ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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お待たせしました!
今回からオリジナル章に突入しますが、恐らく自分含め皆様が待っていた章になると思います!


1年生 3学期:■■潰し
Episode 41 蠢く悪意


 

 

 

 

 

―――時は、混合合宿3日目の夕方に遡る。

 

 

 

 

「おや?これは奇遇ですね―――佐倉愛里さん」

 

女子生徒に割り当てられている分棟の出入り口。そこで私―――佐倉愛里はAクラスの坂柳さんと偶然対峙していた。

 

「あ、えっと、坂柳さん……?」

 

「えぇ、そうです。佐倉さんとは夏休みに一度、プールでお会いしましたね」

 

柔和な笑みを浮かべ話し掛けてくる坂柳さんの目を見て、私は身体を強張らせた。多少改善されたとはいえ私が人見知りであることも身体が強張っている要因であるが、それとは別に私を見つめる坂柳さんの瞳に何か言いようの無い恐怖を感じたからだ。

 

「Bクラスの快進撃は凄まじいですね。今回の結果次第では、私達Aクラスと入れ替わる程に迫っていますから」

 

そんな私を他所に坂柳さんは話を続けてくる。

 

「クラスのリーダーである龍園くんは言わずもがなですが……貴方の恋人である虎城くんが優秀であることも大きいのでしょうね」

 

「えっと……ありがとうござい、ます?」

 

優くんを褒められて思わずお礼を返してしまった。プールでの勧誘から坂柳さんが優くんを評価しているのは分かっていたけれど、まだ諦めていないのかと警戒してしまう。

 

「安心してください。もう虎城くんを引き抜こうとは考えていません。虎城くんを引き抜くなら、佐倉さんも移動させないといけないでしょうからね。Bクラスなら兎も角、Aクラスで4000万ものプライベートポイントは流石に捻出出来ませんので」

 

坂柳さんのその言葉に私は少し安心し―――

 

 

 

 

 

「ただ、引き抜きを考えだした時から1つ疑問に思ったことがあるんです。

 

 

 

 

 

 

……何故(・・)虎城くんは(・・・・・)入学時(・・・)C()クラス配属(・・・・・)だったのか(・・・・・)、と」

 

 

 

―――続けられた言葉に、私は息を呑んだ。

 

「虎城くんは学力も高く運動神経も平均以上で、皆から慕われるような模範的な優等生です。そんな彼が入学時Cクラス配属はおかしいと思いまして。この事に関しては、葛城くんや一之瀬さんも同じ意見でした」

 

坂柳さん達の疑問。それは入学して間もない頃、優くんから学校のシステムを聞いた私が抱いた疑問と同じであり、私だから辿り着いた真実。私が引き金となったあの出来事(・・・・・)により、優くんはCクラスに配属されたのだと、分かってしまった。

 

「学校の基準も、あまり当てにはならないという事でしょうかね。……佐倉さん?顔色が悪いように見えますが、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です。少し疲れただけ、なので……」

 

挙げられた事実(優くんの良さ)が、鎖となって私の心臓を締め付けるように感じ、息がし辛い。心配してくれる坂柳さんに大丈夫だと伝え、何とか息を整える。そうして息を整え終わった所で、私と坂柳さんの間に澪ちゃんが割って入ったことで半ば強制的に坂柳さんとの会話は終わった。

 

 

 

 

 

―――私の心に、罪悪感(小さな棘)を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――混合合宿が終わり、再び高度育成高等学校へと戻った2月上旬。1年Aクラスの坂柳有栖は生徒会室に居た。

 

「混合合宿では、随分と手痛い目にあったとお聞きしましたよ。南雲生徒会長」

 

挑発とも取れる言葉に、この部屋の主と言える生徒会長である2年Aクラスの南雲雅は笑ってみせた。

 

「在学中に勝てなかったのは残念だが、堀北先輩が俺の想像以上だったってだけだ。敗北の代償も立て直しに少し時間が掛かるだけさ」

 

3年Bクラスに作戦を提案した際に譲渡した2000万プライベートポイントは、2年の全生徒から集めたもので生徒一人一人の損害は軽微。敗北したことで多少不満は出ているが、一度掌握している南雲にとって立て直しは難しいことではなかった。

 

「それで、わざわざ人払いまでさせて今日はどんな要件だ?」

 

「以前お聞きした『情報』について確信を持てましたので、攻撃を仕掛けようと思います」

 

「そうか。俺がお前に渡した『情報』はかなり有用だったようだな」

 

坂柳の宣言に、南雲は面白いものを見るかのように再び笑みを浮かべた。

 

