ありきたりな言葉だけど、その……」
純白のウエディングドレスを纏う愛里は俺の中で1番で、とても美しく綺麗であるのに上手い言葉で表せないことがこの上なくもどかしい。そんな俺を見て、愛里は優しく微笑む。
「ううん。他でもない優くんがそう言ってくれるから、私はすごく嬉しいの」
「愛里……」
手に持った薔薇のブーケで口元を隠す愛里の顔は朱色に染まっており、俺と同じく照れていることが見て取れた。
「それにしても、ウエディングドレスだなんで驚いたよ」
「その、少し前に偶然ウエディングドレスを持った人と廊下で鉢合わせて、話を聞いたら演劇部の衣装で使わないから捨てようとしてたのを譲ってもらったんだ」
「なるほど、演劇部の衣装だったのか」
少し落ち着いてきた所で、その衝撃の原因であるウエディングドレスについて愛里から話を聞いていた。
「うん。それで1度着てみたんだけど、サイズがキツくて……それで悩んでたら私の様子に気付いた真鍋さんに事情を話したら、諸藤さんに話を通して助けてくれたの」
聞けば諸藤は裁縫が得意なようで、衣装のサイズ直しをしてくれたとのことだ。冬休みが明けたら、真鍋と諸藤にはお礼することに決める。
「優くん。それで、これが優くんへのプレゼントだけど、その……喜んでもらえる、かな?」
「勿論。愛里のウエディングドレス姿が見れるなんて、これ以上ないプレゼントだよ。ありがとう、愛里」
俺の言葉を聞いて顔の赤みが再び増した愛里は、それを誤魔化すように近くの机に置かれた愛用品であるデジカメを手に取った。
「あの、優くん。折角だから、一緒に写真撮れたらと思って。すぐそこの踊り場が、とっても良いスポットなの!」
「確かに。特別棟の踊り場って壁じゃなくて硝子で囲われてるから、今なら夕陽と合わせて良い背景になりそうだね」
愛里からデジカメを受け取りつつ、先程通っていた踊り場について思ったことを口に出すと、愛里は嬉しそうに私も同じことを考えたと俺に微笑んでみせた。
◆
「そろそろ陽が暮れるから、撮影会はここまでかな」
ウエディングドレス姿の愛里との撮影会は1時間近くの長丁場となったが、素晴らしい写真ばかり撮ることが出来てとても満足していた。
「ありがとう、優くん。優くんへのプレゼントなのに、私の方が楽しんじゃって……」
「気にしないでいいよ、愛里。前にも言ったけど愛里を撮るのは俺の楽しみだから、お礼を言うのは俺の方だよ」
階段の中段から俺のいる踊り場まで降りてきた愛里に、心から思っていることで返した。
「えっと、それじゃ着替えて―――」
「愛里」
着替えに向かおうとする愛里の名前を呼んで引き止める。
「優くん?」
「此処でクリスマスプレゼントを渡すから、少し待ってて」
不思議そうにする愛里を横目に踊り場の脇に置いていた自身のバッグへと向かった。バッグから今日のために用意したプレゼントの包みを剥がして後ろ手に持ち、愛里の目の前まで戻り片膝をつく。
「愛里、俺からのプレゼント……受け取ってほしい」
そう口にして俺はプレゼントである指輪―――ペアリングが入っている箱を愛里に見えるように開いた。それを見た愛里は暫し放心したように動きを止め―――
「………っ!?!?」
直後、驚愕の表情と共に爆発したのではと思う程に顔を赤らめた。そういう自身の顔も真っ赤であることは想像に難くないのだが。
「あっ、な、ゆ、ゆゆゆゆゆ!?」
「今回のプレゼントはペアリングを選んだんだけど、愛里がウエディングドレス姿ならこの渡し方がいいかなって」
呂律が回っておらず1文字のみを口にし続ける愛里に、付き合いたての頃を思い出しながら立ち上がり声をかける。
「偶然こういう形になったけど、愛里への俺の想いは昔から変わらないよ。
―――愛里、愛してる。これから先も、ずっと一緒にいてほしい」
俺のプロポーズの言葉を、愛里は―――
「はい、喜んで……!」
誰もが目を奪われる星のように魅力的な笑顔で受け取ってくれた。
Episode 35 特別棟の花嫁
何故かデートの話を書くと最終回感が出てしまいますね……勿論最終回ではないですのでご安心下さい。
タイトルにある通り、今回デート話を作成中に最近していなかった「よう実」のアプリ開いたらまさかの愛里花嫁衣装がピックアップされており可愛さと驚きで叫びました(笑)
今回のタイトルと花嫁衣裳の入手方法はその衣裳シナリオを引用させてもらってます。
次回はいよいよ「よう実」3期、混合合宿に入る予定です。
【参考】特別試験のルール改変は―――
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堀北、ちょっと黙れよ(改変NG)
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クラスポイント報酬・損害の増減のみ
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ルールの一部削除、又は追加
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俺は許すぜ、真鍋(改変OK)