ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します!

2ヶ月も空いてしまい申し訳ありません!(土下座)
前に話していた仕事関係でまたゴタゴタしてまして……
更新は少し遅くなりそうですが、執筆は続けていこうと思っていますので今後もよろしくお願いします!

それでは、どうぞ!



Episode 44 敗者はいつも手遅れになってから自分の惨状を振り返って後悔する

 

 

 

 

 

 

 

掲示板への書き込みから1週間が経過した月曜日。私―――坂柳有栖はいつも通り真澄さんを連れて登校する中、今回の件について思考を巡らせていた。

 

(想定通り、佐倉さんの傷は深そうですね)

 

夏休みの特別試験が行われる間、先天性疾患のため1人学校に残った私は南雲生徒会長とのコネクション作りを行った。その際の雑談交じりに南雲会長から、Bクラスの虎城さんが龍園翔と同じ危険人物のため注意するように教員から通達されたことを教えてくれたのだ。

 

 

 

 

『龍園くんだけでなく、虎城くんもですか?』

 

『あぁ。だからこそ、問題児として通達された奴等のクラスが1ヶ月でBクラスへの昇格には驚いた。だが通達があった以上、虎城には確実に何かある。それこそ警察沙汰のような決定的な奴がな』

 

 

 

 

(最初の1ヶ月でクラス昇格に貢献し、その後も成果を上げている虎城くんが能力面で劣っているとは考え難い。となると、入学前に何か問題があったということ……)

 

そうして情報を集め始め、すぐに彼女―――佐倉愛里に目をつけた。派閥の立て直しや、殆ど虎城くんや友人達と一緒にいたために中々接触の機会に恵まれなかったが、混合合宿という丁度良い機会が訪れた。

 

(幼馴染で恋人である彼女であれば何か知っていると思いましたが、想像以上の当たりでしたね)

 

虎城くんが入学時Cクラスであることを出しただけで取り乱した彼女を見て当たりであると確信し、混合合宿後に学生が2名関与している事件を調べた結果あっさりと見つかった。

 

(1年前に起こった傷害事件。被害者は中学3年生の男子生徒であり、加害者は男子生徒と一緒にいた女子生徒を狙って犯行に及んだと供述。尚、被害者の男子生徒からの過剰とも取れる正当防衛により加害者は刺された被害者よりも酷い有様だった、と)

 

この事件の被害者が虎城くんであり、この時の過剰防衛がCクラス配属の理由であると私は確信した。

 

(虎城くんを攻撃する種としては無害と言っていいでしょう。―――しかし、佐倉さんにとっては耐え難い毒に成り得る)

 

2年Dクラスの先輩にプライベートポイントを支払い、敢えて言葉を最小限にし事実部分の内容のみを掲示板に書き込んで貰った。結果は佐倉さんが保健室に運ばれ、その後に早退したことを聞けば明らかだ。

 

(このまま佐倉さんが潰れて龍園くん達が大きく弱体化しても構いません。―――ですが、出来れば()に介入してきて欲しいものです)

 

虎城くんについて情報収集した際に、別クラスの友人として上がった1つの名前―――綾小路清隆。私が打倒しなくてはならない偽りの天才の名前がそこに存在していた。

 

(ここまで早く再会することになったのは驚きましたが、嬉しい誤算というものです。この掲示板の件が終われば、対決に向けての準備を始めないといけませんね)

 

 

 

 

 

 

―――この時、坂柳有栖の意識は完全に綾小路清隆へと向いており、掲示板の件は謂わばメインディッシュへの足掛かり(前菜)程度の認識しかしていなかった。

 

 

―――この認識の違いが、致命的であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(……おや?)

 

多くの生徒が登校する中、校舎の入口前に立つ真嶋先生に私は違和感を覚える。

 

「おはようございます、真嶋先生。どうかされたのですか?」

 

「……おはよう、坂柳。急だが、私についてきなさい」

 

そう言って校舎の中に入っていく真嶋先生の様子を見て、感じていた違和感が更に大きくなる。真澄さんには先に教室に行くように言ってから真嶋先生に追従する。

 

 

―――そうして辿り着いたのは、理事長室だった。

 

 

「……入りなさい」

 

真嶋先生の言葉に従って、理事長室の扉を開く。そこには見知らぬ男性と1年Bクラスの担任である坂上先生、そして―――

 

 

 

「おはよう。坂柳さん」

 

 

 

笑みを浮かべる(・・・・・・・)虎城優斗が佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室にやって来た坂柳を見て俺―――虎城優斗は心にも無い笑顔を浮かべて声をかけた。

 

「おはようございます、虎城くん。貴方が私を呼び出したということでしょうか?」

 

