ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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今回は早めに書き上げられました!
そして気付けばこの作品を書き出して1年経過してました。ここまで書き続けられているのも、読んでくれている読者の皆さんのお陰です。
今後も頑張っていきますので、よろしくお願いします!



Episode 38 交流と遭遇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小グループを作成し終えた俺達1年生男子が体育館から出ると、グラウンドに2年生と3年生の姿があった。どうやら先輩達も小グループを作成し終えたようだ。

 

「もう少し時間が掛かるかと思ったが、意外と早かったな」

 

2年生の中で圧倒的存在感を放っている新生徒会長―――南雲雅は俺達1年生を見て呟くと、俺達の前までやってくる。

 

「お前たち1年に提案がある。これからすぐに大グループを作らないか?既に小グループが作成し終えてるんだ。わざわざ夜まで待って集まるのも手間だろ?」

 

理に適っており尚且つ生徒会長である南雲先輩の提案に俺達1年生が反対出来る訳もなく、教師陣も慌ただしく準備を進める中で南雲先輩がドラフト制―――1年生の小グループの代表者6名で2年と3年の小グループを指名していく形―――を提案し、採用された。

 

 

―――結果、俺達BCD連合の小グループは3年生が堀北先輩率いるグループ、2年生はAクラスの生徒が多いグループで大グループを構成することが出来た。

 

 

(龍園の策と原作通りの決め方なら、まぁこうなるよな……)

 

最早負ける要素が無さ過ぎて怖い位である。もう一つのBCD連合も2年生は南雲先輩の小グループに加えて、3年生も上位層であるため1位と2位はほぼ確定で間違いないだろう。

 

「堀北先輩。偶然にも別々の大グループになったことですし、1つ勝負をしませんか?」

 

体育館での龍園の提案で3つの大グループの作成権があったこともあり、比較的早く6つの大グループ分けが完了した所で南雲先輩が堀北先輩に声をかけた。

 

「……南雲、いい加減にしろ。これで何度目だと思ってる」

 

「いいじゃないですか、藤巻先輩。卒業前の最後くらい勝負してくれてもいいと思うんですけどね?」

 

藤巻先輩の指摘に南雲先輩は肩を竦めながら応えるが、視線は堀北先輩へ向けたままだ。

 

「……何をもって勝負とするつもりだ」

 

南雲の視線を受けていた堀北先輩が発した言葉に、周りの3年生が驚く。

 

「どちらのグループがより高い平均点を取れるか。これくらいシンプルな方が分かりやすいでしょう?」

 

「……なるほど。それならば受けても構わない。ただし、他の生徒を巻き込まないことが条件だ」

 

「サシの勝負ってことっスね。それで構わないですよ。あくまで賭けるのはお互いのプライドのみってことで」

 

満足気な笑みを浮かべる南雲先輩に対して、堀北先輩はいつもと変わらない無表情と対照的な2人に大半の生徒が困惑する中、グループ分けは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初日の予定はグループ分けのみであり、夕食まで自由時間である。俺達小グループの面々は寝泊りする部屋へと移動した後、思い思いに時間を過ごす中で俺はグループの『責任者』である平田の元へと向かった。

 

「損な役回りをやらせて悪いな、平田。俺も出来る限りサポートするから、1週間よろしく頼む」

 

「こちらこそ、よろしく虎城くん。それから、僕が『責任者』になったのはDクラスにとってメリットが大きくて、寧ろお礼をさせて欲しいくらいだよ」

 

俺の言葉に笑顔で応える平田の人の良さを感じつつ、後ろにいる綾小路達に視線を向ける。幸村とは夏の船上試験で同じ『兎』グループだったので面識があり、綾小路は言わずもがなであるため初対面の三宅に声を掛けることにした。

 

「この中だと三宅とは初めましてだな。Bクラスの虎城優斗だ。1週間よろしく頼む」

 

「Dクラスの三宅明人だ。……正直、俺がこのグループに入るとは思わなかったな」

 

そう言った三宅の視線は部屋に居る龍園や神崎といった面々に向けられていた。各クラスのリーダー層に加え、学力や運動能力に長けた生徒ばかりなのは誰が見ても明らかであり、三宅はそんなグループに選ばれるとは思いもしなかったのだろうが、俺からしてみれば三宅以上の適任はいないと確信していた。

 

(三宅の身体能力は平田と僅差、学力も平均並と低くない。何より、言っちゃ悪いがDクラスの中では数少ないマトモな感性の持ち主だからな……)

 

能力の高さのみで考えるなら高円寺や須藤なども挙げられるが、高円寺は協調性皆無であり須藤も喧嘩っ早い性格で2人共団体行動には圧倒的不向きである。その点、三宅は一匹狼気質ではあるが団体行動が出来ないわけではないし能力も高めだ。そんな三宅が今回のグループメンバーに選ばれるのは必然と言っていいだろう。

 

「そんなことないだろ、明人。運動が出来てこれまでの勉強会で学力も向上してるんだし、選ばれてもおかしくないぞ」

 

そう言って会話に入ってきたのはDクラスの幸村輝彦。1年生全体で見てもトップ層に入る程に高い学力を有しているが、その反面身体能力はかなり低めとクラスメイトの金田と似たようなタイプである。

 

「寧ろ、虎城や神崎と友人ってだけで入ってるオレの方が場違いだろうな」

 

