ようこそグラドル幼馴染みがいる教室へ   作:nightマンサー

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自分でも驚く程にやる気がむんむん湧いてきてて、めちゃくちゃ早く書き上げれました!(某ジョジョの固定の人
これもいつも感想・評価を沢山頂けているお陰です!本当にありがとうございます!

それでは、どうぞ!


Episode 46.5 独白Ⅳ

 

 

 

 

 

 

 

自分しかいない理事長室で椅子に座りながら、私―――月城常成は1つ息を吐き出した。

 

「予想していたよりも、有意義な時間を過ごせそうですね」

 

坂柳有栖(あの小娘)は綾小路清隆を退学に追い込むという私の提案を受け入れたが、あの自尊心の塊のような小娘が実際には従わないことは明白だ。

 

(まぁ、それで良い(・・・・・)のですがね(・・・・・)

 

綾小路篤臣から息子である綾小路清隆を退学へと追い込むように指示を受けているが、退学者を出すには現在の1年生の状況はかなり厄介なことになっていた。

 

(夏休みに実施された特別試験の報酬により、1年生の各クラスが大量のプライベートポイントを保有している。彼が唯一プライベートポイントが退学者救済分に足りていないDクラス所属で本当に良かった)

 

急遽執り行う次の特別試験で、綾小路篤臣にはしっかり綾小路清隆を退学にしようと行動している意思表示を。更に、この高度育成高等学校の設立を推進した現総理大臣である鬼島に対しても、1年生が大量に抱え込んだプライベートポイントを消費させるという口当たりの良い理由が使える。

 

(私としては、ホワイトルームの最高傑作(綾小路清隆)を長く見ていたいと思っているのでね)

 

現総理大臣である鬼島の功績の1つである高度育成高等学校。その政治的対抗手段として鬼島の敵対派閥に所属していた政治家である綾小路篤臣がホワイトルーム(馬鹿げた恐ろしいもの)を運営することになった。悪事に手を染めながらホワイトルームを運営していた篤臣は最終的に派閥から切り捨てられ政治家を辞めるまで至ったが、そんなホワイトルームにより生まれたのが綾小路清隆()だ。

 

(1年生の現状や今回の件(掲示板事件)によって、この高度育成高等学校(閉じた箱庭)は変化を受け入れやすい環境にある。文化祭といった外部干渉する行事も今なら容易く通るでしょう。

 

 

 

 

―――様々な分野から、君を見定めさせてもらうと致しましょう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――掲示板事件が解決した日の放課後。

 

オレ―――綾小路清隆は、とある人物に会うためにカフェを訪れていた。

 

(取り敢えず、居る可能性が1番高いカフェに来てみたが……)

 

特に約束等をしていないため、居そうな場所を手当たり次第に探そうと思って最初に来たカフェだったが、1カ所女性の人集りが出来ており、その中心に見覚えのある金髪(・・)が見えたのでどうやら一発で当たりを引いたようだ。ゆっくりとその集団に近付き、目的の人物へ声をかける。

 

 

 

「此処に居たんだな、高円寺(・・・)

 

「おやおや。誰かと思えば、綾小路ボーイじゃないか」

 

 

 

上級生の女子生徒達に囲まれ接待を受けているクラスメイト―――高円寺六助が、オレの探し人である。

 

「私に用があるなら、悪いが後にしてくれるかな?今はレディー達の相手で忙しいのでねえ」

 

「それなら心配要らない。一言お礼を言いに来ただけだからな。高円寺に手伝ってもらえて助かった」

 

「はっはっは!礼は不要さ。あれは私にとっても看過できない内容だったからねえ」

 

「……そうか」

 

今回の件(・・・・)の解決(・・・)の立役者(・・・・)の1人(・・・)だというのに(・・・・・・)数日前に(・・・・)接触した(・・・・)時と(・・)変わらない(・・・・・)高円寺の様子を見て逆に彼らしいと感心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――時は、虎城から南雲の黒い噂について調査を依頼されてから3日が経過した時に遡る。

 

(ある程度の情報収集は出来た。だが、これは思ったよりも大事だな)

 

虎城から受けた南雲の黒い噂について、情報収集をする内に見えてきた1つの実態。南雲は自身を慕う女子生徒達を子飼いの男子生徒に宛てがっている―――つまり、女子生徒に春を売るように強制していた可能性が高い。

 

(狡猾で理に適った策だ。破るには、当事者から話を聞き出す他にない上に簡単には話さないだろう)

 

南雲は今や生徒会長であり、その支配は自分の学年だけに留まらず他学年や教職員にも深く伸びている程だ。もはや一介の(・・・)生徒では(・・・・)太刀打ち出来るような相手ではなくなっている。それこそ、警察のような安心出来る組織が後ろに付いていなければ―――

 

 

「―――いや、1人いるな」

 

この学校内で考えれば、他を寄せ付けない程に強力な後ろ盾を持っている人物。

 

「……動いてくれるか分からないが、声を掛けてみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「綾小路ボーイが私を訪ねてくるとは、珍しいこともあるねえ」

 

―――ケヤキモールに存在するカフェの一角にて、オレは高円寺と対峙していた。

唯我独尊の体現者である高円寺の動きは予測が難しい上に連絡も取りづらい。そのため、よく利用しているカフェに張り込みをしたのだが、運良く接触することが出来た。

 