「えぇ、とても。ただ、今日はその攻撃で生徒会に面倒をかけてしまう事になるかもしれませんので、前もって連絡しておこうかと」

 

笑みを浮かべてそう告げる坂柳の目的―――この件で生徒会は手を出すなと警告していることを南雲は察していた。

 

「いいぜ、その心遣いに免じて生徒会側として()黙認してやる」

 

「お心遣い、ありがとうございます」

 

生徒会側としても、南雲個人としても黙認する言質を取った坂柳は笑顔で生徒会室を後にした。

 

 

 

 

 

「今は、精々1年同士の勝負を楽しませてもらうとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月曜日の朝。俺―――虎城優斗はいつもの目覚まし時計の音ではなく、部屋に響く物音で目を覚ました。

 

「……ん?」

 

上半身を起こし音のする方に寝ぼけ眼を向けると、そこには制服の上からエプロンを着け台所に立つ愛里の姿があった。

 

「あ、優くん。おはよう」

 

「……うん。おはよう、愛里」

 

「もうすぐ朝御飯出来るから、もう少し待っててね」

 

そう言って笑顔を見せた後にフライパンに視線を戻す愛里。余りに理想的なシチュエーションに、朝に弱い俺でも頭が完全に覚醒したのは言うまでも無いだろう。ベッドから出てテーブルを見れば、既にご飯と味噌汁が2人分用意されていたのでその片方に座る。暫くして、目玉焼きとウインナーが盛られた皿を愛里が持ってきてくれて、2人で一緒に愛里の作った朝食を食べた。

 

「ありがとう、愛里。美味しかったよ」

 

「うん、どういたしまして」

 

朝食のお礼を伝えた後、愛里に後ろを向いてもらい自分も制服に着替えてから朝起きて聞こうと思っていた疑問を聞くことにした。

 

「なぁ、愛里。俺は朝食を一緒に食べれて嬉しいから良いんだけど、何かあった?」

 

「えっと……今日はたまたま早起きしたから、折角なら優くんと一緒にって思って」

 

いつもであれば寮のエントランスで落ち合ってから一緒に登校しているため、朝に愛里が部屋を訪ねること―――更には朝食まで作っていること―――は珍しいことだったので聞くと、頬を赤らめた愛里から何とも嬉しい回答が返ってきたため自然と頬が緩んでしまう。

 

「……そっか、うん。俺も愛里と一緒で嬉しいよ」

 

「んっ……優くん」

 

そうして何度か愛里とキスをした後、いつものように2人で登校する。

 

 

 

 

 

 

 

―――学校の電子掲示板が更新されていることに気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優くんが教室に行く前にトイレに寄ってから行くとのことで、教室に向かう廊下を私―――佐倉愛里は珍しく1人で歩き、教室の前まで辿り着いた。

 

(?教室の中が騒がしい…?)

 

そうして扉を開けようとした所で、教室内から人の話し声がかなりの数聞こえてくることに気付く。

 

(何かあったのかな?)

 

そう思いながら扉を開けると、教室にいた皆の視線が私に集中したため思わず後退りしてしまった。

 

「佐倉っ!」

 

その中で真鍋さんが悲痛な表情で駆け寄ってくる。その後を追うように、澪ちゃんやひよりちゃんも近付いてきた。

 

「佐倉、大丈夫?」

 

「え?えっと、何が?」

 

真鍋さんが私を心配するように声を掛けてくれるのだが、心当たりがない私は何が何だか分からずにいた。

 

「愛里さん。これが……」

 

眉を顰め険しい表情を浮かべたひよりちゃんが自身の携帯端末を見せてくる。そこには学校の電子掲示板が表示されて―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【虎城優斗は犯罪事件に関与しており、その原因は佐倉愛里である】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぇ?」

 

 

 

 

 

 

―――恐怖とは、まさしく過去からやってくる。

 

 

 




次回予告

綾小路「坂柳がついに動き出したな」

ひより「そうですね。弱点をつく的確な策だと思います」

綾小路「……ひより。顔が笑ってないぞ」

ひより「策としては理解出来ます。……ですが、大切な友人が傷付けられて平然としていられるほど、私は器用ではなかったみたいです」

綾小路「……そうか」

ひより「清隆くんは、どうなんですか?」

綾小路「オレは―――」

ひより「次回『Episode 42 眠れる虎の目覚め』」

綾小路「オレは、オレの勝利(友人達)のために動くだけだ」

【参考】今回よう実3期風の次回予告をやってみたのですが、どうでしょうか?

  • 今後も是非やって欲しい!
  • 別に要らないかな…
  • そんな事より愛里可愛いっ!!
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