「違いますよ、坂柳さん。貴女を此処に呼び出したのは私です。虎城くんは見届け人みたいなものですね」

 

俺の隣に立っていた男はそう言って一歩前に出る。

 

「はじめまして。本日からこの学園の理事長代理に就任した月城と言います」

 

柔和な笑みを浮かべた男―――月城理事長代理は坂柳に向かって自己紹介を行った。原作での登場はもう少し先であるが、既に学校に来ていたようで今回の件を教師に伝えた結果、彼が色々と手配してくれたらしい。

 

(月城の立場を考えれば、月城自身にも利があるからってことだろうな)

 

綾小路の件で恐らく敵対することはほぼ確定している人物だが、今回は利害の一致ということで味方と考えて良いと結論付けた。

 

「理事長代理?」

 

「えぇ。元理事長―――貴女の父親でもある坂柳成守さんは、本日より謹慎処分を受けていますので」

 

月城の言葉に坂柳が僅かに眉を顰めた。

 

「さて。早速ではありますが、貴女を此処に呼び出した件についてお話しましょうか。

 

 

 

 

 

―――坂柳有栖さん。貴女には佐倉愛里さんへの名誉毀損の容疑がかかっています」

 

 

 

「…っ」

 

月城の言葉に息を呑んで目を見開く坂柳を気にせず、月城は更に言葉を続ける。

 

「貴女が2年生の男子生徒を利用し掲示板に書き込ませた事は、件の男子生徒への聞き取りとプライベートポイントの移行履歴から把握しています。国が運営する名門校の理事長の娘が犯罪行為をするとは、実に嘆かわしい事です」

 

「……犯罪行為とは、些か事態を誇張し過ぎではありませんか?学校の掲示板という狭いコミュニティに書き込まれたコメントの1つであって、他の書き込みの方が具体的且つ攻撃的ではないでしょうか?」

 

坂柳の言う通り、掲示板には大なり小なりそういった陰口や噂が書き込まれているのは確かだ。だが、そうだとしても愛里への誹謗中傷(この件)に関しては既に勝敗が(・・・・・)決している(・・・・・)

 

「……どうやら、貴女は事の重大さをまだ分かっていない様ですね。坂上先生、アレ(・・)を」

 

月城に声をかけられた坂上先生は、机に置かれていた紙束を持って月城の隣に移動した。

 

「これは虎城くんから学校側に提出された、1年生の生徒達からの署名です。掲示板にて佐倉愛里さんに誹謗中傷を行った生徒を特定し厳罰に処すことを望むといった内容で、署名人数は129人と1年生の8割を超えています。勿論、佐倉愛里さんからの被害届もあります」

 

「っ!」

 

「今回の件は先程貴女が上げた陰口とは違います。誹謗中傷―――つまり、社会的評価を下げる悪質なものであると生徒達は危機感を持ち処罰するよう学校に訴えるために署名に至ったのだと、学校側は判断しました」

 

流石に予想外だったのか坂柳の顔に動揺が見えた。これが1つ目の策である坂柳に(・・・)対しての(・・・・)署名活動である。被害者である愛里が被害届けを提出し、更に殆どの1年生が処罰を求めたのであれば学校側も動かざるを得ないという訳だ。

 

「無論、貴女に情報を流した南雲生徒会長にも罰を考えていますが、彼には生徒達から生徒会長(・・・・)辞任を要求(・・・・・)する署名(・・・・)が提出されましたので、そちらが処理されてからになりますね」

 

2つ目の策である南雲に(・・・)対しての(・・・・)署名活動により南雲も既に奈落へと堕ちている最中であり、坂柳を助ける者は誰もいない。

 

「坂柳さん。ここまで言われて、まだみっともなく反論するつもりかな?それとも、まだ状況を理解出来ない?」

 

「虎城、優斗っ…!」

 

俺の皮肉たっぷりの言葉を受けて、坂柳は鋭く睨みつけた。

 

 

 

 

 




次回予告

伊吹「ははっ!坂柳の悔しそうな顔、最高だわ」

石崎「虎城さんと佐倉さんにあれだけの事したんだからな。良い気味だぜ!」

伊吹「そういえば、生徒会長の方ってどうなってるわけ?」

石崎「あぁ。そっちは綾小路が虎城さんに頼まれて何か仕込んだって聞いたから、大丈夫だろ」

伊吹「次回『Episode 45 愛にはたった1つの決まりしかない。それは愛する者を幸福に導くことだ』」

石崎「虎城さんと佐倉さんなら絶対大丈夫だぜ!」

【参考】今回よう実3期風の次回予告をやってみたのですが、どうでしょうか?

  • 今後も是非やって欲しい!
  • 別に要らないかな…
  • そんな事より愛里可愛いっ!!
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