「それで?わざわざ待ち伏せまでして、私に何か用かな?」

 

「……手を貸して欲しい。誰でもない、高円寺にしか頼めないことだ」

 

日本有数の資産家である【高円寺コンツェルン】。その跡取りである高円寺であれば、学校内だけでの権力を持つ(井の中の蛙である)南雲や教職員達とは比べ物にならない後ろ盾として生徒には映るだろう。

 

「そう頼られて悪い気はしないが、私も多忙なのでねえ。悪いが他を当たってくれ給え」

 

そう言って席を立ちこの場から去ろうとする高円寺について考える。これまでの高円寺の言動や行動、どうすれば手を貸すように動いてもらえるか思案する中で以前虎城と会話した内容を思い出した。

 

 

 

 

『Dクラスで厄介といえば、高円寺もヤバイんだよなぁ』

 

『高円寺の身体能力と頭脳はズバ抜けているからな』

 

『高円寺が本気出してDクラスに貢献したりしたら、確実に1番厄介な存在になると思ってるよ』

 

『……同じクラスだが、高円寺がクラスに貢献してるイメージは全く出来ないな』

 

『綾小路の言う通り、自分で言っといて何だけど俺も想像出来ないな。唯我独尊が擬人化したみたいな奴だし。正直、高円寺みたいな奴が俺にとっては1番苦手だよ。ただ、アイツの行動原理(・・・・)は割と分かりやすい方かな』

 

行動原理(・・・・)?』

 

『あぁ、高円寺は―――』

 

 

 

 

 

 

 

「―――女性が(・・・)泣いて(・・・)るんだ(・・・)それを(・・・)見過ごすのは(・・・・・・)美しく(・・・)ないんじゃ(・・・・・)ないか(・・・)?」

 

 

 

 

 

オレの言葉を聞いた高円寺は、立ち止まった。

数秒の沈黙、それを破ったのは高円寺の高笑いだった。

 

 

「はっはっは!Excellent!まさか綾小路ボーイからそんな言葉が出てくるとはねえ!」

 

そうして高円寺は―――

 

 

 

席に座り直した(・・・・・・・)

 

 

「良いだろう、綾小路ボーイ。話を聞こうじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高円寺が協力してくれた結果、たった2日という短期間で被害女性から証言を得ることに成功し南雲を追い込むことが出来た。高円寺の規格外さを改めて実感させられもしたが、今は問題が解決出来たことを喜ぶべきだろう。

 

「用件はそれだけだ。邪魔したな」

 

「おお、そうだ。綾小路ボーイに1つ言おうとした事を思い出したよ」

 

礼を済ませてカフェを後にしようと歩き出した時、後ろから高円寺に声を掛けられた。

 

 

 

 

 

 

「あの言葉を君に言わせたタイガー(・・・・)ボーイ(・・・)との縁は大切にすると良い」

 

「……言われるまでもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「突然呼び出して悪いな、綾小路」

 

―――次の日の放課後。

指定された人目に付きにくい場所で待っていたオレに、虎城が声をかけながら駆け足気味で近付いてくる。

 

「問題ない。今回の件、無事に解決してよかった」

 

「あぁ、呼び出したのもその件でな。改めて、ありがとな綾小路」

 

「気にしないでくれ」

 

わざわざ直接会ってお礼を言ってくる虎城の律儀さに、再び感心しつつ返事する。

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、俺が気にするんだよ。もし明日何も予定が無ければ、夕飯一緒しないか?本当は今日がいいかと思ったんだけど、愛里が復調したんで今日はクラスの皆と遊びに行くことになってな」

 

「なるほど、分かった。明日は予定を空けておく」

 

「頼む。それじゃ、また明日」

 

そうして明日の予定を立て別れようとしたタイミングで、昨日高円寺に言われたことを思い出した。

 

「―――虎城。1ついいか?」

 

「ん、なんだ?」

 

 

 

 

 

「虎城のことだが……名前で呼んでもいいか?勿論、オレのことも名前で呼んでくれて構わない。嫌であれば、遠慮なく言ってくれ」

 

 

 

 

オレの言葉に虎城は視線を向けながら暫し放心したように動きを止めていたが、直ぐに笑顔を向けてきた。

 

 

 

「全然良いよ。また明日な、清隆(・・)

 

「っ!……あぁ。また明日、優斗(・・)

 

 

 

 

 





次回予告

真嶋智也「坂上先生。この度は、私の担当クラスの生徒が多大なご迷惑をお掛けして申しありません」

坂上数馬「全くです。今年のAクラスは優秀だと思っていましたが、まさかこんな問題児が混ざっているとは」

星之宮知恵「まぁ、どのクラスも問題ある生徒がいない訳ではないからね。ま、Dクラス程ではないと思うけど」

茶柱佐枝「知恵、軽口もそれくらいにしろ。急遽実施することになった特別試験の準備もあるのだからな」

真嶋智也「次回『Episode 47 破滅への序曲(オーヴァーチュア)』」

坂上数馬「では、行きましょうか」

【参考】短めの小話(日常の一部切り取り的な話や入学時別クラスの番外編等)って需要ある?

  • 読んでみたい!
  • 本編の執筆に影響がなければOK!
  • それより本編を進めるんだよぉ!
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