幸村の言葉に自虐するように綾小路も会話に入ってきた。

 

「そんなことないぞ、綾小路。団体行動において、元から関わりがある方が初対面同士より精神的疲労も少ないだろうし、連携も取りやすいからな」

 

「なるほど。綾小路は橋渡し役ってことか」

 

俺の言葉に幸村が納得したように頷く。勿論、橋渡し役というのも理由の1つだが綾小路の実力なら入って当然であることを知っている俺は内心苦笑いする。

 

「そういえば、さっき三宅のこと名前で呼んでたけど幸村は三宅と仲良いのか?」

 

「ペーパーシャッフルの時に明人ともう一人に俺1人で(・・・・)苦手教科の勉強を教えることになってな。それから話すようになったんだ」

 

「なるほど。それでさっき勉強会って言ってたんだな」

 

幸村の話す内容から、原作同様にペーパーシャッフルに向けての勉強会はしていたようだが、綾小路はそのグループに参加していないらしい。

 

(元々愛里がDクラスではないし、船上試験から綾小路がスパイになってるから予想はしてたけど、綾小路グループ作られてないな……)

 

その後もDクラスの面々と他愛もない話をして自由時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――初日の夕食時間。女子達と接触出来る唯一の時間であるため、俺は当然の如く愛里と夕食を共にしていた。

 

「―――って感じで、こっちは大丈夫だよ。愛里の方は大丈夫そう?」

 

「うん、澪ちゃんも同じグループだから。ただ、同じグループになった他のクラスの人達が私のこと知ってる人が多くて、その、色々質問されちゃって……」

 

そう応える愛里の顔は恥ずかしさからか、少し赤みを帯びていた。体育祭での『借り物競走』と『男女混合二人三脚』で目立ったことで、愛里の知名度もかなり上がってきているらしい。

 

「そ、そっか。もし何かあったら伊吹や椎名に頼るんだぞ?俺が助けられればいいんだけど……」

 

「だ、大丈夫!ちょっと慣れてないだけで、お話は楽しいし、皆良い人だから…!」

 

翌日、椎名から情報共有した龍園から知ることになるのだが、女子側のグループ分けは男子側と同様に始めにAクラスの生徒―――坂柳有栖が動いたらしい。男子側で町田が話した最大効率によるクラス別でのグループ作成案―――十中八九、坂柳が元々の立案者―――を提示する坂柳に対して椎名、一之瀬、堀北が各クラスそれぞれの代表として対応する形でグループ作成が行われ、最終的に坂柳の案が採用されたが、BCDクラスのグループはリスク分散のため均等に各クラスの生徒を入れることを選択。その際、椎名は比較的温厚な生徒の集まるグループに佐倉を意図的に配属させ保険として伊吹も一緒にしたのが真相である。

 

 

―――そうして愛里と楽しく話をすれば、時間はあっという間に過ぎ去り夕食時間が終了した。

 

 

 

 

 

 

「……恋人同士ってのは知ってたけど、予想以上に仲が良いな」

 

「あれでも普段より抑えてる感じだけどな。なぁ、アルベルト」

 

「YES」

 

「マジか……」

 

「恋人同士ならあれくらいは普通じゃないのか?」

 

「綾小路。あの2人の仲は恋人の中でもかなり特別だと思うぞ」

 

 

―――少し離れた席で、龍園を除くグループの面々が虎城と佐倉の話で盛り上がり仲が深まったのだが、話題の当人達は知る由もないことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――混合合宿3日目。

 

私―――佐倉愛里は優くんと一緒に夕食を共にした後、共同部屋に戻る前にトイレに行こうと1人廊下を歩いていた。

 

(バスの中で特別試験のことを聞いた時は少し不安だったけど、グループの人達は優しい人ばかりでよかった)

 

『スピーチ』や『ランニング』といった苦手な授業が多い中で共同生活する人達が良い人ばかりなのは幸運だと思い、グループを決めてくれたひよりちゃんに後で改めてお礼を言おうと心の中で決めていると、ふと少し先の校舎の隅に目がいった。

 

(あ……あの校舎の陰の部分、背景に良さそう)

 

グラビアアイドルを始めてから、景色が良い場所や素敵な服を見ると自然と撮影に紐付けるようになっていた。校舎を見て回った際も、撮影場所として魅力的な箇所があるとついつい目で追ってどういうシチュエーションで撮影するか考えてしまう。

 

(古い木造の校舎だから、色が黒めの制服とか着て……でも逆に私服っていうのもありかな)

 

トイレに行く前のちょっとした寄り道。そんな気持ちで校舎の隅に向かい―――

 

 

 

 

 

 

 

「―――えっ」

 

「……っ!」

 

 

 

 

 

―――その陰で目元を赤くし座り込んでいる上級生の先輩―――橘茜先輩と鉢合わせてしまった。

 

 

 




読んで頂きありがとうございます!
いよいよ本格始動した混合合宿、原作とかなり変化した中で一体何が起こっていくのか……

次回もお楽しみに!

【参考】特別試験のルール改変は―――

  • 堀北、ちょっと黙れよ(改変NG)
  • クラスポイント報酬・損害の増減のみ
  • ルールの一部削除、又は追加
  • 俺は許すぜ、真鍋(改変OK)
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